令和5年度 第2種 法規

2023年8月26日作成,2023年9月16日更新

令和5年度第二種電気主任技術者試験一次試験 法規科目の合格基準は,90 点満点換算で 54 点以上,受験者は 4,329 人,合格者数は 3,892 人で,合格率は 89.9 % だった。

はじめに

  1. 問題文中に「電気設備技術基準」とあるのは,「電気設備に関する技術基準を定める省令」の略である。
  2. 問題文中に「電気設備技術基準の解釈」とあるのは,「電気設備の技術基準の解釈における第1章~第6章及び第8章」をいう。なお,「第7章 国際規格の取り入れ」の各規定について問う出題にあっては,問題文中にその旨を明示する。
  3. 問題は,令和5年4月1日現在,効力のある法令(電気設備の技術基準の解釈を含む。)に基づいて作成している。

目次

  1. 事業用電気工作物
  2. 雷撃及び避雷器の施設
  3. 支持物の倒壊の防止
  4. 高圧の需要家において停電作業をする場合の保安の監督
  5. 発電用太陽電池設備の支持物の構造等
  6. 国際規格の取入れ
  7. 低圧の電力系統に分散型電源を連系する場合の施設要件

問1 事業用電気工作物

次の文章は「電気事業法」に基づく,事業用電気工作物に関する記述である。

a)

事業用電気工作物を設置する者は,事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない。この技術基準を制定するに当たっては第一の基準としては,事業用電気工作物は,人体に危害を及ぼし,又は物件に損害を与えないようにすることが定められている。

b)

事業用電気工作物の設置又は変更の工事にあって,公共の安全の確保上特に重要なものとして主務省令で定めるものをしようとする者は,その工事の計画について主務大臣の認可を受けなければならない。ただし,事業用電気工作物が滅失し,若しくは損壊した場合又は災害その他非常の場合において,やむを得ない一時的な工事としてするときは,この限りでない。

問1 の解答と解説を表示

(1)

正解は(ハ)維持である。

(2)

正解は(ヘ)人体である。

(3)

正解は(ロ)公共の安全である。

(4)

正解は(イ)計画である。

(5)

正解は(ニ)一時的である。

参考文献

問2 雷撃及び避雷器の施設

次の文章は,雷撃及び避雷器の施設に関する記述である。

  1. 電気工作物への落雷に起因する雷撃には,直撃雷と誘導雷とがある。
  2. 直撃雷を受けると,多くの電気工作物は物理的に損壊するが,架空送電線路は物理的な損壊を極力防止する設計となっているため,再閉路が成功することが多い。
  3. こう長 10 km の 66 kV 架空送電線 2 回線から受電して 6.6 kV に降圧する配電用変電所がある。66 kV 送電線については,その引込口に避雷器を施設する義務がある。この避雷器には,A 種接地工事を施さなければならない。
  4. 6.6 kV 架空配電線から電気の供給を受ける需要家の受電電力が 500 kW 以上の場合,その需要場所の引込口に避雷器を施設する義務がある。
問2 の解答と解説を表示

(1)

正解は(ワ)誘導雷である。

(2)

正解は(ル)再閉路である。

(3)

正解は(カ)引込口である。

(4)

正解は(イ)A 種である。

(5)

正解は(ロ)500 である。

参考文献

問3 支持物の倒壊の防止

次の文章は,「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づく,支持物の倒壊の防止に関する記述である。

a)

架空電線路又は架空電車線路の支持物の材料及び構造(支線を施設する場合は,当該支線に係るものを含む。)は,その支持物が支持する電線等による引張荷重,10 分間平均で風速 40 m/s の風圧荷重及び当該設置場所において通常想定される地理的条件,気象の変化,振動,衝撃その他の外部環境の影響を考慮し,倒壊のおそれがないよう,安全なものでなければならない。ただし,人家が多く連なっている場所に施設する架空電線路にあっては,その施設場所を考慮して施設する場合は,10 分間平均で風速 40 m/s の風速荷重の 2 分の 1 の風速荷重を考慮して施設することができる。

b)

架空電線路の支持物は,構造上安全なものとすること等により連鎖的に倒壊のおそれがないように施設しなければならない。

c)

架空電線路の強度検討に用いる想定着雪厚さと鉄塔に対する風圧荷重については,以下によること。

  1. 異常着雪時想定荷重の計算における想定着雪厚さは,当該地域及びその周辺地域における過去の着雪量(当該地域及びその周辺地域において着雪実績が少ない場合は,気象観測データの活用その他の適切と認められる方法により推定した着雪量)を考慮し,さらに当該地域の地形等を十分考慮した上,適切に定めたものであること。ただし,電線に有効な難着雪対策を施す場合は,その効果を考慮して着雪量を低減することができる。
  2. 鉄塔にあっては,甲種風圧荷重と,地域別基本風速における風圧荷重を比べて,大きい方の荷重を考慮すること。また,「電気設備技術基準の解釈」に規定する特殊地形箇所に施設する場合は,その大きい方の荷重と,局地的に強められた風による風圧荷重を比べて大きい方の荷重を考慮すること。ただし,これらの特殊地形箇所に施設する場合に,当該箇所の地形等から強風時の風向が電線路の走行とほぼ平行すると判断されるときは,対象外とする。
問3 の解答と解説を表示

(1)

正解は(チ)40 である。

(2)

正解は(ワ)2 分の 1 である。

(3)

正解は(リ)連鎖的にである。

(4)

正解は(ヲ)難着雪対策である。

(5)

正解は(ヘ)局地的にである。

参考文献

問4 高圧の需要家において停電作業をする場合の保安の監督

次の文章は,高圧の需要家において停電作業をする場合の保安の監督に関する記述である。

施設管理において,電気設備の設置,点検,修理等には停電作業が不可欠であり保安の確保に万全を期す必要がある。

a)

