令和2年度 第2回 法規

2021年2月6日作成,2021年2月6日更新

問1

次の各問いは,「電気通信事業法」又は「電気通信事業法施行規則」に規定する内容に関するものである。

(1) 電気通信事業法の規定

電気通信事業法に規定する「電気通信設備統括管理者」,「電気通信設備統括管理者の解任命令」,又は「電気通信主任技術者等の義務」

  1. 電気通信事業者は,管理規程に定める事項に関する業務を統括管理させるため,事業運営上の重要な決定に参画する管理的地位にあり,かつ,電気通信設備の管理に関する一定の実務の経験その他の総務省令で定める要件を備える者のうちから,総務省令で定めるところにより,電気通信設備統括管理者を選任しなければならない。(
  2. 電気通信事業者は,電気通信設備統括管理者を選任し,又は解任したときは,総務省令で定めるところにより,遅滞なく,その旨を総務大臣に届け出なければならない。(
  3. 総務大臣は,電気通信設備統括管理者がその職務を怠った場合であって,当該電気通信設備統括管理者が引き続きその職務を行うことが電気通信役務の確実かつ安定的な提供の確保に著しく支障を及ぼすおそれがあると認めるときは,電気通信事業者に対し,当該電気通信設備統括管理者を解任すべきことを命ずることができる。(
  4. 電気通信主任技術者は,事業用電気通信設備の工事,維持及び運用に関する事項の監督の職務を誠実に行わなければならない。(
  5. 電気通信事業者は,電気通信主任技術者に対し,総務省令で定める期間ごとに,その専門的知識を向上するために必要な機会を与えなければならない。(

正しくは「事業用電気通信設備の工事、維持及び運用に関する事項の監督に関する講習」である。

電気通信事業法 第49条 電気通信主任技術者等の義務

4 電気通信事業者は、総務省令で定める期間ごとに、電気通信主任技術者に、第八十五条の二第一項の規定により登録を受けた者(以下「登録講習機関」という。)が行う事業用電気通信設備の工事、維持及び運用に関する事項の監督に関する講習(次節第二款、第百七十四条第一項第四号及び別表第一において「講習」という。)を受けさせなければならない。

(2) 電気通信事業法の「目的」

電気通信事業法は,電気通信事業の公共性にかんがみ,その運営を適正かつ合理的なものとするとともに,その公正な競争を促進することにより,電気通信役務の円滑な提供を確保するとともにその利用者の利益を保護し,もって電気通信の健全な発達及び国民の利便の確保を図り,公共の福祉を増進することを目的とする。

(3) 電気通信事業法に規定する「管理規程」及び「管理規程の変更命令等」

  1. 電気通信事業者は,総務省令で定めるところにより,事業用電気通信設備の管理規程を定め,電気通信事業の開始後,20日以内に,総務大臣に届け出なければならない。(
  2. 総務大臣は,電気通信事業者が電気通信事業法の規定により届け出た管理規程が同法の規定に適合しないと認めるときは,当該電気通信事業者に対し,これを変更すべきことを命ずることができる。(
  3. 総務大臣は,電気通信事業者が管理規程を遵守していないと認めるときは,当該電気通信事業者に対し,電気通信役務の確実かつ安定的な提供を確保するために必要な限度において,管理規程を遵守すべきことを命ずることができる。(

正しくは「電気通信事業の開始前」である。

(4) 電気通信事業法と電気通信事業法施行規則の規定

電気通信事業法に規定する「業務の停止等の報告」及び電気通信事業法施行規則に規定する「報告を要する重大な事故」

電気通信事業者は,電気通信事業法の規定により電気通信業務の一部を停止したとき,又は電気通信業務に関し通信の秘密の漏えいその他総務省令で定める重大な事故が生じたときは,その旨をその理由又は原因とともに,遅滞なく,総務大臣に報告しなければならない。

上記の総務省令で定める報告を要する重大な事故の一つに,緊急通報を取り扱う音声伝送役務の全部又は一部の提供を停止又は品質を低下させた事故であって,その時間が 1 時間以上で,かつ影響を受けた利用者の数が 3 万以上の事故がある。

