平成30年度 第1回 法規

2019年5月11日作成,2021年1月9日更新

問1

次の各問いは,「電気通信事業法」又は「電気通信事業法施行規則」に規定する内容に関するものである。

(1)電気通信事業法又は電気通信事業法施行規則に規定する事項

  1. 電気通信設備とは,電気通信を行うための機械,器具,線路その他の電気的設備をいう。(
  2. 電気通信事業に従事する者は,在職中電気通信事業者の取扱中に係る通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても,同様とする。(
  3. 電気通信事業者は,重要通信の円滑な実施を他の電気通信事業者と相互に連携を図りつつ確保するため,他の電気通信事業者と電気通信設備を相互に接続する場合には,電気通信事業者の事業の規模又は業務区域に応じて,重要通信の優先的な取扱いについて取り決めることその他の必要な措置を講じなければならない。(
  4. 音声伝送役務とは,おおむね 4 キロヘルツ帯域の音声その他の音響を伝送交換する機能を有する電気通信設備を他人の通信の用に供する電気通信役務であってデータ伝送役務以外のものをいう。(
  5. 総務大臣は,電気通信事業者が管理規程を順守していないと認めるときは,当該電気通信事業者に対し,電気通信役務の確実かつ安定的な提供を確保するために必要な限度において,管理規程を遵守すべきことを命ずることができる。(

正しくは「総務省令で定めるところにより」である。

(2)電気通信事業法「基礎的電気通信役務の契約約款」

  1. 電気通信事業者及びその利用者の責任に関する事項並びに電気通信設備の設置の工事その他の工事に関する費用の負担の方法が適正かつ明確に定められていないとき。(
  2. 他の電気通信事業者との相互接続が自らの電気通信設備を容易に損傷するおそれをもたらすものであるとき,その他社会的経済的事情に照らして著しく不適当であるため,利用者の利益を阻害するものであるとき。(
  3. 重要通信に関する事項について適切に配慮されているものでないとき。(

正しくは「他の電気通信事業者との間に不当な競争を引き起こすものであり」である。

(3)電気通信事業法施行規則「緊急に行うことを要する通信」

  1. 火災,集団的疫病,交通機関の重大な事故その他人命の安全に係る事態が発生し,又は発生するおそれがある場合において,その予防,救援,復旧等に関し,緊急を有する事項を内容とする通信であって,予防,救援,復旧等に直接関係がある機関相互間,並びにこれらの事態が発生し,又は発生するおそれがあることを知った者と予防,救援,復旧等に直接関係がある機関との間において行われるものは該当する通信である。(
  2. 気象,水象,地象若しくは地動の観測の報告又は警報に関する事項であって,緊急に通報することを要する事項を内容とする通信で,気象機関相互間において行われるものは該当する通信である。(
  3. 金融機関が行う金融取引等の経済活動の維持に必要不可欠な役務の提供その他経済基盤を維持するため緊急を要する事項を内容とする通信であって,金融機関相互間において行われるものは該当する通信である。(

電気通信事業法施行規則 第55条「緊急に行うことを要する通信」には金融機関は記載されていない。

電気通信事業法施行規則 第五十五条 緊急に行うことを要する通信

法第八条第一項の総務省令で定める通信は、次の表の上欄に掲げる事項を内容とする通信であつて、同表の下欄に掲げる機関等において行われるものとする。

通信の内容 機関等
一 火災、集団的疫病、交通機関の重大な事故その他人命の安全に係る事態が発生し、又は発生するおそれがある場合において、その予防、救援、復旧等に関し、緊急を要する事項 (1) 予防、救援、復旧等に直接関係がある機関相互間
(2) 上記の事態が発生し、又は発生するおそれがあることを知つた者と(1)の機関との間
二 治安の維持のため緊急を要する事項 (1) 警察機関相互間
(2) 海上保安機関相互間
(3) 警察機関と海上保安機関との間
(4) 犯罪が発生し、又は発生するおそれがあることを知つた者と警察機関又は海上保安機関との間
三 国会議員又は地方公共団体の長若しくはその議会の議員の選挙の執行又はその結果に関し、緊急を要する事項 選挙管理機関相互間
四 天災、事変その他の災害に際し、災害状況の報道を内容とするもの 新聞社等の機関相互間
五 気象、水象、地象若しくは地動の観測の報告又は警報に関する事項であつて、緊急に通報することを要する事項 気象機関相互間
六 水道、ガス等の国民の日常生活に必要不可欠な役務の提供その他生活基盤を維持するため緊急を要する事項 上記の通信を行う者相互間

