目指せ!エネルギー管理士 電気分野

2013年6月16日作成,2019年7月26日更新

平成23年度 問題6 電気計測

(1) 電力量の測定

6 600 V の交流三相 3 線式の負荷で消費される電力量を測定するため,図のように,計器用変圧器 VT 及び変流器 CT の二次回路に,誘導形の電力量計を接続した。この VT の変圧比は 6 600 V / 110 V であり,CT の変流比は 200 A / 5 A である。また,電力量計には,電力量をパルスで出力する回路が搭載されており,そのパルス定数は 2 000 パルス/(kW·h) である。

  1. 電力量計の 1 kW·h 当たりの回転子の回転数を計器定数という。
  2. ある期間中の電力量計からのパルス出力が 50 000 パルスであったとき,この期間中での負荷の消費電力量は 60 000 [kW·h] である。
  3. この電力量計のパルス出力が 10 時間で 4 000 パルスであったとき,負荷で消費された平均電力は 480 [kW·h] である。
図 1 電力量計の単線結線図

負荷の消費電力量

負荷の消費電力量は次式で求められる。

\[ \frac{50,000 \text{ [pulse]}}{2,000 \text{ [pulse/(kW·h)]}} \times \frac{6,600}{110} \times \frac{200}{5} = 60,000 \text{ [kW·h]} \]

負荷で消費された平均電力

負荷で消費された平均電力は次式で求められる。

\[ \frac{4,000 \text{ [pulse]}}{2,000 \text{ [pulse/(kW·h)]}} \times \frac{6,600}{110} \times \frac{200}{5} \times \frac{1}{10}= 480 \text{ [kW]} \]

(2) 液体,気体などの流量測定

液体,気体などの流量測定は,エネルギー管理において重要である。一般に,流量計の指示値あるいは出力としては,単位時間当たりにその流路を流れる流体の体積流量や質量流量,及び,過去のある時点から現在までにその流路を流れた流体の積算体積流量や積算質量流量が用いられる。

1) 質量流量を求めるには,直接測定する測定器もあるが,多くは体積流量を測定して,これに流体の密度を求めて演算する方法がとられる。

体積流量測定の方式としては,差圧式,面積式,電磁式,超音波式などがある。このうち,圧力損失が小さいものは,電磁式と超音波式であり,測定器での圧力損失は殆ど無視できる。

2) 演算体積流量を測定する主な流量計としては,容積式,渦式,タービン式の 3 種類がある。このうち,容積式は,歯車が 1 回転で一定容積だけ流体を送り出す原理に基づいており,歯車の回転数で流量を算出できる。液体や気体において高い積算精度が要求される用途に適している。ただし,一般に,蒸気の測定には適さない。この方式の特徴としては,他の方式に比べ圧力損失が大きいこと,大口径の流路には適さないことなどが挙げられる。

渦式の場合,渦発生体を流路に設置し,その下流に発生するカルマン渦の直径が流速に比例することを用いる。この方式の特徴としては,液体,気体,蒸気のすべてに応用できること,測定可能な流速範囲が広いこと,圧力損失が比較的小さいことなどが挙げられる。

また,タービン式は流路に設置した羽根車が流量に応じた回転数を示すことにより,流量を測定する。この方式の特徴としては,小形,軽量で,高精度であることなどが挙げられる。

inserted by FC2 system