表 電気通信事業法施行規則に規定される「報告を要する重大な事故」
電気通信役務の区分 時間 利用者の数
一 緊急通報を取り扱う音声伝送役務 一時間 三万
二 緊急通報を取り扱わない音声伝送役務 二時間
一時間
三万
十万
三 電気通信事業報告規則第一条第二項第十七号に規定するLPWAサービス 十二時間
二時間
三万
百万
四 利用者から電気通信役務の提供の対価としての料金の支払を受けないインターネット関連サービス(一の項から三の項までに掲げる電気通信役務を除く。) 二十四時間
十二時間
十万
百万
五 一の項から四の項までに掲げる電気通信役務以外の電気通信役務 二時間
一時間
三万
百万

(5) 電気通信事業法の規定

電気通信事業法に規定する「重要通信の確保」,「登録の取消し」及び「提供義務」

  1. 電気通信事業者は,天災,事変その他の非常事態が発生し,又は発生するおそれがあるときは,災害の予防若しくは救援,交通,通信若しくは電力の供給の確保又は秩序の維持のために必要な事項を内容とする通信を優先的に取り扱わなければならない。公共の利益のため緊急に行うことを要するその他の通信であって総務省令で定めるものについても,同様とする。(
  2. 総務大臣は,電気通信事業の登録を受けた者が電気通信事業法又は同法に基づく命令若しくは処分に違反した場合において,公共の利益を阻害すると認めるときは,電気通信事業の登録を取り消すことができる。(
  3. 基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は,正当な理由がなければ,その業務区域における基礎的電気通信役務の提供を拒んではならない。(

問2

次の各問いは,「電気通信主任技術者規則」,「電波法」,「国際電気通信連合憲章」,「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」又は「電子署名及び認証業務に関する法律」に規定する内容に関するものである。

(1) 電気通信主任技術者規則の「電気通信主任技術者の選任等」に規定

次の (i) ~ (iv) の文章は,電気通信主任技術者規則の「電気通信主任技術者の選任等」に規定する,電気通信主任技術者に監督させる事業用電気通信設備の工事,維持及び運用に関する業務の計画の立案並びにその計画に基づく業務の適切な実施に関して含むべき事項について述べたものである。

  1. 工事の実施体制(工事の実施者及び設備の運用者による確認を含む。)及び工事の手順に関する事項
  2. 運転又は操作の運用の監視に係る方針,体制及び方法に関する事項
  3. 定期的なソフトウェアのリスク分析及び更新に関する事項
  4. 適正な設備容量の確保に関する事項

(2) 電波法に規定する「電波の質」又は「受信設備の条件」

次の(i),(ii)の文章は,電波法に規定する「電波の質」又は「受信設備の条件」について述べたものである。

  1. 通信設備に使用する電波の周波数の偏差及び幅,高調波の強度等電波の質は,総務省令で定めるところに適合するものでなければならない。
  2. 受信設備は,その副次的に発する電波又は高調波電流が,総務省令で定める限度をこえて他の無線設備の機能に支障を与えるものであってはならない。

(3) 国際電気通信連合憲章に規定する「連合の目的」

  1. すべての種類の電気通信の改善及び合理的利用のため,すべての構成国の間における国際協力を維持し及び増進すること。(
  2. 電気通信の分野において開発途上国に対する技術援助を促進し及び提供すること,その実施に必要な物的資源,人的資源及び資金の移動を促進すること並びに情報の取得を促進すること。(
  3. 電気通信業務の能率を増進し,その有用性を増大し,及び公衆によるその利用をできる限り普及するため,技術的手段の発達及びその最も能率的な運用を促進すること。(

(4) 不正アクセス行為の禁止等に関する法律に規定する事項

  1. 電気通信回線を介して接続された他の特定電子計算機が有するアクセス制御機能によりその特定利用を制限されている特定電子計算機に電気通信回線を通じてその制限を免れることができる情報又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ,その制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者の承諾を得てするものを除く。)は,不正アクセス行為に該当する行為である。(
  2. 何人も,業務その他正当な理由による場合を除いては,アクセス制御機能に係る他人の識別符号を,当該アクセス制御機能に係るアクセス管理者及び当該識別符号に係る利用権者以外の者に提供してはならない。(
  3. アクセス制御機能を特定電子計算機に付加したアクセス管理者は,当該アクセス制御機能に係る識別符号又はこれを当該アクセス制御機能により転送するために用いる符号の適正な管理に努めるとともに,常に当該アクセス制御設備の保守管理を励行し,必要があると認めるときは速やかにその機能の高度化その他当該特定電子計算機を不正アクセス行為から防御するため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。(
  4. 国家公安委員会,総務大臣及び経済産業大臣は,アクセス制御機能を有する特定電子計算機の不正アクセス行為からの防御に資するため,毎年少なくとも 1 回,不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況を公表するものとする。(

