目指せ!エネルギー管理士 電気分野

2019年7月25日作成,2019年7月26日更新

平成27年度 問題6 電気計測

(1) アナログ計測器とディジタル計測器

一般に測定対象が連続量である場合によく利用され,測定された量を主としてアナログ量で扱い,計測結果をアナログ表示させるものを,ここではアナログ計測器と呼ぶ。アナログ表示のため,測定値の挙動が直感的に理解しやすいのがアナログ計測器の大きな特徴である。

一方,測定対象自体が離散量であるものや,連続量であっても離散化した方が実際的で便利な場合に,測定された量を主としてディジタル量で扱い,計測結果をディジタル表示させるものを,ここではディジタル計測器と呼ぶ。

ディジタル計測器には次のような特徴がある。

  1. 計測の自動化や大量の情報処理に向いている。
  2. ディジタル表示では可動指針が存在しないため耐久性が高く,高速計測,反復計測も容易である。
  3. 一般に入力部は電源部やインタフェース部と電気的に絶縁されており,また高インピーダンスの入力回路が組み込まれているので,測定対象へ影響を及ぼさずに測定できる。
  4. 測定結果をディジタル表示することで,読み取り時の個人誤差が少ない

近年は,ディジタル計測器が信号処理の高度化,小型化,表示部の多様化,価格の低下などにより,アナログ計測器に取って代わりつつある。

(2) 絶縁抵抗の測定

配線や電気機器の絶縁抵抗を測定する場合,一般には測定機器としてメガーを用いる。高電圧の配電設備などにおいては,安全確保のため,配線間,及び配線と大地の間で比較的高い電圧をかけて,所定の抵抗値があることを確認しておく必要がある。

被測定回路が大きな静電容量を持つ場合,測定開始直後は低い抵抗値を示すことがある。このような場合は,被測定回路を遮断器や開閉器を用い可能な限り分割すること,メータの指針が上昇し,止まるのを待ってから読み取ること,測定電圧を被測定回路に影響がない範囲で上げることなどが必要である。

(3) 交流ブリッジ

図に示すような交流ブリッジの各辺に $R_1$ [Ω],$R_2$ [Ω],$R_3$ [Ω] 及び $R_4$ [Ω] の適切な抵抗と,$L_1$ [H] 及び $L_3$ [H] の適切なインダクタンスを接続したところ,検流器 D の指示値が 0 となった。この様な状態を平衡状態と呼ぶ。このとき,電源電圧を $V$ [V],電源の角周波数を $\omega$ [rad/s] とすると,これらのインピーダンスの関係は $\omega$ を用いて,式 $R_2 R_3 + j\omega R_2 L_3 = R_4 R_1 + j\omega R_4 L_1$ と表すことができる。この式から,抵抗とインダクタンスには式 $\displaystyle \frac{R_2}{R_4} = \frac{R_1}{R_3} = \frac{L_1}{L_3}$ で示す比例関係があることがわかる。また,電源電圧の変動は抵抗とインダクタンスの比例関係に影響を与えないことも説明できる。このように,ブリッジの原理を利用して各種インピーダンスの測定が行われる。

交流ブリッジ
図 交流ブリッジ
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