令和5年度 上期 午後 第二種電気工事士 学科試験 解答と解説

2023年5月28日作成,2023年6月18日更新

令和5年(2023年)5月28日(日)に実施された令和5年度 上期 午後 第二種電気工事士 学科試験(筆記方式)の解答と解説です。

次の各問いには4通りの答え(イ,ロ,ハ,ニ)が書いてあるので,その中から一つを選択し,解答と解説を表示 をクリックしてください。

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本問題の計算で $\sqrt{2}$,$\sqrt{3}$ 及び円周率 $\pi$ を使用する場合の数値は次によること。$\sqrt{2}=1.41$,$\sqrt{3}=1.73$,$\pi=3.14$

No. 1 合成抵抗

図のような回路で,端子 a-b 間の合成抵抗 [Ω] は。

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# 電気に関する基礎理論

【答え】

3 Ω の抵抗 3 つの並列回路の合成抵抗は 1 Ω,3 Ω の抵抗 2 つの並列回路の合成抵抗は 1.5 Ω である。よって,端子 a-b 間の合成抵抗は 2.5 Ω である。

No. 2 銅線の抵抗

A,B 2 本の同材質の銅線がある。A は直径 1.6 mm,長さ 100 m,B は直径 3.2 mm,長さ 50 m である。A の抵抗は B の抵抗の何倍か。

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# 電気に関する基礎理論

【答え】

断面積が円形の導体(電線)の抵抗 $R$ [Ω] は,抵抗率 $\rho$ [Ω·mm²/m],電線の長さ $l$ [m],電線の直径 $D$ [mm] を用いて次式で表される。

\[ R = \rho \frac{4l}{\pi D^2} \]

A の銅線の抵抗 $R_\text{A}$ を求める。

\[ R_\text{A} = \rho \frac{4l}{\pi D^2} = \rho \frac{4 \times 100}{\pi \times 1.6^2} = 156.25 \times \frac{\rho}{\pi} \]

B の銅線の抵抗 $R_\text{B}$ を求める。

\[ R_\text{B} = \rho \frac{4l}{\pi D^2} = \rho \frac{4 \times 50}{\pi \times 3.2^2} = 19.53125 \times \frac{\rho}{\pi} \]

よって,A の抵抗は B の抵抗の 8 倍である。

No. 3 電力量

抵抗に 15 A の電流を 1 時間 30 分流したとき,電力量が 4.5 kW·h であった。抵抗に加えた電圧 [V] は。

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# 電気に関する基礎理論

【答え】

抵抗に加えた電圧を $V$ [V] とすると,次式が成り立つ。

$V$ [V] × 15 [A] × 1.5 [h] ÷ 1 000 [W/kW] = 4.5 [kW]

よって,抵抗に加えた電圧は 200 [V] である。

No. 4 負荷の消費電力

単相交流回路で 200 V の電圧を力率 90 % の負荷に加えたとき,15 A の電流が流れた。負荷の消費電力 [kW] は。

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# 電気に関する基礎理論

【答え】

負荷の消費電力は,次式で求められる。

200 [V] × 15 [A] × 0.90 = 2 700 [W] = 2.7 [kW]

No. 5 三相 3 線式回路に流れる電流

図のような三相 3 線式回路に流れる電流 $I$ [A] は。

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# 電気に関する基礎理論

【答え】

図のような三相 3 線式回路に流れる電流 $I$ [A] は,次式で求められる。

\[ I = \frac{200}{\sqrt{3} \times 10} = 11.56 \text{ [A]} \]

No. 6 単相 2 線式回路

図のような単相 2 線式回路において,d-d' 間の電圧が 100 V のとき a-a' 間の電圧 [V] は。

ただし,$r_1$,$r_2$ 及び $r_3$ は電線の電気抵抗 [Ω] とする。

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# 配電理論及び配線設計

【答え】

a-a' 間の電圧は,次式で求められる。

100 + 2 × 0.1 × 5 + 2 × 0.1 × (5 + 5) + 2 × 0.05 × (5 + 5 + 10) = 100 + 1 + 2 + 2 = 105 [V]

