平成29年度 2級電気工事施工管理技術検定試験[実地試験]

問題1. あなたが経験した電気工事

問題1. あなたが経験した電気工事について,次の問いに答えなさい。

1-1 経験した電気工事について,次の事項を記述しなさい。

  1. 工事名
  2. 工事場所
  3. 電気工事の概要
  4. 工期
  5. この電気工事でのあなたの立場
  6. あなたが担当した業務の内容

1-2 上記の電気工事の現場において,安全管理上あなたが留意した事項とその理由 2 つあげ,あなたがとった対策又は処置を留意した事項ごとに記述しなさい。

問題2. 施工管理上留意すべき内容と機器の名称および機能

問題2. 次の問に答えなさい。

2-1 電気工事に関する次の語句の中から 2 つを選び,番号と語句を記入のうえ,施工管理上留意すべき内容を,それぞれについて 2 つ具体的に記述しなさい。

  1. 工具の取扱い
  2. 分電盤の取付け
  3. 低圧ケーブルの敷設
  4. 電動機への配管配線
  5. 資材の受入検査
  6. 低圧分岐回路の試験

2-2 一般送配電事業者から供給を受ける図に示す高圧受電設備の単線結線図について,次の問に答えなさい。

  1. に示す機器の名称又は略称を記入しなさい。
  2. に示す機器の機能を記述しなさい。
一般送配電事業者から供給を受ける図に示す高圧受電設備の単線結線図

2-1. 施工管理上留意すべき内容

工具の取扱い
  1. 電動工具など資格者による取扱いがなされているか確認
  2. 取扱い責任者の明示
  3. 電動工具など取扱い説明書による適正使用の確認
  4. 正しい取扱い教育の実施
  5. 定期点検の実施と記録(不良工具の持ち込み禁止)
  6. 落下防止対策の指示
分電盤の取付け
  1. 施工図に基づく取付け位置の確認
  2. 取付け位置(床・壁など)の強度や状態の確認
  3. 点灯防止等の耐震性の確認
  4. 作業スペース,メンテナンススペースの確保
低圧ケーブルの施設
  1. ケーブルシースは外的圧力に弱いので,ステップル等の施工には十分注意し,外装を傷つけないように施工する。
  2. ケーブルの許容曲げ半径は,内線規程に基づき施工する。
  3. 必要以上に張力を掛けて施設しない。
  4. ボックスに引き入れるときは,ゴムブッシングなどを使用して損傷を防止する。
電動機への配管配線
  1. 配管は,フレキシブルなものを使用し,振動に耐えるものを使用する。
  2. 低圧用の電動機の接地は,金属管接地を共用するため,金属管と完全に接続する。
  3. 配線接続は,接続端子などを使用して堅ろうに接続する。
資材の受入検査
  1. 受入数量の確認(送り状・納品書の確認)
  2. 不良品混入の有無の確認
  3. 汎用品は特定電気用品などの所定のマークの確認(品質証明資料の確認)
  4. 定格電圧,容量など要求事項の確認
  5. キュービクル式高圧受電設備などは,JIS 規格で要求する構造,性能などを満足しているか結果の確認(試験成績表の確認)
  6. 要求寸法の確認(形状寸法,材質などの確認)
低圧分岐回路の試験
  1. 目視で以上のないことを確認
  2. 回路計を用いて導通確認を行う。
  3. 分電盤,制御盤等の配線用遮断器で区切ることのできる電路ごとに絶縁抵抗計(メガー)で,電線相互間および電路と大地間の絶縁抵抗を測定し,電技 第58条 で規定する絶縁抵抗値以上であることを確認する。
  4. 被測定回路を無電圧状態にして絶縁抵抗を測定する。
  5. 電子回路など絶縁抵抗計の印加電圧に耐えられない機器がある場合には,その機器を回路から切り離して絶縁抵抗測定をする。

2-2. 一般送配電事業者から供給を受ける図に示す高圧受電設備の単線結線図

機器の名称又は略称

限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(PF付LBS)

機能

高圧交流負荷開閉器のみでは,過電流や短絡電流を開閉することができないため,限流ヒューズと組み合わせることにより,高圧電路の負荷電流の開閉ができ(LBS),短絡電流を抑制して遮断(PF)することができるようにした機器である。

問題3. アロー形ネットワーク工程表

問題3. 図に示すアロー形ネットワーク工程表について,次の問に答えなさい。

ただし,○内の数字はイベント番号,アルファベットは作業名,日数は所要日数を示す。

  1. 所要工期は,何日か。
  2. 作業 J の所要日数が 5 日から 10 日に,作業 K の所要日数が 6 日から 4 日になったとき,イベント ⑨ の最早開始時刻は,イベント ① から何日目になるか。
アロー形ネットワーク工程表

