科目Ⅰ:エネルギー総合管理及び法規 平成19年度

問題2 エネルギー情勢・政策,エネルギー概論

国際単位系(SI)

国際単位系(SI)では,次元として互いに独立な基本量に基づく七つの基本単位を用いる。それらは,長さ[m],質量[kg],熱力学温度[K],電流[A],光度[cd],物質量[mol]である。

温排水を利用する発電

温排水を利用する発電を考えるとき,高温熱源の温排水温度が75°C,低温熱源の冷水温度が20°Cの場合,理論的に得られる最高の発電効率は約16[%]である。

温度差により熱機関を動かす場合,その仕事量は温度差で決まる。理論的に得られる発電効率は,次式のとおり。

η

水の顕熱と潜熱

冷熱の貯蔵に最も一般的に用いられる媒体は水である。これには水の顕熱を用いる場合と,水を凍らせて氷を作り,その潜熱を用いる場合とがある。20°Cの水を使用する場合を考えると,水の比熱を4.2kJ/(kg·K)とすれば,20°Cの水1kgを0°Cまで冷却するには84[kJ]の熱を奪う必要がある。更にこの水を氷にするためには,凝固の潜熱を約334[kJ]奪う必要がある。

我が国の一次エネルギーの自給率

エネルギー資源に乏しい我が国は一次エネルギーの殆どを輸入に依存している。2003年の一次エネルギー総供給量は,原油換算で6億キロリットルであるが,原子力を国際エネルギーに含めた場合でも一次エネルギー自給率は約16[%]でしかない。

温室効果ガスの排出削減目標

1997年12月開催の「気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)」において採択された議定書で,先進国の温室効果ガスの排出削減目標が定められ,2005年2月にこの議定書が発効した。対象となる温室効果ガスは二酸化炭素,メタン,一酸化二窒素,及び代替フロンなど3種類のガス(ハイドロフルオロカーボン,パーフルオロカーボン,六ふっ化硫黄)で合わせて6種類である。

我が国の温室効果ガスの排出削減目標は,基準年である1990年度の総排出量(代替フロンなど3種類のガスについては1995年を基準年とする)に対して6[%]の削減であり,この目標を2008年から2012年までの第一約束期間における年平均総排出量として達成する必要がある。

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