ビジネスインダストリ
目次
応用情報技術者試験(レベル3)シラバス-情報処理技術者試験における知識・技能の細目- Ver. 7.0 に基づき,「ビジネスインダストリ」の対策ノートを作成した。
本稿は,IT ストラテジスト試験 午前 Ⅱ 対策としても活用できるようにしている。
ビジネスシステム
- 各種ビジネス分野に用いられる情報システムの特徴,代表例,動向を修得し,適用する。
- AI システム・AI サービスの特徴,代表例,動向,利活用する上での留意事項を修得し,適用する。
(1) 社内業務支援システム
XBRL
XBRL(eXtensible Business Reporting Language)とは,企業の財務諸表や財務報告などを記述するための標準的な形式を定めた規格の一つ。XML を応用した言語の一つで,一度入力した財務情報を関係機関で共有し,ソフトウェアによる自動処理で伝達,保存,加工などすることができる。
財務報告用の情報の作成・流通・利用ができるように標準化した言語であり,適用業務パッケージやプラットフォームに依存せずに財務情報の利用が可能となる。
グループウェア
グループウェア(groupware)とは,組織や集団の内部で情報を共有したりコミュニケーションを取ることができるソフトウェアのこと。
ワークフローシステム
組織内の特定のワークフローを情報化し,コンピュータシステムで状態の管理を行えるようようにしたものをワークフローシステム(workflow system)という。主に書類の作成や回覧など情報の流れを扱う業務で導入される。
Web 会議システム
Web 会議(Web conferencing)とは,Web ブラウザで利用できるアプリケーションおよびネットサービスの一種で,離れた場所にいる人同士が資料やデータを共有して共同作業を行ったり,音声や動画をリアルタイムに交換して会議を開くことができるもの。
(2) 基幹業務支援システム及び業務パッケージ
POS システム
コンビニエンスストアにおいて,ポイントカードなどの個人情報と結び付けられた顧客 ID 付き POS データを収集・分析することによって,同一商品の購入頻度を確認できる。
マーケットバスケット分析は,POS システムなどで収集した販売情報から,顧客が買物をした際の購入商品の組合せを分析する。
IoT がもたらす効果(監視,制御,最適化,自律化)
アメリカの経営学者であるマイケル・E・ポーター氏らは,IoT がもたらす効果が 4 段階に進化すると述べている。
- 監視
- 離れた場所にあるモノの状態を遠隔からモニタリングできる状態
- 制御
- 通信を介した外部からの指示でモノを操作できる,または,一定の状態を観測したときに決められた動作を自動で行うようになっている状態
- 最適化
- 蓄積されたデータと観測したデータをもとに,人間が与えた基準に基づく望ましい状態を自ら見つけ,モノの様態を最適に保つことのできる状態
- 自律化
- 目標値などの最低限の指示のみ与えれば,人間による細かな条件や基準がなくても,自律的に(あたかも人間のように)最適な状態を判断し,モノ同士が協調して動作できる状態
ディジタルツイン
ディジタル空間に現実世界と同等な世界を,様々なセンサで収集したデータを用いて構築し,現実世界では実施できないようなシミュレーションを行うこと
エッジコンピューティング
エッジコンピューティングは,利用者や端末と物理的に近い場所に処理装置を分散配置して,ネットワークの端点でデータ処理を行う技術の総称である。処理装置をクラウド上に配置する従来の方式よりも端末と処理装置の距離が短縮されるので,アプリケーション処理の低遅延化やネットワーク負荷の低減が期待できる。高いリアルタイム性が要求される IoT に適した技術として注目されている。
スマートコントラクト
Web サイト上で実行されるスマートコントラクトは,アプリケーションサービスを実現するための基盤上に執行条件と契約内容を事前に定義しておき,条件に合致したイベントが発生すると自動執行する仕組みである。
(3) 行政システム
Society 5.0
Society 1.0 を狩猟社会としたとき,農耕社会(Society 2.0),工業社会(Society 3.0),情報社会(Society 4.0)と人類は技術革新によって社会をアップデートしてきた。
課題先進国と言われる我が国日本は,IoT を始めとする様々な ICT が最大限に活用され,サイバー空間とフィジカル空間とが融合された"超スマート社会"の実現を推進してきた。必要なものやサービスが人々に過不足なく提供され,年齢や性別などの違いにかかわらず,誰もが快適に生活することができるとされる"超スマート社会"実現への取組みを Society 5.0 と呼ぶ。