No. 7 単相 3 線式回路の電圧降下

図のような単相 3 線式回路で,電線 1 線当たりの抵抗が $r$ [Ω],負荷電流が $I$ [A],中性線に流れる電流が 0 A のとき,電圧降下 $(V_\text{s} - V_\text{r})$ [V] を示す式は。

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# 配電理論及び配線設計

【答え】

中性線に流れる電流が 0 A であり,電圧降下は $rI$ [V] となる。

No. 8 ケーブルの許容電流

低圧屋内配線工事に使用する 600 V ビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形(軟銅線),導体の直径 2.0 mm,3 心の許容電流 [A] は。

ただし,周囲温度は 30 °C 以下,電流減少係数は 0.70 とする。

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# 配電理論及び配線設計

【答え】

導体の直系 2.0 [mm] の単線の許容電流は 35 [A] である。これに電流減少係数 0.70 を乗じて,600 V ビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形(軟銅線),導体の直径 2.0 mm,3 心の許容電流 [A] を求める。

35 [A] × 0.7 = 24.5 [A]

No. 9 低圧屋内幹線からの分岐回路

図のように定格電流 40 A の過電流遮断器で保護された低圧屋内幹線から分岐して,10 m の位置に過電流遮断器を施設するとき,a-b 間の電線の許容電流の最小値 [A] は。

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# 配電理論及び配線設計

【答え】

a-b 間の電線の許容電流の最小値 [A] は,次式で求められる。

40 [A] × 0.55 = 22 [A]

No. 10 低圧屋内配線の分岐回路

低圧屋内配線の分岐回路の設計で,配線用遮断器,分岐回路の電線の太さ及びコンセントの組合せとして,適切なものは

ただし,分岐点から配線用遮断器までは 3 m,配線用遮断器からコンセントまでは 8 m とし,電線の数値は分岐回路の電線(軟銅線)の太さを示す。

また,コンセントは兼用コンセントではないものとする。

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# 配電理論及び配線設計

【答え】

イは配線用遮断器の定格電流が 30 A であり,分岐回路の電線の太さは断面積 8.0 mm2 以上で施設する。

ロは配線用遮断器の定格電流が 20 A であり,コンセントの定格電流は 20 A 以下で施設する。

ハは配線用遮断器の定格電流が 30 A であり,コンセントの定格電流が 20 A 以上 30 A 以下で施設する。

No. 11 アウトレットボックス(金属製)の使用方法

アウトレットボックス(金属製)の使用方法として,不適切なものは

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# 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具

【答え】

アウトレットボックスは,以下の用途で使用される。

  • 金属管工事において,管が交差,屈曲する場所で,電線の引入れを容易にするために用いる。
  • 金属管工事において,電線相互を接続するために用いる。
  • 照明器具を取り付けるために用いる。

No. 12 移動電線

使用電圧が 300 V 以下の屋内に施設する器具であって,付属する移動電線にビニルコードが使用できるものは

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# 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具

【答え】

ビニルコードは耐熱性がないため,熱を利用しない一般的な機器に用いられる。よって,使用電圧が 300 V 以下の屋内に施設する電気扇風機には,付属する移動電線にビニルコードが使用できる。

No. 13 電気工事の作業と使用する工具の組合せ

電気工事の作業と使用する工具の組合せとして,誤っているものは

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# 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具

【答え】

プリカナイフは,二種金属製可とう電線管(プリカチューブ)を切断するのに用いる。

No. 14 一般用低圧三相かご形誘導電動機

一般用低圧三相かご形誘導電動機に関する記述で,誤っているものは

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# 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具

【答え】

誘導電動機は,その構造上,電源を入れた瞬間に大電流が流れる。誘導電動機に三相電源を直接接続して始動させるじか入れ始動(全電圧始動)の始動電流は,定格電流の 4 ~ 8 倍程度の大きな電流が流れる。もっぱら定格出力の小さい電動機だけが,じか入れ始動を採用している。

No. 15 直管 LED ランプ

直管 LED ランプに関する記述として,誤っているものは

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# 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具

【答え】

直管 LED ランプは,すべての蛍光灯照明器具にそのまま使用できない。

No. 16 材料の識別

写真に示す材料の用途は。

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# 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具