停電作業を行う際は,当該電路の開閉器を開放し,作業前に検電器具を使用して,当該電路が停電したことを確認する。

b)

高圧受電設備や配電線路の電路を開放して作業を行う際は,他線路からの誘導や,近接線の接触による思いがけない事故により作業区域の電路に電圧が印加されることがある。感電事故防止の観点から,簡単な作業でも必ず保安上適切な箇所に短絡接地器具を使用して作業者の安全を確保する。

c)

コンデンサ,ケーブル及びこう長が長い電路においては,充電電流が大きく,残留電荷による電撃等の危険性が大きいことから,安全な方法により確実に放電する。

問4 の解答と解説を表示

(1)

正解は(ヘ)検電器具である。

(2)

正解は(ニ)誘導である。

(3)

正解は(ワ)短絡である。

(4)

正解は(ル)残留電荷である。

(5)

正解は(ハ)放電である。

参考文献

問5 発電用太陽電池設備の支持物の構造等

次の文章は,「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令」及び「発電用太陽電池設備に関する技術基準の解釈」(以下,「太陽電池設備技術基準の解釈」という。)に基づく,支持物の構造等に関する記述である。

太陽電池モジュールを支持する工作物(以下,「支持物」という。)は,次により施設しなければならない。

a)

自重,地震荷重,風圧荷重,積雪荷重その他の当該支持物の設置環境下において想定される各種荷重に対し安定であること。ここで,支持物の安定とは,規定の荷重に対して,支持物が倒壊,飛散及び移動しないことをいう。

b)

土地に自立して施設される支持物の基礎部分は,杭基礎若しくは鉄筋コンクリート造の直接基礎又はこれらと同等以上の支持力を有するものであること。

c)

土地に自立して施設されるもののうち設置面からの太陽電池アレイ(太陽電池モジュール及び支持物の総体をいう。)の最高の高さが 9 m を超える場合には,構造強度等に係る建築基準法及びこれに基づく命令の規定に適合するものであること。


「太陽電池設備技術基準の解釈」では,支持物の標準仕様として,一般仕様,強風仕様及び多雪仕様の三つが示されている。これらは,基準風速などの諸条件を満たす場合に,強度計算を実施せずとも必要な強度等を確保できるよう,地上設置型の設備に適用できる標準仕様となっている。

問5 の解答と解説を表示

(1)

正解は(カ)地震荷重である。

(2)

正解は(ト)移動である。

(3)

正解は(ヌ)鉄筋コンクリートである。

(4)

正解は(リ)建築基準法である。

(5)

正解は(ヨ)多雪である。

参考文献

問6 国際規格の取入れ

次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく,国際規格の取入れに関する記述である。

a)

需要場所に施設する低圧で使用する電気設備は,「電気設備技術基準の解釈」第 1 章~第 6 章(以下「従来方式」という。)によらず,国際電気標準会議 (IEC)60364 規格(以下「IEC 関連規定」という。)により施設することができる。ただし,一般送配電事業者,配電事業者又は特定送配電事業者の電気と直接に接続する場合は,これらの事業者の低圧の電気の供給に係る設備の接地工事の施設と整合がとれていること。

b)

同一の電気使用場所においては,IEC 関連規定と従来方式とを混用して低圧の電気設備を施設しないこと。ただし,次のいずれかに該当する場合は,この限りでない。この場合において,IEC 関連規定に基づき施設する設備と従来方式に基づき施設する設備を同一の場所に施設するときは,表示等によりこれらの設備を識別できるものとすること。

  1. 変圧器(IEC 関連規定に基づき施設する設備と従来方式に基づき施設する設備が異なる変圧器に接続されている場合はそれぞれの変圧器)が非接地式高圧電路に接続されている場合において,当該変圧器の低圧回路に施す接地抵抗値が 2 Ω 以下であるとき
  2. 鉄骨造等の建物において,等電位ボンディングを施した鉄骨等の一部を地中に埋設するとともに,これを共用の接地極として使用して IEC 関連規定に基づき施設する設備及び従来方式に基づき施設する設備の設置工事を施すとき
問6 の解答と解説を表示

(1)

正解は(ロ)直接に接続である。

(2)

正解は(ワ)接地工事である。

(3)

正解は(ヌ)識別である。

(4)

正解は(ハ)2 である。

(5)

正解は(ホ)等電位ボンディングである。

参考文献

問7 低圧の電力系統に分散型電源を連系する場合の施設要件

次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく,低圧の電力系統に分散型電源を連系する場合の施設要件に関する記述である。

a)

単相 3 線式の低圧の電力系統に分散型電源を連携する場合において,負荷の不平衡により中性線に最大電流が生じるおそれがあるときは,分散型電源を施設した構内の電路であって,負荷及び分散型電源の並列点よりも系統側に,3 極に過電流引き外し素子を有する遮断器を施設すること。

b)

低圧の電力系統に逆変換装置を用いずに分散型電源を連系する場合は,逆潮流を生じさせないこと。ただし,逆変換装置を用いて分散型電源を連系する場合と同等の単独運転検出及び解列ができる場合は,この限りでない。

c)

次に掲げる異常を保護リレー等により検出し,分散型電源を自動的に解列するための装置を施設すること。

  1. 分散型電源の異常又は故障
  2. 連系している電力系統の短絡事故,地絡事故又は高低圧接触事故
  3. 分散型電源の単独運転又は逆充電
問7 の解答と解説を表示

(1)

正解は(ロ)構内である。

(2)

正解は(リ)過電流である。

(3)

正解は(ヌ)遮断器である。

(4)

正解は(ヨ)解列である。

(5)

正解は(カ)高低圧接触事故である。

参考文献

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