サイバーフィジカルシステムは,サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムである。フィジカル空間をセンサで捉えた情報をサイバー空間に集積し,サイバー空間に配置された AI 等で処理された結果をフィジカル空間にフィードバックすることにより,これまでにはできなかった新たな価値を産業や社会にもたらすことが期待されている。日本政府が目指す Society5.0 を実現するための基幹技術である。
e-Gov
e-Govは,各府省がインターネットを通じて提供する行政情報の総合的な検索・案内サービスの提供,各府省に対するオンライン申請・届出等の手続の窓口サービスの提供を行う政府のポータルサイトである。
LGWAN(Local Government Wide Area Network : 総合行政ネットワーク)
LGWAN とは,都道府県や市区町村などの地方自治体のコンピュータネットワークを相互接続した広域ネットワーク。地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が運営しており,中央省庁間の広域ネットワークである政府共通ネットワーク(霞ヶ関 WAN)とも相互接続されている。
住民基本台帳ネットワークシステム
住民基本台帳の情報をコンピュータネットワークで管理することによって,住民サービスの向上と行政事務処理の合理化を図る。
マイナンバー
マイナンバー(社会保障・税番号)とは,社会保障や納税などの際に国民一人一人を識別するための 12 桁の番号。日本政府が発行・管理するもので,自治体に住民票を持つすべての国民と特別永住者など国内に居住する一部の外国人に発行される。
ユニバーサルデザイン
ユニバーサルデザインとは,すべての人が等しく使うことができる,あるいは使いやすいデザイン・設計のこと。より現実的には,なるべく多くの人が同じように使えることを目指すデザイン原則を表す。
ディジタルディバイド(デジタルデバイド)
ディジタルディバイドとは,コンピュータやインターネットなどの情報技術(IT:Information Technology)を利用したり使いこなしたりできる人と,そうでない人の間に生じる,貧富や機会,社会的地位などの格差。個人や集団の間に生じる格差と,地域間や国家間で生じる格差がある。
(4) 公共交通システム
スマートグリッド
通信と情報処理技術によって,発電と電力消費を総合的に制御し,再生可能エネルギーの活用,安定的な電力供給,最適な需給調整を図るシステム。
スマートグリッドの概要
スマートグリッドは,情報通信技術を用い,太陽光発電などの分散型電源や需要家の情報を統合して活用することによって,電力の需給バランスを制御し,高効率,高品質,高信頼度の電力供給システムの実現を目指すものと考えられている。
スマートグリッドを実現するためには,分散型電源に蓄電池を組み合わせたシステムを用いて発電の急激な電力変動を平準化する技術の開発と,スマートメータを活用して電力網全体のバランスを追随制御する技術の開発が,それぞれ重要と考えられている。
(出典)平成22年度 秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅰ 問題
VICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)
道路上に設置したビーコン又は FM 多重放送から情報を受信し,渋滞情報,事故情報,工事情報などを表示するシステム
ETC(Electronic Toll Collection System:自動料金支払システム)
料金所に設置した路側無線装置と車載器との間で,無線通信によって自動的に通行料金の支払を行うシステム
AI(Artificial Intelligence : 人工知能)の活用
① AI 利活用の原則及び指針
人間中心のAI 社会原則(人間中心の原則,公平性・説明責任・透明性の原則,イノベーションの原則ほか)
2019年(平成31年)3月29日,「人間中心の AI 社会原則」が統合イノベーション戦略推進会議で決定された。
人間中心の原則
AI の利用は、憲法及び国際的な規範の保障する基本的人権を侵すものであってはならない。
