科目Ⅲ:電気設備及び機器 平成21年度

問題10 電気機器

同期機

同期機とは「定常運転中に極数と交流周波数で定まる同期速度で回転する交流回転機をいう」と定義されている。

三相同期電動機は,負荷の大きさにかかわらず,電源周波数が一定であれば常に一定の回転速度で運転することができ,また,直流励磁装置を有する同期電動機では,界磁電流を調整することによって力率を任意に変化させることができる。

回転界磁形の三相同期電動機では,電機子巻線に三相交流を供給すると回転磁束が発生する。また,界磁巻線に直流電流を供給すると磁極は一方向に磁化される。回転磁束軸と回転磁極軸とがある角度を保って回転しているときに一定方向のトルクが発生する。

三相同期電動機の出力P[W]は,機械損と鉄損を無視し,電機子巻線抵抗が同期リアクタンスに比べて十分小さいものとすれば,端子電圧(星形1相)V[V],誘導起電力(星形1相)E0[V],同期リアクタンスxs,及び端子電圧と誘導起電力との相差角(負荷角)δ[rad]を用いて次式で表される。

P

すなわち,端子電圧及び誘導起電力を一定とすれば,出力は負荷角の関数であり,0<δ<π/2においては,電動機負荷の増加と共に負荷角は大きくなる。また,界磁電流を増加させて誘導起電力が増加したとき,一定端子電圧をもとに出力を一定に保つためには,δが減少しなければならない。

ある一定出力において,電機子電流が端子電圧と同相の場合に電機子電流は最小となり,界磁電流を更に大きくした場合には,電機子電流は端子電圧に対して進み電流となるので,この特性を利用して系統の力率改善を行うことができる。

三相ブリッジ整流回路

準備中

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