【要点ノート】電気及び電子理論

2019年10月27日作成,2022年7月17日更新

電気及び電子理論

静電界と磁界

SI 単位

国際単位系(SI)とは,メートル法の後継として国際的に定めた単位系である。略称の SI はフランス語に由来するが,これはメートル法がフランスの発案によるという歴史的経緯による。

この SI は,2019 年 5月 20 日の世界計量記念日から一部の単位の定義が改定されている。この改定により,全ての SI 単位が基礎物理定数などの定義定数を基にすることとなった。

SI 基本単位
単位の名称 記号 定義(2019年5月20日現在)
時間 s 秒は,時間の SI 単位である。これは,単位 Hz(s-1 に等しい)による表現において,セシウム周波数 $\Delta \nu_{\text{Cs}}$,すなわち,セシウム 133 原子の摂動を受けない基底状態の超微細構造繊維周波数を正確に 9,192,631,770 と定めることによって設定される。
長さ メートル m メートルは,長さの SI 単位である。これは,単位 m/s による表現において,真空中の光の速さ $c$ を正確に 299,792,458 と定めることによって設定される。
質量 キログラム kg キログラムは,質量の SI 単位である。これは,単位 Js(kg m2 s-1 に等しい)による表現において,プランク定数 $h$ を正確に 6.626,070,15 × 10-34 と定めることによって設定される。
電流 アンペア A アンペアは,電流の SI 単位である。これは,単位 C(A s に等しい)による表現において,電気素量 $e$ を正確に 1.602,176,634 × 10-19 と定めることによって設定される。
熱力学温度 ケルビン K ケルビンは,熱力学温度の SI 単位である。これは単位 JK-1(kg m2 s-2 K-1 に等しい)による表現において,ボルツマン定数 $k$ を正確に 1.380,649 × 10-23 と定めることによって設定される。
物質量 モル mol モルは,物質量の SI 単位である。1 モルは正確に 6.022,140,76 × 1023 の要素粒子を含む。この数字は,単位 mol-1 による表現において,アボガドロ定数 $N_{\text{A}}$ を正確に定めた値であり,アボガドロ数と呼ばれる。系の物質量は,特定された要素粒子の数の尺度である。要素粒子とは,原子,分子,イオン,電子,その他の粒子,あるいは,複数の粒子であってもよい。
光度 カンデラ cd カンデラは,所定の方向における光度の SI 単位である。これは,単位 lm W-1(cd sr W-1 あるいは cd sr kg-1 m-2 s3 に等しい)による表現において,周波数 540 × 1012 Hz の単色放射の視覚効果度 $K_{\text{Cd}}$ を正確に 683 と定めることによって設定される。

かつて国際単位系(SI)にあった単位の区分で,「基本単位でも組立単位でもないが補助的に使われる単位」を指した。具体的には,角度の単位ラジアンと立体角の単位ステラジアンが含まれていた。1995 年の国際度量衡総会において,この2 つの単位は無次元の組立単位として解釈すること,補助単位という区分は廃止することが決議された。

SI 補助単位(現在は廃止)
単位の名称 記号 定義
平面角 ラジアン rad 円の周上でその半径の長さに等しい長さの弧を切り取る 2 本の半径の間に含まれる平面角
立体角 ステラジアン sr 球の中心を頂点とし,その球の半径を一辺とする正方形の面積に等しい面積をその球の表面上で切り取る立体角
実用電気単位系の定義
単位の名称 記号 定義
電流 アンペア A 1 A は,真空中に 1 m の間隔で平行に置かれた無限に小さい円形断面の 2 本の無限長直線導体のそれぞれを流れ,その導体の長さ 1 m ごとに 2 × 10-7 N の力を及ぼし合う一定の電流。交流電流では電流の瞬時値の 2 乗の 1 周期平均の平方根が上記の値に等しい電流
電圧 ボルト V 1 V は,1 A の不変の電流が流れる導体の 2 点間において消費される電力が 1 W であるとき,その 2 点間の電圧,交流電圧では,電圧の瞬時値の 2 乗の 1 周期平均の平方根が上記の値に等しい電圧
抵抗 オーム Ω 1 Ω は,1 A の電流が流れる導体の 2 点間の電圧が 1 V であるときその 2 点間の電気抵抗
電荷 クーロン C 1 C は,1 A の電流によって 1 秒間に運ばれる電気量
静電容量 ファラド F 1 F は,1 C の電気量を充電したときに 1 V の電圧を生じるコンデンサの静電容量
インダクタンス ヘンリー H 1 H は,1 A/s の割合で一様に変化する電流が流れるときに,1 V の起電力を生じる閉回路のインダクタンス
磁束 ウェーバ Wb 1 Wb は,1 回巻きの閉回路と鎖交する磁束が一様に減少して 1 秒後に消滅するときに,その閉回路に 1 V の起電力を生じさせる磁束
電力 ワット W 1 W は,毎秒 1 ジュールの割合でエネルギーを出す仕事効率