AI は、人々の能力を拡張し、多様な人々の多様な幸せの追求を可能とするために開発され、社会に展開され、活用されるべきである。AI が活用される社会において、人々が AI に過度に依存したり、AI を悪用して人の意思決定を操作したりすることのないよう、我々は、リテラシー教育や適正な利用の促進などのための適切な仕組みを導入することが望ましい。
- AI は、人間の労働の一部を代替するのみならず、高度な道具として人間を補助することにより、人間の能力や創造性を拡大することができる。
- AI の利用にあたっては、人が自らどのように利用するかの判断と決定を行うことが求められる。AI の利用がもたらす結果については、問題の特性に応じて、AI の開発・提供・利用に関わった種々のステークホルダーが適切に分担して責任を負うべきである。
- 各ステークホルダーは、AI の普及の過程で、いわゆる「情報弱者」や「技術弱者」を生じさせず、AI の恩恵をすべての人が享受できるよう、使いやすいシステムの実現に配慮すべきである。
公平性、説明責任及び透明性の原則
「AI-Ready な社会」においては、AI の利用によって、人々が、その人の持つ背景によって不当な差別を受けたり、人間の尊厳に照らして不当な扱いを受けたりすることがないように、公平性及び透明性のある意思決定とその結果に対する説明責任(アカウンタビリティ)が適切に確保されると共に、技術に対する信頼性(Trust)が担保される必要がある。
- AI の設計思想の下において、人々がその人種、性別、国籍、年齢、政治的信念、宗教等の多様なバックグラウンドを理由に不当な差別をされることなく、全ての人々が公平に扱われなければならない。
- AI を利用しているという事実、AI に利用されるデータの取得方法や使用方法、AI の動作結果の適切性を担保する仕組みなど、用途や状況に応じた適切な説明が得られなければならない。
- 人々が AI の提案を理解して判断するために、AI の利用・採用・運用について、必要に応じて開かれた対話の場が適切に持たれなければならない。
- 上記の観点を担保し、AI を安心して社会で利活用するため、AI とそれを支えるデータないしアルゴリズムの信頼性(Trust)を確保する仕組みが構築されなければならない。
イノベーションの原則
- Society 5.0 を実現し、AI の発展によって、人も併せて進化していくような継続的なイノベーションを目指すため、国境や産学官民、人種、性別、国籍、年齢、政治的信念、宗教等の垣根を越えて、幅広い知識、視点、発想等に基づき、人材・研究の両面から、徹底的な国際化・多様化と産学官民連携を推進するべきである。
- 大学・研究機関・企業の間の対等な協業・連携や柔軟な人材の移動を促さなければならない。
- AI を効率的かつ安心して社会実装するため、AI に係る品質や信頼性の確認に係る手法、AI で活用されるデータの効率的な収集・整備手法、AI の開発・テスト・運用の方法論等の AI 工学を確立するとともに、倫理的側面、経済的側面など幅広い学問の確立及び発展が推進されなければならない。
- AI 技術の健全な発展のため、プライバシーやセキュリティの確保を前提としつつ、あらゆる分野のデータが独占されることなく、国境を越えて有効利用できる環境が整備される必要がある。また、AI の研究促進のため、国際的な連携を促進し AI を加速するコンピュータ資源や高速ネットワークが共有して活用されるような研究開発環境が整備されるべきである。
- 政府は、AI 技術の社会実装を促進するため、あらゆる分野で阻害要因となっている規制の改革等を進めなければならない。
AI-ready
AI に関わる技術自体の研究開発を進めると共に、人、社会システム、産業構造、イノベーションシステム、ガバナンス等、あらゆる面で社会をリデザインし、AI を有効かつ安全に利用できる社会を構築すること
AI 利活用ガイドライン(AI 利活用原則)
2019年(令和元年)8月9日,AI ネットワーク社会推進会議は「AI 利活用ガイドライン ~AI 利活用のためのプラクティカルリファレンス~」を定めた。
AI 開発ガイドライン
2017年(平成29年)7月28日,AI ネットワーク社会推進会議は「国際的な議論のための AI 開発ガイドライン案」を策定した。
信頼できるAI のための倫理ガイドライン(Ethics guidelines for trustworthy AI)
倫理的に調和した設計(Ethically Aligned Design)
人工知能学会倫理指針
AI の社会的受容性
AI Risk Management Framework(AI RMF)
② AI の活用領域および活用目的
③ AI を利活用する上での留意事項
エンジニアリングシステム
