問題1 エネルギーの使用の合理化に関する法律及び命令
以下の問題文では,
- エネルギーの使用の合理化に関する法律を「法」
- エネルギーの使用の合理化に関する法律施行令を「令」
- エネルギーの使用の合理化に関する法律施行規則を「則」
- エネルギーの使用の合理化に関する基本方針を「基本方針」
「法」第1条(目的)の条文
この法律は,内外におけるエネルギーをめぐる経済的社会的環境に応じた燃料資源の有効な利用の確保に資するため,工場等,輸送,建築物及び機械器具についてのエネルギーの使用の合理化に関する所要の措置その他エネルギーの使用の合理化を総合的に進めるために必要な措置等を講ずることとし,もつて国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
「法」第3条(基本方針)の条文の一部
略
2 基本方針は,エネルギーの使用の合理化のためにエネルギーを使用する者等が講ずべき措置に関する基本的な事項,エネルギーの使用の合理化の促進のための施策に関する基本的な事項その他エネルギーの使用の合理化に関する事項について,エネルギー需給の長期見通し,エネルギーの使用の合理化に関する技術水準その他の事情を勘案して定めるものとする。
「法」第5条(事業者の判断の基準となるべき事項)の条文の一部
経済産業大臣は,工場等におけるエネルギーの使用の合理化の適切かつ有効な実施を図るため,次に掲げる事項並びにエネルギーの使用の合理化の目標及び当該目標を達成するために計画的に取り組むべき措置に関し,工場等においてエネルギーを使用して事業を行う者の判断の基準となるべき事項を定め,これを公表するものとする。
一 工場等であって専ら事務所その他これに類する用途に供するものにおけるエネルギーの使用の方法の改善,エネルギーの消費量との対比における性能が優れている機械器具の選択その他エネルギーの使用の合理化に関する事項
「法」第16条(合理化計画に係る指示及び命令)の条文の一部
主務大臣は,特定事業者が設置している工場等におけるエネルギーの使用の合理化の状況が第5条第1項に規定する判断の基準となるべき事項に照らして著しく不十分であると認めるときは,当該特定事業者に対し,その判断の根拠を示して,エネルギーの使用の合理化に関する計画(以下「合理化計画」という。)を作成し,これを提出すべき旨の指示をすることができる。
2 主務大臣は,合理化計画が当該特定事業者が設置している工場等に係るエネルギーの使用の合理化の適確な実施を図る上で適切でないと認めるときは,当該特定事業者に対し,合理化計画を変更すべき旨の指示をすることができる。
「法」第2条(定義),「法」第7条(特定事業者の指定),「法」第7条の4(第一種エネルギー管理指定工場等の指定),「令」第1条(定義),「令」第2条(特定事業者の指定に係るエネルギーの使用量),「令」第2条の2(第一種エネルギー管理指定工場等の指定に係るエネルギーの使用量),「則」第4条(第一種指定事業者の要件)関連の文章
ある事業者の金属加工工場の前年度の燃料などの使用量は,以下のa~dのとおりであった。また,この事業者には前述の金属加工工場のほかに本社事務所があり,そこでの前年度の燃料などの使用量は以下のeのとおりであった。これらが,事業者の使用している施設のすべてであった。
- 加熱炉,ボイラ及びその他の設備で使用したA重油の量を発熱量に換算した量が8万ギガジュール
- aで述べたA重油の一部を使用し,コージェネレーション設備によって発電して使用した電気の量を熱量に換算した量が1万5千ギガジュール
- 一般電気事業者から購入した電気の量を熱量に換算した量が3万5千ギガジュール
- ボイラで消費した廃プラスチックの発熱量が5千ギガジュール
- 本社事務所はあるビルのテナントとして入居し,一般電気事業者から購入した電気を使用しており,その電気の量を熱量に換算した量が3千ギガジュール
この事業者の金属加工工場が前年度に使用した「法」で定めるエネルギー使用量を算出するには,前述のa~dのうちのaとcを合算することとなり,合算量は原油換算エネルギー使用量で2967キロリットルとなる。
また,この事業者は年度に使用するすべてのエネルギーの使用量から判断して,特定事業者に該当するが,第一種特定事業者には該当しない。
「法」第7条の2(エネルギー管理統括者),「法」第7条の3(エネルギー管理企画推進者),「則」第6条(エネルギー管理統括者の選任)関連の文章
特定事業者は経済産業省令で定めるところにより,「法」第13条第1項各号に掲げる者のうちから,エネルギー管理企画推進者を選任しなければならない。エネルギー管理企画推進者は中長期的な計画の作成事務,エネルギーの使用の方法の改善及び監視,エネルギーを消費する設備の新設,改造又は撤去に関することなどの業務に関し,エネルギー管理統括者を補佐する。
また,エネルギー管理統括者については,選任すべき事由が生じた日以降遅滞なく選任しなければならない。
「法」第8条(エネルギー管理者),「令」第3条(エネルギー管理者の選任基準)関連の文章
第一種エネルギー管理指定工場である化学製品工場において,今年4月に前年度使用したエネルギー使用量を集計した結果,原油換算で32000キロリットルとなった。選任すべきエネルギー管理者の数は2である。
「法」第73条(建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準となるべき事項),「令」第15条(特定建築物の規模)関連の文章
建築物に係るエネルギーの使用の合理化を図る必要がある規模の建築物として,政令で定める規模以上のものを特定建築物という。その規模は,床面積の合計が300平方メートルである。