令和3年度 下期 午後 第二種電気工事士 筆記試験 解答と解説

2021年10月25日作成,2022年1月3日更新

2021年10月24日(日)午後に実施された令和3年度 下期 電気工事士 筆記試験の解答と解説です。

次の各問いには4通りの答え(イ,ロ,ハ,ニ)が書いてあるので,その中から一つを選択し,解答と解説を表示 をクリックする。

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本問題の計算で $\sqrt{2}$,$\sqrt{3}$ 及び円周率 $\pi$ を使用する場合の数値は次によること。$\sqrt{2}=1.41$,$\sqrt{3}=1.73$,$\pi=3.14$

筆記試験の受験者と合格者
受験者 合格者 合格率
70,135 名 40,464 名 57.7 %

No. 1 電圧計の指示値

図のような回路で,電流計 電流計 の値が 2 A を示した。このときの電圧計 電圧計 の指示値 [V] は。

電圧計の指示値

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【答え】

回路に流れる電流を図示すると,次の図のようになる。

電圧計が接続されている抵抗 4 [Ω] には 8 [A] が流れるので,電圧計の指示値は次式で求められる。

4 [Ω] × 8 [A] = 32 [V]

No. 2 導線の電気抵抗

抵抗率 $\rho$ [Ω·m],直径 $D$ [mm],長さ $L$ [m] の導線の電気抵抗 [Ω] を表す式は。

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【答え】

導電の電気抵抗 $R$ [Ω] は,次式で求められる。

\[ R = \frac{4 \rho L}{\pi D^2} \times 10^6 \]

No. 3 電熱器の発熱量

消費電力が 500 W の電熱器を,1 時間 30 分使用したときの発熱量 [kJ] は。

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【答え】

消費電力が 500 W の電熱器を,1 時間 30 分使用したときの発熱量 [kJ] は,次式で求められる。

500 [W] × 1.5 [h] × 3 600 [s/h] ÷ 1 000 = 2 700 [kJ]

No. 4 単相 200 V の回路に流れる電流

単相 200 V の回路に,消費電力 2.0 kW,力率 80 % の負荷を接続した場合,回路に流れる電流 [A] は。

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【答え】

回路に流れる電流を $I$ [V],負荷の消費電力を P [W],電圧を $V$ [V],力率を $\cos\theta$ とする。

\[ I=\frac{P}{V\cos\theta}=\frac{2000}{200\times0.8}=12.5 \text{ [A]} \]

No. 5 三相 3 線式回路に流れる電流

図のような三相 3 線式回路に流れる電流 $I$ [A] は。

三相 3 線式回路に流れる電流

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【答え】

図のような三相 3 線式回路の相電圧は $200/\sqrt{3}$ [V] であるので,回路に流れる電流 $I$ [A] は,次式で求められる。

\[ I=\frac{200/\sqrt{3}}{10}=11.56 \text{ [A]} \]

No. 6 単相 2 線式回路の電圧降下

図のような単相 2 線式回路において,c-c' 間の電圧が 100 V のとき,a-a' 間の電圧 [V] は。

ただし,$r$ は電線の電気抵抗 [Ω] とする。

単相 2 線式回路の電圧降下

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【答え】

b-c 間,b'-c' 間の電圧降下は,次式で求められる。

2 × 0.1 [Ω] × 10 [A] = 2 [V]

a-b 間,a'-b' 間の電圧降下は,次式で求められる。

2 × 0.1 [Ω] × 15 [A] = 3 [V]

c-c' 間の電圧に,これまで求めた電圧降下を加え,a-a' 間の電圧 [V] を求める。

100 [V] + 2 [V] + 3 [V] = 105 [V]

No. 7 配線の電力損失

図のような単相 3 線式回路において,電線 1 線当たりの電気抵抗が 0.2 Ω,抵抗負荷に流れる電流がともに 10 A のとき,配線の電力損失 [W] は。

配線の電力損失

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【答え】

抵抗負荷に流れる電流がともに 10 A であり,中性線には電流は流れない。よって,配線の電力損失 [W] は,次式で求められる。

2 × 0.2 [Ω] × 10 [A] × 10 [A] = 40 [W]