- エンジニアリングシステムの開発,設計における目的,考え方を修得し,適用する。
- 生産の自動制御,生産システム,生産管理,コンピュータ支援システムの目的,仕組み,技術を修得し,適用する。
(1) エンジニアリングシステムの目的と考え方
(2) 生産の自動制御
かんばん方式
かんばん方式とは,トヨタ生産方式の代表的な要素である JIT を実現するための生産管理方式で,工程間で "かんばん" と呼ばれる伝票をやり取りすることで工程内の仕掛品の最小化を図り,生産コストを削減することを目的としている。
この "かんばん" は,後工程に対しては納品書として加工品と共に引き渡される。後工程で加工品が使用されたらカンバンを前工程に戻す。前工程に戻す際は,発注票として渡され,このかんばんの受領をもって前工程では製品の加工を行う。
自工程で使った分だけ前工程に作らせる連鎖を組むことで,工程間仕掛の在庫の最少化を実現することにより生産コストの削減を図る。
この "かんばん" を使用した生産は,後工程が前工程から必要な分だけを引き取ることが契機となり,前工程は引き取られた分だけ補充して生産するという一連の流れとなるので「後工程引き取り生産方式」という。
リーン生産方式
リーン(lean)はトヨタ生産方式(TPS : Toyota Production System)を基に,1980 年代に米国で体系化された顧客への提供価値の最大化をはかるための思考方法や生産方式を指す。顧客の価値を定義し,顧客に至るバリューストリームの視点でムダを排除して業務を改善する方法は,製造業に限らず,あらゆる業種に適用でき,ムダなコストを低減させながら,同時に顧客の信頼を得ることが可能になる。
セル生産方式
セル生産方式は,製造業における生産方式の一種で,1 人若しくは少数の作業者チームで製品の組み立て工程を完成(または検査)まで行うものである。作業者の周囲に機械,組付工具及び部品が配置され,その中を多能工が歩き回って作業する。ライン生産方式などの従来の生産方式と比較して,作業者一人が受け持つ範囲が広く多品種を生産するときフレキシブルな切り替え可能なのが特徴である。
JIT (Just in Time)
無駄の原因となる在庫を極力持たず「必要な物を,必要な時に,必要なだけ」生産・供給することで「ムダ,ムラ,ムリ」を徹底的に排除するというトヨタ自動車の生産方式における重要な考え方の 1 つ。各工程は使用した分だけを前工程に発注する。
NC(Numerical Control:数値制御)
数値制御とは,工作機械などを数値データを与えて制御する方式のこと。人間による操作や機械的な仕掛けによる制御に代わる制御方式として普及している。数値制御で制御する機械を「NC 工作機械」「NC 装置」「NC 旋盤」「NC フライス盤」のように呼ぶ。
ファブレス
ファブレス(fabless)とは,その名の通り fab(fabrication : 生産工場)を所有せずに製造業としての活動を行う企業のことである。半導体産業はファブレスが主流となっている業種の 1 つである。
ファブレス企業は,自社で企画・設計や開発を行い,製造を他の企業に委託,そして完成した製品を自社ブランドとして販売するというビジネスモデルをとる。生産工場を持たないことで設備投資や維持管理の負担やリスクを回避できることや,設計や販売に注力できるメリットがある。
EMS (Electronics Manufacturing Services)
生産設備を持つ企業が,他社からの委託を受けて電子機器を製造する。複数の電子機器メーカから製品の設計,製造を一括して受託することによって,生産規模を確保し,低コストで製品を提供するサービスである。
(3) 生産システム
MRP(Material Requirements Planning)
製造業などの生産管理手法の一つで,生産計画に基いて部品表と在庫情報から発注すべき資材の量と時期を決定する方式。1960年代に考案され,コンピュータシステムと共に広まった。
製品の生産計画に基づいてその生産に必要な資材の所要量を展開し,これを基準にして資材の需要とその発注時期を算出する。具体的には,次の手順に従って処理を行う。
- 今後の一定期間に生産が予定されている製品の種類と数量及び部品構成表を基にして,その構成部品についての必要量を計算する。
- 引当て可能な在庫量から各構成部品の正味発注量を計算する。
- 製造/調達リードタイムを考慮して構成部品の発注時期を決定する。
演習問題
MRP の特徴はどれか。
- 顧客の注文を受けてから製品の生産を行う。
- 作業指示票を利用して作業指示,運搬指示をする。
