[徹底解説]第二種 電気工事士試験の CBT 方式
要旨
- CBT 方式は,パソコンを用いて行う試験方式
- 受験者が CBT 試験の実施時間,場所を選択でき,利便性が向上
CBT 方式とは
令和5年度に実施する第二種電気工事士試験から,これまでの筆記試験に加えて,パソコンを用いて行う CBT (Computer Based Testing) 方式が導入される。
筆記試験では,問題用紙とマークシートを用いて行う試験方式であったが,CBT 方式はパソコンを用いて行われる試験方式である。受験者はコンピュータに表示された試験問題に対して,マウスやキーボードを用いて解答する。
CBT 方式導入の目的
CBT 方式導入により,受験者が CBT 試験の実施時間,場所を選択できるようになる。筆記試験は日曜日に行われていたが,CBT 試験は平日・土曜日にも受験できるようになり,受験者の受験機会が拡大する。
曜日,時間を選択して受験可能
CBT 方式での開催期間内で,曜日,時間を選択して受験できる。なお,令和5年度の電気工事士試験 CBT 方式の実施期間は次表のとおり。
種別 | 実施期間 |
---|---|
上期 | 4月24日(月)~5月11日(木) 済 |
下期 | 9月25日(月)~10月12日(木) |
会場の選択が可能
試験会場は,全国に約 200 箇所が予定されており,その中から選択できる。
試験日の 3 日前まで試験会場及び試験日時の変更が可能
CBT 方式は,試験日の 3 日前まで試験会場及び試験日時の変更が可能である。ただし,試験会場の状況によっては,希望の日時を選択できない場合や,CBT 方式を選択できない場合がある。
試験方法
以下の科目と範囲から出題される一般問題,配線図問題に四肢択一方式で解答する。CBT 方式では,問題用紙やマークシートの代わりに試験会場に準備されたパソコン画面上で試験を行う。
CBT 方式で受験する場合の注意事項
申込時の注意
令和5年度 第二種電気工事士試験(国家試験)受験案内 [上期受験者用]に記載されている「受験申込み方法の注意」のうち,CBT 方式で申し込む場合の注意を抜粋した。
- CBT 方式で受験する場合,試験当日にテストセンターにて顔写真付きの身分証明書による本人確認が行われる。顔写真付きの身分証明書を提示できない場合,受験できない。
- CBT 方式では,試験問題は非公開となり,持ち帰りはできない。また,会場で貸出されたメモ用紙は回収される。
- 試験終了後,画面には設問に対する正答数が表示されるが,合否は表示されない。
- CBT 方式の試験会場において,指定の持ち込み可能物(会場貸出のボールペン(黒 一色)およびメモ用紙)以外の持ち込みはできない。
受験上の注意
令和5年度 第二種電気工事士試験(国家試験)受験案内 [上期受験者用]に記載されている「受験申込み方法の注意」のうち,CBT 方式での受験上注意を抜粋した。
- 予約試験日の前日に届くメール又はマイページにて,会場及び試験開始時間を確認し,試験会場へ向かう。
※CBT 方式では,受験票は届かない。 - 会場へは,予約した試験開始時刻の 5 ~ 30 分前に到着する。(30 分より前に到着しても,会場が開いていないことや入場を断られる場合がある。)
※遅刻した場合,予約した試験開始時刻から 30 分後までに会場受付をしないと受験できない。 - 来場の際,試験受付にて本人確認及びログインシート(登録写真等の照合)の授受を行う。(写真付き身分証明書(運転免許証・マイナンバーカード等)を提示する必要があるため,事前に準備する。なお,試験当日,写真付き身分証明書を持参しない場合,受験することができない。
- 受付後,携帯電話や上着などの手荷物を全て指定のロッカー等に預ける。
- 試験中に利用できる会場貸出のボールペン(黒)とメモ用紙を受け取り,試験室へ入室する。
- 着席後,パソコン画面上の流れに沿って,ログインシートに記載されている ID とパスワードを入力し,受験を開始する。(試験内容に関する質問には一切答えてもらえない。)
- 試験終了後,確認画面が表示されたら,受験レポート(試験終了書等)を印刷する。
- 受験レポートを受取り,試験完了となる。(会場で借りた物は,返却する。)
CBT 方式の試験会場で使用できる用具及び持参する物
- 会場貸出のボールペン(黒 一色)及びメモ用紙
- 写真付き身分証明書(持参必須)
マイナンバーカード,運転免許書など
CBT 方式では,会場のロッカーにて,持参のカバン・スマートフォン・筆記用具・時計・上着などの私物をしまっておく。試験室への持ち込みは一切できない。
試験問題及び標準解答の公表
CBT 方式では,試験問題・解答の公表はない(非公開)。そのため,筆記試験のような,HP 上で公表する解答からの自己採点に代えて,CBT 方式では,試験終了後に正答数を確認することができる。また,マイページ上からも正答数が確認できる。
参考文献
- 一般社団法人 電気技術者試験センター,「電気工事士試験における CBT 方式の導入について」,2022年12月1日
- 一般社団法人 電気技術者試験センター,「令和3年度CBTによるパイロットテスト(模擬試験)の申込受付開始について」,2021年8月2日
- 一般社団法人 電気技術者試験センター,「第二種電気工事士試験「学科試験のポイント」」,2023年5月24日確認
- 一般社団法人 電気技術者試験センター,「令和5年度 第二種電気工事士試験(国家試験)受験案内 [上期受験者用]」,2023年5月24日確認