平成11年度 第1種 電力

2022年8月14日更新

目次

  1. 揚水発電所における発電電動機の揚水始動方式
  2. 火力発電所の蒸気
  3. 発変電所等の母線保護
  4. 長距離送電線の四端子定数
  5. 発電機電圧の制御と保護
  6. 配電地中管路の工法

問1 揚水発電所における発電電動機の揚水始動方式

発電電動機の揚水始動方式としては,次のものがある。

  1. 制動巻線始動方式は,発電電動機の制動巻線を利用してかご形誘導機として発電電動機を始動する方式である。
  2. 同期始動方式は,発電機と発電電動機を停止時に電気的に接続し,両機に励磁を加えた後に発電機を始動し,発電機から発生した交流電力が発電電動機に伝達され,両機は同期した状態で始動加速が行われる方式である。
  3. 直結電動機始動方式は,発電電動機と直結された巻線形誘導電動機により始動加速する方式であり,始動トルクは誘導電動機の二次巻線に接続された抵抗器で制御する。
  4. サイリスタ始動方式は,発電電動機の停止中に励磁を加え,サイリスタ変換装置で発生した交流電力を発電電動機に加え,その周波数を低周波から定格周波数まで連続的に変えて加速する方式である。
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(1)

正解は(ヨ)制動巻線である。

(2)

正解は(ワ)同期である。

(3)

正解は(ル)巻線形である。

(4)

正解は(ホ)抵抗器である。

(5)

正解は(イ)サイリスタである。

参考文献

問2 火力発電所の蒸気

ボイラ・タービンの蒸気温度が過度に上昇すると,金属材料の許容応力が低下するとともに,各部の熱膨張により損傷に至る。一方,蒸気温度が低下するとプラントの熱効率が下がるばかりでなく,タービン最終段の湿り度が上昇して動翼の浸食の原因となる。したがって,蒸気温度を一定に制御することは,設備保全,熱効率の面から重要である。

制御方式には,注水,バーナ角度の変更,燃焼ガスの循環などがある。

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(1)

正解は(ホ)上昇である。

(2)

正解は(ル)許容応力である。

(3)

正解は(ヘ)低下である。

(4)

正解は(ワ)熱効率である。

(5)

正解は(ト)浸食である。

参考文献

問3 発変電所等の母線保護

母線保護継電器の設置されていない発変電所母線に事故が発生した場合,事故検出は,送電線相手端子での遠端後備保護及び発電機又は変圧器の自端後備保護によって行われるため,事故除去が遅れる。

このため,故障電流の増大に伴う機器の損傷,広範囲停電,電力系統全体への事故波及防止の観点から,母線保護継電器の必要性が高まっている。

従来のアナログ形の母線保護継電器では,高インピーダンス差動継電器とこれ専用の CT(変流器)が必要となり,設備規模が大きくなっていた。

最近では,ディジタル技術を駆使して内外部事故判別性能の確実化を図った CT 飽和対策付母線保護継電器が標準的に採用され,適用CTに対する制約事項が大幅に軽減されている。

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(1)

正解は(カ)遠端後備である。

(2)

正解は(ハ)自端後備である。

(3)

正解は(ホ)高インピーダンスである。

(4)

正解は(ヲ)ディジタルである。

(5)

正解は(ニ)CT 飽和である。

参考文献

問4 長距離送電線の四端子定数

準備中

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(1)

正解は(ニ)分布定数である。

(2)

正解は(カ)特性インピーダンスである。

(3)

正解は(ヌ)伝搬定数である。

(4)

正解は(チ)cosh である。

(5)

正解は(ワ)sinh である。

問5 発電機電圧の制御と保護

発電機の自動電圧調整装置は,界磁電流を制御して発電機端子電圧を調整するものである。

自動電圧調整装置は内部に保護機能を有しており,界磁電流が増加した場合,ある値を超えると強制的に引き下げ,さらに,所定の時間を経過しても界磁電流の増加傾向が抑制されないと,界磁電流の定電流制御に切り替える機能を有している。この保護機能の動作設定値は,発電機界磁巻線の温度上昇限度により決定される。

一方,界磁電流が減少した場合,発電機電機子鉄心端部の温度上昇と安定度の限界により定められる範囲を逸脱しないよう抑制する機能がある。この機能は主として夜間軽負荷時に行われる発電機の進相運転を制限するものである。

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(1)

正解は定電流(または一定)である。

(2)

正解は界磁巻線(または回転子巻線)である。

(3)

正解は電機子鉄心端部(または固定子鉄心端部)である。

(4)

正解は安定度である。

(5)

正解は進相運転(または低励磁運転)である。

参考文献

問6 配電地中管路の工法

配電地中管路の推進工法は,立て杭から先端に刃口を取り付けた管をジャッキの力で地中に押し込み,その保護のもとで土砂を掘削して立て杭から搬出し,この作業を繰り返して地中に管路を布設する方式である。

この方式では,鉄道の軌道下,幹線道路,小河川の河底横断などで,地表面から掘削が困難な場合でも管路布設が可能であるとともに,開削工法に比べて工事に伴う騒音や振動が小さく,また,作業スペースが少ないなどの利点を有している。

しかし,この工法は地中管路工事の他の工法と比べて施工延長が短く経済性が劣るとともに,蛇行が生じやすく,施工精度が劣り,曲線施工が困難であるなどの面で不利である。

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(1)

正解は(ニ)推進である。

(2)

正解は(チ)開削である。

(3)

正解は(レ)振動である。

(4)

正解は(ワ)経済性である。

(5)

正解は(ハ)蛇行である。

(6)

正解は(ヨ)曲線である。

参考文献

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