平成22年度 第2種 電力

2021年12月25日更新

目次

  1. 汽力発電所(コンバインドサイクル発電所を除く)の蒸気サイクル
  2. 変圧器の低騒音化
  3. 保護リレーシステム
  4. 電力系統の有効電力と電圧の特性
  5. プロペラ水車
  6. 小規模な太陽光発電システム
  7. 低圧屋内配線の保護方式

問1 汽力発電所(コンバインドサイクル発電所を除く)の蒸気サイクル

蒸気タービンを用いた汽力発電所(コンバインドサイクル発電所を除く)の蒸気サイクルは (1) が基本であるが,その熱効率を向上させるために再熱サイクルや再生サイクルが採用される。

a. 再熱サイクル

(1) の熱効率は,入口温度が一定の場合,蒸気タービンの (2) を高めることによって改善されるが,これに伴って排気蒸気の (3) が増加する。(3) の増加はタービンに悪影響を与えるため,タービン内で膨張した蒸気を再びボイラへ送って再加熱して再度タービンに送り,最終圧力まで膨張させるサイクルを再熱サイクルという。

b. 再生サイクル

(1) では,復水器で捨てる熱量がボイラでの供給熱量に対して大きい割合を占める。この熱量を軽減して熱効率を高めるため,蒸気タービン内で膨張している途中の蒸気の一部を (4) し,その蒸気が持つ顕熱や蒸発潜熱の放出によって (5) を加熱する過程を取り入れたサイクルを再生サイクルという。これによりタービンが直接行う仕事は減少するが,復水器で捨てる熱量も減少し,全体として熱効率が向上する。

問1 解答と解説

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(1)

正解は(ワ)ランキンサイクルである。

(2)

正解は(ロ)入口圧力である。

(3)

正解は(イ)湿り度である。

(4)

正解は(ハ)抽気である。

(5)

正解は(ヲ)給水である。

参考文献

問2 変圧器の低騒音化

変圧器騒音の発生原因の主なものとして次のようなものがある。

  1. 鉄心の (1) による振動
  2. 鉄心のつなぎ目及び成層間に働く (2) による振動
  3. 巻線導体間又は巻線間に働く (3) による振動
  4. (4) の場合,ポンプ,ファンなどの補機が発生する振動

これらの原因のうち,鉄心の (1) による振動が変圧器の振動発生の主な原因と考えられている。鉄心から発生する騒音を低減するためには,(1) を小さくし,経時変化の少ない材料を使用したり,鉄心の磁束密度の値を下げたりする方法が考えられる。磁束密度の低減は,変圧器の大きさ,重量などに影響を与えるため,通常の設計値に比べ,大容量器では磁束密度の低減は (5) 程度,中容量器では 20 [%] 程度が限度であり,それ以上は鉄板やコンクリート製の防音壁で変圧器本体の周囲を覆い,騒音を低減する方法を併用する。

問2 解答と解説

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(1)

正解は(リ)磁気ひずみである。

(2)

正解は(ヨ)磁気吸引力である。

(3)

正解は(ロ)電磁力である。

(4)

正解は(ル)強制冷却である。

(5)

正解は(カ)10 [%]である。

参考文献

問3 保護リレーシステム

保護リレーシステムにおける最も重要な機能は,系統や設備に発生した故障を高速に除去することである。このために保護リレーには (1) や方向距離判別の基本検出機能を有することが重要となる。

上記の機能を実現するために保護リレーシステムでは,変流器と計器用変圧器とにより電流及び電圧要素を取り込み,故障の発生を検出している。リレー方式により使用する電流要素,電圧要素が異なっており,図の●にリレーが設置されているとき,距離リレー方式では (2) の演算式により,回線選択リレー方式では (3) の演算式により,電流差動リレー方式では (4) の演算式により短絡故障の発生を検出している。この3方式のリレーにおいて最も確実に (1) が行えるのは (5) 方式である。

保護リレーシステム
図 1 保護リレーシステム
(ハ)$\displaystyle \frac{\dot{V}_\text{a}}{\dot{I}_\text{a1}+\dot{I}_\text{b1}}$
(ホ)$\dot{V}_\text{a}$
(ヘ)$\displaystyle \frac{\dot{V}_\text{a}}{\dot{I}_\text{a1}-\dot{I}_\text{a2}}$
(ト)$\displaystyle \frac{\dot{V}_\text{a}}{\dot{I}_\text{a1}+\dot{I}_\text{a2}}$
(リ)$\dot{I}_\text{a1}$
(ヌ)$\dot{I}_\text{a1} + \dot{I}_\text{b1}$
(ル)$\dot{I}_\text{a1} + \dot{I}_\text{a2}$
(カ)$\displaystyle \frac{\dot{V}_\text{a}}{\dot{I}_\text{a1}}$
(ヨ)$\displaystyle \frac{\dot{V}_\text{a}-\dot{V}_\text{b}}{\dot{I}_\text{a1}+\dot{I}_\text{b1}}$