- 製品の開発,設計,生産準備を同時並行で行う。
- 製品の基準生産計画を基に,部品の手配数量を算出する。
正解は,4. である。なお,1. は BTO(Build To Order,受注生産),2. はカンバン方式,3. はコンカレントエンジニアリングである。
FMS(Flexible Manufacturing System)
NC 工作機械,自動搬送装置,倉庫などを有機的に結合し,コンピュータで集中管理することによって,多品種少量生産に対応できる生産の自動化を実現する。
(4) コンピュータ支援システム
CAD
CAD(Computer Aided Design)とは,工業製品や建築物などの設計や製図をコンピュータを用いて行うこと。また,そのためのソフトウェアや情報システム。
CAM
CAM(Computer Aided Manufacturing)とは,工業製品などの製造現場で利用される情報システムおよびソフトウェアの一つで,CAD などで作成した設計図面などを元に,工作機械を操作するためのプログラムの作成などを行うもの。
CAE
CAE(Computer Aided Engineering)とは,工業製品の設計や構造の解析,机上の試験などにコンピュータシステムを導入して効率的に行うこと。また,そのような工程を支援するソフトウェアやシステム(CAE ツール,CAE システム)を指すこともある。
PDM(Product Data Management)
PDM は,直訳すれば「製造情報管理」という意味で,設計図面,部品構成表,コスト情報,技術仕様などの設計・開発に関連する様々な情報をシステムで一元管理する考え方である。これまで各部門に散在していたデータが共有されることにより,開発期間の短縮や開発コスト削減などの効率化が期待できる。
CIM
CIM(Computer Integrated Manufacturing)とは,製造業の生産工程で必要となる,あるいは発生する様々情報をコンピュータシステムで一元的に管理し,製造の最適化を推進する手法。また,そのためのソフトウェアや情報システム。
e-ビジネス
- EC,EDI などインターネットを介して行うe-ビジネスの仕組み,特徴,留意事項を修得し,適用する。
- データ交換の代表的な標準を修得し,適用する。
- ソーシャルメディアの概念,類型,技術的背景を修得し,適用する。
e-ビジネスとは,コンピュータやネットワークを利用したビジネス活動のことで,EC や EDI,ソーシャルメディアがある。
(1) EC(Electronic Commerce : 電子商取引)
① 電子受発注システム
EC(Electronic Commerce : 電子商取引)とは,データ通信やコンピュータなど電子的な手段を介して行う商取引の総称。狭義にはインターネットを通じて遠隔地間で行う商取引を指す。より狭義には,Webサイトなどを通じて企業が消費者に商品を販売するネット通販(オンラインショップ)を指す場合もある。
電子商取引には,消費者(C : Consumer),企業(B : Business),政府(G : Government)の組合せによって,次表に示す形態がある。
形態 | 取引の例 |
---|---|
C to C | ネットオークション |
B to C | インターネットショッピング |
G to B | 自治体の利用する物品や資材の電子調達,電子入札を行う。 |
G to C | 住民票,パスポートなどの電子申請 |
G to G | 自治体間の住民票データの交換 |
B to B | EDI による受発注データ交換 |
② 電子決済システム
フィンテック
フィンテックのサービスの一つであるアカウントアグリゲーションは,複数の金融機関の口座取引情報を 1 つのコンピュータ上に一括表示できるサービスである。サービスを提供する Web サイトやスマホアプリなどに複数の口座情報等と認証情報(ID・パスワード等)を登録しておくことによって,普通口座,証券口座,クレジットカード,電子マネー,店舗ポイントなどの異なる場所に分かれている資産や取引状況を全部まとめて閲覧することが可能となる。
エクスクロ―サービス
エスクローサービスは,電子商取引において支払いや商品の発送などについての安全性を保証する仲介サービスである。
仲介業務を依頼されたエクスクロ―サービス業者は,以下の手順で,買主・売主のどちらにも安全な取引をする。特にネットオークションでは個人同士の取引によるトラブルの可能性があるため,オプションとしてエスクローサービスの利用が可能な場合がある。
