平成29年度 第1種 電力

2022年6月5日更新

目次

  1. ペルトン水車
  2. 火力発電所における通風装置
  3. 系統保護リレーシステム
  4. 地中配電線路のケーブル布設方法
  5. 変電所に設置する断路器及び接地開閉器
  6. 送電線における誘導障害

問1 ペルトン水車

ペルトン水車は,動作原理によって (1) 水車に分類される。(1) 水車は,水の有するエネルギーを全て (2) エネルギーに変えてランナに作用させるものである。ペルトン水車は,(3) から噴出させた水をランナに作用させて回転させる水車であり,ランナは水を受ける (4) と,その取付け部であるディスクからなる。(3) の内部には,負荷に応じて使用水量を調整するため,(5) が設けられている。

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(1)

正解は(ニ)衝動である。

(2)

正解は(ワ)運動である。

(3)

正解は(ヘ)ノズルである。

(4)

正解は(ヲ)バケットである。

(5)

正解は(チ)ニードルである。

参考文献

問2 火力発電所における通風装置

通風装置はボイラの燃焼に必要な空気を火炉に送り込み,燃焼ガスを排煙処理設備などに通過させた後,煙突から排出させるための設備である。

石炭焚きボイラに適用される (1) 通風方式はボイラ上流側に配置した (2) 通風機と,ボイラ下流の煙道に配置した (3) 通風機により,火炉内を大気圧又はやや (4) に保ちながら運転する方式である。また,上記の通風機以外にも,燃焼用空気の酸素濃度を下げて NOx を低減する目的で設置される (5) 通風機などがある。

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(1)

正解は(カ)平衡である。

(2)

正解は(ニ)押込である。

(3)

正解は(ヨ)誘引である。

(4)

正解は(ロ)負圧である。

(5)

正解は(ワ)排ガス混合である。

参考文献

問3 系統保護リレーシステム

系統保護リレーシステムは,電力系統の安定運用を維持するための重要な役割を担っており,系統事故様相をよく把握し,絶えず保護性能の改善に努め,設備形成や系統運用計画と十分協調のとれたシステムとしていくことが必要である。

送電線に事故が発生した場合には,事故除去リレー装置により事故区間を高速度に選択遮断した後に自動的に (1) を行うことで,大部分の事故は正常系統に復旧する。しかし,万一,多重事故や設備損壊などにより,(1) が成功しない際に事故波及のおそれがある場合は,事故波及防止リレー装置により事故波及を局限化する。その後,系統操作により正常系統に復旧する。

事故除去リレー装置のうち,事故区間を高速かつ確実に選択遮断できる方式として,(2) リレーが挙げられる。事故除去リレー装置では,系統事故を速やかに検出し,健全な電力系統から事故区間を確実に切り離すために,様々な信頼度向上策が講じられている。特に基幹系統では,(3) により保護の確実化を図っている。

しかし,事故除去リレー装置の動作失敗や (4) の発生による事故除去時間の遅延,さらには大規模電源の脱落や事故除去区間の広範囲化により,系統脱調,周波数異常,電圧異常や設備過負荷などの種々の異常状態を引き起こすことがある。この影響を系統全体に波及拡大するのを防止し,電力系統の安定運転を維持するのが事故波及防止リレー装置の役割である。

なお,(1) 方式の選定にあたっては,一時的な無電圧・欠相状態の把握による過渡安定性のほか,火力機や原子力機の (5) の問題を考慮する必要がある。

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(1)

正解は(イ)再閉路である。

(2)

正解は(ヨ)PCM 電流差動である。

(3)

正解は(ヘ)多系列化である。

(4)

正解は(ニ)遮断器不動作事象である。

(5)

