科目Ⅳ:電力応用 平成24年度

問題11 電動力応用

リニアモータで推進される質量1000kgの台車が,平坦な線路上を,図1に示すように加減速することを考える。完全停止から速度10m/sまで一定の加速度で加速していき,出発して時間20s後に惰行運転となった。さらに,出発して100s後に回生制動を行って一定の減速度(負方向の加速度)で減速し,出発して120s後に完全停止した。ここで,走行抵抗は速度にかかわらず一定とする。また,回生制動によるエネルギー回収率は100%とする。

図1
  1. 台車の走行距離は900[m]である。
  2. 出発後20sから100sまでの惰行運転中に,走行抵抗により台車の速度が10m/sから8m/sまで減速している。この間の減速度は2.5×10-2[m/s²]である。
  3. 台車は出発後20sで10m/sまで加速される。この間リニアモータは,加速のための推力と走行抵抗負荷に打ち勝つ推力の合計を発生しなくてはならないため,その推力値は525[N]になる。
  4. 出発してから停止するまでの走行抵抗による損失エネルギーは22.5[kJ]である。
  5. 回生制動により回収したエネルギーは30.0[kJ]である。

台車の走行距離は図1の面積を求めればよい。

惰行運転中の加速度は,

電機子抵抗が0.3Ωである他励直流電動機が,直流100Vの電源に接続され,機械負荷を駆動している。この直流機は一定周期20sで反復使用されており,その電機子電流を図2に示す。ここで,他励電流は一定で,鉄損,整流子とブラシ間の抵抗,及び電機子のインダクタンスは無視できるものとする。また,電機子反作用も無視する。

図2
  1. この他励直流機の図2の使用法で,時間t[s](0≤t≤10)における電機子電流はt[A]となり,そのときの電機子の銅損は0.3t²[W]となるため,20sの1周期間の電機子の銅損によるエネルギー損失は200[J]となる。また,電機子電流の実効値は5.77[A]である。
  2. 図2の使用法で,t[s](0≤t≤10)において直流100Vの電源がこの他励直流機に供給している電力は100t[W]となる。したがって,1周期間に電源が供給するエネルギーは10[kJ]である。
  3. 図2の使用法で,1周期間にこの他励直流機が機械負荷になした仕事は9.8[kJ]である。
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