電気通信システム 対策ノート「電気通信網の基礎」

2019年5月18日作成,2021年9月1日更新

電気通信網の基礎

電気通信網の種類(固定通信網,移動通信網等)

共通線信号方式

通信回線と信号回線とを分離して,信号回線を共通に使用する方式であり,個別線信号方式と異なり,通話中でも順方向や逆方向の信号転送ができる特徴がある。

固定電話網の構成・つながる仕組み(信号方式,番号方式等)

公衆交換電話網(PSTN : Public Switched Telephone Networks)での接続において,接続先を識別するために付与される固定電話の電話番号の体系は,一般に,先頭の数字が国内プレフィックスといわれる 0 で始まり,市外局番,市内局番及び加入者番号が続く構成となっている。

固定電話の電話番号の体系:国内プレフィックス「0」,市外局番 1 ~ 4 桁,市内局番 1 ~ 4 桁,加入者番号 4 桁

国内通話と国際通話を識別するための識別番号は,国際プレフィックスと呼ばれ,日本では 010 が用いられている。

電話デジタル交換機における通話路の自動確認試験には,パリティ試験パイロット試験照合試験などがある。

パリティ試験では,スイッチの「入」側でデジタル信号にパリティビットを付加し,「出」側でパリティチェックを実施することで,ビット単位の正常性確認を行う。

パイロット試験は通話路に試験パターン信号を流して正常性を確認する。

照合試験では,2 重化した通話路の両系の信号をビット単位で照合する。

事業用電気通信設備規則 第二十九条 監視信号受信条件

事業用電気通信設備は、端末設備等を接続する点において当該端末設備等が送出する次の監視信号を受信し、かつ、認識できるものでなければならない。

  1. 端末設備等から発信を行うため、当該端末設備等の直流回路を閉じて 300 Ω 以下の直流抵抗値を形成することにより送出する監視信号(以下「発呼信号」という。)
  2. 端末設備等において当該端末設備等への着信に応答するため、当該端末設備等の直流回路を閉じて 300 Ω 以下の直流抵抗値を形成することにより送出する監視信号(以下「端末応答信号」という。)
  3. 発信側の端末設備等において通話を終了するため、当該端末設備等の直流回路を開いて 1 MΩ 以上の直流抵抗値を形成することにより送出する監視信号(以下「切断信号」という。)
  4. 着信側の端末設備等において通話を終了するため、当該端末設備等の直流回路を開いて 1 MΩ 以上の直流抵抗値を形成することにより送出する監視信号(以下「終話信号」という。)

電話通信網の動向(ネットワークの IP 化,インターネット利用の拡大等)

ADSL

ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line:非対称デジタル加入者線)による通信では,電話による音声などの低周波信号と,インターネット通信のための高周波信号とが電話線上に同時に存在することになる。本来,低周波信号しか扱わない電話機に ADSL のための高周波信号が入力されると,雑音が発生するなど動作に異常をきたす可能性があるため,端末設備等規則 第 14 条において,送出電力に制限が設けられており,電話機側には 4 kHz 以下の信号のみ通す低域フィルタ(スプリッタ)が設けられている。

仮想専用網(VPN)

仮想専用網(VPN : Virtual Private Network)には幾つかの方式があるが,広域イーサネットは VLAN と呼ばれ,IEEE 802.1 Q,802.1 ad などで標準化されている。通信事業者が構築したネットワーク内を LAN で使用されるイーサネットフレームのまま高速転送できるのが特徴であり,VLAN の出入口で転送用タグの付与及び除去を行う機能を持つのがエッジスイッチで,そのタグを用いてネットワーク内の転送するのがコアスイッチである。

電気通信網を構成する機器(付属する機器等を含む)

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