- 買主から商品代金および手数料を受け取る
- 売主の商品配送を確認する
- 商品代金を売主に送金する
③ e-ビジネスの進め方
SCM (Supply Chain Management)
部品の供給から製品の販売までの一連のプロセスの情報をリアルタイムで交換することによって,在庫の削減とリードタイムの短縮を実現する。
検索エンジン最適化(SEO)
SEO(Search Engine Optimization)とは,Web サイトを制作するときに,Google などの検索エンジンの検索で上位に表示されることを目指してページやサイト全体を最適化することをいう。具体的な施策は,次のようなものがある。
- 上位表示を狙うキーワードを意識した文章にする
- Web サイトの更新頻度を増やす
- 良質なコンテンツページを増やす
- 外部の Web サイトからのリンクを増やす
- ページの表示速度を速くする
- ユーザビリティ,アクセシビリティに配慮した設計を行う
検索結果における 1 ページ目(1~10 位)と 2 ページ目(11~20 位)では,5 倍以上の集客数の差が生じるといわれており,EC サイトにとっては上位に表示されることが売上の増加に直結するため SEO は Web マーケティングにとって重要な意味を持っている。
レコメンデーションシステム
レコメンデーション(お勧め商品の提案)の例のうち,協調フィルタリングを用いたものは,「顧客同士の購買行動の類似性を相関分析などによって求め,顧客 A に類似した顧客 B が購入している商品を顧客 A に勧める」である。
ロングテール
ロングテールは,膨大な商品を低コストで扱うことができるインターネットを使った商品販売において,実店舗では陳列されにくい販売機会の少ない商品でも,それらを数多く取りそろえることによって十分な売上を確保できることを説明した経済理論である。
一般に商品の売上は「全体の 2 割の優良顧客が全体の売上の 8 割を占め,全商品の上位 2 割が 8 割の売上を占める。」というパレートの法則に従うので,実店舗では売場面積や物流などの問題から上位 20 % の商品を優先的に販売することになる。
しかし,インターネット販売では従来の小売店販売面積の制約に縛られず,商品をデータベースに登録するだけで膨大な商品点数を揃えることが可能である。この商品点数の多さを活かし,小さいけれども確かにある販売機会を大量に集めることで,実店舗では実現不可能部分で大きな売上が生じるという現象が起こる。
- べき乗分布
- 売れるものはものすごく売れるが,大多数のものはほとんど売れない
- 28 : 72
- 売れる上位のもの(ヘッド)に売上は集中するが,通常の 20 : 80(上位 2 割の商品で売上の 8 割を占める)でなくもっと下位のもの(テール)も売上に貢献する
成功報酬型広告
Web ページに掲載した広告が契機となって商品が購入された場合,売主から成功報酬が得られる仕組み。
リスティング広告(検索連動型広告)
検索エンジンを運営する企業と契約し,自社の商品・サービスと関連したキーワードが検索に用いられた際に広告を表示する仕組み。
コンテンツ連動型広告
サービス運営会社が発行する広告タグを埋め込んだ Web サイトを訪れた利用者に対して,その Web サイトのコンテンツに関連した広告を自動的に表示する。
インプレッション保証型広告
インターネットにおける広告形態のうち,インプレッション保証型広告は,契約した表示回数に達するまで掲載を続ける広告である。
行動ターゲティング
行動ターゲティングは,利用者の検索履歴や Web サイトの閲覧履歴・購買履歴などのオンライン上における行動データをもとに,興味のありそうな分野を推測し,利用者ごとに最適な広告を表示する手法である。直前に検索した内容が,その後に訪れた Web ページ上の広告として表示されることなどがその一例である。広告主側としては,自分たちの製品に興味のある人,または目標セグメントに対してピンポイントで広告を表示できるので費用対効果の向上が期待できる。行動データの収集にはクッキーおよび Web ビーコンが用いられています。
地域ターゲティング
スマートフォンなどの GPS 機能を使い,利用者の現在地に合わせて,近隣の商業施設の広告を,利用者が見ている Web サイトに表示する。
コンバージョン率
コンバージョン率は,広告を経由してサイトに訪れた者のうち,どの程度が成約(商品購入や申込み)に至ったかを示す指標である。インターネット広告の費用対効果を計るために使用する(効果指標として用いられる)。
フリーミアム
