コンピュータ構成要素

2021年7月3日作成,2024年1月14日更新

目次

応用情報技術者試験(レベル3)シラバス-情報処理技術者試験における知識・技能の細目- Ver. 7.0 に基づき,「コンピュータ構成要素」の対策ノートを作成した。

本稿は,システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問題の対策としても活用できるようにしている。

プロセッサ

  • コンピュータの種類,構成を修得し,応用する。
  • プロセッサの種類,アーキテクチャ,構造,方式,動作原理を修得し,応用する。
  • プロセッサの性能を表す指標を修得し,応用する。
  • プロセッサの高速化技術,高信頼化技術を修得し,応用する。

(1) コンピュータの種類

デスクトップ PC,ノート PC,サーバ,携帯端末(スマートフォン,タブレット端末ほか),シングルボードコンピュータ(SBC),汎用コンピュータ,制御用コンピュータ,マイクロコンピュータ,量子コンピュータ(量子ゲート型,量子アニーリング型)
デスクトップ PC

パソコン製品の形態による分類の一つで,据え置き型の機種のことをデスクトップパソコンあるいは略してデスクトップという。ノート型のように持ち運んで利用することができず,室内に固定的に設置して利用するタイプの製品を指す。

ノート PC

ノートパソコンとは,本に似た薄い形状の持ち運びが容易なパソコン製品。2 枚の板状の部品を重ねた構造になっており,片方が液晶ディスプレイに,片方がキーボードになっている。CPU や RAM,ハードディスクなどの主要部品はキーボードの下に収納されており,側面や背面に拡張ポートや電源などの端子が配されている。

サーバ(server)

サーバとは,コンピュータネットワークにおいて,他のコンピュータに対し,自身の持っている機能やサービス,データなどを提供するコンピュータのこと。また,そのような機能を持ったソフトウェア。

スマートフォン(smartphone)

スマートフォンとは,個人用の携帯コンピュータの機能を併せ持った携帯電話。従来の携帯情報端末(PDA)に携帯電話・通信機能を統合したもの,と表現されることもある。単に高機能というだけでなく,汎用の OS を搭載し,利用者が後からソフトウェアなどを追加できるようになっている機種を指す場合が多い。

タブレット端末

タブレット端末とは,コンピュータ製品の分類の一つで,板状の筐体の片面が触れて操作できる液晶画面(タッチパネル)になっており,ほとんどの操作を画面に指を触れて行うタイプの製品のこと。

メインフレーム

メインフレームとは,大企業や官公庁などの基幹情報システムなどに用いられる大型のコンピュータ製品。最も古くから普及している製品カテゴリーで,多数の利用者や業務で共有し,大量の重要なデータや処理を扱うため,極めて高い性能や信頼性を実現している。

マイクロコンピュータ

個人向けの小型で安価な汎用コンピュータの,1970~80 年代における一般的な名称。現在では一般的に「パーソナルコンピュータ」(パソコン,PC:Personal Computer)と呼ばれる製品カテゴリの創成期の呼称。

コンピュータといえば企業などの大きな組織が利用する大型汎用機(メインフレーム)やミニコンピュータ,オフィスコンピュータなどしかなかった 1970 年代後半,安価なマイクロプロセッサの発明により個人が家庭で使える汎用コンピュータとしてマイコンが登場した。

量子コンピュータ(quantum computer)

量子コンピュータとは,量子力学の原理を計算に応用したコンピュータ。極微細な素粒子の世界で見られる状態の重ね合わせを利用して,従来の電子回路などでは不可能な超並列的な処理を行うことができる。

汎用的な方式として,従来の半導体チップの論理回路のように量子的な回路を用いる「量子ゲート」(quantum gate)方式が古くから研究され,当初は量子コンピュータといえばこの方式を指していた。2000年代になり「量子アニーリング」(quantum annealing:量子焼きなまし法)と呼ばれる原理を応用した方式が新たに考案され,最適化問題を解く専用コンピュータとして実証実験が行われている。

(2) コンピュータの構成

演算装置,制御装置,記憶装置,入力装置,出力装置

コンピュータは,入力装置出力装置記憶装置演算装置制御装置の 5 つの装置で構成され,下図に示すデータおよび制御の流れにより処理が実行される。

コンピュータの 5 大装置
図 コンピュータの 5 大装置
演算装置 (ALU : Arithmetic and Logic Unit)

コンピュータを構成する基本的な装置の一つで,算術演算(四則演算)や論理演算などの計算を行う装置。現代のコンピュータでは制御装置とともにマイクロプロセッサ(CPU/MPU)などの論理回路の一部として実装されている。

制御装置 (control unit)

制御装置とは,機械やシステムの構成要素のうち,主に他の要素の動作の制御などの機能を担うもの。

記憶装置 (storage unit)

記憶装置とは,コンピュータの構成要素の一つで,データやプログラムの保存・記憶を行うための装置。レジスタやキャッシュメモリなど CPU 内部の半導体メモリ,メインメモリ(主記憶装置/RAM),ストレージ(外部記憶装置/補助記憶装置)などに分類される。

入力装置 (input device)

入力装置とは,コンピュータなどの機器本体にデータや情報,指示などを与えるための装置。一般的には人間が操作して入力を行う装置のことを指し,手指の動きや打鍵を電気信号に変換して伝達するキーボードやマウス,タッチパネルなどが該当する。

出力装置 (output device)

出力装置とは,コンピュータ(や実行中のプログラム)からデータを受け取って,人間に認識できる形で外部に物理的に提示する装置。光の像を投影して画面を映し出すディスプレイ(モニタ)やプロジェクタ,紙などに印字・印刷を行うプリンタやプロッタ,音声を発するスピーカーやイヤフォンなどがこれに該当する。

(3) プロセッサの種類

CPU,GPU,DSP,FPU,GPGPU,AI チップ,TUP (Tensor Processing Unit)
CPU (Central Processing Unit),中央演算装置

CPU とは,コンピュータの主要な構成要素の一つで,他の装置・回路の制御やデータの演算などを行う装置。演算装置と制御装置を統合したもので,現代では一枚の IC チップに集積されたマイクロプロセッサ(MPU:Micro-Processing Unit)を用いる。

GPU

GPU(Graphics Processing Unit)は,コンピュータにおいて画像処理を専門に担当するハードウェア部品である。動画再生や 3DCG のレンダリングなどの定型的かつ大量の演算が要求される処理において,CPU の補助演算装置として機能する。最近では,膨大な計算を必要とする科学シミュレーションや機械学習の分野でも GPU を利用することが増えてきている。

例えば,ディープラーニングでは,システムに学習をさせるときに行列演算を含む大量の並列演算が必要なので,同じ種類の計算を大量に行うことに特化した GPU が活用されている。

DSP (Digital Signal Processor),デジタルシグナルプロセッサ

DSP とは,マイクロプロセッサの一種で,デジタル信号処理に特化した機能を持つもの。

FPU (Floating-Point Unit),浮動小数点演算装置

FPU とは,コンピュータの処理装置の一種で,数値データの表現形式の一つである浮動小数点数の計算に特化した演算装置のこと。

GPGPU (General-Purpose computing on Graphics Processing Units)

