科目Ⅰ:エネルギー総合管理及び法規 平成21年度

問題1 エネルギーの使用の合理化に関する法律及び命令

以下の問題文では,

  • エネルギーの使用の合理化に関する法律を「法」
  • エネルギーの使用の合理化に関する法律施行令を「令」
  • エネルギーの使用の合理化に関する法律施行規則を「則」
  • エネルギーの使用の合理化に関する基本方針を「基本方針」
  • 工場又は事業場におけるエネルギーの使用の合理化に関する事業場の判断の基準を「工場・事業場判断基準」
と略記する。

「法」第1条(目的)の条文

この法律は,内外におけるエネルギーをめぐる経済的社会的環境に応じた燃料資源の有効な利用の確保に資するため,工場,輸送,建築物及び機械器具についてのエネルギーの使用の合理化に関する所要の措置その他エネルギーの使用の合理化を総合的に進めるために必要な措置等を講ずることとし,もつて国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

「法」第2条(定義)の条文の一部

この法律において「エネルギー」とは,燃料並びに熱(燃料を熱源とする熱に代えて使用される熱であって政令で定めるものを除く。以下同じ。)及び電気(燃料を熱源とする熱を変換して得られる動力を変換して得られる電気に代えて使用される電気であって政令で定めるものを除く。以下同じ。)をいう。

「法」第8条(エネルギー管理者),「則」第9条(エネルギー管理者の選任又は解任の届出)の条文の一部

「法」第8条第2項

第一種特定事業者は,経済産業省令で定めるところにより,エネルギー管理者の選任,死亡又は解任について経済産業大臣に届け出なければならない。

「則」第9条

法第8条第2項の規定による届出は,エネルギー管理者の選任又は解任のあった日後の最初の7月末日までに,様式第七による届出書一通を提出してしなければならない。

「法」第11条(エネルギー管理者の職務)の条文

エネルギー管理者は,第一種エネルギー管理指定工場におけるエネルギーの使用の合理化に関し,エネルギーを消費する設備の維持,エネルギーの使用の方法の改善及び監視その他経済産業省令で定める業務を管理する。

「法」第16条(合理化計画に係る指示及び命令)の条文の一部

主務大臣は,第一種エネルギー管理指定工場におけるエネルギーの使用の合理化の状況が第5条第1項に規定する判断の基準となるべき事項に照らして著しく不十分であると認めるときは,当該第一種エネルギー管理指定工場に係る第一種特定事業者に対し,その判断の根拠を示して,エネルギーの使用の合理化に関する計画(以下「合理化計画」という。)を作成し,これを提出すべき旨の指示をすることができる。

2 略

3 主務大臣は,第一種特定事業者が合理化計画を実施していないと認めるときは,当該第一種特定事業者に対し,合理化計画を適切に実施すべき旨の指示をすることができる。

「法」第7条(特定事業者の指定),「令」第2条(特定事業者の指定に係るエネルギーの使用量)関連の文章

ある機械器具製造業の工場における前年度に使用したエネルギー量は,燃料の量が原油換算量で1800キロリットル,及び一般電気事業者から供給を受けた電気の量が原油換算量で1400キロリットルであった。この工場は第一種エネルギー管理指定工場に該当する。

「法」第8条(エネルギー管理者),「令」第3条(エネルギー管理者の選任基準)関連の文章

化学工業製品製造業の工場で,年度の原油換算エネルギー使用量が6万キロリットルであった場合,エネルギー管理者を3人選任しなければならないが,同量のエネルギー使用量であった場合の地域熱供給業の工場では,エネルギー管理者を1人選任しなければならない。

「法」第2条(定義),「法」第15条(定期の報告),「令」第1条(定義),「則」第4条(換算の方法),「則」第17条(定期の報告)関連の文章

ある工場の前年度の燃料などの使用量は以下のとおりであった。

  1. 燃料として使用したA重油の量を発熱量に換算した量が13万ギガジュール
  2. aで述べたA重油を一部を使用し,自工場のコージェネレーション設備によって発電して使用した電気の量を熱量に換算した量が2万5千ギガジュール
  3. bで述べたコージェネレーション設備によって生成した蒸気の熱量を燃料の発熱量に換算した量が4万ギガジュール
  4. cで述べた蒸気のうち,隣接する他企業の工場へ販売した蒸気の熱量を燃料の発熱量に換算した量が2万ギガジュール
  5. 一般電気事業者から購入した電気の量を熱量に換算した量が2万ギガジュール
  6. ボイラで消費した廃棄食用油の発熱量が2千ギガジュール

この工場が前年度に使用した「法」で定めるエネルギー使用量を算出するには,前述のa~fのうちのaとeを合算することとなる。その合算量は原油換算エネルギー使用量で3870キロリットルとなる。

また,この工場のエネルギー消費原単位は,生産のために要したエネルギー使用量を生産数量を除することを求められるので,エネルギー使用量は前述のaとe合算量からdを差し引くこととなる。

aとeの熱量を合算すると15万ギガジュール。1ギガジュールを原油に換算すると,0.0258キロリットルであるので,
150000×0.0258=3870[キロリットル]
となる。
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