科目Ⅰ:エネルギー総合管理及び法規 平成20年度

問題2 エネルギー情勢・政策,エネルギー概論

国際単位系(SI)では

  • 長さ(メートル[m])
  • 質量(キログラム[kg])
  • 時間(秒[s])
  • 電流(アンペア[A])
  • 熱力学温度(ケルビン[K])
  • 物理量(モル[mol])
  • 光度(カンデラ[cd])
の七つの量を基本単位としている。これら七つの量以外の量については基本単位の組合せが用いられ,それらを組立単位と呼んでいる。組立単位の中には固有の名称を持つものが幾つかある。例えば,力の単位であるニュートン[N]は固有の名称を持つ組立単位の一つであるが,力は質量と加速度の積であるから,基本単位を用いて
[N]=[kg・m/s²]
と表される。

同様に,次の四つの固有の名称を持つ組立単位は,基本単位を用いて表せば

[Pa]=[kg/(m・s²)]・・・圧力の単位:[N]/[m²]
[W]=[kg・m²/s³]・・・仕事の単位:[J]/[s]=[N・m]/[s]
[V]=[kg・m²/(A・s³)]・・・電位,電圧の単位:[J]/[C]=[N・m]/[A・s]
[Ω]=[kg・m²/(A²・s³)]・・・抵抗の単位:[V]/[A]
である。

30℃での高温熱源と5℃の低温熱源の間で作動するカルノーサイクルの理論熱効率は約8[%]である。また,この二つの熱源間で逆カルノーサイクルを作動させ,低温熱源から熱を汲み上げ高温熱源に与えるとすると,その際のヒートポンプとしての理論COP(成績係数あるいは動作係数)は約12となる。

カルノーサイクルの理論効率は,
より,約8[%]となる。

地球を取り巻く大気圏にはオゾン濃度の高い領域がありオゾン層と呼ばれている。オゾン層は地球から放射される電磁波のスペクトルのうち,主に300nm程度の波長の電磁波を吸収するので,皮膚がんの発生を抑制するなど地球上の生態系を守るのに役立つと考えられている。近年,大気中に放出されたフロンガスがオゾン層にまで到達し,そこで分離遊離した塩素がオゾンを分解する作用を持つことが指摘され,HFCなどに代替されてきている。しかし,HFCなどの代替フロンは地球温暖化の原因となる温室効果を有することから,京都議定書において削減対象に挙げられている。

高低差230mで放水される水力発電用ダムに貯えられている有効貯水量12000000[m³]の水が保有する位置エネルギーは約27000[GJ]である。また,このダムからの放水85[m³/s]を利用して発電する場合,理論最大発電出力は190[MW]である。

位置エネルギーW=mgh,理論最大発電出力P=9.8QH
inserted by FC2 system