所要工期

図に示されたアロー形ネットワーク工程表より,以下に示すルートの工期がある。

各ルートの工期
No. ルート 工期
1 ① → ② → ⑦ → ⑩ → ⑪ 23 日
2 ① → ② → ⑦ → ⑧ → ⑩ → ⑪ 25 日
3 ① → ② → ⑦ → ⑧ → ⑨ → ⑩ → ⑪ 24 日
4 ① → ② → ⑤ → ⑧ → ⑩ → ⑪ 24 日
5 ① → ② → ⑤ → ⑧ → ⑨ → ⑩ → ⑪ 23 日
6 ① → ② → ⑤ → ⑥ → ⑨ → ⑩ → ⑪ 28 日
7 ① → ④ → ⑤ → ⑧ → ⑩ → ⑪ 24 日
8 ① → ④ → ⑤ → ⑧ → ⑨ → ⑩ → ⑪ 23 日
9 ① → ④ → ⑤ → ⑥ → ⑨ → ⑩ → ⑪ 28 日
10 ① → ③ → ⑥ → ⑨ → ⑩ → ⑪ 24 日
11 ① → ③ → ④ → ⑤ → ⑧ → ⑩ → ⑪ 25 日
12 ① → ③ → ④ → ⑤ → ⑧ → ⑨ → ⑩ → ⑪ 24 日
13 ① → ③ → ④ → ⑤ → ⑥ → ⑨ → ⑩ → ⑪ 29 日

クリティカルパスは,① → ③ → ④ → ⑤ → ⑥ → ⑨ → ⑩ → ⑪ である。よって,この場合の所要工期は,29 日となる。

最早開始時刻

作業 J と作業 K の工期を見直したアロー形ネットワーク工程表より,イベント ⑨ に至るルートの工期は以下のとおり。

作業 J と作業 K の工期を見直したアロー形ネットワーク工程表
各ルートの工期
No. ルート 工期
3 ① → ② → ⑦ → ⑧ → ⑨ 15 日
5 ① → ② → ⑤ → ⑧ → ⑨ 19 日
6 ① → ② → ⑤ → ⑥ → ⑨ 17 日
8 ① → ④ → ⑤ → ⑧ → ⑨ 19 日
9 ① → ④ → ⑤ → ⑥ → ⑨ 17 日
10 ① → ③ → ⑥ → ⑨ 13 日
12 ① → ③ → ④ → ⑤ → ⑧ → ⑨ 20 日
13 ① → ③ → ④ → ⑤ → ⑥ → ⑨ 18 日

よって,イベント ⑨ の最早開始時刻は,20 日である。

問題4. 電気工事に関する用語

問題4. 電気工事に関する次の用語の中から 3 つを選び,番号と用語を記入のうえ,技術的な内容を,それぞれについて 2 つ具体的に記述しなさい。

ただし,技術的な内容とは,施工上の留意点,選定上の留意点,定義,動作原理,発生原理,目的,用途,方式,方法,特徴,対策などをいう。

  1. 揚水式発電
  2. 架空送電線のたるみ
  3. 漏電遮断器
  4. LED 照明
  5. 自動火災報知設備の受信機
  6. 自動列車停止装置(ATS)
  7. ループコイル式車両感知器
  8. 電線の許容電流
  9. D 種接地工事

問題5. 法令

問題5. 「建設業法」,「労働安全衛生法」及び「電気工事士法」に関する次の記述において,下線部の語句のうち誤っている語句の番号をそれぞれ 1 つあげ,それに対する正しい語句を答えなさい。

5-1 「建設業法」

元請負人は,① 前払金の支払を受けたときは,下請負人に対して,資材の購入,② 労働者の募集その他建設工事の③ 完成に必要な費用を① 前払金として支払うよう適切な配慮をしなければならない。

5-2. 「労働安全衛生法」

事業者は,労働災害を防止するための管理を必要とする作業で,政令で定めるものについては,① 都道府県労働局長の免許を受けた者が行う② 特別教育を修了した者のうちから,厚生労働省令で定めるところにより当該作業の区分に応じて作業主任者を選任し,その者に当該作業に従事する労働者の③ 指揮その他の厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。

5-3. 「電気工事士法」

① 自家用電気工作物に係る電気工事のうち経済産業省令で定める② 重要なものについては,③ 認定電気工事従事者資格者証の交付を受けている者が,その作業に従事することができる。

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