目指せ!エネルギー管理士 電気分野

2023年8月4日更新

平成22年度 問題8 工場配電

(1) 太陽光発電設備

太陽光発電設備は,発電源となる太陽電池,その電源から発生する直流電力を交流に変換する逆変換器部,及び系統事故時に逆変換器を速やかに停止させる連系保護装置部の三つの主要部分から構成され,太陽電池は材料と組成により次のように分類される。

表 太陽電池の材料と組成による分類
太陽電池の材料と組成 主な特徴
シリコン 単結晶 高純度シリコンを使用
変換効率が高い
多結晶 シリコンは高純度を要しない
変換効率はやや劣る
多数の単結晶群により形成される
アモルファス 変換効率は劣るが,製造コストは安い
10 μm 程度の薄いシリコン層で形成される
化合物 銅,ガリウム,セレンなどの化合物を使用し,シリコンを使用しない

逆変換器部と連系保護装置部は合わせてパワーコンディショナと呼ばれ,逆変換回路には電圧形インバータが一般に使用される。この設備に要求される機能としては連系保護に加え,制御として出力電流制御,太陽光発電を有効活用するための最大電力点追従制御などがある。

(2) 電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン

図は,太陽光発電設備を有し,一般電気事業者の電力系統の高圧廃電線に連系する,ある工場の配電設備を示す。太陽光発電などの分散型電源を電力系統に連系する場合には,「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン(平成16年資源エネルギー庁)」で定められた,電圧・周波数などの電力品質を確保していくための事項及び連絡体制についてその要件を満たす必要がある。

このガイドラインで定められている技術要件には次のようなものがある。

  1. 太陽光発電などの発電設備などを高圧配電線に連系するには,当該の技術要件を満たした上で,その電力容量が原則として 2000 [kW] 未満の設備とする。
  2. 高圧配電線は低圧需要家への配電線に接続している場合も多いが,発電設備などの連系によって低圧需要家の電圧が変動する可能性がある。高圧配電線への発電設備の連系による常時電圧変動対策として,低圧需要家の電圧を電気事業法第26条及び同法施行規則で定められているとおり,標準電圧 100 V に対しては 101 V ± 6 [V] 以内,標準電圧 200 V に対しては 202 ± 20 V 以内に維持する必要がある。
  3. 瞬時電圧変動対策として,逆変換器を介して系統に接続する際には,大きな突入電流が流れないように自動的に同期が取れる機能を逆変換器に持たせるなどの対策が必要である。
  4. 連系点の力率は原則として 85 [%] 以上,かつ,系統から見て進み力率にならないこととする。

図のように,構内負荷が 200 kW,力率 90 %(遅れ)で,太陽光発電設備が 100 kW,力率 100 % で発電している場合,電力系統からの電力は 100 [kW],その力率は 72 [%] となる。連系点での力率を電力系統から見て 95 %(遅れ)以上にするためには,構内負荷の力率を 99 [%] 以上に改善する必要がある。

図 太陽光発電設備の連系

電力系統からの電力と太陽光発電電力との関係を下図に示す。

電力系統からの電力と太陽光発電電力との関係
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