GPGPU とは,画像処理を高速に実行する GPU(Graphics Processing Unit)の機能を,画像処理以外の用途に転用すること。

演習問題

ディープラーニングの学習にGPUを用いる利点を述べよ。

(出典)令和3年度 春期 応用情報技術者試験 午前問題 問10

汎用の行列演算ユニットを用いて,行列演算を高速に実行できる。

(4) プロセッサのアーキテクチャ

プロセッサアーキテクチャには,大きく分類すると CISC(Complex Instruction Set Computer)と RISC(Reduced Instruction Set Computer)がある。それぞれの特徴を次表に示す。

CISC は,複雑で多機能な命令セットでコンピュータを構成する設計方法,RISC は,CPUに与える命令を短く固定長化し,専用の論理回路で高速に実行できるようにした命令セットでコンピュータを構成する設計方法である。

表 CISC と RISC の特徴
種類 説明
CISC
  • プロセッサ内に格納されているマイクロプログラム(ハードウェアを制御する小さな命令の集合)をソフトウェア的に実行する
  • 命令数は多く,1 つの命令で複雑な処理を行うことができる
  • 命令語の長さは可変
RISC
  • ワイヤドロジック方式によりハードウェア的に実行する
  • 命令数は少なく,基本的な命令で構成する
  • 命令語の長さは固定

① データ処理の単位

ビット,キャラクタ,バイト,ワード,量子ビット(Quantum bit)
ビット (bit, binary digit)

ビットとは,情報量の最小単位で,二つの選択肢から一つを特定する情報の量。語源は “binary digit” (二進法の数字)と言われ,コンピュータなどでは 0 と 1 のいずれかを取る二進数の一桁として表される。情報をすべてビット列に置き換えて扱うことを「デジタル」(digial)という。

キャラクタ (character)

コンピュータの扱う文字データを構成する一つ一つの文字のことをキャラクタという。単に「文字」と訳されることもある。コンピュータ内部では文字コードで規定された番号で識別される。アルファベットや仮名,漢字,記号など日常的に使う文字(図形文字)の他に,空白文字や改行,字下げ(タブ)などといった特殊な文字(制御文字)を扱うことができる。

バイト (byte)

バイトとは,情報量の単位の一つで,8 ビットのこと。2 進数で 8 桁の数を表すことができる情報量で,256 種類(2 の 8 乗)の異なる状態を表現することができる。

ワード (word)

コンピュータの扱うデータ量の単位の一つに「ワード」がある。絶対的な量が決まっている単位ではなく,CPUやOSの種類などに応じて大きさが異なる。

② 命令形式

1 オペランド形式,2 オペランド形式
オペランド (operand)

オペランドとは,数式を構成する要素のうち,演算の対象となる値や変数,定数などのこと。プログラミングの分野ではこれに加えて,プログラム中の個々の命令・処理の対象となるデータや,データの所在情報などのこともオペランドという。

③ 命令セット

固定長命令,可変長命令

命令セットとは,あるマイクロプロセッサ(CPU/MPU)を動作させるための命令語の体系。プロセッサが直に解釈して実行できる機械語(マシン語)の仕様を定めたもの。

(5) プロセッサの構造と方式

アキュムレータ,補数器,乗算器,積和演算器,命令アドレスレジスタ(命令カウンタ, プログラムカウンタ, 逐次制御カウンタ),IR(Instruction Register:命令レジスタ),GR(General Register:汎用レジスタ),インデックスレジスタ( 指標レジスタ), ベースレジスタ, MAR(Memory Address Register:メモリアドレスレジスタ),DR(Data Register:データレジスタ),MR(Memory Register:メモリレジスタ),スタックポインタ
アキュムレータ (accumulator)

アキュムレータとは,蓄積するもの,蓄圧器,蓄電池,蓄財家などの意味を持つ英単語。半導体の分野では,マイクロプロセッサなどの内部でデータを記憶するレジスタの一種で,論理演算や算術演算の結果を一時的に保持しておくためのものをアキュムレータと呼ぶ。「累算器」「積算器」と訳されることもある。

プログラムレジスタ(プログラムカウンタ)

プログラムカウンタは,CPU の制御装置にある専用レジスタの 1 つで,次にフェッチ(メモリからの呼出し)・解読・実行される命令のアドレスを保持する役割を持つ。命令が実行されると,プログラムカウンタは読み込んだ命令長だけ自動的に加算され,次の命令のアドレスを指すようになる。分岐命令の際は,ジャンプ先のアドレスをプログラムカウンタにセットすることで命令実行順序を制御する。

CPU のプログラムレジスタ(プログラムカウンタ)の役割は,命令を読み出すために,次の命令が格納されたアドレスを保持することである。

スタックポインタ

スタックポインタは,スタックの最上段のアドレスを保持するレジスタで,スタック内で最後に参照されたアドレスを保持している。CPU のスタックポインタが示すものとして,サブルーチン呼出し時に,戻り先アドレス,レジスタの内容などを格納するメモリのアドレスがある。

メインルーチンがサブルーチンを呼び出すとき,次のようにサブルーチン終了後の復帰先などをスタックに格納してからサブルーチンを実行している。

  1. メインルーチンの次に実行される命令アドレスをスタックに格納
  2. サブルーチンのアドレスをプログラムカウンタに設定
  3. サブルーチン用の局所変数領域をスタックの最上段に作成
  4. サブルーチンを実行
  5. サブルーチン用の局所変数領域を解放
  6. スタック(の最上段)に格納された復帰先をプログラムカウンタに設定

(6) プロセッサの動作原理

① 演算の仕組み

順序回路,組合せ回路,NAND 回路

② 命令とアドレッシング

算術演算命令,論理演算命令,転送命令,比較命令,分岐命令,シフト命令,入出力命令,アドレス部(オペランド),フェッチ,アドレス計算,アドレス方式,アドレス修飾,直接アドレス指定,間接アドレス指定,インデックスアドレス指定(インデックス修飾),ベースアドレス指定,相対アドレス指定,絶対アドレス指定,即値アドレス指定,有効アドレス(実効アドレス)

プログラムは,アルゴリズムを複数の命令語で記述したものである。プログラムを実行するということは,プログラムを構成する命令語を 1 つずつ実行することになる。

命令語は,下図に示すように命令部オペランド部(アドレス部)で構成され,命令部に “実行する操作に対応した命令”,オペランド部に “操作対象のデータやアドレス” を指定する。

命令語
図 命令語

1 つの命令語の実行は,下表の手順を踏んで実行される。

表 命令実行フェーズ
No. ステージ 内容
1 命令の取出し
(命令フェッチ)
プログラムカウンタが示すメモリ番地から命令を取出し,命令レジスタへ格納する
2 命令デコード 命令レジスタの命令を解読する
3 実行アドレス計算 メモリからデータを採り出す命令の場合,オペランド部から取り出し元のアドレスを計算し,メモリアドレスレジスタへ格納する
4 データの取出し メモリまたは汎用レジスタからデータを取り出す
5 命令の実行 命令部に指定した命令を ALU で実行する
6 結果の格納 メモリまたはレジスタへ結果を格納する

下図はプロセッサによってフェッチされた命令の格納順序を表している。

プロセッサによってフェッチされた命令の格納順序
図 プロセッサによってフェッチされた命令の格納順序

主記憶装置上の命令やデータは,番地(アドレス)を指定することで取り出すことができる。取り出す命令のアドレス指定は,プログラムカウンタで行うが,データのアドレス指定は,オペランド部の値を基に実行アドレスを計算して求める。

