科目Ⅳ:電力応用 平成23年度

問題15 照明-選択問題

LED(発光ダイオード)

LED(発光ダイオード)は,年々,発光効率が高くなって,照明用光源として急速に普及しており,地球温暖化抑制に対する期待が高い。白熱電球の場合,消費電力の10[%]程度が可視放射に変換されるのにとどまるが,発光効率が120lm/Wの白色LEDの場合,消費電力の35[%]程度が可視放射に変換される。

3波長発光域形蛍光ランプは,管径,管長などが等しい同種の蛍光ランプを比較したとき,光源色の相関色温度によらず発光効率はほぼ一定であるが,LEDでは相関色温度の高いものに比べ,低いものの方が発光効率が低い傾向がある。

LEDは,従来の光源のようにフィラメントの断線などによりランプが全く点灯しない状態となる可能性は低いが,点灯時間の経過と共にランプから放射される光束が低下する性質がある。JIS C 8155:2010「一般照明用LEDモジュール-性能要求事項」で定義している寿命は,全光束が初期値の70[%]に下がるまでの総点灯時間,又は点灯しなくなるまでの総点灯時間のいずれか短い時間である。

LEDは,蛍光ランプや白熱電球と比べたとき,駆動電流に対する応答性が極めて速いという特長がある。また,電源回路の構成によっては,LEDを駆動する電流の周期的な断続により,光束の断続が発生するものがある。このような電源とLEDとを組み合わせて,動く物体の照明に利用したときストロボスコピック現象が起こる可能性があるので,用途に応じて注意が必要である。

照度計算

蛍光ランプ40W2灯用で,ランプ1灯の全光束が3450lmの下面開放埋込み形照明器具がある。この器具を間口8m,奥行き15m,天井高さ3.7mの作業場に設置したとき,床上1mを被照面とした場合の室指数は1.93である。また,初期照度において,設計照度750lxを得るための所要器具数は17台である。ただし,照明率を0.77とする。

室指数Kは,間口をX[m],奥行きをY[m],高さをH[m]とすると,次式で表される。

したがって,床上1mを被照面とした場合の室指数は,

光束法による平均照度Eは,

ここで,Fは光源の光束(ランプ1本当たりの光束),Nは光源の灯数,Aは床面積[m²],Mは保守率,Uは照明率である。したがって,初期照度において,設計照度750lxを得るための所要器具数は,

照明器具が20台あり,1台当たりの消費電力を36W,年間の点灯時間を3000hとしたとき,年間消費電力は2160[kW·h]である。

年間消費電力は,

床上3mの高さに点光源が設置されている。点光源から5m離れた床面上の位置P点に向かう光度を2000cdとすると,P点での水平面照度は48[lx]となる。ただし,天井面,壁面及び床面の反射は無視できるものとする。

水平面照度は,

1辺の長さが20cmの正方形で,透過率が60%の乳白色ガラス板がある。このガラス板の表面に,光束1000lmの一様な光が入射したとき,裏面の光束発散度は15000[lm/m²]となる。

光束発散度は,

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