正しくは「確認」「当該アクセス制御機能の有効性を検証」である。

不正アクセス行為の禁止等に関する法律 第8条 アクセス管理者による防御措置

アクセス制御機能を特定電子計算機に付加したアクセス管理者は、当該アクセス制御機能に係る識別符号又はこれを当該アクセス制御機能により確認するために用いる符号の適正な管理に努めるとともに、常に当該アクセス制御機能の有効性を検証し、必要があると認めるときは速やかにその機能の高度化その他当該特定電子計算機を不正アクセス行為から防御するため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(5) 電子署名及び認証業務に関する法律に規定する電子署名の定義

電子署名とは,電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって,電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)に記録することができる情報について行われる措置であって,次の要件のいずれにも該当するものをいう。

  1. 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。
  2. 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。

問3

次の各問いは,「事業用電気通信設備規則」に規定する内容に関するものである。

(1) 事業用電気通信設備規則に規定する用語

  1. インターネットプロトコル電話用設備とは,事業用電気通信設備のうち,端末設備等をインターネットプロトコルを使用してパケット交換網に接続するもの(携帯電話用設備を除く。)であって,音声伝送役務の提供の用に供するものをいう。(
  2. 2 線式アナログ電話用設備とは,アナログ電話用設備のうち,事業用電気通信設備と端末設備等を接続する点において 2 線式の接続形式を有するものをいう。(
  3. 音声伝送役務とは,おおむね 4 キロヘルツ帯域の音声その他の音響を伝送交換する機能を有する電気通信設備を他人の通信の用に供する電気通信役務であって専用役務以外のものをいう。(
  4. 絶対レベルとは,一の皮相電力の 1 ミリワットに対する比をデシベルで表したものをいう。(

正しくは「データ伝送役務以外のもの」である。

(2) アナログ電話用設備等の「予備機器等」

電気通信回線設備を設置する電気通信事業者の電気通信事業の用に供する電気通信設備の損壊又は故障の対策におけるアナログ電話用設備等の「予備機器等」

  1. 通信路の設定に直接係る交換設備の機器は,その機能を代替することができる予備の機器の設置若しくは配備の措置又はこれに準ずる措置が講じられ,かつ,その損壊又は故障(以下「故障等」という。)の発生時に当該予備の機器に速やかに切り替えられるようにしなければならない。ただし,端末回線(端末設備等と交換設備との間の電気通信回線をいう。)を当該交換設備に接続するための機器及び当該交換設備の故障等の発生時に,他の交換設備によりその疎通が確保できる交換設備の機器については,この限りでない。(
  2. 伝送路設備には,予備の電気通信回線を設置しなければならない。ただし,端末回線その他不特定かつ多数の者の通信を取り扱う区間に使用するものは,この限りでない。(
  3. 交換設備相互間を接続する伝送路設備は,複数の経路により設置されなければならない。ただし,地形の状況により複数の経路の設置が困難な場合又は伝送路設備の故障等の対策として複数の経路による設置と同等以上の効果を有する措置が講じられる場合は,この限りでない。(

正しくは「端末回線その他専ら特定の一の者の通信を取り扱う区間に使用するもの」である。

(3) アナログ電話用設備の「信号極性」

次の文章は,電気通信回線設備を設置する電気通信事業者の電気通信事業の用に供する電気通信設備の音声伝送役務の提供の用に供する電気通信設備におけるアナログ電話用設備の「信号極性」について述べたものである。

事業用電気通信設備は,事業用電気通信設備規則に規定する発呼信号を受信できる状態において,同規則で規定する電源の極性を端末設備等を接続する点において一方を地気(接地の電位をいう。),他方を負極性としなければならない。