実効アドレス[1]の指定方法には,下表に示す方式があり,アルゴリズムやプログラムの特性に適した方式を用いる。

表 アドレス指定方式
方式 内容
即値アドレス方式 オペランド部に操作対象のデータを指定する方式。主記憶装置からデータの取出しは行わない
直接(絶対)アドレス方式 オペランド部の値を実効アドレスとする方式
間接アドレス方式 オペランド部に指定したアドレスに格納されたデータを実効アドレスとする方式
相対アドレス方式 オペランド部の値とプログラムカウンタの値を加算した結果を実効アドレスとする方式
指標(インデックス)
アドレス方式
オペランド部の値とインデックスレジスタの値を加算した結果を実効アドレスとする方式
基底(ベース)
アドレス方式
オペランド部の値とベースレジスタの値を加算した結果を実効アドレスとする方式

③ 割込み

SVC(SuperVisor Call)割込み,入出力割込み,割込み制御,マシンチェック割込み,プログラム割込み

割込みとは,コンピュータの CPU(中央処理装置)に現在実行中の処理を一時中断させ,強制的に指定された処理を実行させること。また,CPU に伝達されるそのような処理要求。

SVC 割込み (supervisor call interrupt)

SVC (SuperVisor Call)割込みとは,実行中の処理を中断して強制的に指定された処理を実行させる割り込み処理の一つで,オペレーティングシステム(OS)の機能を呼び出すためにプログラム自身があえて発生させるものである。ユーザプログラムがカーネルの機能を機能を呼び出したことが要因で,SVC 割込みが発生する。

(7) マイクロプログラム制御

マイクロプログラムメモリ,マイクロプログラムカウンタ,エミュレーション,水平型マイクロコード,垂直型マイクロコード

マイクロプログラムとは,コンピュータの CPU(MPU/マイクロプロセッサ)が実行する機械語(マシン語)の命令列を,内部的により単純な命令(マイクロコード)の列に自動変換したもの。このような変換を行う方式を「マイクロプログラム制御方式」という。

(8) プロセッサの性能

サイクルタイム,FLOPS,命令ミックス

プロセッサの性能を表す指標の 1 つに MIPS(Million Instructions Per Second)がある。MIPS は,1 秒間当たりに実行可能な命令数を 100 万単位で表したものである。MIP の値は「1 命令の実行に必要な時間」がわかれば求めることができ,これを求めるためには,クロック周波数CPI(Cycles Per Instruction)を知る必要がある。

FLOPS (FLoating-point Operations Per Second)

FLOPS とは,コンピュータの処理速度をあらわす単位の一つで,1 秒間に実行できる浮動小数点数演算の回数。科学技術計算や3次元グラフィックス処理などにおける性能指標として用いられることが多い。

クロック周波数

クロック信号は,コンピュータ内部に設置された発信器から発生する電圧の高低が繰り返される信号である。プロセッサは,このクロック信号に同期して,命令を実行する。1 秒間に発生するクロック信号の回数をクロック周波数と呼び,Hz(ヘルツ)の単位で表す。

1 クロックにかかる時間は,クロック周波数から求められる。

1 クロックの時間 = 1 秒 ÷ クロック周波数
CPI

CPIは,1 命令の実行に必要なクロック数を表す。そのため,CPI が小さいほど 1 命令を短い時間で実行することができる。命令実行フェーズは,クロックに同期して次ステージに移動する。よって,6 ステージある命令を実行し終える場合,CPI は 6 となる。

1 命令の実行時間は,次式で求まる。

1 命令の実行時間 = 1 クロックの時間 × CPI
MIPS(million instructions per second,ミップス)

1 秒当たりの命令実行数は,1 秒を 1 命令の実行時間で割れば求まる。MIPS は,1 秒間に 100 万命令を実行できることを表し,それを 1 MIPS としている。

MIPS = 1 秒 ÷ 1 命令の実行時間 ÷ 106
演習問題

表に示す命令ミックスによるコンピュータの処理性能は,何 MIPS か。

命令種別 実行速度(ナノ秒) 出現頻度
整数演算命令 10 50
移動命令 40 30
分岐命令 40 20
(出典)令和3年度 春期 応用情報技術者試験 午前問題 問9

正解は,40である。

まず,3 種類の命令を実行するのに必要な実行速度にその出現頻度を重み付けすることで,1 命令あたりの平均実行速度を求める。

10 × 0.5 + 40 × 0.3 + 40 × 0.2 = 25 [ns]

25 [ns] の命令は,1 秒間に何回実行できるかを計算する。

1 ÷ 25 [ns] = 40,000,000 回

よって,MIPS は命令実行回数を百万単位で表したものなので,このコンピュータの処理性能は 40 MIPS である。

(9) プロセッサの高速化技術

命令パイプライン,スーパパイプライン,スーパスカラ,VLIW,ベクトル処理方式,ハイパスカラ方式,超並列プロセッサ,パイプラインハザード,データハザード,構造ハザード,制御ハザード,シングルコアプロセッサ,マルチコアプロセッサ,マルチスレッディング

プロセッサが 1 つの命令を順に処理する方式を逐次制御方式と呼ぶ。この場合,1 つの命令を処理するには最低でも複数クロックが必要なので,CPI は 1 を超える値になる。CPI を 1 に近づけるには,複数の命令の処理を同時並列に行う必要がある。この並列処理方式としてパイプライン方式スーパスカラがある。

命令パイプライン

パイプライン制御は,CPU で処理される 1 命令を,命令読出し(フェッチ),解読(デコード),アドレス計算,オペランド呼出し,実行 というような複数のステージに分け,各ステージを少しずつずらしながら独立した処理機構で並列に実行することで,処理時間全体を短縮させる技法である。

パイプラインの処理時間を求める公式を次式に示す。次式における $I$ は実行する命令数,$D$ はパイプラインの深さ(命令を分割するステージ数),$P$ はパイプラインのピッチ(ステージ毎の実行時間)である。

\[ (I \times D - 1) \times P \]

パイプライン処理の実行中に,命令同士の依存関係などによりパイプラインへの命令読込みを待機しなければならなかったり,途中まで実行した処理が無駄になってしまい,並列処理の効率が低下してしまう状況のことをハザード(Hazard)という。

一般的にパイプラインハザードは,それが引き起こされる原因によって次の 3 種類に分類される。

構造ハザード
複数の命令によるハードウェア資源(演算器やメモリなど)の競合によって発生するハザード。主にメモリアクセスの競合が発生した場合に発生する。
制御ハザード(分岐ハザード)
命令の先読みを行っている処理中の分岐命令や割込み処理が原因で発生するハザード。次に実行すべき命令が判明するまでパイプラインへの読込みを停止したり,先読みした処理が無駄になることで処理効率が悪くなってしまう状態。
データハザード
処理するデータの依存関係が原因で発生するハザード。後続の命令が直前の命令の実行結果を利用する場合などに発生する。
演習問題

