科目Ⅳ:電力応用 平成19年度

問題15 照明-選択問題

用語

光源の寿命は光源が点灯しなくなるか,又は全光束が規定した値に減少するまでの時間である。

配光特性は光源から発散する光の方向による強度変化の状態を示したものである。

分光分布は光源の放射の強さの密度の波長的な広がりを示したもので,これによって色温度や平均演色評価数が決まる。

光源の始動特性は,回路の電源スイッチを閉にしてから光源の発光が定常的に安定するまでの時間を表す。

照度計算

間口10m,奥行き20m,高さ3mの事務室があり,40W形蛍光ランプ2灯用天井埋込み下面開放形の照明器具が60台設置されている。床下0.85mにおける作業面の平均照度は750lx,40W形蛍光ランプ1本当たりの全光束は3500lm,保守率は0.7とする。

事務室の床上0.85mにおける室指数は3.1である。

室指数Kは,間口をX[m],奥行きをY[m],高さをH[m]とすると,次式で求められる。
K=3.10

この照明器具の照明率は5.1×10-1である。

光束法による平均照度Eは次式で表される。
E[lx]
ここで,Fは光源の光束(ランプ1本当たりの光束),Nは光源の灯数,Aは床面積[m²],Mは保守率,Uは照明率である。これより,照明率は,
U=0.510

この照明器具の総合効率が75lm/Wの場合,1日の点灯時間を8時間として,1年間(300日)に消費する電力量は13.4[MW·h]である。

1年間に消費する電力量Wは,
W=日数×時間×1本当たりの光束/総合効率×蛍光ランプ数
=300×8×3500/75×2×60=13.44×106[W·h]

45W形高周波点灯専用蛍光ランプ(1本当たりの全光束は4700lm)とそれ専用の2灯用天井埋込み下面開放形の照明器具により,照明の改修を行った。改修前の平均照度を得るには,照明器具は少なくとも45台必要となる。ただし,改修前後の照明率及び保守率は変わらないものとする。

上記の結果から,高周波点灯専用照明器具の総合効率が90lm/Wの場合,1年間(300日)に節約できる電力量は2.16[MW·h]となる。

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