平成11年度 第二種 電気主任技術者二次試験 電力・管理

2022年10月23日更新

目次

  1. 自流式水力発電所の流況曲線
  2. 系統事故などの汽力発電所への影響
  3. 保護継電器
  4. 電線のたるみの曲線式
  5. Y-Δ 結線の三相変圧器の耐圧試験
  6. ディーゼル式の非常用予備発電装置

問1 自流式水力発電所の流況曲線

準備中

問2 系統事故などの汽力発電所への影響

定格出力付近で運転している汽力発電所において,系統事故などにより周波数が低下した場合,以下の問について説明せよ。

  1. 発電所出力変動とボイラ,タービンへの影響及び運転上の留意事項
  2. 所内補機への影響及び運転上の留意事項
  3. 周波数の低下が大きくなった場合に,発電機を解列させる理由

発電所出力変動とボイラ,タービンへの影響及び運転上の留意事項

定格出力付近で運転中に系統周波数が低下した場合,数時間程度であれば過負荷運転をすることができる。過負荷運転を行うために,タービン蒸気流量を増やす方法をとる。過負荷運転を行う場合には,機器の運転状態に十分に注意し,タービン軸のスラストおよび翼の振動,励磁機ブラシのスパーク,各種調整弁の開度の余裕に留意する必要がある。

所内補機への影響及び運転上の留意事項

汽力発電所の所内電源は,主発電機または電力系統から受電するのが一般的であり,系統周波数が低下すると,補機を駆動している誘導電動機の回転速度も低下する。そのため,ボイラの給水ポンプ,復水器冷却ポンプなどポンプ類の回転速度が低下し,吐出圧力,流量が低下するので,ボイラ蒸気圧力も低下し,それに伴って発電所出力も減少する。系統周波数低下時はボイラの流量,復水器真空度などに注意しながら,ボイラ蒸気圧力や発電所出力を抑制する措置を講ずる。

周波数の低下が大きくなった場合に,発電機を解列させる理由

系統周波数が低下すると,タービン動翼の共振が問題となる。振動により,材料の疲労蓄積,クラックの発生などによりタービン翼の破損・損傷など重大事故につながるおそれがある。そのため,汽力発電所においては,低周波数運転限度を設定し,発電機を解列させる。

問3 保護継電器

電力系統における事故などの異常事態を検出し,その部分を速やかに系統から切り離すよう指令を出すことを任務とする保護継電器について,その具備すべき条件を三つ以上挙げて説明せよ。

  • 検出感度:系統構成,需要などの系統の運転状況,事故様相等によらず,保護区間の異常現象を確実に検出する感度を有すること。
  • 選択性:遮断区間が必要最小限となるように事故区間だけを的確に選択検出できるようにすること。
  • 動作速度:系統安定の維持,事故設備の損傷拡大・波及を防ぐため,必要な高速動作が可能であること。
  • 信頼性:誤動作および誤不動作の発生を極力減らし,万が一の誤不動作に対して,次善の保護能力を有していること。

問4 電線のたるみの曲線式

準備中

問5 Y-Δ 結線の三相変圧器の耐圧試験

準備中

問6 ディーゼル式の非常用予備発電装置

需要設備に設置されているディーゼル式の非常用予備発電装置について,受電電源が停止した場合,当該予備発電装置を正常に始動させるために行う保守点検のチェック項目及び試験項目を,通常点検(おおむね毎月 1 回の点検)と特別点検(おおむね毎年 1 回)とに分けて述べよ。

通常点検のチェック項目

  • 水漏れの有無
  • 油漏れの有無
  • 燃料の確認(必要に応じて補給)
  • 潤滑油の確認(必要に応じて補給)
  • 冷却水タンクの水量の確認(必要に応じて補給)
  • 始動用空気タンクの圧力確認およびドレン抜き
  • 始動用蓄電池の液面,電圧,比重の確認
  • 軸受の潤滑油油量確認(必要に応じて補給)
  • 弁類の開閉状態の確認

通常点検の試験項目

非常用発電機を無負荷の状態で試運転して,運転状態を確認する。

特別点検のチェック項目

  • じんあいや異物の除去,清掃
  • 締め付け部,可動部のゆるみや損傷の点検
  • 経年劣化する部品や汚損損傷するものの取替

特別点検の試験項目

実負荷で運転したときの電圧・電流等の測定試験,シーケンス試験,保護継電器の動作試験が挙げられる。

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