安全・信頼性対策

2019年6月3日作成,2021年9月1日更新

設備の個別管理(故障による影響が大きい設備)

準備中

故障分析

課題抽出

再発防止策の策定・実施

以下の記述内容は,平成27年8月26日に総務省が公表した電気通信事故に係る電気通信事業法関係法令の適用に関するガイドライン(第 2 版)に基づいている。

電気通信事業者は,電気通信事業法の規定により電気通信業務の一部を停止したとき,又は電気通信業務に関し通信の秘密の漏えいその他総務省令で定める重大な事故が生じたときは,その旨をその理由又は原因とともに,遅滞なく,総務大臣に報告しなければならない。また,電気通信事業者は,詳細な報告を所定の様式により,その重大な事故の発生した日から 30 日以内に総務省に報告しなければならない。

報告を要する重大な事故は,電気通信役務の区分に応じ,その電気通信役務の提供を停止又は品質を低下させた事故を対象に,その影響を与えた利用者数(以下,影響利用者数という。)及び継続時間によって定められている。

例えば,緊急通報を取り扱う音声伝送役務では,影響利用者数が 3 万以上,かつ,継続時間が 1 時間以上の場合が該当する。また,緊急通報を取り扱わない 050-IP 電話などの音声伝送役務では,影響利用者数が 3 万以上,かつ,継続時間が 2 時間以上の場合,又は,影響利用者数が 10 万以上,かつ,継続時間が 1 時間以上の場合が該当する。

一方,総務大臣が電気通信役務の提供の停止を受けた利用者の数の把握が困難であると認めるときに適用する基準の一つとして,電気通信役務の停止に係る電気通信設備の伝送速度の総和が 200 万 キロビット毎秒を超えるものがある。また,携帯電話の役務については,当該電気通信役務の停止に係る基地局について,その停止の時間帯に当該基地局の電気通信役務の提供区域に存した利用者の数が 3 万以上の場合と規定されている。

災害対策

停電対策

次のいずれかの措置を講ずること。

  • 自家用発電機を設置すること。
  • 蓄電池を設置すること。
  • 複数の系統で受電すること。
  • 移動電源設備を配備すること。

交換設備については,蓄電池の設置及び,自家用発電機の設置又はこれに準ずる措置を講ずること。

移動体通信基地局については,移動電源設備又は予備蓄電池を事業場等に配備すること。

自家用発電機の設置又は移動電源設備の配備を行う場合には,その燃料について,十分な量の備蓄又はその補給手段の確保を行うこと。

災害対策用移動電源車

電気通信事業者は,災害発生時に重要な通信設備などへの電源供給の応急復旧に資するために災害対策用移動電源車を配備しており,一台の最大発電能力は対応規模に応じてさまざまで 2,000 [kVA] を有する発電機もあり,また,発電方式はガスタービン方式の他ディーゼルエンジン方式などがある。

自然災害対策

風害対策

強度の風圧を受けるおそれのある場所に設置する屋外設備には,強風下において故障等の発生を防止する措置を講ずる。また,風による振動に対し,故障等の発生を防止する措置を講ずる。

雷害対策

雷害が発生するおそれのある場所に設置する重要な設備には,雷外による障害の発生を防止する措置を講ずる。

雷害対策」参照

水害対策

水害のおそれのある場所には,重要な屋外設備を設置しない。ただし,やむを得ない場合,防水措置等を講ずる。

塩害等対策

塩害,腐食性ガスによる害又は粉塵による害のおそれのある場所に設置する屋外設備には,これらによる故障等の発生を防止する措置を講ずる。

地震対策

  • 通常想定される規模の地震による転倒及び移動を防止する措置を講ずる。
  • 通常想定される規模の地震による構成部品の接触不良及び脱落を防止する措置を講ずる。
  • 重要な屋内設備に関する地震対策は,大規模な地震を考慮する。

災害対策基本法に基づく災害対策への取組

災害対策基本法において,独立行政法人,日本銀行,日本赤十字社,日本放送協会その他の公共機関及び電気,ガス,輸送,通信その他の公共的事業を営む法人であって,内閣総理大臣が指定するものは,指定公共機関といわれる。

