[徹底解説]第二種 電気工事士 学科試験の CBT 方式

2023年1月23日作成,2024年1月3日更新

要旨

電気工事士 学科試験の歳には,試験会場,試験日時が選択・変更可能な CBT 方式がお勧め

  • CBT 方式は,パソコンを用いて行う学科試験の方式
  • 受験者が CBT 試験の実施時間,場所を選択でき,利便性が向上

CBT 方式とは

令和5年度に実施する第二種電気工事士 学科試験から,これまでの筆記方式に加えて,パソコンを用いて行う CBT (Computer Based Testing) 方式が導入される。

学科試験では,問題用紙とマークシートを用いて行う試験方式(筆記方式)であったが,CBT 方式はパソコンを用いて行われる試験方式である。受験者はコンピュータに表示された試験問題に対して,マウスやキーボードを用いて解答する。

CBT 方式導入の目的

CBT 方式導入により,受験者が CBT 試験の実施時間,場所を選択できるようになる。筆記試験は日曜日に行われていたが,CBT 試験は平日・土曜日にも受験できるようになり,受験者の受験機会が拡大する。

曜日,時間を選択して受験可能

CBT 方式での開催期間内で,曜日,時間を選択して受験できる。なお,電気工事士試験 CBT 方式の実施期間は次表のとおり。

表 令和6年度電気工事士試験 CBT 方式の実施期間
種別 実施期間
上期 令和6年4月22日(月)~5月9日(木)(18 日間)
下期 令和6年9月20日(金)~10月7日(月)(18 日間)
表 令和5年度電気工事士試験 CBT 方式の実施期間
種別 実施期間
上期 令和5年4月24日(月)~5月11日(木)(18 日間)
下期 令和5年9月25日(月)~10月12日(木) (18 日間)

会場の選択が可能

試験会場は,全国に約 200 箇所が予定されており,その中から選択できる。

試験日の 3 日前まで試験会場及び試験日時の変更が可能

CBT 方式は,試験日の 3 日前まで試験会場及び試験日時の変更が可能である。ただし,試験会場の状況によっては,希望の日時を選択できない場合や,CBT 方式を選択できない場合がある。

CBT 試験を欠席した場合

CBT 試験を欠席した場合,筆記方式の試験は受験できない。

試験方法

以下の科目と範囲から出題される一般問題,配線図問題に四肢択一方式で解答する。CBT 方式では,問題用紙やマークシートの代わりに試験会場に準備されたパソコン画面上で試験を行う。

CBT 方式で受験する場合の注意事項

申込時の注意

令和5年度 第二種電気工事士試験(国家試験)受験案内 [上期受験者用]に記載されている「受験申込み方法の注意」のうち,CBT 方式で申し込む場合の注意を抜粋した。

  • CBT 方式で受験する場合,試験当日にテストセンターにて顔写真付きの身分証明書による本人確認が行われる。顔写真付きの身分証明書を提示できない場合,受験できない。
  • CBT 方式では,試験問題は非公開となり,持ち帰りはできない。また,会場で貸出されたメモ用紙は回収される。
  • 試験終了後,画面には設問に対する正答数が表示されるが,合否は表示されない。
  • CBT 方式の試験会場において,指定の持ち込み可能物(会場貸出のボールペン(黒 一色)およびメモ用紙)以外の持ち込みはできない。

受験上の注意

令和5年度 第二種電気工事士試験(国家試験)受験案内 [上期受験者用]に記載されている「受験申込み方法の注意」のうち,CBT 方式での受験上注意を抜粋した。

  1. 予約試験日の前日に届くメール又はマイページにて,会場及び試験開始時間を確認し,試験会場へ向かう。
    ※CBT 方式では,受験票は届かない。
  2. 会場へは,予約した試験開始時刻の 5 ~ 30 分前に到着する。(30 分より前に到着しても,会場が開いていないことや入場を断られる場合がある。)
    ※遅刻した場合,予約した試験開始時刻から 30 分後までに会場受付をしないと受験できない。
  3. 来場の際,試験受付にて本人確認及びログインシート(登録写真等の照合)の授受を行う。(写真付き身分証明書(運転免許証・マイナンバーカード等)を提示する必要があるため,事前に準備する。なお,試験当日,写真付き身分証明書を持参しない場合,受験することができない。
  4. 受付後,携帯電話や上着などの手荷物を全て指定のロッカー等に預ける。
  5. 試験中に利用できる会場貸出のボールペン(黒)とメモ用紙を受け取り,試験室へ入室する。
  6. 着席後,パソコン画面上の流れに沿って,ログインシートに記載されている ID とパスワードを入力し,受験を開始する。(試験内容に関する質問には一切答えてもらえない。)
  7. 試験終了後,確認画面が表示されたら,受験レポート(試験終了書等)を印刷する。
  8. 受験レポートを受取り,試験完了となる。(会場で借りた物は,返却する。)

CBT 方式の試験会場で使用できる用具及び持参する物

  • 会場貸出のボールペン(黒 一色)及びメモ用紙
  • 写真付き身分証明書(持参必須)
    マイナンバーカード,運転免許書など

CBT 方式では,会場のロッカーにて,持参のカバン・スマートフォン・筆記用具・時計・上着などの私物をしまっておく。試験室への持ち込みは一切できない。

試験問題及び標準解答の公表

CBT 方式では,試験問題・解答の公表はない(非公開)。そのため,筆記試験のような,HP 上で公表する解答からの自己採点に代えて,CBT 方式では,試験終了後に正答数を確認することができる。また,マイページ上からも正答数が確認できる。

CBT 方式と筆記試験方式の受験者数

令和5年度 上期より学科試験は CBT 方式と筆記方式で行われている。CBT 方式と筆記方式の受験者数を次表に示す。CBT 方式を選択した受験者は 11.7 ~ 14.1 % である。なお,CBT 方式と筆記方式の受験者数は示されているが,合格者数は示されていない。

表 CBT 方式と筆記方式の受験者数
年度 CBT 方式 筆記方式 受験者数
令和5年度 下期 8,980 人(14.1 %) 54,631 人(85.9 %) 63,611 人
令和5年度 上期 8,221 人(11.7 %) 62,193 人(88.3 %) 70,414 人

参考文献

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