問題7 工場配電
電力機器
- 変圧器の短絡インピーダンスは,短絡電流を低減するためには大きい方が望ましいが,電圧降下を小さくするためにはその逆の方が良い。
- 避雷器は,受電設備を雷害による過電圧から保護するため,受電設備の電源側や必要に応じて変圧器の高圧及び特別高圧側に施設される。また,避雷器の制限電圧と被保護機器の絶縁強度との間では,絶縁協調を図る必要があり,一般に,20%以上の裕度を持たせる。
- 開閉装置のうち,遮断器は,負荷電流あるいは故障電流を迅速に遮断することができ,電路の投入,通電,遮断に用いられる。また,断路器は,点検,修理などのための回路の切離しや接続変更に用いられ,主として無負荷状態で開閉する装置である。
- 調相設備には,進相用の電力用コンデンサ,遅相用の分路リアクトル,及び進相,遅相の両方に使用できる同期調相機がある。
- 計器用変成器は,計器を高圧回路から絶縁し,レベル変換を行い,計器と組み合わせて電気の諸計量を行うもので,計器用変圧器と変流器がある。なお,変流器の二次側を使用中に開放すると,鉄心内の磁束が急増し,機器が焼損したり,開放した回路に高電圧を誘起して危険である。
分散型電源としての太陽光発電
分散型電源とは分散して配置される小規模電源のことであり,太陽光発電や風力発電のように自然エネルギーを積極的に利用するもの,燃料電池や内燃機関などを用いたコージェネレーションのように熱電併給による総合エネルギー効率の向上を図るもの,及び廃棄物発電などのように未利用エネルギーを積極的に活用していくものなどがある。
分散型電源のうちでも特に近年普及が著しい太陽光発電は,太陽光エネルギーを直接電気エネルギーに変換する発電方式で,この変換のために太陽電池が使用される。太陽電池には使用する原料,製造方法などにより各種のものがあるが,主にシリコンを原料としたものは,単結晶太陽電池,多結晶太陽電池,アモルファス太陽電池の3種類に分類される。太陽光発電は,太陽電池,その電源から発生する直流を交流に変換するインバータ部,及び系統事故時などにインバータ部を速やかに停止させる連系保護装置部の三つの主要部分から構成され,このうちインバータ部と連系保護装置部とを合わせてパワーコンディショナと呼んでいる。
また,太陽光発電などの分散型電源を一般電気事業者の系統に連系するに当たっては,系統連系の技術要件を定めたガイドラインで基本的な考え方が,次のように定められている。
- 連系によって配電系統の供給信頼度(停電など)及び電力品質(電圧,周波数,力率など)の面で悪影響を及ぼさないようにすること
- 連系によって公衆や作業者の安全確保,配電系統の供給設備,連系された他の需要家設備の保全に悪影響を及ぼさないようにすること。