電界の強さと磁界の強さ

電界の強さ

一つの帯電体の近くに,ほかの帯電体を近づけると,この帯電体にはクーロンの法則に従う力が働く。一つの帯電体の近傍は,その帯電体の電気的勢力の範囲内にあり,ここに他の帯電体が来ると,これに力を及ぼすと考えることもできる。この電気的な勢力を及ぼす範囲を,電界という。

帯電体の帯電の仕方によって,電界の様子が異なってくる。電界内の一点に単位電荷を置いたとき,これに働く力をその点の電界の強さという。

磁界の強さ

クーロンの法則

帯電体の間には力が働くが,この力は帯電体の持つ電荷と電荷との間に力が働くために現れる。この電荷間の力については,実験的に次の法則が見いだされた。

二つの帯電体の間に働く力は,その方向は両電荷を結ぶ直線上にあり,その大きさは電荷量の積に比例し,距離の二乗に反比例する。ただし,帯電体の大きさはその距離に比べて十分に小さいとする。

$Q_1$,$Q_2$ をそれぞれ二つの電荷,$r$ を二つの電荷間の距離とすれば,その間に働く力 $F$ は,次式で表される。

\[ F \propto \frac{Q_1 Q_2}{r^2} \]

これをクーロンの法則といい,この法則に従って発生する力を,クーロン力と呼ぶ。

$Q_1$ と $Q_2$ とが同符号すなわち同種の電気のときには反発力,$Q_1$ と $Q_2$ とが異符号すなわち異種の電気のときには吸引力となる。

同符号の電荷間のクーロン力
図 同符号の電荷間のクーロン力

電位

コンデンサ

磁気に関する法則

フレミングの法則と導体間に働く電磁力

磁気回路のオームの法則と磁性体の性質

インダクタンスと相互インダクタンス

静電エネルギーと電磁エネルギー

電気回路の基礎

オームの法則とジュールの法則

オームの法則

加えられた電気エネルギーを蓄積することなく消費する素子を抵抗素子といい,下図で示す図記号で表す。

抵抗の図記号
図 抵抗の図記号

普通の抵抗素子では,オームの法則が成り立つ。

\[ V = RI \]

すなわち,電流 $I$ は加えられた電圧 $V$ に比例する。ここに,比例定数 $R$ を電気抵抗または単に抵抗といい,単位としてオームが用いられ,記号 Ω で表される。抵抗 $R$ の逆数 $G = 1/R$ をコンダクタンスといい,単位としてジーメンスが用いられ,記号 S で表される。

ジュールの法則

電気抵抗と抵抗の温度係数

抵抗の直・並列接続と Δ · Y 接続

キルヒホッフの法則

キルヒホッフの第一法則(電流連続の法則:Kirchhoff's current law)

任意の導線の接続点に流入する電流の代数和は 0 に等しい。一般には,次式で表される。

\[ \sum_{k=1}^n I_k = 0 \]

ただし,流入する電流はそのまま,流出する電流は符号を反転してから総和を取ることとする。

キルヒホッフの第二法則(電圧平衡の法則:Kirchhoff's voltage law)

回路網中の任意の閉路において,その閉路を構成する枝の電位差の代数和は 0 に等しい。一般には,次式で表される。

\[ \sum_{k=1}^n V_k - \sum_{k=1}^n E_k = 0 \]

重ね合わせとテブナンの定理

交流回路の基礎

交流波形の基本式

平均値と実効値

単相交流回路

$RLC$ 素子の直列回路

$RLC$ 素子の並列回路

三相交流回路

三相交流回路の基礎

V 結線と三相不平衡負荷時の電流

相互インダクタンスを含む三相回路

電子理論

トランジスタとオペアンプ

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