CPU のパイプライン処理を有効に機能させるプログラミング方法はどれか。ここで,CPU は命令の読込みとデータのアクセスを分離したアーキテクチヤとする。

  1. CASE 文を多くする。
  2. 関数の個数をできるだけ多くする。
  3. 分岐命令を少なくする。
  4. メモリアクセス命令を少なくする。
(出典)平成27年度 秋期 応用情報技術者試験 午前問題 問8

正解は,3. である。パイプライン処理では,処理命令を先読みするためプログラム中に分岐命令などがあると,結果によって次に実行するべき命令がわからないため,パイプラインを止めて次に実行すべき命令が判明するのを待たなければならない。これを分岐ハザードと呼ぶ。分岐ハザードを発生させないためには,分岐命令を少なくすることが有効な方法である。

演習問題

CPU のパイプラインハザードのうち,制御ハザードの発生原因として,適切なものはどれか。

  1. キャッシュミス
  2. 先行する命令の結果に依存する演算命令
  3. ハードウェア資源の競合
  4. 分岐命令
(出典)平成25年 春期 応用情報技術者試験 午前 問10

正解は,4. である。

スーパパイプライン

パイプラインを更に細分化することによって高速化を図る方式である。

スーパスカラ

スーパースカラは,CPU 内部に複数のパイプラインを用意して,パイプラインの各ステージを並列に実行することで処理を高速化する手法である。

VLIW (Very Long Instruction Word)

プログラムのコンパイル時に依存関係のない複数の命令を 1 つの複合命令にまとめ,同時に実行させる手法である。"very long" の名が示すように 1 つの命令がとても長くなる。

通常のパイプライン処理では,命令の依存関係などを CPU が判断しながら実行する。VLIW では,あらかじめ依存関係のない複合命令になっているので CPU のオーバーヘッドが減り高速化が可能となる。ただし,ソースコードからプログラムを作成するコンパイラの設計はその分難しくなる。

ベクトル処理方式

処理すべきベクトルの長さがベクトルレジスタより長い場合,ベクトルレジスタ長の組に分割して処理を繰り返す方式である。

マルチコアプロセッサ

一つのチップ内に複数のプロセッサコアを実装し,複数のスレッドを並列に実行する。

その他の高速化技法

その他の高速化技法を下表に示す。

表 その他の高速化技法
技法 内容
アウトオブオーダ実行 アウトオブオーダー (Out-of-Order) は,プログラムに記述された命令の順番に関係なく,処理に必要なデータが揃った命令から実行する技法。先の命令処理に必要なデータが揃っていなくても,後の命令処理に必要なデータが揃っていた場合,後の命令から先に実行することができる。
マルチスレディング パイプラインの空き時間を利用して 2 つのスレッドを実行し,あたかも 2 つのプロセッサで実行しているかのように見せる技法
投機実行 分岐命令の分岐先が決まる前に,あらかじめ予測した分岐先の命令の実行を開始する技法
遅延実行 分岐命令に引き続くいくつかの命令を実行してから実際の分岐を行う技法
投機実行

投機実行は,分岐判断の結果が出る前に分岐先を予測して命令を先行実行していく方式で,予測の精度が高ければ処理継続ができるので性能向上が期待できる。

パワーゲーティング

パワーゲーティングは,集積回路内の使用していない演算回路ブロックへの電源を遮断することで,リーク電流の削減を図る技術である。

(10) 並列処理

命令の並列処理においては,命令間にデータの依存関係がある場合や分岐命令により次に実行する命令が変わるような場合,並列処理をスムーズに実行できない。この場合,依存関係が発生する箇所に NOP 命令(No Operation : 命令を実行しない)を置くことで対処することができるが,命令の処理が行われない空き時間が生じるため,処理効率は下がる。

① 命令とデータの流れ

SISD,SIMD,MISD,MIMD

並列処理を実現するプロセッサのアーキテクチャは同時に実行できる命令数(Instruction)及びデータ数(Data)によって,以下の 4 種類に分類される。S(Single)M(Multiple)を意識して覚えておく。

SISD (Single Instruction Single Data)

単一の命令で単一のデータを処理する最もシンプルな方式である。

SIMD(Single Instruction Multiple Data)

一つの命令で,複数の異なるデータに対する演算を,複数の演算器を用いて並列に実行する。pentium プロセッサで採用されている。

MISD (Multiple Instruction Single Data)

複数の命令で単一のデータを扱う方式。理論上は存在するが実装例はない。

MIMD (Multiple Instruction, Multiple Data)

複数の命令とそれに対応するデータを,それぞれが独立している複数のプロセッサに振り分けて並列処理をする方式である。

② 並列処理の隘路

(11) マルチプロセッサシステム

疎結合マルチプロセッサシステム,密結合マルチプロセッサシステム,タンデム結合マルチプロセッサシステム,アレイコンピュータシステム,アムダールの法則,同期,SMP(Symmetric Multi Processing:対称型マルチプロセッシング),クラスタ,トーラス,ハイパキューブ,ハイパツリー
密結合マルチプロセッサシステム(Tightly Coupled Multi-Processor)

密結合マルチプロセッサシステムは,複数の CPU が 1 つの主記憶を共有し,単一の OS で制御されるマルチプロセッサシステムである。

密結合マルチプロセッサシステムにおいて,性能向上を阻む要因となるのは,「主記憶へのアクセスの競合」である。

密結合マルチプロセッサ
図 密結合マルチプロセッサ
演習問題

密結合マルチプロセッサの性能が,1 台当たりのプロセッサ性能とプロセッサ数の積に等しくならない要因として,最も適切なものはどれか。

  1. 主記憶へのアクセスの競合
  2. 通信回線を介したプロセッサ間通信
  3. プロセッサのディスパッチ処理
  4. 割込み処理
(出典)平成25年 春期 応用情報技術者試験 午前 問14

正解は,1. である。

対称型マルチプロセッサシステム

カーネルプロセスとユーザプロセスを区別せずに,同等な複数のプロセッサに処理を分散する方式である。

非対称型マルチプロセッサシステム

OS を実行するプロセッサ,アプリケーションを実行するプロセッサというように,それぞれの役割が決定されている複数のプロセッサによって処理を分散する方式である。

グリッドコンピューティング

グリッドコンピューティングは,インターネットなどのネットワーク上にある計算資源(CPU などの計算能力や,ハードディスクなどの情報格納領域)を結びつけ,ひとつの複合したコンピュータシステムとしてサービスを提供する仕組みである。

PC から大型コンピュータまで,ネットワーク上にある複数のプロセッサに処理を分散して,大規模な一つの処理を行う方式である。

メモリ

  • メモリの種類,特徴,メモリ選択の考え方を修得し,応用する。
  • 主記憶装置の構成,メモリシステムの構成,記憶階層など,記憶装置の仕組みを修得し,応用する。
  • 記録媒体の種類,特徴を修得し,応用する。

(1) メモリの種類と特徴

RAM,ROM,DRAM,SRAM,リフレッシュ,マスク ROM,PROM(Programmable Read Only Memory),EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory), EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory),FeRAM (Ferroelectric Random Access Memory),フラッシュメモリ(NAND,NOR),SDRAM,DDR SDRAM,DDR2 SDRAM,DDR3 SDRAM,DDR4 SDRAM, DDR5 SDRAM, DIMM, SO-DIMM