No. 8 電線 1 本当たりの許容電流

金属管による低圧屋内配線工事で,管内に断面積 3.5 mm2 の 600 V ビニル絶縁電線(軟銅線)3 本を収めて施設した場合,電線 1 本当たりの許容電流 [A] は。

ただし,周囲温度は 30 °C 以下,電流減少係数は 0.70 とする。

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【答え】

断面積 3.5 mm2 の 600 V ビニル絶縁電線(軟銅線)の許容電流は 37 [A],同一管内の電線数 3 以下の電流減少係数は 0.7 である。電線 1 本当たりの許容電流は,次式で求められる。

37 [A] × 0.7 = 25.9 [A]

No. 9 低圧屋内幹線

図のような電熱器 H 1 台と電動機 M 2 台が接続された単相 2 線式の低圧屋内幹線がある。この幹線の太さを決定する根拠となる電流 $I_\text{W}$ [A] と幹線に施設しなければならない過電流遮断器の定格電流を決定する根拠となる電流 $I_\text{B}$ [A] の組合せとして,適切なものは

ただし,需要率は 100 % とする。

低圧屋内幹線

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【答え】

幹線の許容電流 $I_\text{W}$ [A] は,電動機等の定格電流の合計が 50 A 以下の場合は,その定格電流の合計の 1.25 倍に他の電気使用機械器具の定格電流の合計を加えたもの以上となる。

\[ I_\text{W} \ge 1.25 I_\text{M} + I_\text{H} = 1.25 \times (5 + 15) + 5 = 30 \text{ [A]} \]

低圧幹線を保護する過電流遮断器の定格電流 $I_\text{B}$ [A] は,電動機等の定格電流の合計 $I_\text{M}$ の 3 倍に,他の電気使用機械器具の定格電流の合計 $I_\text{H}$ を加えた値以下である

\[ I_\text{B} \le 3 I_\text{M} + I_\text{H} 3 \times (5 + 15) + 5 = 65 \text{ [A]} \]

No. 10 配線用遮断器で保護される分岐回路

定格電流 30 A の配線用遮断器で保護される分岐回路の電線(軟銅線)の太さと,接続できるコンセントの図記号の組合せとして,適切なものは

ただし,コンセントは兼用コンセントではないものとする。

配線用遮断器で保護される分岐回路

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【答え】

分岐回路を保護する過電流遮断器の種類「定格電流が 20 A を超え 30 A 以下のもの」は,軟銅線の太さは直径 2.6 mm,コンセントは定格電流が 20 A 以上 30 A 以下のものである。

