科目Ⅰ:エネルギー総合管理及び法規 平成19年度

問題1 エネルギーの使用の合理化に関する法律及び命令

以下の問題文では,

  • エネルギーの使用の合理化に関する法律を「法」
  • エネルギーの使用の合理化に関する法律施行令を「令」
  • エネルギーの使用の合理化に関する法律施行規則を「則」
  • エネルギーの使用の合理化に関する基本方針を「基本方針」
  • 工場又は事業場におけるエネルギーの使用の合理化に関する事業場の判断の基準を「工場・事業場判断基準」
と略記する。

「基本方針」の文章の一部

エネルギーの使用量が国民経済の発展及びエネルギーの使用の合理化の推進に依存するとともに,産業構造,企業行動,交通体系,国民のライフスタイルその他の社会のあり方の変化によっても影響を受けることに留意しつつ,我が国のエネルギーを概ね石油代替エネルギーの供給目標(平成17年経済産業省告示第134号)及び京都議定書目標達成計画(平成17年4月28日閣議決定)の策定に当たり勘案されているエネルギー需要の長期見直しの水準とすることを目標とする。

「工場・事業場判断基準」の文章の一部

Ⅱ エネルギーの使用の合理化の目標及び計画的に取り組むべき措置

  1. その他エネルギーの使用の合理化に関する事項

[1] 熱エネルギーの効率的利用のための検討

熱の効率的利用をはかるためには,有効エネルギー(エクセルギー)の観点から総合的なエネルギーの使用状況のデータを整備するとともに,熱利用の温度的な整合性改善についても検討すること。

「法」第11条(エネルギー管理者の職務),「則」第10条(エネルギー管理者の業務)の条文

「法」第11条(エネルギー管理者の職務)

エネルギー管理者は,第一種エネルギー管理指定工場におけるエネルギーの使用の合理化に関し,エネルギーを消費する設備の維持,エネルギーの使用の方法の改善及び監視その他経済産業省令で定める業務を管理する。

「則」第10条(エネルギー管理者の業務)

法第11条の経済産業省令で定める業務は,次のとおりとする。

  1. エネルギーの使用の合理化に関する設備の維持
  2. 第17条の報告書の作成及び法第87条第3項の報告に係る書類の作成

「法」第16条(合理化計画に係る指示及び命令)の条文の一部

主務大臣は,第一種エネルギー管理指定工場におけるエネルギーの使用の合理化の状況が第5条第1項に規定する判断の基準となるべき事項に照らして著しく不十分であると認めるときは,当該第一種エネルギー管理指定工場に係る第一種特定事業者に対し,その判断根拠を示して,エネルギーの使用の合理化に関する計画(以下「合理化計画」という。)を作成し,これを提出すべき旨の指示をすることができる。

  1. 主務大臣は,第一種特定事業者が合理化計画を実施していないと認めるときは,当該第一種特定事業者に対し,合理化計画を適切に実施すべき旨の指示をすることができる。
  2. 主務大臣は,前3項に規定する指示を受けた第一種特定事業者がその指示に従わなかったときは,その旨を公表することができる。

「法」第2条(定義),「令」第1条(定義),「則」第2条,3条(燃料の種類)関連の文章

ある工場の前年度の燃料などの使用は以下のとおりであった。

  1. A重油をボイラと加熱炉で使用した
  2. RDF(廃棄物固形燃料)をボイラで使用した
  3. 一般の電力会社から購入した電気を使用した
  4. 太陽光発電設備で発電した電気を使用した
  5. 可燃性天然ガスを燃料電池に供給し得られた電気を使用した

この工場の「法」で定めるエネルギーの対象となるのはaとcとeである。

「法」第7条(特定事業者の指定),「令」第2条(特定事業者の指定に係るエネルギーの使用量),「則」第5条(特定事業者の指定に係るエネルギーの使用の状況に関する届出)関連の文章

既に第二種エネルギー管理指定工場に指定されている建設機械製造工場において,前年度に使用した燃料並びに熱及び電気の合計の原油換算エネルギー使用量が3200キロリットルとなった。当該工場は,本年度の4月末日までにエネルギー使用状況届出書を経済産業大臣に提出しなければならない。

「法」第7条(特定事業者の指定),8条(エネルギー管理者),「令」第2条(特定事業者の指定に係るエネルギーの使用量),3条(エネルギー管理者の選任基準),「則」第4条(換算の方法)関連の文章

ある耐火れんが製造工場において前年度に使用した燃料の量を換算した発熱量が63万ギガジュール,その燃料の一部21万9千ギガジュールを使用してコージェネレーション設備を運転し,発電した電気の量を換算した熱量が9万8千ギガジュール,発生した熱のうち回収できた熱はすべて蒸気として取り出し,全量を隣接する別会社へ供給した。この蒸気の熱量は7万3千ギガジュールであった。また,それらとは別に電力会社から供給された電気の量を換算した熱量が19万ギガジュールであった。この工場の当該年度における原油換算エネルギー使用量は21156キロリットルとなり,選任すべきエネルギー管理者の数は2人である。

「則」第4条によれば,使用した燃料の量の原油への数量への換算は,発熱量千万キロジュールを原油0.258キロリットルとして換算することとしている。

前年度に使用したエネルギーの量の合計は,

6300000+190000=820000[GJ]
であり,これを原油換算すると,
820000/10×0.258=21156[kl]
となる。

「令」第3条(エネルギー管理者の選任基準)によれば,2万キロリットル以上5万キロリットル未満では2人選任する必要がある。

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