記憶装置は,メモリに使用する素材により,下図のようなアクセス速度と記憶容量の違いがある。

記憶階層
図 記憶階層

メモリは,トランジスタ,コンデンサなどの電子部品で構成される。また,記憶内容の書換えの可否によって ROMRAM に分かれる。

RAM(Randam Access Memory)

RAM(Random Access Memory)とは,コンピュータのメモリ装置の一種で,データの消去・書き換えが可能で,装置内のどこに記録されたデータも等しい時間で読み書き(ランダムアクセス)することができる性質を持ったもの。現代のコンピュータのほとんどは半導体記憶素子を用いた RAM を主記憶装置(メインメモリ)として用いられるため,メインメモリのことを RAM と呼ぶことが多い。

RAM は,素子の構造によって,主記憶装置に用いられるDRAM(Dynamic RAM)と,キャッシュメモリなどに用いられる SRAM(Static RAM)がある。

表 RAM の種類
種類 特徴
DRAM
  • 構造が簡単なため,安価に大容量化が可能
  • 記憶内容を保持するために一定時間ごとにリフレッシュ(再書込み)[1]が必要
  • リフレッシュ動作により速度は低下する
SRAM
  • 構造が複雑なため,大容量化には向かない
  • 2 つの安定状態を持つ順序回路(フリップフロップ回路)で 1 ビットの情報を記憶し続けることが可能
  • リフレッシュ動作が不要なため,DRAM よりも高速
ROM(Read Only Memory)

ROM は,電源が切れても記憶内容が保持される性質を持ち,不揮発性メモリとも呼ぶ。

基本的に ROM は読出し専用であるが,記憶した内容の書換えが可能なものもある。読出し専用の ROM をマスク ROM と呼び,コンピュータの動作に関わるマイクロプログラムなどの格納に使用する。一方,書換えが可能な ROM をプログラマブル ROM(PROM)と呼び,次表に示す種類がある。

表 PROM の種類
種類 特徴
EPROM 紫外線で記憶内容を全て消去し,電気的に書き込む
EEPROM 記憶内容の一部の消去と再書込みを電気的に行う
フラッシュメモリ 電気的に記憶内容の一部あるいはすべての消去と再書込みをブロック単位で高速に行う
DRAM (Dynamic Random Access Memory)

DRAM とは,半導体素子を利用した記憶装置の一つで,記憶内容の維持のために繰り返し再書き込み動作を行う必要があるタイプのもの。低コストで大容量の製品を製造できるため,主にコンピュータの主記憶装置(メインメモリ)として用いられる。

SRAM (Static Random Access Memory)

SRAM とは,読み書き可能な半導体メモリである RAM(Random Access Memory)の方式の一つで,一定時間ごとに記録内容の再書き込み処理(リフレッシュ動作)を行う必要のないもの。

リフレッシュ (refresh)

機器や装置,ソフトウェアの挙動などについて,同じ動作や処理を一定時間ごとに繰り返し行うことをリフレッシュという。例えば,DRAM の記憶素子から自然放電で記録内容が失われるのを防ぐためにに一定時間ごとに電荷を再注入する動作をリフレッシュという。

マスク ROM (mask ROM)

マスク ROM とは,読み出し専用の半導体メモリ(ROM:Read Only Memory)のうち,工場での製造時に内容が固定されるもの。製造後の記憶内容の消去や上書き,再書き込みなどは一切できず,単に ROM といった場合は本来これを指す。

PROM (Programmable Read Only Memory)

PROM とは,電源を断っても記録内容が消えない不揮発メモリの一種で,読み出し時とは異なる装置を用いて内容の書き込みができるもの。

EPROM (Erasable Programmable Read Only Memory)

EPROM とは,電源を断っても記録内容が消えない不揮発メモリの一種で,利用者側で繰り返し内容の書き換えができるもの。最も一般的なのは紫外線を照射すると内容が消去され再書き込み可能になる素子を用いたもので「UV-EPROM」とも呼ばれる。

EEPROM (Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)

EEPROM とは,電源を断っても記録内容が消えない不揮発メモリの一種で,電気的に内容の書き換えができるもの。

EEPROM を更に発展させて書き換え性能を強化したものはフラッシュメモリと呼ばれる。

フラッシュメモリ(NAND,NOR)

フラッシュメモリは,電気的に書き換え可能であり,電源を切っても記憶内容が消えない不揮発性のメモリである。NAND 型フラッシュメモリは,USB メモリや SD カード及び SSD 等の記憶媒体として使われているタイプで,NOR 型フラッシュメモリよりも集積度に優れ,安価に大容量化できる特徴がある。

NAND 型フラッシュメモリでは,データの書込み及び読出しはページ単位,データの消去はブロック単位(ページを複数まとめた単位)で行う。

MLC (Multi-Level Cell) フラッシュメモリの特徴は,「一つのメモリセルに 2 ビット以上のデータを記憶する。」である。

SDRAM (Synchronous DRAM)

SDRAM とは,コンピュータの主記憶装置(メインメモリ)に用いられる DRAM の規格の一つで,外部のクロック信号に同期して動作するもの。1990 年代半ば以降,EDO DRAM に代わってパソコンなどの標準 RAM 規格として広く普及した。

相変化メモリ

相変化メモリ(PCM : Phase Change Memory 又は PRAM)は,カルコゲナイド系合金の結晶状態と非結晶状態(アモルファス状態)における電気抵抗の差を利用した不揮発性メモリである。2 つの状態は電気的に移行可能なので内容の書き換えが可能である。DRAM に近い記憶密度を実現可能であり,DVD-RAM の基本材料としても用いられている。

(2) 主記憶装置の構成

記憶部,アドレス選択機構,読取り書込み機構,ECC(誤り検出訂正),パリティ
ECC

ハミング符号は,情報ビットに検査ビットを付加することで 2 ビットまでの誤りを検出し,1 ビットの誤りを自動訂正できる方式である。ECC メモリ(Error Check and Correct memory)や RAID2 の誤り訂正符号として使用される。

記憶部

空き領域割り当てを制御するアルゴリズムの特徴を以下に示す。

ベストフィット方式
メモリ割り当てを制御するアルゴリズムで,空き領域の大きさ順リストを先頭から探索し,要求サイズに最も合致する空きブロックを割り当てる方式である。("最も合致する" とは要求サイズよりも大きく,割り当て後の残り領域が最も小さくなること)最もフィットする領域を使用するのでメモリ割り当てごとに小さい空き領域が生じ,最終的には使用するのが難しいほど小さな領域が残る傾向があります。
ワーストフィット方式
ベストフィットと同様に空きブロック全体を検索後,最も大きな領域を割り当てるアルゴリズム
ファーストフィット方式
空きブロックをメモリの先頭から検索していき,要求サイズ以上の空きブロックが見つかった時点でそれを割り当てるアルゴリズム
奇数パリティ

奇数パリティは,データを構成するビット全体の中でビット「1」の数が奇数になるようにパリティビットを付加する方式である。1 ビットの誤りを検出することができる。

水平パリティ

水平パリティは,データの水平方向を対象としてパリティビットを付加する方式である。垂直方向と組み合わせた垂直水平パリティチェックでは 1 ビットの誤りを訂正できるが,水平パリティだけでは 1 ビットの誤りのみが検出可能である。