上記を満たすのは,である。

No. 11 絶縁ブッシング

金属管工事において,絶縁ブッシングを使用する主な目的は。

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【答え】

金属管工事において,絶縁ブッシングを金属管の端に取り付けて,電線の被覆を保護する(損傷させないようにする)。

No. 12 低圧の地中配線

低圧の地中配線を直接埋設式により施設する場合に使用できるものは

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【答え】

低圧の地中配線では,ケーブルを使用する。

No. 13 金属管(鋼製電線管)の切断及び曲げ作業に使用する工具

金属管(鋼製電線管)の切断及び曲げ作業に使用する工具の組合せとして,適切なものは

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【答え】

金属管(鋼製電線管)の切断には,金切りのこ,やすりを用い,曲げ作業には,パイプベンダを用いる。

No. 14 スターデルタ始動を行う電動機

必要に応じ,スターデルタ始動を行う電動機は。

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【答え】

必要に応じ,スターデルタ始動を行う電動機は,三相かご形誘導電動機である。

No. 15 漏電遮断器

漏電遮断器に関する記述として,誤っているものは

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【答え】

高感度形漏電遮断器は,定格感度電流が 30 mA 以下である。

No. 16 材料の識別

写真に示す材料の用途は。

PF 管用ボックスコネクタ

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【答え】

写真に示す材料の名称は PF 管用ボックスコネクタであり,合成樹脂製可とう電線管(PF 管)相互を接続するのに用いる。

No. 17 器具の識別

写真に示す器具の用途は。

蛍光灯用安定器

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【答え】

器具の名称は蛍光灯用安定器で,蛍光灯の放電を安定させるために用いる。

No. 18 工具の識別

写真に示す工具の用途は。

架空線のたるみを調整するのに用いる張線器

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【答え】

写真に示す工具の名称は張線器で,架空線のたるみを調整するのに用いる。

No. 19 絶縁電線相互の終端接続部分の絶縁処理

600 V ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形 1.6 mm を使用した低圧屋内配線工事で,絶縁電線相互の終端接続部分の絶縁処理として,不適切なものは

ただし,ビニルテープは JIS に定める厚さ約 0.2 mm の電気絶縁用ポリ塩化ビニル粘着テープとする。

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【答え】

ビニルテープを用いる場合,ビニルテープを半幅以上重ねて 2 回以上巻く(4 層以上)

No. 20 低圧屋側配線部分の工事

同一敷地内の車庫へ使用電圧 100 V の電気を供給するための低圧屋側配線部分の工事として,不適切なものは

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【答え】

金属線ぴ工事は,金属線ぴを壁や天井をはわせて,電線を収めて配線工事を行う。同一敷地内の車庫へ使用電圧 100 V の電気を供給するための低圧屋側配線部分の工事として,不適切である。

No. 21 漏電遮断器の省略

単相 3 線式 100/200 V の屋内配線工事で漏電遮断器を省略できないものは

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【答え】

ライティングダクト工事において,ダクトの導体に電気を供給する電路には,当該電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設する。

No. 22 D 種接地工事の施工方法

D 種接地工事の施工方法として,不適切なものは

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【答え】

水気のある場所では,接地工事を省略できない。

No. 23 合成樹脂管工事

低圧屋内配線の合成樹脂管工事で,合成樹脂管(合成樹脂製可とう電線管及び CD 管を除く)を造営材の面に沿って取り付ける場合,管の支持点間の距離の最大値 [m] は。

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【答え】

合成樹脂管の支持点間の距離は 1.5 m 以下とする。

No. 24 低圧電路で使用する測定器とその用途の組合せ

低圧電路で使用する測定器とその用途の組合せとして,正しいものは

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【答え】

消費電力量を測定するのは電力量計,三相回路の相順(相回転)を確認するのは検相器,絶縁抵抗の測定は絶縁抵抗計である。

No. 25 絶縁抵抗計(電池内蔵)

絶縁抵抗計(電池内蔵)に関する記述として,誤っているものは

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【答え】

絶縁抵抗計の定格測定電圧(出力電圧)は,直流電圧である。

No. 26 電気設備技術基準

工事の 200 V 三相誘導電動機(対地電圧 200 V)への配線の絶縁抵抗値 [MΩ] 及びこの電動機の鉄台の接地抵抗値 [Ω] を測定した。電気設備技術基準等に適合する測定値の組合せとして,適切なものは

ただし,200 V 電路に施設された漏電遮断器の動作時間は 0.1 秒である。

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【答え】

工事の 200 V 三相誘導電動機(対地電圧 200 V)への配線の絶縁抵抗値は 0.2 MΩ 以上,動作時間 0.1 秒の漏電遮断器が施設されているため電動機の鉄台の接地抵抗値は 500 [Ω] 以下である。両方を満たすのは,である。

No. 27 アナログ計器とディジタル計器の特徴

アナログ計器とディジタル計器の特徴に関する記述として,誤っているものは

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【答え】

電圧測定では,アナログ計器は入力抵抗が高いので被測定回路に影響を与えやすいが,ディジタル計器は入力抵抗が低いので被測定回路に影響を与えにくい。

No. 28 電気工事士法

電気工事士法」において,第二種電気工事士であっても従事できない作業は

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【答え】

No. 29 「電気用品安全法」の適用を受ける電気用品

電気用品安全法」の適用を受ける電気用品に関する記述として,誤っているものは

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【答え】

(PS)E の記号は,特定電気用品以外の電気用品を示す。

No. 30 電気設備に関する技術基準を定める省令

電気設備に関する技術基準を定める省令」において,次の空欄 (A) 及び (B) の組合せとして,正しいものは

電圧の種別が低圧となるのは,電圧が直流にあっては (A),交流にあっては (B) のものである。

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【答え】

電圧の種別が低圧となるのは,直流にあっては 750 V 以下、交流にあっては 600 V 以下のもの

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