公益事業特権の適用を受けることができる認定電気通信事業者に認定された電気通信事業者は,認定と同時に災害対策基本法に定める指定公共機関として指定されることはない。指定公共機関は,災害対策基本法 第 2 条 第 1 項 五に基づき,内閣総理大臣が指定する。

災害対策基本法 第二条 第1項

五 指定公共機関 独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)、日本銀行、日本赤十字社、日本放送協会その他の公共的機関及び電気、ガス、輸送、通信その他の公益的事業を営む法人で、内閣総理大臣が指定するものをいう。

災害対策基本法 第六条 指定公共機関及び指定地方公共機関の責務

指定公共機関及び指定地方公共機関は、基本理念にのつとり、その業務に係る防災に関する計画を作成し、及び法令に基づきこれを実施するとともに、この法律の規定による国、都道府県及び市町村の防災計画の作成及び実施が円滑に行われるように、その業務について、当該都道府県又は市町村に対し、協力する責務を有する。

2 指定公共機関及び指定地方公共機関は、その業務の公共性又は公益性にかんがみ、それぞれその業務を通じて防災に寄与しなければならない。

指定公共機関は,内閣府に設置される中央防災会議が作成する防災に関する基本的な計画に基づき,その業務に関し,防災業務計画を作成し,毎年防災業務計画に検討を加え,必要があると認めるときは,これを修正しなければならない。

指定公共機関は,防災業務計画を作成し,又は修正したときは,速やかに当該指定公共機関を所管する大臣を経由して内閣総理大臣に報告し,関係都道府県知事に通知するとともに,その要旨を公表しなければならない。

災害対策基本法 第二条 第1項

九 防災業務計画 指定行政機関の長(当該指定行政機関が内閣府設置法第四十九条第一項若しくは第二項若しくは国家行政組織法第三条第二項の委員会若しくは第三号ロに掲げる機関又は同号ニに掲げる機関のうち合議制のものである場合にあつては、当該指定行政機関。第十二条第八項、第二十八条の三第六項第三号及び第二十八条の六第二項を除き、以下同じ。)又は指定公共機関(指定行政機関の長又は指定公共機関から委任された事務又は業務については、当該委任を受けた指定地方行政機関の長又は指定地方公共機関)が防災基本計画に基づきその所掌事務又は業務について作成する防災に関する計画をいう。

災害対策基本法 第三十六条 指定行政機関の防災業務計画

指定行政機関の長は、防災基本計画に基づき、その所掌事務に関し、防災業務計画を作成し、及び毎年防災業務計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならない。

2 指定行政機関の長は、前項の規定により防災業務計画を作成し、又は修正したときは、すみやかにこれを内閣総理大臣に報告し、並びに都道府県知事及び関係指定公共機関に通知するとともに、その要旨を公表しなければならない。

3 第二十一条の規定は、指定行政機関の長が第一項の規定により防災業務計画を作成し、又は修正する場合について準用する。

災害対策基本法 第三十七条

防災業務計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

  1. 所掌事務について、防災に関しとるべき措置
  2. 前号に掲げるもののほか、所掌事務に関し地域防災計画の作成の基準となるべき事項

2 指定行政機関の長は、防災業務計画の作成及び実施にあたつては、他の指定行政機関の長が作成する防災業務計画との間に調整を図り、防災業務計画が一体的かつ有機的に作成され、及び実施されるように努めなければならない。

災害対策基本法 第三十九条 指定公共機関の防災業務計画

指定公共機関は、防災基本計画に基づき、その業務に関し、防災業務計画を作成し、及び毎年防災業務計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならない。

2 指定公共機関は、前項の規定により防災業務計画を作成し、又は修正したときは、速やかに当該指定公共機関を所管する大臣を経由して内閣総理大臣に報告し、及び関係都道府県知事に通知するとともに、その要旨を公表しなければならない。

3 第二十一条の規定は、指定公共機関が第一項の規定により防災業務計画を作成し、又は修正する場合について準用する。

災害対策基本法 第八十条 指定公共機関等の応急措置

指定公共機関及び指定地方公共機関は、災害が発生し、又はまさに発生しようとしているときは、法令又は防災計画の定めるところにより、その所掌業務に係る応急措置をすみやかに実施するとともに、指定地方行政機関の長、都道府県知事等及び市町村長等の実施する応急措置が的確かつ円滑に行なわれるようにするため、必要な措置を講じなければならない。