(4)電気通信事業法に規定する用語

  1. 基礎的電気通信役務とは,国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべきものとして総務省令で定める電気通信役務をいう。(
  2. 電気通信事業とは,電気通信回線設備を他人に提供する事業をいう。(
  3. 電気通信回線設備とは,送信の場所と受信の場所との間を接続する伝送路設備及びこれと一体として設置される線路設備並びにこれらの附属設備をいう。(
  4. 電気通信設備とは,有線,無線その他の電気的方式により,符号,音声又は影像を送り,伝え,又は転送することをいう。(
  5. 電気通信業務とは,電気通信事業者の行う電気通信設備の維持及び運用に係る業務をいう。(

正しくは,2.「電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業」,3.「交換設備」,4.「電気通信を行うための機械、器具、線路その他の電気的設備」,5.「電気通信事業者の行う電気通信役務の提供の業務」である。

(5)電気通信事業法及び電気通信事業法施行規則の規定

電気通信事業法「業務の停止等の報告」及び電気通信事業法施行規則「報告を要する重大な事故」

電気通信事業者は,電気通信事業法の規定により電気通信業務の一部を停止したとき,又は電気通信業務に関し通信の秘密の漏えいその他総務省令で定める重大な事故が生じたときは,その旨をその理由又は原因とともに,遅滞なく,総務大臣に報告しなければならない。

上記の総務省令で定める報告を要する重大な事故の一つに,緊急通報を取り扱う音声伝送役務の全部又は一部の提供を停止又は品質を低下させた事故であって,その時間が 1 時間以上で,かつ影響を受けた利用者の数が 3 万以上の事故がある。

問2

次の各問いは,「電気通信主任技術者規則」,「電波法」,「国際電気通信連合憲章」,「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」又は「電子署名及び認証業務に関する法律」に規定する内容に関するものである。

(1)電気通信主任技術者規則「電気通信主任技術者の選任等」の規定

電気通信主任技術者規則「電気通信主任技術者の選任等」に規定する,電気通信主任技術者に監督させる事業用電気通信設備の工事,維持及び運用に関する業務の計画の立案並びにその計画に基づく業務の適切な実施に関して含むべき事項

  1. 工事の実施体制(工事の実施者及び設備の運用者による確認を含む。)及び工事の手順に関する事項
  2. 運転又は操作の運用の監視に係る方針,体制及び方法に関する事項
  3. 定期的なソフトウェアのリスク分析及び更新に関する事項
  4. 適正な設備容量の確保に関する事項

(2)電波法「電波の質」又は「受信設備の条件」

  1. 送信設備に使用する電波の周波数の偏差及び,高調波の強度等電波の質は,総務省令で定めるところに適合するものでなければならない。
  2. 受信設備は,その副次的に発する電波又は高調波電流が,総務省令で定める限度をこえて他の無線設備の機能に支障を与えるものであってはならない。

(3)国際電気通信連合憲章の規定

国際電気通信連合憲章「電気通信路及び電気通信設備の設置,運用及び保護」及び「電気通信の停止」

  1. 構成国は,国際電気通信の迅速なかつ不断の交換を確保するために必要な通信路及び設備を最良の技術条件で設置するため,有用な措置をとる。(
  2. 国際電気通信の迅速なかつ不断の交換を確保し設置された,これらの通信路及び設備は,できる限り,実用の運用上の経験から最良と認められた方法及び手続きによって運用し,良好に使用することができる状態に維持し,並びに科学及び技術の進歩に合わせて進歩していくようにしなければならない。(
  3. 構成国は,国内法令に従って,国の安全を害すると認められる私報又はその法令,公の秩序若しくは善良の風俗に反すると認められる私報の伝送を停止する権利を留保する。この場合には,私報の全部又は一部の停止を直ちに発信局に通知する。ただし,その通知が国の安全を害すると認められる場合は,この限りでない。(

