目指せ!エネルギー管理士 電気分野

2013年6月16日作成,2019年7月26日更新

平成21年度 問題6 電気計測

(1) 温度センサ

温度センサとして広く使用されるものに,熱電対,サーミスタ測温体,測温抵抗体,半導体センサなどがある。

このうち,熱電対は,2 種類の金属を両端で接続し,二つの接点に異なる温度を与えたときに電流が流れるというゼーベック効果を利用したもので,この接点の一方を開いたときに,温度差に応じて変化する起電力で温度を測定する。また,サーミスタ測温体は,温度によって抵抗の値が大きく変化する性質を利用して温度を測定する。

(2) 計器用変成器

電圧の高い交流回路で電圧,電流などの電気量を測定する場合,一般に計器を回路から絶縁するとともに,測定対象の電圧,電流のレベルを変換して,標準的な計器で測定可能となるように,計器用変成器を用いる。計器用変成器には電圧を変成する計器用変圧器と,電流を変換する変流器がある。

ここで,いずれも巻線の抵抗,巻線によるインダクタンスなどの影響は無視できる理想状態にあるものとする。

計器用変圧器の一次電圧を $V_1$,二次電圧を $V_2$,一次巻線の巻線を $N_1$,二次巻線の巻数を $N_2$ とすると,次式が成立する。

\[ \frac{V_1}{V_2}=\frac{N_1}{N_2} \]

また,変流器の一次電流を $I_1$,二次電流を $I_2$,一次巻線の巻数を $N_1$,二次巻線の巻数を $N_2$ とすると,次式が成立する。

\[ \frac{I_1}{I_2}=\frac{N_2}{N_1} \]

計器用変圧器の一次電圧と二次電圧の比 $\displaystyle \frac{V_1}{V_2}$ を変圧比,変流器の一次電流と二次電流の比 $\displaystyle \frac{I_1}{I_2}$ を変流比と呼ぶ。

いま,ある負荷の電力 $P_1$ を測定するために変圧比 $K_v$ の計器用変圧器と,変流比 $K_i$ の変流器を使用して二次側の電力を測定したところ $P_2$ [kW] であった。このとき,$P_1$ と $P_2$ の間には次式が成立する。

\[ P_1=K_V K_I \times P_2 \]

(3) ホイートストンブリッジ

図に示すホイートストンブリッジが平衡状態にあるとき,抵抗 $R$ の値は 20 [Ω] となる。また,このときの電源から見たブリッジ回路全体の抵抗値は 4.8 [Ω] となる。

図 ホイートストンブリッジ

(4) 流量測定

流量測定に広く使用される計測器として,差圧式流量計(オリフィスと差圧伝送器の組合せ),渦流量計,電磁流量計などがある。

差圧式流量計の場合は,$Q$ を流量,$\Delta P$ を差圧,$K_1$ を定数とすれば,$Q=K_1\sqrt{\Delta P}$ の関係があり,渦流量計及び電磁流量計の場合は,$Q$ を流量,$V$ を流速,$K_2$ を定数とすれば,$Q=K_2 V$ の関係がある。

差圧式流量計では差圧伝送器のフルスケールに対する最大誤差を 0.1 % とし,渦流量計及び電磁流量計では指示値に対する最大誤差が全流量域において 1 % である場合,それぞれの流量計の指示値がいずれも 0.7(70 %)のとき,実流量は次の範囲に入る。ただし,オリフィス誤差,温度及び圧力などの影響は無視できるものとする。

差圧式流量計・・・・・・・・0.699 ~ 0.701
渦流量計及び電磁流量計・・・0.693 ~ 0.707
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