(3) メモリシステムの構成と記憶階層

補助記憶,ディスクキャッシュ,ライトスルー,ライトバック,ダイレクト方式,フルアソシエイティブ方式,セットアソシエイティブ方式,ビッグエンディアン,リトルエンディアン,連想メモリ,命令キャッシュ,データキャッシュ
キャッシュメモリ

主記憶のデータの一部をキャッシュメモリにコピーすることによって,CPU と主記憶とのアクセス速度のギャップを埋め,メモリアクセスの高速化を図る。

ディスクキャッシュ

CPU と磁気ディスク装置との間に半導体メモリによるデータバッファを設けて,磁気ディスクアクセスの高速化を図る。

ライトスルー(write through)

CPU から書き込む命令が出たときにキャッシュメモリと同時に主記憶にも書き込む方式。データの整合性は得られるが処理速度は遅い。

常に主記憶とキャッシュの内容が一致するため一貫性の確保は容易だが,主記憶への書き込みが頻繁に行われるので遅い。

ライトバック(write back)

CPU から書込み命令が出たときにキャッシュメモリだけに書き込み,主記憶への書き込みはキャッシュメモリからデータが追い出されるときに行う方式。高速に書き込みできるがデータの整合性を保つための制御が余分に必要になる。

主記憶とキャッシュの内容が一致しないため一貫性を保つための制御が複雑になるが,主記憶への書き込み回数が少ないため速い。

演習問題

キャッシュの書込み方式には,ライトスルー方式とライトバック方式がある。ライトバック方式を使用する目的として,適切なものはどれか。

  1. キャッシュと主記憶の一貫性(コヒーレンシ)を保ちながら,書込みを行う。
  2. キャッシュミスが発生したときに,キャッシュの内容の主記憶への書き戻しを不要にする。
  3. 個々のプロセッサがそれぞれのキャッシュをもつマルチプロセッサシステムにおいて,キャッシュ管理をライトスルー方式よりも簡単な回路構成で実現する。
  4. プロセッサから主記憶への書込み頻度を減らす。
(出典)平成26年度 秋期 応用情報技術者試験 午前問題 問9,平成25年度 春期 応用情報技術者試験 午前問題 問12

正解は,4. である。

(4) アクセス方式

バンク

メモリインタリーブ(memory interleaving)とは,コンピュータのメインメモリ(RAM)へのアクセスを高速化する手法の一つで,複数のメモリ装置(メモリバンク/メモリモジュール)をまたぐようにメモリアドレスを割り当て,読み書き動作を同時並行に行う方式である。

主記憶を複数の独立したグループに分けて,各グループに交互にアクセスすることによって,主記憶へのアクセスの高速化を図る(メモリアクセス高速化技術)。

メモリインタリーブ
図 メモリインタリーブ
演習問題

メモリインタリーブの説明として,適切なものはどれか。

  1. 新しい情報をキャッシュメモリに取り出すとき,キャッシュ上では不要になった情報を主記憶に書き込む。
  2. 主記憶のアクセス時間と磁気ディスクのアクセス時間とのギャップを補う。
  3. 主記憶の更新と同時にキャッシュメモリの更新を行う。
  4. 主記憶を幾つかの区画に分割し,連続したメモリアドレスへのアクセスを高速化する。
(出典)平成26年 秋期 応用情報技術者試験 午前 問10

正解は,4. である。主記憶を複数のバンクに分けて,CPU からのアクセス要求を並列的に処理できる。

(5) メモリの容量と性能

キャッシュメモリに必要なデータが存在する確率は,ヒット率(h)で表す。逆に,キャッシュメモリに必要なデータが存在しない確率を NFP(Not Found Probability)と呼ぶ。

h = 1 - NFP

メモリアクセスを行う場合,ヒット率に示す確率でキャッシュメモリに必要なデータがあり,それ以外(NFP)は主記憶装置にアクセスする。キャッシュメモリのアクセス時間を C [秒],主記憶装置へのアクセス時間を S [秒] としたときのメモリアクセスに要する時間(実行アクセス時間)M [秒] は,次式で求まる。

M = hC + (1 - h) × S

(6) 記憶媒体の種類と特徴

読出し専用型,追記型,書換型,ハードディスク,SSD(ソリッドステートドライブ),光ディスク,CD(CD-ROM,CD-R),DVD(DVD-ROM,DVD-RAM,DVD-R),ブルーレイディスク,半導体ディスク,フラッシュメモリ(USB メモリ,SD カード),ストリーマ,DAT,RAM ファイル,ウェアレベリング

記録媒体とは,信号やデータを何らかの物理状態に置き換えて記録することができる装置や部品のこと。磁気ディスクや磁気テープ,光学ディスク,フラッシュメモリなどが該当し,文脈によっては単にメディア,媒体と呼ばれることもある。

ハードディスク

磁気ディスクのアクセス時間

磁気ディスクの読み書きに要する時間(アクセス時間)は,CPU から磁気ディスク装置への読み書き動作の指示を出してから目的のデータの読み書きが完了するまでの時間で,以下の時間の合計となる。

アクセス時間 = 平均位置決め時間 + 平均回転待ち時間 + データ転送時間

平均位置決め時間(平均シーク時間)とは,磁気ヘッドが目的のトラックへの移動に要する時間である。

平均回転待ち時間とは,磁気ヘッドの真下へ目的のセクタが来るまでの平均時間で,磁気ディスクが 1 回転する時間の半分になる。1 回転に要する時間は,磁気ディスクの性能を示す 1 分間当たりの回転数(RPM : Revolutions Per Minite)から求められる。

平均回転待ち時間 = 1 回転に要する時間 ÷ 2 = 60 秒 ÷ 1 分間当たりの回転数 ÷ 2

データ転送時間とは,目的のデータの読み書きを開始してから終了するまでの時間で,次式で求める。

データ転送時間 = 対象データの容量 ÷ データ転送速度 = 対象データの容量 ÷ 1 トラック長 ÷ 1 回転当たりの時間
シンプロビジョニング

シンプロビジョニング(Thin Provisioning)は,ハードディスク装置などの外部記憶装置(ストレージ群)を仮想化することで,物理的な記憶容量より多くの容量を利用者に割り当てることを可能にする仕組みである。

利用者の要求する記憶容量を最初から物理ディスク容量として割り当てると,未使用の物理ディスク領域が多くなり無駄が生じる。シンプロビジョニング機能が導入されたストレージでは,利用者の要求に応じて今後使用する予定の最大容量を割り当てておいて,実際の内部では使った分だけの物理容量を割り当てるということを行う。

パーテーション

一つのハードディスクを,OSをインストールする領域とデータを保存する領域とに分割する。

フラッシュメモリ

SD カード

SD カードは,メモリカードの規格の 1 つである。携帯電話やスマートフォン,ディジタルカメラやゲーム機などの記憶装置として利用されるほか,使いやすく持ち運びしやすいので USB メモリとともに手軽な記憶メディアとして使用されている。

SD カードを記憶容量で分けると,以下の 3 規格が存在する。

表 SD カードの 3 規格
SD SDHC SDXC
ファイルシステム FAT16 FAT32 exFAT
容量上限 2 GB 32 GB 2 TB
著作権保護 CPRM CPRM CPXM
カードサイズ 標準,mini,micro 標準,mini,micro 標準,mini

