目指せ!エネルギー管理士 電気分野

2021年8月15日作成,2023年12月31日更新

令和2年度 問題15 照明

(1) 照明器具,ランプ,照明手法

次の照明器具やランプ,及び照明手法に関する記述のうちから正しいものを選択する。

1) 近年,国内において白熱電球の生産量が大きく低減し,使用が控えられるようになったことの背景となる理由として正しいのは,次の 1. ~ 3. のうち 1. である。

  1. ランプ効率が低く省エネ性に反する。
  2. 有害物質の水銀を使用している。
  3. フィラメント材料であるタングステンの入手が困難となった。

2) 特に最近,照明用光源である蛍光ランプが LED に置き換えられている理由として正しいのは,次の 1. ~ 3. のうち 3. である。

  1. 蛍光ランプのガラス管材料にはカドミウムが含まれている。
  2. 蛍光ランプの方が LED より発光効率は高いが寿命が短い。
  3. LED の方が蛍光ランプより発光効率が高い。

3) 店舗,高天井施設や屋外などの照明に使う HID ランプについて正しい記述は,次の 1. ~ 3. のうち 3. である。

  1. 高圧ナトリウムランプは,低圧ナトリウムランプと異なり演色性が高く,Ra は 80 程度である。
  2. 高圧ナトリウムランプは,LED と比較して発光効率が高く有害物質の水銀を含まない。
  3. セラミックメタルハライドランプは,Ra が 80 を超える高演色なランプである。

4) LED 照明器具について正しい記述は,次の 1. ~ 3. のうち 2. である。

  1. LED 照明器具は発熱するが,その発熱源は LED 素子ではなく点灯制御装置(点灯回路)である。
  2. 一般に,LED 照明器具は交流電源からの電力供給を受け,点灯制御装置(点灯回路)を介して LED 素子が直流で動作する。
  3. 40 W 蛍光ランプ置き換え相当の直管 LED ランプの口金は使用者の利便性を考慮し,蛍光ランプと同一の G13 口金のみを使うように規格統一された。

5) 省エネルギーを考慮した照明の手法に関して正しい記述は,次の 1. ~ 3. のうち 1. である。

  1. 窓麺から昼光を利用する際には,執務者がグレアを感じないように注意する必要がある。
  2. タスク・アンビエント照明では,タスク照明とアンビエント照明の器具の発光面輝度を統一する必要がある。
  3. LED 照明器具では,演色性が高いほど発光効率も高くなり快適性と省エネ性が両立できる。

(2) LED 照明器具の全光束と固有エネルギー消費効率

光源に複数の LED 素子を利用した円形片面発光の乳白カバー付き照明器具において,発光面を直径 50 cm の均等拡散面と仮定し,発光面輝度が 4 870 cd/m2 であるとすると,この照明器具の全光束は 3 000 [lm] となる。また,この照明器具の全消費電力が 26 W で,そのうち LED 素子で消費される電力が 23 W であるとすると,この LED 照明器具の固有エネルギー消費効率(lm/W)は 115 [lm/W] となる。

(3) 照明計算

1) 36 m × 40 m のテニスコートを,メタルハライドランプを用いた投光器(全光束 80 000 lm/台)で 4 隅の照明柱から均等に投光照明したい。テニスコートの水平面照度を,一般競技の平均値である 500 lx 以上とするための,メタルハライドランプの必要最小台数は 36 [台] となる。ただし,照明率 0.35,保守率 0.72 とする。

2) 直径 30 cm の均等拡散性の球形グローブの中心に,あらゆる方向の光度が一様で 200 cd の光源を入れ,グローブの中心が床面から 2.8 m の高さとなる位置で点灯した。グローブの外表面の輝度は 2 500 cd/m2 であった。

このときのグローブ内の全光束は 2.51 × 103 [lm],グローブ外表面の輝度は 177 [cd],グローブの透過率は 8.8 × 10-1 である。また,0.8 m の高さのテーブル上での光源直下の照度は,44 [lx] となる。ただし,グローブ内での反射は無視するものとし,照度計算においては光源を点光源として扱うものとする。

3) 図に示すような配光特性(ランプ光束 1 000 lm 当たり)を持つ蛍光ランプがある。全光束を 8 000 lm としたとき,このランプの 60 ° 方向の管軸に垂直方向の光度は 1 200 [cd] となる。

蛍光ランプの配光特性(ランプ光束 1 000 lm 当たり)
図 蛍光ランプの配光特性(ランプ光束 1 000 lm 当たり)
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