2 指定公共機関及び指定地方公共機関は、その所掌業務に係る応急措置を実施するため特に必要があると認めるときは、法令又は防災計画の定めるところにより、指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は都道府県知事若しくは市町村長に対し、労務、施設、設備又は物資の確保について応援を求めることができる。この場合において、応援を求められた指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は都道府県知事若しくは市町村長は、正当な理由がない限り応援を拒んではならない。

指定公共機関として指定された電気通信事業者は,災害対策基本法などの法令に則り,電気通信設備等の耐水構造化や耐震構造化による電気通信設備等の高信頼度化,主要な伝送路の多ルート化や主要な中継交換機の分散設置による電気通信システムの高信頼度化などの災害対策に取り組んでいる。

災害時優先電話

災害の救援や復旧並びに公共の秩序の維持のため,法令に基づき,防災関係等各種機関等に対し,電気通信事業者が提供している災害時優先電話は,一般に,災害発生時などに行われる通信制限時であっても優先電話からの発信を優先して扱うことにより,重要通信を確保するサービスである。

災害復旧時において,障害を受けた優先電話は,復旧作業は効率性の観点から実施され,他の通常電話に対して最優先で復旧されることはない

移動式 ICT ユニット

移動式 ICT ユニットは,ICT サービス提供に必要な装置類を収容した可搬型のユニットであり,災害時に被災地に搬入・設置して避難所などの周辺に Wi-Fi によるローカルネットワークの構築,広域ネットワークへの接続を短時間で行うことができる。

情報通信ネットワーク安全・信頼性基準

総務省では,情報通信ネットワークにおける安全・信頼性対策全般にわたり,基本的かつ総括的な指標(ガイドライン)となる「情報通信ネットワーク安全・信頼性基準」(昭和62年郵政省告示第73号)(以下「安全・信頼性基準」という。)を制定している。同基準は,ネットワーク構築者には安全・信頼性対策の立案,実施の際の指針として活用されるとともに,利用者の安全・信頼性対策の理解を促進することにより,ネットワークの安全・信頼性対策の自発的な実施促進を図ることを期待している。

情報通信ネットワーク安全・信頼性基準 第1 目的

情報通信ネットワークのうち社会的に重要なもの又はそれに準ずるものを対象とし、その安全・信頼性対策の指標としての基準を定めることにより、安全・信頼性対策の普及を促進し、もって情報通信ネットワークの健全な発展に寄与することを目的とする。

安全・信頼性基準は,通信の安定的な提供,通信の疎通の確保,通信の不正使用の防止等を目的として,情報通信ネットワークを取巻く外的な脅威や自らが待つ内的な脆弱性に対し情報通信ネットワークの耐力の強化等を図るとともに情報通信ネットワークとしての機能の安定的な維持を図るため,情報通信ネットワーク全体から見た対策項目について網羅的に整理,検討を行い,ハードウェア及びソフトウェアに備えるべき機能やシステムの維持・運用等を総合的に取り入れた,安全・信頼性に関する推薦基準(ガイドライン)である。

情報通信ネットワーク安全・信頼性基準 第3 安全・信頼性基準

1 設備等基準 情報通信ネットワークを構成する設備及び情報通信ネットワークを構成する設備を設置する環境の基準は、別表第1のとおりとする。

2 管理基準 情報通信ネットワークの設計、施工、維持及び運用の管理の基準は、別表第2のとおりとする。

電気通信事業者のネットワークについて,電気通信事業法の技術基準以外のソフトウェア対策,情報セキュリティ対策,設計・施行・運用等における管理等を規定するとともに,電気通信事業法の技術基準の対象とならないネットワークについても,予備機器の設置,故障検出,異常ふくそう対策,耐震対策,停電対策,防火対策等を詳細に規定する等しており,電気通信事業法に基づく強制基準としての技術基準と,ガイドラインとしての安全・信頼性基準が両輪となって,情報通信ネットワークの安全・信頼性の確保を図っている。

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