(4)不正アクセス行為の禁止等に関する法律に規定する事項

  1. 何人も,業務その他正当な理由による場合を除いては,アクセス制御機能に係る他人の識別符号を,当該アクセス制御機能に係るアクセス管理者及び当該識別符号に係る利用権者以外の者に提供してはならない。(
  2. 電気通信回線を介して接続された他の特定電子計算機が有するアクセス制御機能によりその特定利用を制限されている特定電子計算機に電気通信回線を通じてその制限を免れることができる情報又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ,その制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者の承諾を得てするものを除く。)は,不正アクセス行為に該当する行為である。(
  3. アクセス制御機能を特定電子計算機に付加したアクセス管理者は,当該アクセス制御機能に係る識別符号又はこれを当該アクセス制御機能により転送するために用いる符号の適正な管理に努めるとともに,常に当該アクセス制御設備の保守管理を励行し,必要があると認めるときは速やかにその機能の高度化その他当該特定電子計算機を不正アクセス行為から防御するため必要な措置を講じるよう努めるものとする。(
  4. 国家公安委員会,総務大臣及び経済産業大臣は,アクセス制御機能を有する特定電子計算機の不正アクセス行為からの防御に資するため,毎年少なくとも 1 回,不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況を公表するものとする。(

正しくは「確認」である。

(5)電子署名及び認証業務に関する法律に規定する電子署名の定義

「電子署名」とは,電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって,電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)に記録することができる情報について行われる措置であって,次の要件のいずれにも該当するものをいう。

  1. 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。
  2. 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。

問3

次の各問いは,「事業用電気通信設備規則」に規定する内容に関するものである。

(1)事業用電気通信設備規則に規定する用語

  1. 特定端末設備とは,自らの電気通信事業の用に供する端末設備であって事業用電気通信設備であるもののうち,自ら設置する電気通信回線設備の一端に接続されるものをいう。(
  2. 総合デジタル通信用設備とは,事業用電気通信設備のうち,主として 64 キロビット毎秒を単位とするデジタル信号の伝送速度により,符号,音声その他の音響又は影像を統合して伝送交換することを目的とする電気通信役務の提供の用に供するものをいう。(
  3. インターネットプロトコル電話用設備とは,事業用電気通信設備のうち,端末設備等をインターネットプロトコルを使用してパケット交換網に接続するものであって,音声伝送役務の提供の用に供するものをいう。(
  4. 直流回路とは,電気通信回線設備に接続して電気通信事業者の入出力装置の動作の開始及び終了の指示を行うための回路をいう。(

正しくは「交換設備」である。

(2)アナログ電話用設備等の「大規模災害対策」

電気通信回線設備を設置する電気通信事業者の電気通信事業の用に供する電気通信設備の損壊又は故障の対策におけるアナログ電話用設備等の「大規模災害対策」

  1. 3 以上の交換設備をループ状に接続する大規模な伝送路設備は,複数箇所の故障等により広域にわたり通信が停止することのないよう,当該伝送設備により囲まれる地域を横断する伝送路設備の追加的な設置,臨時の電気通信回線の設置に必要な機材の配備その他の必要な措置を講じること。(
  2. 電気通信役務に係る情報の管理,電気通信役務の制御又は端末設備等の認証等を行うための電気通信設備であって,その故障等により,広域にわたり電気通信役務の提供に重大な支障を及ぼすおそれのあるものには,冗長構成を容易にするために同一地域に集中させて設置すること。この場合において,一の電気通信設備の故障等の発生時に,他の電気通信設備によりなるべくその機能を代替することができるようにすること。(
  3. 伝送路設備を複数の経路により設置する場合には,互いになるべく離れた場所に設置すること。(

正しくは「複数の地域に分散して配置」である。

(3)電気通信設備の「保安装置」

電気通信回線設備を設置する電気通信事業者の電気通信事業の用に供する電気通信設備の他の電気通信設備の損傷又は機能の障害の防止における「保安装置」

落雷又は強電流電線との混触により線路設備に発生した異常電圧及び異常電流によって接続設備を損傷するおそれのある場合は,交流 500 ボルト以下で動作する避雷器及び 7 アンペア以下で動作するヒューズ若しくは 500 ミリアンペア以下で動作する熱線輪からなる保安装置又はこれと同等の保安機能を有する装置が事業用電気通信設備と接続設備を接続する点又はその近傍に設置されていなければならない。

(4)アナログ電話用設備等の「故障検出」など

電気通信回線設備を設置する電気通信事業者の電気通信事業の用に供する電気通信設備の損壊又は故障の対策におけるアナログ電話用設備等の「故障検出」,「予備機器等」,「防火対策等」又は「誘導対策」