正解は(ホ)軸ねじれである。

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問4 地中配電線路のケーブル布設方法

地中配電線路のケーブルの敷設方法には,一般に直接埋設式,管路式及び (1) 式がある。直接埋設式は埋設条数の少ない本線部分や引込線部分で用いられ,土中に (2) を並べケーブルを引き入れてから埋設する方式で,ケーブル取り替えの場合には再掘削が必要となる。管路式は,交通量や舗装などの関係から再掘削が困難な場所に求められる方式で,地中箱などの間を複数条のパイプで結んだものであり,ケーブルの引入れ,引抜き,接続などのケーブル工事に伴う再掘削は不要である。(1) 式はあらかじめトンネル状の構造物を作っておき,その側壁に設けた受棚上にケーブルを敷設する方式である。特に幹線道路やビル街などでは道路の反復掘削防止や地下空間の有効利用などを目的に,電力,通信,ガス,水道,下水などを一括して収納する (3) が用いられる。このうち配電線等のように需要家供給を目的とした設備だけ収容するものは供給管 (3) と呼ばれ,主として (4) 部分に設けられる。

一方,地中設備の建設費用は架空設備に比べて格段に高額なものになることから,現在ではより経済的で施工しやすい施設方式が広く採用されている。例えば,(5) は (3) の一種であり,主として (4) の下にふた掛け式の大形 U 字構造物を設置してこの中に電力・通信・その他ケーブルを布設する方式である。ケーブルの工事や維持補修はふたの開閉によって行われ,そのために必要な最小限の作業スペースが確保されている。

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(1)

正解は(ロ)暗きょである。

(2)

正解は(リ)防護物である。

(3)

正解は(イ)共同溝である。

(4)

正解は(ハ)歩道である。

(5)

正解は(ヨ)CAB(Cable Box)である。

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問5 変電所に設置する断路器及び接地開閉器

断路器は定格電圧のもとで,単に充電された電路を開閉するために用いられるほか,(1) 開閉性能や (2) 開閉性能を要求される場合がある。

(1) は複母線の変電所で甲母線から乙母線へ運転が切り替えられるときなどに発生し,当該回線の定格電流の (3) (最大 4 000 A)の電流を開閉できる能力が要求される。

(2) は遮断器で回路を遮断した後に発生し,断路器の開閉時には過電圧が発生する原因となる。GIS(ガス絶縁開閉装置)においては,(4) が比較的大きいため,運転電圧の 2 ~ 3 倍程度の (5) が発生する場合もあり,この現象に注意する必要がある。

接地開閉器は (6) の線路や母線部分などの主回路の接地を主目的としているが,2 回線以上併架した架空送電線路の接地開閉器には,(7) 開閉性能を要求される場合がある。

断路器や接地開閉器には,(8) による事故防止のため,一般的にインタロック(緊錠装置)が設けられており,例えば (9) を開閉できる位置にある断路器では,関係する遮断器,接地開閉器が全て (10) しているときのみ開閉操作が可能である。

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(1)

正解は(リ)ループ電流である。

(2)

正解は(ニ)進み小電流である。

(3)

正解は(タ)80 % 程度である。

(4)

正解は(イ)浮遊静電容量である。

(5)

正解は(カ)急しゅん波サージである。

(6)

正解は(ツ)無電圧である。

(7)

正解は(ワ)誘導電流である。

(8)

正解は(ル)誤操作である。

(9)

正解は(ソ)負荷電流である。

(10)

正解は(ヘ)開路である。

参考文献

問6 送電線における誘導障害

送電線と通信線が接近交差している区間が長くなると,通信線に対して (1) あるいは電磁誘導などの誘導障害を及ぼすことがあるので,送電線建設時には予測計算を行って過大にならないようにする。(1) 電圧は,送電線の (2) と通信線の (3) ,両者の (4) によって決まる。

一方,電磁誘導障害は,主に送電線に (5) 故障が発生した場合に生じ,中性点接地方式が (6) 接地の送電線において問題になりやすい。実用的な計算式として知られる (7) では,起誘導電流 1 A あたりの誘導電圧の計算値は,周波数の他,その土地の (8) 係数にも依存する。送電線側で可能な電磁誘導障害の対策としては,架空地線の条数や (9) を増やす,送電線をねん架するなどがある。

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(1)

正解は(ニ)静電誘導である。

(2)

正解は(ヌ)対地電圧である。

(3)

正解は(ロ)対地静電容量である。

(4)

正解は(ツ)相互静電容量である。

(5)

正解は(カ)地絡である。

(6)

正解は(ソ)直接である。

(7)

正解は(ル)深尾の式である。

(8)

正解は(ハ)地質である。

(9)

正解は(ヨ)導電率である。

参考文献

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