科目Ⅰ:エネルギー総合管理及び法規 平成22年度

問題2 エネルギー情勢・政策,エネルギー概論

国際単位系(SI)では,幾つかの基本量とその単位(基本単位)を定義し,その他のすべての量(組立量)を基本単位の組合せ(組立単位)で表している。ただし,組立単位には,基本単位の組合せだけではなく,[Pa]や[Ω]など固有の名称を持つものも用いられている。次の表はエネルギー管理に係る幾つかの,組立量と組立単位の対応を表したものである。

表 組立量と組立単位の対応
組立量 組立単位
圧力 [Pa]
電荷 [C]
エントロピー [J/K]
熱伝導率 [W/(m·K)]
照度 [lx]

高温熱源からQ1の熱を受け取り,その一部を仕事Wに変換し,Q2の熱を低温熱源に放出している熱機関がある。このとき,Q1に対するWの比,すなわちW/Q1をこの熱機関の熱効率という。一方,低温熱源から熱Q2を得て仕事Wを使ってその熱を運び,高温熱源に熱Q1を与えている冷凍機があるとき,Wに対するQ2の割合Q2/Wを冷凍機の成績係数と呼ぶ。低温熱源から得た熱Q2ではなく,高温熱源に与える熱Q1を利用するような機器はヒートポンプと呼ばれている。

液化天然ガス(LNG)は気体の天然ガスを1気圧,約-160[°C]で液化したものである。その1kgの発熱量は約55MJであり,これは地上から高低差が550mの高さにある,質量104[kg]の物体が持つ位置エネルギーに相当する。

地表付近の大気に含まれる主な成分の中で,波長0.5~10μmの熱放射を吸収する性質を持つ物質には,水蒸気,二酸化炭素,メタン,一酸化二窒素,オゾンなどがあり,これらは温室効果ガスと呼ばれている。

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