  1. 事業用電気通信回線設備は,電源停止,共通制御機器の動作停止その他電気通信役務の提供に直接係る機能に重大な支障を及ぼす故障等の発生時には,これを直ちに検出し,記録する機能を備えなければならない。(
  2. 伝送路設備において当該伝送路設備に設けられた電気通信回線に共通に使用される機器は,その機能を代替することができる予備の機器の設置若しくは配備の措置又はこれに準ずる措置が講じられ,かつ,その故障等の発生時に当該予備の機器に速やかに切り替えられるようにしなければならない。(
  3. 事業用電気通信設備を収容し,又は設置し,かつ,当該事業用電気通信設備を工事,維持又は運用する者が立ち入る通信機械室に代わるコンテナ等の構造物及びとう道は,消火設備の設置及び非常出入口の確保がされているものでなければならない。(
  4. 線路設備は,通信用の電線及びケーブルからの電磁誘導作用により事業用電気通信回線設備の機能に重大な支障を及ぼすおそれのある異常電圧又は異常電流が発生しないように設置しなければならない。(

正しくは,1.「当該事業用電気通信設備を維持し、又は運用する者に通知する機能」,3.「自動火災報知設備の設置及び消火設備の設置」,4.「強電流電線」である。

(5)アナログ電話用設備等の「電源設備」及び「停電対策」

電気通信回線設備を設置する電気通信事業者の電気通信事業の用に供する電気通信設備の損壊又は故障の対策におけるアナログ電話用設備等の「電源設備」及び「停電対策」

  1. 事業用電気通信設備の電源設備は,最繁忙時(年間のうち電気通信設備の負荷が最大となる連続した 1 時間をいう。)に事業用電気通信設備の消費電流を安定的に供給できる容量があり,かつ,電源設備の動作電圧を変動許容範囲内に維持できるものでなければならない。(
  2. 事業用電気通信設備の電力の供給に直接係る電源設備の機器(自家用発電機及び蓄電池を除く。)は,その機能を代替することができる予備の機器の設置若しくは配備の措置又はこれに準ずる措置が講じられ,かつ,その故障等の発生時に当該予備の機器に速やかに切り替えられるようにしなければならない。(
  3. 事業用電気通信設備は,通常受けている電力の供給が停止した場合においてその取り扱う通信が停止することのないよう自家用発電機又は蓄電池の設置その他これに準ずる措置(交換設備にあっては,自家用発電機及び蓄電池の設置その他これに準ずる措置)が講じられていなければならない。(

正しくは「平均繁忙時(1 日のうち年間を平均して電気通信設備の負荷が最大となる連続した 1 時間をいう。)」である。

問4

次の各問いは,「事業用電気通信設備規則」又は「端末設備等規則」に規定する内容に関するものである。

(1)事業用電気通信設備規則の規定

事業用電気通信設備規則に規定する,電気通信回線設備を設置する電気通信事業者の音声伝送役務の提供の用に供する電気通信設備におけるアナログ電話用設備の「監視信号受信条件」で定める監視信号

  1. 端末設備等から発信を行うため,当該端末設備等の直流回路を閉じて 300 オーム以下の直流抵抗値を形成することにより送出する監視信号は,起動信号という。(
  2. 発信側の端末設備等において通話を終了するため,当該端末設備等の直流回路を開いて 1 メガオーム以上の直流抵抗値を形成することにより送出する監視信号は,終話信号という。(
  3. 端末設備等において当該端末設備等への着信に応答するため,当該端末設備等の直流回路を閉じて 300 オーム以下の直流抵抗値を形成することにより送出する監視信号は,端末応答信号という。(
  4. 着信側の端末設備等において通話を終了するため,当該端末設備等の直流回路を開いて 1 メガオーム以上の直流抵抗値を形成することにより送出する監視信号は,切断信号という。(

正しくは,1.「発呼信号」,2.「切断信号」,4.「終話信号」である。

(2)事業用電気通信設備規則の規定

事業用電気通信設備規則に規定する,電気通信回線設備を設置する電気通信事業者の電気通信事業の用に供する電気通信設備の損壊又は故障の対策におけるアナログ電話用設備等の「事業用電気通信設備を設置する建築物等」

  1. 当該事業用電気通信設備を安全に設置することができる堅固で耐久性に富むものであること。(
  2. 当該事業用電気通信設備が安全に動作する温度及び湿度を維持することができること。(
  3. 当該事業用電気通信設備を収容し,又は設置する通信機械室に,小動物が容易に出入りし,又は容易に事業用電気通信設備に触れることができないよう金網による囲いその他必要な措置が講じられていること。(

