科目Ⅳ:電力応用 平成24年度

問題15 照明-選択問題

照度計算

ある均等放射光源により,面積4m²の均等拡散面と見なせる反射率0.5の乳白色ガラスを一様に照射したとき,裏側の輝度が100cd/m²となった。このとき,裏面での光束発散度は314[lm/m²],裏面の光束は3140[lm]である。ただし,乳白色ガラスの吸収率は0.1とし,円周率πは3.14とする。

間口8m,奥行き14m,天井高さ3mの事務所に,蛍光ランプ40W2灯用埋込形ルーバ付き照明器具を28台設置した。1灯のランプの光束を2500lmとしたとき,平均照度は700[lx]となる。ただし,照明率は0.8,保守率は0.7とする。

光束法による平均照度Eは次式で表される。

ここで,Fは光源の光束(ランプ1本当たりの光束),Nは光源の灯数,Aは床面積[m²],Mは保守率,Uは照明率である。したがって,平均照度Eは,

距離3m隔てて光源A及びBがある。透過率τの灰色ガラスを光源A側に挿入したとき,A-B間の中央において光源A及びBからの光による照度が一致した。次に,この灰色ガラスを光源B側に挿入したとき,A-B間の中央からB側に50cm寄りの位置で同様に照度が一致した。この灰色ガラスの透過率τは50[%]である。

図のように,被照面上から高さ4mの位置に点光源Lがある。被照面上で,光源直下の点Qから3m離れた位置Pにおいて,PQから60°の方向の鉛直面照度Ev60は240lxであった。このとき,点Pの水平面照度Eb640[lx]である。ただし,sin60°=0.866,cos60°=0.5とする。

水平面照度Ebは,

照明器具の配光特性

一般的な照明器具の配光特性は,その照明器具に装着された光源の全光束1000lm当たりの相対光度(単位:cd/1000lm)で表す場合が多い。LED照明器具では,光源を取り外して光源単独の全光束を測定することが困難な場合が多い。このような,光源を取り外せない照明器具の配光特性を表す場合,基準とする光束は照明器具の全光束を用いる。

電気エネルギーが放射エネルギーに変換される割合を放射効率という。また,光束(単位:lm)を,対応する放射束で除したものを放射の視感効果度(単位:lm/W)という。なお,光束は放射束(単位:W)を人間の目の感度特性で評価した量である。光源の発光効率(単位:lm/W)は,放射効率と放射の視感効果度との積で表すことができる。発光効率が高い代表的な光源である低圧ナトリウムランプの場合,放射の波長は約590nmの単波長であり,放射の視感効果度は517lm/W程度である。このランプの発光効率が180lm/Wであるとき,放射効率は,パーセントで表すと約35[%]である。

放射効率をパーセントで表すと,

黒体からの熱放射において,分光放射発散度が最大となる波長は,黒体の絶対温度に反比例するという関係があるが,この法則をウィーンの変位則という。色温度が2900Kの白熱電球の場合,分光放射発散度が最大となる波長は,およそ1000[nm]である。

ウィーンの変位則

最大エネルギーを放射する波長は絶対温度に反比例する。

ステファン・ボルツマンの法則

放射エネルギーは,絶対温度の4乗に比例する。

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