【答え】

PF 管用カップリングは,合成樹脂製可とう電線管相互を接続するのに用いる。

No. 17 器具の識別

写真に示す器具の名称は。

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# 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具

【答え】

写真に示す器具の名称は,配線用遮断器(電動機保護兼用)で,過電流や短絡電流が流れた場合に回路を遮断する。

No. 18 工具の用途

写真に示す工具の用途は。

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# 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具

【答え】

写真に示す工具の名称はホルソであり,鉄板,各種金属板の穴あけに使用する。

No. 19 リングスリーブの種類と圧着マーク(刻印)の組合せ

低圧屋内配線工事で,600 V ビニル絶縁電線(軟銅線)をリングスリーブ用圧着工具とリングスリーブ E 形を用いて終端接続を行った。接続する電線に適合するリングスリーブの種類と圧着マーク(刻印)の組合せで,不適切なものは

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# 電気工事の施工方法

【答え】

直径 1.6 mm 4 本の接続に,小スリーブを使用して圧着マークをにする。

接続する電線の太さ・本数,リングスリーブ,圧着ペンチの組み合わせは,次表の通り。

表 接続する電線の太さ・本数,リングスリーブ,圧着ペンチの組み合わせ
接続する電線の太さ・本数 リングスリーブ 圧着ペンチ
ダイス 刻印
1.6 mm 2 本 1.6×2,小
3~4 本
2.0 mm 2 本
2.0 mm×1本+1.6 mm×(1~2)本
2.0 mm×1本+1.6 mm×(3~4)本

No. 20 屋内配線の施設場所による工事の種類

次表は使用電圧 100 V の屋内配線の施設場所による工事の種類を示す表である。表中の a ~ f のうち,「施設できない工事」を全て選んだ組合せとして,正しいものは

施設場所の区別 工事の種類
金属線ぴ工事 金属ダクト工事 ライティングダクト工事
展開した場所で湿気の多い場所 a b c
点検できる隠ぺい場所で乾燥した場所 d e f
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# 電気工事の施工方法

【答え】

電気工事は,「施設する場所」によって可能な工事の種類が異なる。施設する場所は「展開した場所」「点検できる隠ぺい場所」「点検できない隠ぺい場所」がそれぞれ「乾燥した場所」「水気・湿気のある場所」に分けられている。

表 施工場所と工事の種類
工事の種類 露出場所
点検できる隠ぺい場所
点検できない隠ぺい場所
乾燥した場所 その他の場所 乾燥した場所 その他の場所
金属ダクト工事
金属線ぴ工事
ライディングダクト工事
○は300 V 以下に限る。

No. 21 単相 3 線式 100/200 V 屋内配線の住宅用分電盤

単相 3 線式 100/200 V 屋内配線の住宅用分電盤の工事を施工した。不適切なものは

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# 電気工事の施工方法

【答え】

電技解釈【分岐回路の施設】により,分岐回路には開閉器と過電流遮断器を角極に施設することが原則である。対地電圧が 150 V 以下の 2 線式分岐回路では,接地側電線又は中性線の開閉器・素子を省略することができる。単相 3 線式 100/200 V 屋内配線で,電灯専用(単相 100 V)の分岐回路は非接地側電線と中性線から分岐する。2 極 1 素子の配線用遮断器を取り付ける場合,素子のある極に非接地側電線を結線する。

No. 22 機械器具の金属製外箱に施す D 種接地工事

機械器具の金属製外箱に施す D 種接地工事に関する記述で,不適切なものは

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# 電気工事の施工方法

【答え】

接地工事を省略できる条件は,以下のとおり。二は水気のある場所であり,接地工事は省略できない。

  1. 交流の対地電圧が 150 V 以下又は直流の使用電圧が 300 V 以下の機械器具を,乾燥した場所に施設する場合
  2. 低圧用の機械器具を乾燥した木製の床やその他これに類する絶縁性のものの上で取り扱うように施設する場合
  3. 電気用品安全法の適用を受ける 2 重絶縁の構造の機械器具を施設する場合
  4. 水気のある場所以外の場所に施設する低圧用の機械器具に電気を供給する電路に,電気用品安全法の適用を受ける漏電遮断器(定格感度電流 15 mA 以下,動作時間が 0.1 秒以下の電流動作型のものに限る。)を施設する場合