正しくは「公衆」「施錠」である。

(3)端末設備等規則の規定

端末設備等規則に規定する,電話用設備に接続される端末設備におけるアナログ電話端末の「直流回路の電気的条件等」

直流回路を開いているときのアナログ電話端末の直流回路の電気的条件において,呼出信号受信時における直流回路の静電容量は,3 マイクロファラド以下であり,インピーダンスは,75 ボルト,16 ヘルツの交流に対して 2 キロオーム以上でなければならない。

(4)端末設備等規則の規定

端末設備等規則に規定する,電話用設備に接続される端末設備におけるアナログ電話端末の「緊急通信機能」及び「発信の機能」

  1. アナログ電話端末であって,通話の用に供するものは,電気通信番号規則に規定する電気通信番号を用いた警察機関,海上保安機関又は消防機関への通報を発信する機能を備えなければならない。(
  2. 自動的に選択信号を送出する場合にあっては,直流回路を閉じてから 3 秒以上経過後に選択信号の送出を開始するものであること。ただし,電気通信回線からの発信音又はこれに相当する可聴音を確認した後に選択信号を送出する場合にあっては,この限りでない。(
  3. 自動再発信(応答のない相手に対し引き続いて繰り返し自動的に行う発信をいう。以下同じ。)を行う場合(自動再発信の回数が 15 回以内の場合を除く。)にあっては,その回数は最初の発信から 2 分間に 3 回以内であること。この場合において,最初の発信から 2 分を超えて行われる発信は,別の発信とみなす。
    なお,この規定は,火災,盗難その他の非常の場合にあっては,適用しない。(

正しくは「3 分間に 2 回以内」「3 分」である。

(5)端末設備等規則に規定する,安全性等

  1. 端末設備は,事業用電気通信設備との間で鳴音(電気的又は音響的結合により生ずる発振状態をいう。)を発生することを防止するために総務大臣が別に告示する条件を満たすものでなければならない。(
  2. 通話機能を有する端末設備は,通話中に受話器から過大な音響衝撃が発生することを防止する機能を備えなければならない。(
  3. 端末設備を構成する一の部分と他の部分相互間において電波を使用する端末設備は,使用する電波の周波数が空き状態であるかどうかについて,総務大臣が別に告示するところにより判定を行い,空き状態である場合にのみ直流回路を開くものでなければならない。ただし,総務大臣が別に告示するものについては,この限りでない。(
  4. 配線設備等の電線相互間及び電線と大地間の絶縁抵抗は,直流 200 ボルト以上の一の電圧で測定した値で 1 メガオーム以上であること。(

正しくは「通信路を設定するもの」である。

問5

次の各問いは,「有線電気通信法」,「有線電気通信設備令」又は「有線電気通信設備令施行規則」に規定する内容に関するものである。

(1)有線電気通信法に規定する「非常事態における通信の確保」

総務大臣は,天災,事変その他の非常事態が発生し,又は発生するおそれがあるときは,有線電気通信設備を設置した者に対し,災害の予防若しくは救援,交通,通信若しくは電力の供給の確保若しくは秩序の維持のために必要な通信を行い,又はこれらの通信を行うためその有線電気通信設備を他の者に使用させ,若しくはこれを他の有線電気通信設備に接続すべきことを命ずることができる。

(2)有線電気通信法の規定

有線電気通信法に規定する「設備の改善等の措置」,「設備の検査等」及び「有線電気通信設備の届出」

  1. 総務大臣は,有線電気通信設備を設置した者に対し,その設備が有線電気通信法に規定する技術基準に適合しないため他人の設置する有線電気通信設備に妨害を与え,又は人体に危害を及ぼし,若しくは物件に損傷を与えると認めるときは,その妨害,危害又は損傷の防止又は除去のため必要な限度において,その設備の使用の停止又は改造,修理その他の措置を命ずることができる。(
  2. 総務大臣は,有線電気通信法の施行に必要な限度において,有線電気通信設備を設置した者からその設備に関する報告を徴し,又はその職員に,その事務所,営業所,工場若しくは事業場に立ち入り,その設備若しくは帳簿書類を検査させることができる。(
  3. 有線電気通信設備(その設置について総務大臣に届け出る必要のないものを除く。)の設置の届出をする者は,その届出に係る有線電気通信設備が,他人の通信の用に供されるもの(総務省令で定めるものを除く。)であるときは,有線電気通信の方式の別,設備の設置の場所及び設備の概要のほか,その使用の態様その他総務省令で定める事項を合わせて届け出なければならない。(

