平成12年度 第二種 電気主任技術者二次試験 電力・管理

2022年10月23日更新

目次

  1. 水車・発電機の負荷遮断試験
  2. 火力発電所のボイラ設備
  3. 三心ケーブルの静電容量
  4. 三相誘導電動機
  5. 屋外開放形受変電設備の安全対策
  6. 自家用変電所の過電流保護(保護協調)

問1 水車・発電機の負荷遮断試験

準備中

問2 火力発電所のボイラ設備

火力発電所のボイラ設備を構成する過熱器,再熱器,節炭器及び空気予熱器各々について概要を述べよ。

過熱器(superheater)

ボイラドラムなどからの飽和蒸気を過熱し,乾燥した過熱蒸気を作るもので,一般に燃焼ガスの通路中に設置され,放射形・接触形(対流形ともいう)がある。

再熱器(reheater)

熱サイクルの効率向上およびタービン翼の腐食防止などのために,高圧タービンで仕事をした低温低圧の蒸気を一度ボイラに戻して再加熱し,再び中・低圧タービンで仕事をさせるためのものである。主に75MW以上の発電用ボイラに用いられる。

節炭器(economizer)

煙道ガスの予熱を利用してボイラ給水を加熱し,プラント全体の熱効率を高めるとともに,ドラムに与える熱応力の軽減を図る。

空気予熱器(air heater)

節炭器出口側煙道に設けられるもので,煙道ガスの廃熱を燃焼用空気に回収し,プラント熱効率を高める熱交換器をいい,燃焼用空気の予熱により,燃焼効率を向上するものである。

問3 三心ケーブルの静電容量

準備中

問4 三相誘導電動機

準備中

問5 屋外開放形受変電設備の安全対策

屋外開放形の受変電設備の改修・点検作業や改修・点検時の機器操作において,作業者の感電等の人身事故を防止するためにとるべき安全対策を,次の項目について簡潔に述べよ。

  1. 電気設備の設計,施工面での安全対策
  2. 改修・点検時の作業や操作を行う際の設備面での安全対策
  3. 改修・点検時の作業や操作を行う際の作業面での安全対策

電気設備の設計,施工面での安全対策

電気設備技術基準の遵守するとともに,労働や安全衛生規則による充電電路に対する接近限界距離を遵守する。また,経済性を考慮した上で,GIS機器など充電部の露出部分を少なくする設計とする。施工面では,工程に余裕を持たせるとともに,安全に作業が進められるように,手順書の作成を行う。

改修・点検時の作業や操作を行う際の設備面での安全対策

  • 充電部との安全距離を確保するために,作業区画を実施する。
  • 超高圧設備など静電誘導電圧の高いところでは,静電シールドを実施する。
  • 機器配置や照明などの作業環境を整備する。
  • 誤操作防止を図るため,タブレットなどを用いる。

改修・点検時の作業や操作を行う際の作業面での安全対策

  • 定期的に安全教育を実施する。
  • 作業前に,TBM-KY(ツールボックスミーティング・危険予知)を実施する。
  • 作業・操作手順書を作業員全員に周知徹底する。
  • 誤操作防止処置(インタロックやタブレット)を確認する。
  • 電路の検電と接地を実施する。
  • 給電所・制御所など関係箇所と確実な相互連絡を実施する。
  • 予定外作業は絶対に行わない。
  • 基本動作の励行と,必要に応じて監視員を配置する。
  • 運転側・作業側など責任区分を明確化する。

問6 自家用変電所の過電流保護(保護協調)

自家用変電所の過電流保護について,保護協調の観点から次の問に答えよ。

  1. 保護継電方式における保護協調の概念について簡潔に述べよ。
  2. 過電流継電器の動作時間整定値(限時整定値)の考え方について供給変電所とのかかわりも含め簡潔に述べよ。

保護協調の概念

一般電気事業者の系統と自家用配電系統の接合点にあたる受変電設備の保護は,両系統を通しての強調が必要である。電力会社の系統の末端としての継電器の整定と,自家用配電系統の電源端としての整定とが矛盾なく行えることが望ましい。

過電流継電器の動作時間整定値(限時整定値)の考え方

送配電の短絡事故には送配電線に接続された過電流継電器が確実に動作しなければならないが,事故が需要家構内の場合には需要家側の過電流継電器が先に動作するような時限協調を図ることが必要である。

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