目指せ!エネルギー管理士 電気分野

2019年10月19日作成,2023年12月31日更新

令和元年度 問題2 エネルギー情勢・政策,エネルギー概論

(1) 国際単位系(SI)

国際単位系(SI)では,長さ(メートル [m]),質量(キログラム [kg]),時間(秒 [s]),電流(アンペア [A]),熱力学温度(ケルビン [K]),光度(カンデラ [cd])及び物質量(モル [mol])の 7 個を基本単位としている。力やエネルギーなどの単位は基本単位にはなく,前述の 7 個の基本単位のうちのいくつかを組み合わせて表されるので,組立単位と呼ばれている。

LED や液晶プロジェクタの明るさを示すのに用いられるルーメン [lm] は組立単位であり,「光度 1 cd の均一な点光源から単位立体角 1 ステラジアンの中に放出する光束が 1 lm」と定義される。したがって,点光源から全ての方向(立体角 $4\pi$ の全球方向)に一様に放出された光束の総和が 3 000 lm の場合,点光源の光度は 2.4 × 10² [cd] である。

(2) 気候変動枠組条約締結国会議(Conference of the Parties : COP)

気候変動枠組条約締結国会議(Conference of the Parties : COP)は 1995 年から毎年開催され,2018 年には 24 回目の会議(COP24)が開催されている。この間,地球温暖化問題への取り組みの第一歩として京都議定書が採択されたのは 1997 年(COP3)であり,先進国を中心とした締約国に対し温室効果ガス排出量の削減が義務付けられた。その後,途上国を含む新たな枠組みとしてパリ協定が採択されたのは 2015 年(COP21)であり,各国は 5 年ごとに温室効果ガス排出削減目標を提出することとなっている。なお,気候変動に関連する科学的知見を調査及び評価し,定期的に評価報告書にまとめている組織として気候変動に関する政府間パネルがあり,現在第 5 次評価報告書までが公表されている。

気候変動枠組条約(Frame-work Convention on Climate Change)

大気中の温室効果ガス(CO2(二酸化炭素),CH4O(メタン)等)の増大が地球を温暖化し自然の生態系等に悪影響を及ぼすおそれがあることを背景に,大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを目的とした条約。

参考

(3) 自動車の主な動力源

我が国の自動車の主な動力源としては,従来はガソリンエンジンとディーゼルエンジン,そして業務用車などの一部でガスエンジンの 3 種類が使用されてきた。ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの機構上の顕著な違いは点火装置の有無である。

一方,最近では電動機を主な動力源とする自動車も増え,その主電源として二次電池のみを搭載するものや,水素を用いて発電する燃料電池を搭載するものなどがある。

ガソリンエンジンは圧縮した混合気(霧状のガソリンと空気が混ざったもの)に点火プラグで火花を飛ばして着火して燃焼させる。

ディーゼルエンジンは圧縮することで高温となった空気に燃料を霧状にして噴射することで自然着火させる。

(4) ヒートポンプ

高温熱源と低温熱源の間で作動して動力を生み出す熱機関に対し,外部から動力を加えて低温熱源から高温熱源に熱を移動させるのがヒートポンプである。ヒートポンプの性能指標は通常動作係数(成績係数)と呼ばれ,その理論サイクルを逆カルノーサイクルとみなすと,高温熱源の熱力学温度が $T_\text{h}$,低温熱源の熱力学温度が $T_\text{c}$ のとき,その値は式 $\displaystyle \frac{T_\text{h}}{T_\text{h} - T_\text{c}}$ で計算される。

COP(成績係数,coefficient of performance)

1 kW の電力の熱量で,どれだけの能力の熱量が得られるかを示すもの。たとえば COP = 3 といえば,1 の電気で 3 の暖房(または冷房)ができることを示す。

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