平成28年度 第1種 機械

2021年12月31日作成,2022年1月2日更新

目次

  1. 三相誘導電動機の最大トルク
  2. 同期機のリアクタンス測定法
  3. 高周波インバータ
  4. 電力貯蔵用電池
  5. 交流遮断器の分類と特徴
  6. 机上面の平均照度と照明率の算出
  7. ディジタルフィルタ

問1 三相誘導電動機の最大トルク

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問2 同期機のリアクタンス測定法

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問3 高周波インバータ

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問4 電力貯蔵用電池

風力や太陽光などの再生可能エネルギーは需要と無関係に変動するため,発電電力の平準化のためには蓄電が必要であると考えられている。この中で,レドックスフロー電池は大型の電力貯蔵用電池として注目されている。この電池は陽イオン交換膜を用い,硫酸酸性でバナジウムを含む水溶液電解質を正極,負極それぞれ供給し,放電時に正極では 5 価のバナジウムが還元,負極では 2 価のバナジウムが酸化される。充電時には正極でバナジウムが酸化,負極でバナジウムが還元される。回路電圧は約 1.4 V である。充電中には,負極のバナジウムの還元反応と並行して,硫酸酸性の水溶液が分解して水素が発生すると,放電に必要な 2 価のバナジウムが生成しないため,充放電のエネルギー効率の損失につながる。

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(1)

正解は(ヲ)レドックスフロー電池である。

(2)

正解は(ロ)5 価である。

(3)

正解は(ト)2 価である。

(4)

正解は(ホ)1.4 V である。

(5)

正解は(イ)水素である。

参考文献

問5 交流遮断器の分類と特徴

交流遮断器には,高性能,高信頼性,経済性に加え小形化,保守省力化などの要素も要求される。従来用いられてきた空気遮断器は動作時の騒音が大きいこと,油遮断器は油劣化に対する点検などの課題があり,これらの問題を解決できるものとしてガス遮断器や真空遮断器が開発された。

ガス遮断器は SF6 ガスを絶縁・消弧媒体として利用した遮断器で,アーク時定数が空気の 100 分の 1 以下という顕著な特性を利用して,極めて優れた遮断性能を実現しており,今日製作されている遮断器の主流になっている。しかし, SF6 ガスは 1997 年の気候変動枠組条約締結国会議において,温室効果ガスに指定されたため,今日では代替物質の開発やガスを全く使用しない機器の実用化に向けた研究が進められている。

真空遮断器は,接点の開閉を真空のバルブの中で行う遮断器で,高真空中の急速なアークの拡散作用と絶縁回復特性により高い消弧能力を有している。電極の局部加熱を防ぐため,電極構造を工夫してアークに横方向の磁界を加えることでアークに回転運動力を与え,アークの 1 点集中を抑えて電極の溶融を防ぐとともに,アーク電圧が低いので電極消耗が少ない。真空遮断器は小形で構造が簡単であることや保守が容易などの特徴があり,主として 66 kV 以下の遮断器に用いられている。

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(1)

正解は(カ)騒音である。

(2)

正解は(ト)SF6 ガスである。

(3)

正解は(ル)アーク時定数である。

(4)

正解は(レ)拡散作用である。

(5)

正解は(ハ)局部加熱である。

(6)

正解は(リ)回転運動力である。

(7)

正解は(ロ)電極消耗が少ないである。

参考文献

  • 目指せ!電気主任技術者~解説ノート~「遮断器

問6 机上面の平均照度と照明率の算出

問6及び問7は選択問題であり,問6又は問7のどちらかを選んで解答すること。

両方解答すると採点されません。

図に示すように 1 辺 1.26 m の正方形の机があり,その中央上の高さ 0.84 m に点光源が 1 灯設置されている。点光源の光度は,全ての方向に 70 cd である。

この条件において,以下の手順で机上面の平均照度及び照明率の算出を行う。

  1. 机上面中央 A 点の水平面照度を求めると 99 lx になる。
  2. 机上面サイドライン中央 B 点の水平面照度を求めると 51 lx になる。
  3. 机上面の平均照度を 5 点法で求めると 67 lx になる。
  4. 点光源の全光束を計算すると 880 lm が求まる。
  5. 点光源の机上面に対する照明率は,全光束と平均照度とから 0.12 となる。
机上面の平均照度と照明率の算出
机上面の平均照度と照明率の算出
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(1)

正解は(ヲ)99 である。

(2)

正解は(ニ)51 である。

(3)

正解は(ト)67 である。

(4)

正解は(ヨ)880 である。

(5)

正解は(ロ)0.12 である。

参考文献

問7 ディジタルフィルタ

問6及び問7は選択問題であり,問6又は問7のどちらかを選んで解答すること。

両方解答すると採点されません。

アナログ信号にフィルタを作用させて周波数選択を行う場合,演算増幅器などを用いてアナログ信号のままで行うこともできるが,アナログ信号を量子化した後,ディジタル演算により行うこともできる。

一般にアナログフィルタに対してディジタルフィルタは,特性が安定していること,特性を容易に変化させられることなどの利点があるものの,ハードウェアが複雑になることやリアルタイム応答性の点で不利となる。

ディジタルフィルタには,巡回形と非巡回形のフィルタがあり,前者を IIR フィルタ,後者を FIR フィルタという。

巡回形フィルタは非巡回形フィルタに比べ,低い次数で鋭い周波数特性を得られるが,安定性に留意する必要がある。

一方,非巡回形フィルタは常に安定であり,多項式係数に対象性をもたせることで線形位相特性として,ひずみの少ない出力波形を得ることができる。しかし,鋭い周波数特性を得るためには高い次数が必要となり,遅延時間が大きくなる。また,周波数特性が急激に変化するカットオフ周波数近辺で大きな誤差を生じるギブス現象が知られており,この現象を抑制するために窓関数を用いることがある。窓関数にはハミング窓やハニング窓があるほか,パラメータによりユーザが効果を指定できるカイザー窓などがある。

ディジタルフィルタ演算を実行するプロセッサとして積和演算機能やメモリ構成などを専用に強化した DSP があり,各種信号処理に用いられている。

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(1)

正解は(ロ)IIR(Infinite Impulse Response : 無限インパルス応答)である。

(2)

正解は(ル)FIR(Finite Impulse Response : 有限インパルス応答)である。

(3)

正解は(ト)線形位相特性である。

(4)

正解は(ヘ)ギブスである。

(5)

正解は(ホ)カイザーである。

(6)

正解は(ニ)DSP(Digital Signal Processor)である。

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