(4) 他の電気通信設備の損傷又は機能の障害の防止

気通信回線設備を設置する電気通信事業者の他の電気通信設備の損傷又は機能の障害の防止における「損傷防止」,「機能障害の防止」,「漏えい対策」又は「保安装置」

  1. 事業用電気通信設備は,利用者又は他の電気通信事業者の接続する電気通信設備(以下「接続設備」という。)を損傷するおそれのある電力若しくは電流を送出し,又は接続設備を損傷するおそれのある電圧若しくは光出力により送出するものであってはならない。(
  2. 事業用電気通信設備は,接続設備の機能に障害を与えるおそれのある電気信号又は磁気信号を送出するものであってはならない。(
  3. 電気通信事業者は,総務大臣が別に告示するところに従い特定端末設備又は自営電気通信設備と配線設備との間の電気通信回線に伝送される信号の漏えいに関し,あらかじめ基準を定め,その基準を維持するように努めなければならない。(
  4. 落雷又は強電流電線との混触により線路設備に発生した異常電圧及び異常電流によって接続設備を損傷するおそれのある場合は,交流200ボルト以下で動作する避雷器及び5アンペア以下で動作するヒューズ若しくは200ミリアンペア以下で動作する熱線輪からなる保安装置又はこれと同等の保安機能を有する装置が事業用電気通信設備と接続設備を接続する点又はその近傍に設置されていなければならない。(

正しくは,2.「光信号」,3.「交換設備又は専用設備(専用役務の提供の用に供する事業用電気通信設備をいう。)」,4.「500 ボルト」「7 アンペア」「500 ミリアンペア」である。

(5) アナログ電話用設備等の「電源設備」及び「停電対策」

電気通信回線設備を設置する電気通信事業者の電気通信事業の用に供する電気通信設備の損壊又は故障の対策におけるアナログ電話用設備等の「電源設備」及び「停電対策」

  1. 事業用電気通信設備の電源設備は,最繁忙時(年間のうち電気通信設備の負荷が最大となる連続した 1 時間をいう。)に事業用電気通信設備の消費電流を安定的に供給できる容量があり,かつ,電源設備の動作電圧を変動許容範囲内に維持できるものでなければならない。(
  2. 事業用電気通信設備の電力の供給に直接係る電源設備の機器(自家用発電機及び蓄電池を除く。)は,その機能を代替することができる予備の機器の設置若しくは配備の措置又はこれに準ずる措置が講じられ,かつ,その故障等の発生時に当該予備の機器に速やかに切り替えられるようにしなければならない。(
  3. 事業用電気通信設備は,通常受けている電力の供給が停止した場合においてその取り扱う通信が停止することのないよう自家用発電機又は蓄電池の設置その他これに準ずる措置(交換設備にあっては,自家用発電機及び蓄電池の設置その他これに準ずる措置。)が講じられていなければならない。(

正しくは「平均繁忙時(一日のうち年間を平均して電気通信設備の負荷が最大となる連続した一時間をいう。)」「供給電圧又は供給電流を常に事業用電気通信設備の動作電圧又は動作電流の変動許容範囲内に維持」である。

問4

次の各問いは,「事業用電気通信設備規則」又は「端末設備等規則」に規定する内容に関するものである。

(1) 事業用電気通信設備規則の規定

事業用電気通信設備規則に規定する,電気通信回線設備を設置する電気通信事業者の電気通信事業の用に供する電気通信設備の損壊又は故障の対策におけるアナログ電話用設備等の「異常ふくそう対策等」,「耐震対策」,「誘導対策」又は「防火対策等」

  1. 交換設備は,異常ふくそう(特定の交換設備に対し通信が集中することにより,交換設備の通信の疎通能力が継続して著しく低下する現象をいう。)が発生した場合に,これを検出し,かつ,通信の集中を規制する機能又はこれと同等の機能を有するものでなければならない。ただし,通信が同時に集中することがないようこれを制御することができる交換設備については,この限りでない。(
  2. 事業用電気通信設備は,通常想定される規模の地震による構成部品の接触不良及び脱落を防止するため,構成部品の可とう接続その他の免震措置が講じられたものでなければならない。(
  3. 線路設備は,強電流電線からの静電誘導作用により事業用電気通信設備の機能に重大な支障を及ぼすおそれのある異常電圧又は異常電流が発生しないように設置しなければならない。(
  4. 事業用電気通信設備を収容し,又は設置する通信機械室は,避難設備及び消火設備が適切に設置されたものでなければならない。(

