目指せ!エネルギー管理士 電気分野

2013年6月16日作成,2019年7月26日更新

平成24年度 問題6 電気計測

(1) 各種センサ

計測には様々な目的や用途に応じて,適切な各種のセンサが用いられる。

  1. 温度測定に用いられるセンサの一つとして,銅とコンスタンタンなど 2 種類の金属の線で閉回路を作ったとき,一方の接続点と他方の接続点との間に温度差があるときに発生する起電力を利用した熱電対がある。
  2. 磁界の測定に用いられるセンサの一つとして,半導体などに電流を流し,電流の方向に対し垂直に磁界があるときに,電流と磁界に直角な方向に起電力が現れるホール効果を利用した磁気センサがある。
  3. 歪みの測定では歪みゲージが用いられることが多いが,これは,応力で変形した金属や半導体の電気抵抗が変化することを利用したものである。この変化をホイートストンブリッジ回路などを用いて測定する。
  4. 振動・音響の測定に用いられるセンサの一つとして,チタン酸バリウムや水晶の結晶などに機械的応力を加えるとその表面に電荷が現れる現象を利用した圧電素子がある。

このように各種センサは,物質の持つ基本的な機械的,電磁気的,熱的,音響的及び化学的性質などを利用しており,用途に応じた使い分けが重要である。

(2) 可動コイル形電流計

1) 可動コイル形電流計のコイルの巻線には細い導線が利用されているため,一般に 100 mA 程度の電流しか流せない。このために,電流の測定範囲を広げるには,しばしば,電流計に並列に接続した分流器と呼ばれる抵抗が用いられる。図に示すような,最大測定値が 100 mA で,内部抵抗が 1 Ω の可動コイル形電流計を,最大測定値 12 A で利用するのに必要な分流器の抵抗値は 8.40×10-3 [Ω] である。

図 可動コイル形電流計

2) 同様に,可動コイル形電圧計を利用する場合を考える。電圧の測定範囲を広げるためには,計器に直列に,適切な抵抗値を持つ倍率器を接続する。例えば,最大測定値が 10 V で,内部抵抗が 10 kΩ の可動コイル形電圧計を,最大測定値 100 V で利用するには,90 [kΩ] の倍率器を直列に接続する。

分流器の抵抗値は次式により求められる。

\[ \frac{0.1}{12 - 0.1} = 0.0084 = 8.40 \times 10^{-3} \text{ [Ω]} \]
inserted by FC2 system