目指せ!エネルギー管理士 電気分野

2019年10月19日作成,2019年10月20日更新

平成26年度 問題2 エネルギー情勢・政策,エネルギー概論

(1) 一次エネルギー

一次エネルギーの中で主要なものとして,石炭,石油,天然ガスなどのいわゆる化石燃料がある。これらの化石燃料を用いて火力発電を行う場合の発電単価は,発熱量当たりの燃料購入価格に比例するものとして比較すると,少なからぬ変動があるものの,エネルギー・経済統計要覧(日本エネルギー経済研究所編)によると,最近では平均的には安い順に石炭 → 天然ガス → 原油である。化石燃料の一つとして,ごく最近とりわけ米国での生産急増で注目を集めているものにシェールガスがあり,新たな燃料資源として期待されている。

(2) 国際単位系(SI)

国際単位系(SI)では,長さ(メートル [m]),質量(キログラム [kg]),時間(秒 [s]),電流(アンペア [A]),熱力学温度(ケルビン [K]),光度(カンデラ [cd])及び物質量(モル [mol])の 7 個を基本単位としている。力やエネルギーなどの単位は,前述の 7 個の基本単位のうちのいくつかを組み合わせて表され,組立単位と呼ばれる。たとえば,力(ニュートン [N])は,基本単位を用いると kg·m/s² で表すことができる。さらに,圧力(パスカル [Pa])は単位面積当たりの力であるので,N/m² で表され,これを用いると,大気圧は,変動するものの平均的にはおよそ 1.0 × 105 [Pa] である。

(3) 電気エネルギーと位置エネルギー

電圧 1.5 V の単 3 アルカリ乾電池の容量が 1 000 mA·h であるとする。この電池における電気エネルギーは,質量 1 kg の物体が基準面に対して高さ 5.5 × 10² [m] にあるときの位置エネルギーに相当する。ただし,重力の加速度を 9.8 m/s² とする。

(4) 我が国の電力供給

従来の我が国の電力供給は,主として原子力発電を定常的なベースとして,火力発電や水力発電が需要変動にも対応する役割を受け持ってきたが,東日本大震災以後ではこの枠組みが大きく変わり,火力発電の急増によるコストアップと共に,電力供給力に余裕がなくなった結果,電気需要の総量抑制及び電気需要の平準化の推進が以前にも増して重要な課題となっている。このため,工場のような大口電気需要家は,まず,電気の使用を燃料又はの使用へ転換することや,双方を併用することなどが強く求められている。また,電気需要の平準化の面からは,電気を消費する機器の稼働時間帯の変更や蓄電池の導入などのピークシフト対策も強く求められている。一方,家庭のような小口の電気需要家にとっては,従来からの深夜電力を有効利用する機器の導入に加えて,太陽熱温水器などの再生可能エネルギーの導入実績もある。さらに,電気と熱を利用できる燃料電池なども近年普及しつつあり,また将来的には電気自動車にも,本来の利用目的に加えて蓄電池と同様に深夜電力を有効利用する役割を受け持たせることなどが期待される。

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