電気通信システム 対策ノート「電磁気学」
2019年5月18日作成,2021年9月1日更新
真空中の静電界と導体
誘電体中の静電界
静電容量がそれぞれ $C_1$ [F] 及び $C_2$ [F] である 2 つのコンデンサが,それぞれ $V_1$ [V] 及び $V_2$ [V] の電圧で充電されている場合に,蓄えられる電荷をそれぞれ $Q_1$ [C] 及び $Q_2$ [C] とする。
\[ Q_1 = C_1 V_1 \] \[ Q_2 = C_2 V_2 \]2 つのコンデンサの極性を合わせて並列に接続すると,蓄えられる電荷は $Q_1 + Q_2$ [C],静電容量は $C_1 + C_2$ [F] となるので,コンデンサの両極間の電位差 $V$ [V] は,次式で求められる。
\[ V = \frac{Q_1 + Q_2}{C_1 + C_2} = \frac{C_1 V_1 + C_2 V_2}{C_1 + C_2} \]電極板の面積が $S$ [m²],電極板の間隔が $d$ [m],電極間に誘電率 $\epsilon$ [F/m] の絶縁物を満たした平行板コンデンサの静電容量 $C$ [F] は,下式で与えられる。
\[ C = \frac{\epsilon S}{d} \]直流電圧 $V$ [V] を加えたとき,このコンデンサに蓄えられるエネルギー $W$ は,下式で与えられる。
\[ W = \frac{CV^2}{2} =\frac{\epsilon SV^2}{2d} \]電極板に働く吸引力 $P$は,下式となる。
\[ P = \frac{W}{d} = \frac{\epsilon SV^2}{2d^2} \]定常電流による磁界
電磁誘導
透磁率が $\mu$ [H/m],磁路の平均の長さが $l$ [m],断面積が $A$ [m²] の環状鉄心に巻かれた巻数が $N_1$ のコイルの自己誘導磁束を $\phi_1$,流れる電流を $I_1$,相互誘導磁束を $\phi$ とすれば,漏れ磁束はないので,次式が成り立つ。
\[ \phi = \phi_1 = \frac{N_1 I_1}{\frac{l}{\mu A}} = \frac{\mu N_1 A I_1}{l} \text{ [Wb]} \]巻数が $N_2$ のコイルとの相互インダクタンス $M$ は,次式となる。
\[ M = \frac{N_2 \phi}{I_1} = \frac{N_2 \times \frac{\mu N_1 A I_1}{l}}{I_1} = \frac{\mu A N_1 N_2}{l} \text{ [H]} \]