正しくは,2.「固定」,3.「電磁誘導」,4.「自動火災報知設備」である。

(2) 事業用電気通信設備規則の規定

事業用電気通信設備規則において,電気通信回線設備を設置する電気通信事業者の電気通信事業の用に供する電気通信設備と他の電気通信設備との責任の分界として規定する「分界点」及び「機能確認」

  1. 事業用電気通信設備は,他の電気通信事業者の接続する電気通信設備との接続インタフェース条件を規定するため,他の電気通信事業者の電気通信設備との間に分界点を有しなければならない。(
  2. 事業用電気通信設備は,分界点において他の電気通信事業者が接続する電気通信設備から切り離せるものでなければならない。(
  3. 事業用電気通信設備は,分界点において他の電気通信事業者の電気通信設備を切り離し又はこれに準ずる方法により当該事業用電気通信設備の正常性を確認できる措置が講じられていなければならない。(

正しくは「責任の分界を明確にするため」である。

(3) 端末設備等規則に規定する,端末設備の機器の絶縁耐力

端末設備の機器は,その電源回路と筐体及びその電源回路と事業用電気通信設備との間において,使用電圧が 750 ボルトを超える直流及び 600 ボルトを超える交流の場合にあっては,その使用電圧の 1.5 倍の電圧を連続して 10 分間加えたときこれに耐える絶縁耐力を有しなければならない。

(4) 端末設備等規則に規定する安全性等

  1. 端末設備は,事業用電気通信設備から漏えいする通信の内容を意図的に識別する機能を有してはならない。(
  2. 端末設備は,事業用電気通信設備との間で鳴音(電気的又は音響的結合により生ずる発振状態をいう。)を発生することを防止するために電気通信事業者が定める技術的条件を満たすものでなければならない。(
  3. 通話機能を有する端末設備は,通話中に受話器から過大な音響衝撃が発生することを防止する機能を備えなければならない。(

正しくは「総務大臣が別に告示する条件」である。

(5) 端末設備等規則の規定

端末設備等規則に規定する,電話用設備に接続される端末設備におけるアナログ電話端末の「直流回路の電気的条件等」,「選択信号の条件」又は「発信の機能」

  1. 直流回路を開いているときのアナログ電話端末の呼出信号受信時における直流回路の静電容量は,5 マイクロファラド以下であり,インピーダンスは,75 ボルト,16 ヘルツの交流に対して 1 キロオーム以上でなければならない。(
  2. アナログ電話端末は,電気通信回線に対して直流の電圧を加えるものであってはならない。(
  3. アナログ電話端末の押しボタンダイヤル信号は,数字又は数字以外を表すダイヤル信号として,16 種類のダイヤル番号が規定されている。(
  4. アナログ電話端末は,自動的に選択信号を送出する場合にあっては,直流回路を閉じてから 3 秒以上経過後に選択信号の送出を開始する機能を備えなければならない。ただし,電気通信回線からの発信音又はこれに相当する可聴音を確認した後に選択信号を送出する場合にあっては,この限りでない。(

正しくは「3 マイクロファラド」「2 キロオーム」である。

問5

次の各問いは,「有線電気通信法」,「有線電気通信設備令」又は「有線電気通信設備令施行規則」に規定する内容に関するものである。

(1) 有線電気通信法に規定する「設備の検査等」

総務大臣は,この法律の施行に必要な限度において,有線電気通信設備を設置した者からその設備に関する報告を徴し,又はその職員に,その事務所,営業所,工場若しくは事業場に立ち入り,その設備若しくは帳簿書類を検査させることができる。立入検査をする職員は,その身分を示す証明書を携帯し,関係人に提示しなければならない。この検査の権限は,犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(2) 有線電気通信法の規定