問3 解答と解説

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(1)

正解は(ワ)区間判別である。

(2)

正解は(カ)$\displaystyle \frac{\dot{V}_\text{a}}{\dot{I}_\text{a1}}$である。

(3)

正解は(ヘ)$\displaystyle \frac{\dot{V}_\text{a}}{\dot{I}_\text{a1}-\dot{I}_\text{a2}}$である。

(4)

正解は(ヌ)$\dot{I}_\text{a1} + \dot{I}_\text{b1}$である。

(5)

正解は(イ)電流差動リレーである。

参考文献

問4 電力系統の有効電力と電圧の特性

準備中

問5 プロペラ水車

プロペラ水車は (1) に属し,流水がランナの (2) に通過する水車である。そのランナ羽根には固定構造のものと可動構造のものがある。可動構造で縦軸形のものを (3) といい現在一般に広く採用されている。

(3) は比較的 (4) の水車に適し,主な特徴としては,次のとおりである。

  1. 比速度を大きくとれるので,水車,発電機が小形になる。
  2. 羽根の角度を自動的に変えるので,部分負荷での (5) が少ない。
  3. 羽根を単独に取り外せるため,保守・点検が容易となる。
  4. 羽根の間隔が広いので,流水に混入した異物による障害が少ない。

問5 解答と解説

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(1)

正解は(チ)反動水車である。

(2)

正解は(ニ)軸方向である。

(3)

正解は(ロ)カプラン水車(Kaplan turbine)である。

(4)

正解は(ヲ)低落差・大容量である。

(5)

正解は(ト)効率低下である。

参考文献

問6 小規模な太陽光発電システム

太陽光発電は,自然エネルギー源である太陽光のエネルギーを太陽電池によって電力に変換するものであり,化石燃料に代わるエネルギー源として期待されている。太陽光のエネルギー密度は,わが国の標準日射量で (1) とされ,これをシリコン等を原材料とする太陽電池で直流電力に変換する。なお,シリコンを原材料とする太陽電池セルの変換効率は,現状では最高 (2) 程度である。小規模な太陽光発電システムは,太陽電池や配線,それらを支える架台などから攻勢される太陽電池アレイに加え,次のような装置が必要となる。

  • 太陽電池アレイからの直流電力を利用に適した交流電力に変換する (3)
  • スイッチ機能,電力系統からの侵入サージのブロック,事故時の保護機能をもつ系統連系装置

上記の (3) と系統連系装置は通常一つにまとめられ,(4) と呼ばれている。太陽光発電は天候によりその出力が大きく変動するため,系統に接続する場合には注意が必要となる。特に容量の小さい配電系統への接続では,配電系統の (5) に注意を払う必要がある。

問6 解答と解説

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(1)

正解は(ニ)1 [kW/m²]である。

(2)

正解は(リ)20 [%]である。

(3)

正解は(ル)インバータである。

(4)

正解は(イ)パワーコンディショナである。

(5)

正解は(ワ)電圧変動である。

参考文献

  • 目指せ!電気主任技術者~解説ノート~「太陽光発電

問7 低圧屋内配線の保護方式

低圧屋内配線における保護の種類としては,主として過電流保護,地絡保護,過電圧保護の3種類がある。

過負荷電流,あるいは,(1) を総称して過電流というが,この過電流による電線,電気機器の過熱燃焼及び火災事故を防止するためには,過電流遮断装置を施設することが必要である。

低圧屋内配線において,地絡とは,電路と大地間の (2) が低下して,アークや導電性物質により (3) することをいう。地絡による感電を防止する方法としては,二重絶縁,保護接地,(4) 等がある。これらにはそれぞれ特徴があるが,現行において最も有効な方法は (4) である。

過電圧には (5) や共振現象などによって生じる過渡的異常電圧があるが,低圧屋内配線を対象にする場合,主に (5) による過電圧の保護を特に重要視する必要がある。

問7 解答と解説

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(1)

正解は(カ)短絡電流である。

(2)

正解は(ヨ)絶縁である。

(3)

正解は(ヌ)橋絡である。

(4)

正解は(ル)漏電遮断である。

(5)

正解は(ト)雷サージである。

参考文献

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