SD メモリカードの上位規格の一つである SDXC の特徴として,ファイルシステムに exFAT を採用し,最大 2 TB の容量に対応できる。

バス

  • バスの種類,特徴,制御方式,標準規格を修得し,応用する。

コンピュータの分野では,データ伝送路および伝送方式の一種で,複数の装置や機器,回路が一つの信号線を共有し,それらの間で相互にデータをやり取りできる構造のものをバスという。

(1) バスの種類と特徴

アドレスバス,データバス,コントロールバス(制御バス),システムバス,メモリバス,入出力バス,シリアルバス,パラレルバス
アドレスバス (address bus)

アドレスバスとは,コンピュータ内部で装置間を結ぶ共用のデータ伝送路(バス)の一部で,データの読み書きを行うメインメモリや I/O(入出力装置)上のアドレス(所在地)信号の伝送を行うためのもの。

データバス (data bus)

データバスとは,コンピュータ内部で装置間を結ぶ共用のデータ伝送路(バス)の一部で,データ本体の伝送を行うためのもの。一度の伝送で何ビットを運べるかをバス幅と呼び,大きいほど高速にデータを伝送できる。

コントロールバス(制御バス,control bus)

制御バスとは,コンピュータ内部のデジタル信号の伝送路(バス)の一部で,データの読み書きのタイミングなど,装置の動作の制御に関する信号を伝達するためのもの。

システムバス

システムバスとは,コンピュータ内部で各装置間を結ぶデータ伝送路(バス)のうち,CPU と他の装置を接続するためのもの。システムの大動脈となる重要な伝送路で,その性能がシステム全体の性能を大きく左右する。

(2) バスのシステムの構成

(3) バスの制御方式

バスアービタ,バスマスタ,集中制御方式,割込み方式,ポーリング方式

(4) バスのアクセスモード

(5) バスの容量と性能

(6) バスの標準規格

PCI(Peripheral Component Interconnect)バス,PCI Express,NVMe (Non-Volatile Memory Express), IEEE 1394,ANSI-X3.131(SCSI),USB(Universal Serial Bus)
PCI(Peripheral Component Interconnect)バス

PCI バスとは,コンピュータ内部で装置間を結ぶデータ伝送路(バス)の規格の一つで,主に CPU(マイクロプロセッサ)と周辺機器などを接続するためのもの。2000 年前後にパソコン向けの拡張カード接続仕様の事実上の標準として普及していた。

PCI Express (PCIe)

PCI Express とは,コンピュータの拡張バスおよび拡張スロットの標準仕様の一つで,PCI(Peripheral Component Interconnect)バス・スロットの後継となるシリアル伝送インターフェース。

IEEE 1394 (FireWire)

IEEE 1394 とは,コンピュータと周辺機器やデジタル家電などをケーブルで接続するための通信規格の一つ。最大で 63 台の機器をデイジーチェーン(数珠つなぎ)接続またはツリー接続することができる。転送速度は初期の規格では 100 Mbps だったが,その後 3.2 Gbps(3 200 Mbps)まで高速化されている。

ANSI-X3.131(SCSI),スカジー

SCSI とは,コンピュータ本体にストレージ装置(外部記憶装置)などの周辺機器を繋いで通信するための接続方式の標準規格の一つ。1979 年に考案され業界標準として広く普及していた SASI(Shugart Associates System Interface)を元に改良し,1986 年に ANSI(米国国家規格協会)によって最初の規格が標準化された。

USB

USB(Universal Serial Bus)は,現在,最も普及している周辺機器接続のためのインターフェイスである。シリアルバス規格のひとつであり,主な特徴として,ハブを使うことで最大 127 台まで接続可能,ホットプラグ・プラグアンドプレイに対応,バスパワー方式によってコードを介して電源供給が可能であることなどが挙げられる。

スーパースピードモードは,USB3.0(2008年11月17日策定)で追加された転送スピードで,USB2.0 のハイスピードモード(480 Mbps)の 10 倍以上となる 5 Gbps での転送が可能になっている。また,USB では接続する機器の動作によって以下の 4 つの転送モードを使い分ける。

アイソクロナス転送
連続的周期的なデータを転送を行う(音声や映像などのデータ転送に適している)
バルク転送
まとまったデータを非周期的に転送する(補助記憶装置やスキャナなどに用いられている)
インタラプト転送
一定間隔でデータを転送する(マウスやキーボードに用いられている)
コントロール転送
デバイスの設定・制御に使われる

入出力デバイス

  • 入出力インタフェースの種類,特徴を修得し,応用する。
  • デバイスドライバの役割,機能を修得し,応用する。

(1) 入出力インタフェース

① 入出力インタフェースの種類と特徴

USB, Thunderbolt, RS-232C,HDMI,DisplayPort,シリアル ATA,無線 LAN,Bluetooth,BLE(Bluetooth Low Energy),Wi-SUN,ZigBee,IrDA,NFC,FC(ファイバチャネル)
USB

USB 3.0 は,現在最も普及している周辺機器接続のためのシリアルインターフェイスのバージョン 3 に当たる規格である。USB 2.0 と比較して,最大転送速度がおよそ 10 倍になるなど様々な進化を遂げている。コネクタの形状は USB 2.0 と同じであるが,内部が青色になっているかどうかで識別可能になっている。

USB 3.0 と USB 2.0 の違いは,以下のとおり。

  • USB 2.0 は半二重通信であるが,USB 3.0 は全二重通信である。
  • バスパワーによる最大供給電流は USB 2.0 は 500 mA であるが,USB 3.0 は 900 mA(USB 2.0 に対して約 80 % 増)に大幅増強されている。
  • ピン数は 5 本(USB 2.0)から 9 本に増えたが,ピン形状の工夫により後方互換性を保っているので USB 2.0 のケーブルも指すことができる。
RS-232C (Recommended Standard 232 version C)

RS-232C とは,電子機器間でシリアル通信を行うための接続規格の一つ。コンピュータのシリアルポートと周辺機器を接続する仕様として,かつては広く普及していた。15 m までの距離を最高 115.2 kbps の速度で接続することができる。

IEEE 1394 (FireWire)

IEEE 1394 とは,コンピュータと周辺機器やデジタル家電などをケーブルで接続するための通信規格の一つ。最大で 63 台の機器をデイジーチェーン(数珠つなぎ)接続またはツリー接続することができる。転送速度は初期の規格では 100 Mbps だったが,その後 3.2 Gbps(3 200 Mbps)まで高速化されている。

SCSI,スカジー

SCSI とは,コンピュータ本体にストレージ装置(外部記憶装置)などの周辺機器を繋いで通信するための接続方式の標準規格の一つ。1979 年に考案され業界標準として広く普及していた SASI(Shugart Associates System Interface)を元に改良し,1986 年に ANSI(米国国家規格協会)によって最初の規格が標準化された。

HDMI (High-Definition Multimedia Interface)

HDMI とは,機器間で映像や音声をデジタル信号として伝送するインターフェース規格の一つ。パソコンやスマートフォン,ゲーム機,デジタル家電などとテレビ,ディスプレイなどの表示装置を接続する方式の標準として広く普及している。

DisplayPort

映像と音声をパケット化して,シリアル伝送できる。また,DisplayPort は HDCP という著作権保護技術に対応している。

PC カード

PC カードとは,パソコンの機能を拡張する小型のカード型の装置(拡張カード)と,そのコンピュータ本体との接続仕様(インターフェース)の標準規格の一つ。また,同規格に基いて製造された拡張カード。主にノートパソコンで用いられる。