有線電気通信法に規定する「目的」,「有線電気通信設備の届出」及び「技術基準」

  1. 有線電気通信法は,有線電気通信設備の設置及び使用を規律し,有線電気通信に関する秩序を確立することによって,社会及び経済の健全な発展に寄与することを目的とする。(
  2. 有線電気通信設備(その設置について総務大臣に届け出る必要のないものを除く。)の設置の届出をする者は,その届出に係る有線電気通信設備が,他人の通信の用に供されるもの(総務省令で定めるものを除く。)であるときは,有線電気通信の方式の別,設備の設置の場所及び設備の概要のほか,その使用の態様その他総務省令で定める事項を併せて届け出なければならない。(
  3. 有線電気通信設備(政令で定めるものを除く。)の技術基準により確保されるべき事項の一つとして,有線電気通信設備は,人体に危害を及ぼし,又は物件に損傷を与えないようにすることがある。(

正しくは「公共の福祉の増進」である。

(3) 有線電気通信設備令又は有線電気通信設備令施行規則に規定する用語

  1. 平衡度とは,通信回線の中性点と大地との間に起電力を加えた場合におけるこれらの間に生ずる電圧と通信回線の端子間に生ずる電圧とのをデシベルで表わしたものをいう。(
  2. 低周波とは,周波数が 300 ヘルツ以下の電磁波をいい,音声周波とは,周波数が 300 ヘルツを超え,3,500 ヘルツ以下の電磁波をいう。(
  3. 強電流電線とは,強電流電気の伝送を行うための導体をいい,絶縁物又は保護物で被覆されている場合は,これらの物を除く。(
  4. 離隔距離とは,線路と他の物体(線路を含む。)とが接近し又は交差する場合において,相互に通信の妨げにならないこれらの物の間の最短距離をいう。(
  5. ケーブルとは,光ファイバ並びに光ファイバ以外の絶縁物及び保護物で被覆されている電線をいい,絶縁電線とは,絶縁物のみで被覆されている電線をいう。(

正しくは,1.「比」,2.「200 ヘルツ」,3.「含む」,4.「気象条件による位置の変化により最も接近した場合におけるこれらの物の間の距離」である。

(4) 有線電気通信設備令の規定

有線電気通信設備令に規定する「屋内電線」,「架空電線の支持物」又は「架空電線と他人の設置した架空電線等との関係」

  1. 屋内電線は,屋内強電流電線との離隔距離が30センチメートル以下となるときは,総務省令で定めるところによらなければ,設置してはならない。(
  2. 道路上に設置する電柱,架空電線と架空強電流電線とを架設する電柱その他の総務省令で定める電柱は,総務省令で定める安全係数をもたなければならない。この安全係数は,その電柱に架設する物の重量,電線の不平均張力及び総務省令で定める風圧荷重が加わるものとして計算するものとする。(
  3. 架空電線の支持物は,その架空電線が他人の設置した架空電線又は架空強電流電線と交差し,又は接近するときは,他人の設置した架空電線又は架空強電流電線を挟み,又はこれらの間を通ることがないようにしなければならない。ただし,総務大臣の承諾を得たとき,又は人体に危害を及ぼし,若しくは物件に損傷を与えないように必要な設備をしたときは,この限りでない。(
  4. 架空電線は,総務省令で定めるところによらなければ,架空強電流電線と同一の支持物に架設してはならない。(

正しくは「その他人」である。

(5) 有線電気通信設備令の規定

有線電気通信設備令に規定する「屋内電線」及び「架空電線と他人の設置した架空電線等との関係」,並びに有線電気通信設備令施行規則に規定する「保安機能」

  1. 屋内電線(光ファイバを除く。)と大地との間及び屋内電線相互間の絶縁抵抗は,直流 100 ボルトの電圧で測定した値で,1 メグオーム以上でなければならない。(
  2. 架空電線は,架空強電流電線と交差するとき,又は架空強電流電線との水平距離がその架空電線若しくは架空強電流電線の支持物のうちいずれか高いものの高さに相当する距離以下となるときは,総務省令で定めるところによらなければ,設置してはならない。(
  3. 架空地線に内蔵又は外接して設置される光ファイバを導体とする架空電線に接続する電線は,架空地線(当該架空電線の金属製部分を含む。)と連接接地し等電位化しなければならない。ただし,雷又は強電流電線との混触により,人体に危害を及ぼし,若しくは物件に損傷を与えるおそれがない場合は,この限りでない。(

正しくは「電気的に接続してはならない」である。

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