平成10年度 第二種 電気主任技術者二次試験 電力・管理

2022年10月23日更新

目次

  1. ガスタービン燃焼器の窒素酸化物低減対策
  2. 軽水炉の核分裂反応と濃縮ウラン
  3. 短絡容量
  4. 自家用発電設備を有する需要家の接続
  5. 三相変圧器の短絡法による温度上昇試験
  6. 需要設備に関わる事故・故障および現象

問1 ガスタービン燃焼器の窒素酸化物低減対策

ガスタービン燃焼器の窒素酸化物(NOx)低減対策について述べよ。

ガスタービン燃焼器における燃料の燃焼に伴う窒素酸化物の発生量は,燃焼温度に大きく左右される。局部的に燃焼温度が上昇すればその部分から発生する窒素酸化物の濃度が著しく増加する。したがって,窒素酸化物を低減させるためには,燃焼室の温度を低く抑えるとともに,均一な燃焼が得られるようにすることが必要である。

現在,実用化されている低減方法としては,水または蒸気噴射法および乾式低窒素酸化物燃焼法がある。

問2 軽水炉の核分裂反応と濃縮ウラン

原子力発電の次の項目について説明せよ。

  1. 軽水炉の核分裂反応の仕組み
  2. 軽水炉に濃縮ウランを用いる理由

軽水炉の核分裂反応の仕組み

質量数が235のウランの原子核が中性子を吸収すると,原子が核分裂して様々な原子核が生ずる。その際に質量欠損によるエネルギーが生じ,そのエネルギーを発電に用いる。

軽水炉に濃縮ウランを用いる理由

原子炉の条件は,以下のとおり。

  1. 適切な中性子増倍率をもつこと
  2. 各構成材料間の化学反応がないこと
  3. 動力炉の場合,経済性がよいこと

軽水炉では,一般に減速材と冷却材の両方に軽水(H2)が用いられるが,軽水は相対的にむだな中性子吸収が多く,天然ウランのままでは核燃料にしても所用の中性子増倍率および反応度を得ることができない。そのため,軽水炉では 235U の割合を天然の 0.7 [%] から約 3 [%] まで高めた濃縮ウランを核燃料として使用している。

問3 短絡容量

準備中

問4 自家用発電設備を有する需要家の接続

準備中

問5 三相変圧器の短絡法による温度上昇試験

準備中

問6 需要設備に関わる事故・故障および現象

三相 6.6 [kV] で受電している需要設備に係る「事故・故障および現象」のうち,次に掲げるものそれぞれについて「事故・故障および現象」の状況および発生原因を簡潔に述べよ。

  1. 全停電
  2. 部分停電
  3. 欠相故障
  4. 高圧変圧器に係る警報の作動

全停電

状況としては,需要設備の主開閉器が開放状態となっている,あるいは高圧配電線自体が停電している想定される。

主開閉器が開放したのは,地絡事故,短絡事故,過負荷などが考えられる。高圧配電線自体が停電したのは,上位設備での事故,あるいは配電用変電所にて再々閉路失敗によるものが考えられる。

部分停電

状況は,停電箇所または停電区間以外は健全である。

発生原因は,停電箇所または停電区間へ配電している負荷につながる分岐回路や幹線あるいは区分されている母線(の区分開閉器)が,事故(短絡・地絡・漏電など)や過負荷により開放したと考えられる。

欠相故障

状況は,欠相を生じた相の電流が零になり,電源の相間電圧に著しい電圧不平衡が生じている。

配電線や構内配電回路の一相または二相が断線しているか,区分開閉器の投入不良などにより等価的に断線状態になっていることが考えられる。

高圧変圧器に係る警報の作動

高圧変圧器の油温上昇等が想定される。

油温上昇については,長時間の連続的な過負荷によるものや内部短絡によるものが考えられる。

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