電気通信システム 対策ノート「移動通信網の基礎」

2019年5月18日作成,2021年9月1日更新

移動通信網の基礎

移動通信網の種類(携帯電話網,PHS,WiMAX,衛星通信等)

携帯電話網

陸上の基地局と携帯型の電話機(携帯電話 : mobile phone)とを利用した陸上での利用を主としたシステム。

PHS

PHS(personal handy-phone system)とは,小型の電話機を携帯し,移動した先で長距離間の通信を行うシステムのこと。

WiMAX

WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)とは,無線通信技術の規格の一つである。

人口希薄地帯や,高速通信(光・メタル)回線の敷設や DSL 等の利用が困難な地域で,いわゆるラストワンマイルの接続手段として期待されている。近年は,高速移動通信用の聞かkも策定されている。WiMAX は当初,中長距離エリアをカバーする無線通信を目的としており WiMAX アクセス網は「Wireless MAN」(MAN : Metropolitan Area Network)と定義される。

衛星通信

静止衛星は地球の自転周期と一致した自転周期を持つが,高度 36,000 km の赤道上空にあるため,衛星通信システム相互間で約 300 ms 程度の信号遅延が生じ,信号の反射現象が発生し,これをエコーと呼ぶ。この対策として,一般に,エコーキャンセラ技術が用いられている。

衛星通信の受信装置では低雑音増幅器が必要で,受信器の初段に使用される素子としては,HEMT(High Electron Mobility Transistor : 高電子移動トランジスタ)が使われている。

携帯電話の構成・つながる仕組み(位置情報の管理等)

携帯電話・PHS の番号計画は閉鎖番号方式で 070 ~ 090 - CDE - XXXXX の構成であり,CDE が事業者識別番号となっている。

050-IP 電話は通信事業者が提供する一般 IP 電話サービスであり,0AB ~ J-IP 電話は,固定電話網で既存のアナログ電話や ISDN 用電話に置き換わるものである。050-IP 電話より品質が厳しく規定されており,一般的には光電話とも呼ばれている。

移動通信網を構成する機器(付属する機器等を含む)

無線 LAN システムのネットワーク構成には,インフラストラクチャモードとアドホックモードがある。

インフラストラクチャモード

インフラストラクチャモード(infrastructure mode)は,IEEE 802.11 無線 LAN の動作モードのひとつで,それぞれの端末に設置された無線 LAN のアダプタが,ネットワークを統括するアクセス・ポイントを介して通信し,互いに直接通信しない形態のこと。また,アクセス・ポイント同士を有線 LAN で結んでネットワークを拡張することもできる。

インフラストラクチャモード
図 インフラストラクチャモード

アドホックモード

アドホックモード(ad hoc mode)は,IEEE 802.11 無線 LAN の動作モードのひとつで,それぞれの端末に設置された無線 LAN のアダプタが,互いに直接通信する形態のこと。

アドホックモード
図 アドホックモード

HEMT

HEMT とは,化合物半導体材料を利用した電界効果型トランジスタで,High Electron Mobility Transistor(高電子移動度トランジスタ)のことを指す。

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