シリアル ATA (SATA : Serial ATA)

シリアル ATA (SATA : Serial ATA) とは,コンピュータとハードディスクや光学ドライブなどの記憶装置を接続する IDE(ATA)規格の拡張仕様の一つ。従来の ATA 仕様の後継仕様で,2000年11月に業界団体「Serial ATA Working Group」によって仕様の策定が行われた。同グループにはコンピュータメーカーや記憶装置メーカーの大手が参加している。

Bluetooth

携帯電話などのモバイル端末とヘッドセットなどの周辺機器とを接続するための近距離の無線通信として使われる。

BLE (Bluetooth Low Energy)

BLE とは,近距離無線通信技術 Bluetooth の拡張仕様の一つで,極低電力で通信が可能なもの。2010年7月に発表された Bluetooth 4.0 規格の一部として策定された。

Wi-SUN (Wireless Smart Utility Network)

Wi-SUN とは,無線通信規格の一つで,免許不要の 2.4 GHz 帯やサブギガヘルツ帯と呼ばれる 900 MHz 前後の周波数帯の電波を利用して少ない消費電力で長距離の通信を行うことができるもの。IoT 機器を接続する LPWA(Low Power Wide Area)の有力方式の一つとして知られる。

ZigBee

ZigBee(ジグビー)は,同じ無線通信規格の Bluetooth よりも低速(20 kbps - 250 kbps)で伝送距離も短い(30 cm 程度)ながら,乾電池程度の電力で数年連続で稼働できる省電力性と低コストの利点を有する無線通信規格である。

IrDA (Infrared Data Association)

IrDA とは,1993年に設立された,赤外線を利用した近距離データ通信の技術標準を策定する業界団体。また,同団体が定めた赤外線通信の規格。主にノートパソコンや携帯電話,デジタルカメラなどの外部通信機能として利用されている。

NFC (Near Field Communication)

NFC とは,最長十数 cm 程度までの至近距離で無線通信を行う技術。広義にはそのような近距離無線通信の総称,狭義にはその標準規格である ISO/IEC 18092(NFC IP-1)や NFC フォーラム仕様などを指す。

FC (Fibre Channel)

Fibre Channel とは,コンピュータ本体とストレージ(外部記憶装置)などを結ぶ光ファイバーを用いた高速な接続規格の一つ。伝送制御に SCSI に由来する仕様を含み,主に企業の情報システムで SAN(ストレージエリアネットワーク)を構成するのに用いられる。


  • HDCP は,再生機器からディスプレイなどの表示機器にディジタル信号を送るときに送受信経路を暗号化する技術である。

② データ転送の方式と接続形態

アナログ,ディジタル,スター接続,カスケード接続,ハブ,デイジーチェーン接続,ターミネータ,ツリー接続,UART

③ 入出力制御の方式

プログラム制御方式,DMA(Direct Memory Access:直接記憶アクセス)方式
DMA(Direct Memory Access:直接記憶アクセス)方式

DMA (Direct Memory Access) は,コンピュータと周辺機器とデータのやり取りを制御する伝送路のことで,入出力装置が CPU を介さずにメモリとの間で直接データを転送する方式である。

CPU が入出力装置の制御を行わなくてもよいため,データ転送中も別の処理を行うことが可能になる。

(2) デバイスドライバ

入出力装置

  • 代表的な入出力装置の種類,特徴,仕組み,用途を修得し,応用する。
  • 代表的な補助記憶装置の種類,特徴,仕組み,用途を修得し,応用する。

(1) 入力装置

ポインティングデバイス(マウス,タッチパネル,タッチスクリーン,ジョイスティック,トラックボール,デジタイザ,ペンタブレットほか),キーボード,N キーロールオーバー,音声入力装置,画像入力装置(スキャナ,OCR,OMR,ディジタルカメラほか),生体認証装置,バーコード読取装置,磁気カード読取装置,IC カード読取装置,A/D コンバータ
ポインティングデバイス (pointing device)

ポインティングデバイスとは,画面上での入力位置や座標を指定する入力機器の総称。マウスやタッチパネル(タッチスクリーン),ペンタブレット,タッチパッド,トラックパッド,トラックボールなどの種類がある。家庭用ゲーム機などで用いられるコントローラー(ジョイパッド,ジョイスティックなど)もポインティングデバイスの一種と見ることができる。

(2) 出力装置

液晶ディスプレイ,TFT 液晶,STN 液晶,有機 EL ディスプレイ,ヘッドマウントディスプレイ,アイトラッキングディスプレイ,ハプティックデバイス,インタレースモード,ノンインタレースモード,テキストモード,グラフィックスモード,パックトピクセル方式,プレナピクセル方式,VGA,SVGA,XGA,電子ペーパ,インパクトプリンタ,ノンインパクトプリンタ,シリアルプリンタ,ラインプリンタ,ページプリンタ,レーザプリンタ,インクジェットプリンタ,3D プリンタ,プロッタ,D/A コンバータ,プロジェクタ,音声出力装置
液晶ディスプレイ

光の透過を画素ごとに制御し,カラーフィルタを用いて色を表現する。

有機 EL ディスプレイ

有機ELディスプレイは,電圧を加えると発光する有機化合物で出来た発光層を使用したディスプレイである。昨今では,テレビ画面や PC 用のディスプレイだけでなく,携帯電話のディスプレイとしても実用化されている。

有機 EL ディスプレイを液晶ディスプレイと比較すると,以下のような特徴がある。

  • 視野角が 180 度に限りなく近い
  • 発光そのものに必要な電圧が数 V 程度と低い
  • 非常に薄くつくることが可能
  • 高コントラスト比を達成できる
  • 価格が高い
  • 寿命が短い
  • 大型化が難しい
CRT(ブラウン管)ディスプレイ

光の透過を画素ごとに制御し,カラーフィルタを用いて色を表現する。

PDP(プラズマディスプレイパネル)

放電によって発生する紫外線と蛍光体を利用する。

(3) 補助記憶装置

ハードディスク装置,SSD(ソリッドステートドライブ),SD/SDHC/SDXC カードリーダ,CD-R/RW ドライブ,ブルーレイドライブ,DVD-R/RW ドライブ,磁気テープ装置,トラック,シリンダ,ブロック化因数,IBG(Interblock Gap:ブロック間隔),セクタ,トラック密度,スピンドル,アクセスアーム,磁気ヘッド,固定ディスク,デフラグメンテーション,シークタイム,サーチタイム,データ転送時間,データ転送速度,ボリューム,ボリュームラベル,見出しラベル,後書きラベル,ディスクアレイ,MAID (Massive Array of Idle Disks)
RAID

RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)とは,ハードディスクなどのストレージ(外部記憶装置)を複数台まとめて一台の装置として管理する技術。1987 年カリフォルニア大学バークリー校のデービッド・パターソン(David A.Patterson)氏,ガース・ギブソン(Garth Gibson)氏,ランディ・カッツ(Randy Katz)氏の 3 人によって提唱された。

(4) その他の入出力装置

有線LAN インタフェースカード,無線LAN インタフェースカード

本稿の参考文献

inserted by FC2 system