科目Ⅳ:電力応用 平成22年度

問題13 電気加熱-選択問題

間接抵抗加熱

  • 特徴:被加熱材の材質,形状を問わず,高温に加熱が可能で,雰囲気の調整が容易
  • 省エネルギー対策:抵抗値の高い発熱体の採用
  • 応用例:陶磁器の焼成

直接抵抗加熱

  • 特徴:導電体を内部から急速加熱が可能で,電流は交流,直流のいずれも使用が可能
  • 省エネルギー対策:配線損失の低減
  • 応用例:スポット溶接

誘導加熱

  • 特徴:導電体を非接触で,内部から急速加熱が可能
  • 省エネルギー対策:被加熱材に応じた適切な周波数,加熱コイル形状の採用
  • 応用例:電磁調理器

マイクロ波加熱

  • 特徴:誘電体の形状を問わず,内部から急速加熱が可能
  • 省エネルギー対策:被加熱材に応じた適切な周波数,加熱コイル形状の採用
  • 応用例:電子レンジ

質量10kgの鉄を,10分間で20°Cから500°Cに温度上昇させるために必要な加熱炉の入力は3.9[kW]である。ただし,鉄の比熱は435J/(kg·K)で熱損失は無視できるものとし,加熱炉は熱的定常状態であって,そのときの炉の電気効率は90%とする。

入力100kWの抵抗炉で,100kgの被加熱材が30分間で熱処理されている。この熱処理の入力端における電力原単位は0.5[kW·h/kg]である。また,抵抗炉が熱的定常状態にあり,炉の電気効率が90%,熱損失が50kWである場合,この熱処理に必要な正味熱量(電力量)は20[kW·h]となる。

入力電圧が三相400V,発熱量が5kW,力率が80%の抵抗炉がある。この装置の回路リアクタンスは変えずに力率を90%とするためには,発熱体の抵抗値を元の値の155[%]に変更する必要がある。この発熱体の変更により,同一の被加熱材を加熱する場合,抵抗値変更後の加熱時間は,変更前の加熱時間の122[%]となる。ただし,抵抗炉の電気効率及び熱効率は,抵抗値の変更前後で変わらないものとする。

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