(3)有線電気通信設備令に規定する用語

  1. 絶対レベルとは,一の実効電力の 1 ミリワットに対する比を絶対値で表したものをいう。(
  2. 離隔距離とは,線路と他の物体(線路を含む。)とが接近し又は交差する場合において,相互に通信の妨げにならないこれらの物の間の最短距離をいう。(
  3. 線路とは,送信の場所と受信の場所との間に設置されている電線及び強電流電線をいい,これらを支持し,又は保蔵するための工作物を含む。(
  4. ケーブルとは,光ファイバ並びに光ファイバ以外の絶縁物及び保護物で被覆されている電線をいい,絶縁電線とは,絶縁物のみで被覆されている電線をいう。(
  5. 電線とは,有線電気通信(送信の場所と受信の場所との間の線条その他の導体を利用して,電磁的方式により信号を行うことを含む。)を行うための導体(絶縁物又は保護物で被覆されている場合は,これらの物を含む。)をいい,強電流電線に重畳される通信回線に係るものを含む。(

正しくは,1.「皮相電力」,2.「気象条件による位置の変化により最も接近した場合におけるこれらの物の間の距離」,3.「これに係る中継器その他の機器」,5.「以外のもの」である。

(4)有線電気通信設備令に規定する「架空電線の支持物」又は「屋内電線」

  1. 架空電線の支持物には,取扱者が昇降に使用する足場金具等を地表上 2.5 メートル未満の高さに取り付けてはならない。ただし,総務省令で定める場合は,この限りでない。(
  2. 道路上に設置する電柱,架空電線と架空強電流電線とを架設する電柱その他の総務省令で定める電柱は,総務省令で定める安全係数をもたなければならない。この安全係数は,その電柱に架設する物の重量,電線の不平均張力及び総務省令で定める風圧荷重が加わるものとして計算するものとする。(
  3. 架空電線の支持物は,その架空電線が他人の設置した架空電線又は架空強電流電線と交差し,又は接近するときは,他人の設置した架空電線又は架空強電流電線を挟み,又はこれらの間を通ることがないようにしなければならない。ただし,総務大臣の承諾を得たとき,又は人体に危害を及ぼし,若しくは物件に損傷を与えないように必要な設備をしたときは,この限りでない。(
  4. 屋内電線(光ファイバを除く。)と大地との間及び屋内電線相互間の絶縁抵抗は,直流 100 ボルトの電圧で測定した値で,2 メグオーム以上でなければならない。(
  5. 屋内電線は,屋内強電流電線との離隔距離が 60 センチメートル以下となるときは,総務省令で定めるところによらなければ,設置してはならない。(

正しくは,1.「1.8 メートル」,3.「その他人の承諾を得たとき」,4.「1 メグオーム」,5.「30 センチメートル」である。

(5)有線電気通信設備令,有線電気通信設備令施行規則の規定

有線電気通信設備令に規定する「線路の電圧及び通信回線の電力」,「地中電線」若しくは「有線電気通信設備の保安」又は有線電気通信設備令施行規則に規定する「保安機能」

  1. 通信回線(導体が光ファイバであるものを除く。)の線路の電圧は,48 ボルト以下でなければならない。ただし,電線として絶縁電線を使用し,かつ,他人の設置する有線電気通信設備に損傷を与えるおそれがないときは,この限りでない。(
  2. 地中電線の金属製の被覆又は管路は,地中強電流電線の金属製の被覆又は管路と電気的に接続してはならない。ただし,電気鉄道又は電気軌道の帰線から漏れる直流の電流による腐しょくを防止するため接続する場合であって,総務省令で定める設備をする場合は,この限りでない。(
  3. 有線電気通信設備は,総務省令で定めるところにより,絶縁機能,避雷機能その他の保安機能をもたなければならない。(
  4. 有線電気通信設備の機器の金属製の台及びきょう体並びに架空電線のちょう架用線は,接地しなければならない。ただし,安全な場所に危険のないように設置する場合は,この限りでない。(
  5. 架空地線に内蔵又は外接して設置される光ファイバを導体とする架空電線に接続する電線は,架空地線(当該架空電線の金属製部分を含む。)と電気的に接続してはならない。ただし,雷又は強電流電線との混触により,人体に危害を及ぼし,若しくは物件に損傷を与えるおそれがない場合は,この限りでない。(

正しくは「100 ボルト」「ケーブルのみ」「又は,人体に危害を及ぼし若しくは物件に損傷」である。

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