No. 23 雨線外に施設する金属管工事の末端部分

図に示す雨線外に施設する金属管工事の末端 Ⓐ 又は Ⓑ 部分に使用するものとして,不適切なものは

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# 電気工事の施工方法

【答え】

エントランスキャップは,主として垂直な金属管の上端部に取り付けて,雨水の浸入を防止するために使用する。

ターミナルキャップ(ウェザーキャップ)は,金属管の端に取り付けて,雨水の浸入を防ぐ。

No. 24 一般用電気工作物の竣工(新増設)検査

一般用電気工作物の竣工(新増設)検査に関する記述として,誤っているものは

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# 一般用電気工作物の検査方法

【答え】

竣工検査とは,一般用電気工作物が新しく設置されたとき,または,増設などの変更の工事が完了したときに行われる検査である。竣工検査は以下の順番で行われるが,「2. 絶縁抵抗測定」と「3. 接地抵抗測定」の順番は入れ替わってもよい。

表 竣工検査の手順
No. 検査項目 内容
1 目視点検 目視や触れてみるなどして,法令を遵守して工事が施工されているかを確認する。
2 絶縁抵抗測定 電路が適切に絶縁されているかを調べるため,絶縁抵抗計(メガー)によって電気工作物の絶縁抵抗を測定する。
3 接地抵抗測定 接地の状態を調べるため,接地抵抗計(アーステスタ)によって電気工作物の接地抵抗を測定する。
4 導通試験 回路計(テスタ)などを使用して,配線が正しく接続されているかを確認する。

No. 25 単相 3 線式回路の異常

図のような単相 3 線式回路で,開閉器を閉じて機器 A の両端の電圧を測定したところ 150 V を示した。この原因として,考えられるものは

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# 一般用電気工作物の検査方法

【答え】

機器 A の両端の電圧は,正常であれば 100 V のところ,150 V を示した。機器 A と機器 B の容量が異なる場合,中性線が断線すると加わる電圧がアンバランスになる。容量が小さい負荷(この場合は機器 A)に 100 V を超える電圧が加わる。

No. 26 接地抵抗計(電池式)

接地抵抗計(電池式)に関する記述として,誤っているものは

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# 一般用電気工作物の検査方法

【答え】

接地抵抗計の出力端子における電圧は,交流電圧である。

No. 27 漏れ電流計(クランプ形)

漏れ電流計(クランプ形)に関する記述として,誤っているものは

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# 一般用電気工作物の検査方法

【答え】

漏れ電流計(クランプ形)の方が一般的な負荷電流測定用のクランプ形電流計より感度が高い。

No. 28 電気工作物の保安に関する法令

次の記述は,電気工作物の保安に関する法令について記述したものである。誤っているものは

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# 一般用電気工作物の保安に関する法令

【答え】

電気工事の作業に従事する者の資格及び義務を定め,もって電気工事の欠陥による災害の発生の防止に寄与することを目的とする。

No. 29 「電気用品安全法」における電気用品

「電気用品安全法」における電気用品に関する記述として,誤っているものは

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# 一般用電気工作物の保安に関する法令

【答え】

電気用品の種類と表示は,次表のとおり。特定電気用品には, または <PS>E の表示が付されている。

表 電気用品の種類と表示
電気用品の種類 適合表示マーク 適合表示
特定電気用品
特定電気用品
<PS>E
特定電気用品以外の電気用品
特定電気用品以外の電気用品
(PS)E

No. 30 電圧の低圧区分の組合せ

「電気設備に関する技術基準を定める省令」における電圧の低圧区分の組合せで,正しいものは

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# 一般用電気工作物の保安に関する法令

【答え】

「電気設備に関する技術基準を定める省令」には,以下のように定められている。

第二条 電圧の種別

電圧は、次の区分により低圧、高圧及び特別高圧の三種とする。

低圧
直流にあっては 750 V 以下、交流にあっては 600 V 以下のもの
高圧
直流にあっては 750 V を、交流にあっては 600 V を超え、7 000 V 以下のもの
特別高圧
7 000 V を超えるもの
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