有料と無料の境界が明確になっていて,高度な機能や充実した内容など有料のサービスの優位性がはっきりしている。
クラウドソーシング
クラウドソーシング(Crowd Sourcing)は,群衆を意味する「クラウド」と,業務の外部委託を意味する「アウトソーシング」を組み合わせた言葉で,マッチングを行う Web サイトを通じ,インターネット上の不特定多数の人に仕事を依頼できるサービスである。依頼できる仕事は,Web 制作,デザイン,システム開発,メディアコンテンツ制作などの専門スキルが求められる仕事だけでなく,データ入力・テープ起こし及び体験談・感想の執筆などの比較的簡単な作業まで様々である。
外注費用を抑えつつスピーディな仕事の完成を求める企業において利用が広がるほか,本業を持つ方が余暇や隙間時間を活かして副収入を得たり,フリーランスの方が仕事を受託したりするための手段としても活用されている。
FSP (Frequent Shoppers Program)
顧客に会員カードなどを発行して購買情報を収集し,顧客には割引ポイントの付与や会員割引の特典を与えるなど,優良顧客の維持拡大を図る仕組みである。
④ 電子商取引の留意点
(2) EDI
① EDI の仕組みと特徴
EDI(Electronic Data Interchange : 電子データ交換)とは,商取引に関する情報を標準的な形式に統一して,企業間で電子的に交換する仕組み。受発注や見積もり,決済,出入荷などに関わるデータを,あらかじめ定められた形式にしたがって電子化し,インターネットや専用の通信回線網など通じて送受信する。
EDI には大きく分けて,以下の 4 つの規約(階層)がある。
- レベル1 情報伝達規約
- ネットワーク回線や伝送手順など,文字通り情報をやり取りするための取り決め
- レベル2 情報表現規約
- データの構造やデータ項目など,表現法のルールなど情報データをお互いのコンピュータで理解できるようにするための取り決め
- レベル3 業務運用規約
- どんな情報をやり取りするか,情報の訂正方法やエラーの扱いなどの業務やシステムの運用に関する取り決め
- レベル4 取引基本規約
- 検収時期,支払時期,支払方法などEDIにおける取引の法的有効性を確立するための取り決め
演習問題
EDI を実施するための情報表現規約で規定されるべきものはどれか。
- 企業間の取引の契約内容
- システムの運用時間
- 伝送制御手順
- メッセージの形式
正解は,4. である。
② データ交換での標準
XBRL (eXtensible Business Reporting Language)
XBRL は,企業の財務情報を記述するための言語および規約である。XML ベースの言語であることから,ソフトウェアやプラットフォームに依存しない。そのため,財務情報を円滑に流通・利用できるようになる。現在,XBRL の標準化と普及が世界的に推し進められている。
XBRL によって,決算などに伴う集計,法定書類の作成を自動化することを容易にする。
ebXML
XML を用いた Web サービス間の通信プロトコルやビジネスプロセスの記述方法,取引情報のフォーマットなどを定義する一連の仕様である。
オープン API
ソフトウェアやアプリケーションが持つ機能やデータを呼び出すための接続仕様・仕組み(API)を,外部の事業者に開放することである。フィンテックやオープンイノベーションを加速させる手段として期待されている。
オープンデータ
オープンデータは,国民の誰もがインターネットを通じて,目的を問わず容易に加工,編集,再配布等の無償利用ができるように公開されたデータである。国・地方公共団体等が官民データ活用推進基本法に基づいて公開しているデータや,民間企業が独自に公開しているデータがある。
国,地方公共団体及び事業者が保有する官民データのうち,国民誰もがインターネット等を通じて容易に利用(加工,編集,再配布等)できるよう,次のいずれの項目にも該当する形で公開されたデータをオープンデータと定義する。
- 営利目的,非営利目的を問わず二次利用可能なルールが適用されたもの
- 機械判読に適したもの
- 無償で利用できるもの
(3) ソーシャルメディア
ソーシャルメディア(social media)とは,インターネット上で展開される情報メディアのあり方で,個人による情報発信や個人間のコミュニケーション,人の結びつきを利用した情報流通などといった社会的な要素を含んだメディアのこと。
消費者が配信するコンテンツによりインターネット上のメディアが形成される CGM(Consumer Generated Media : 消費者生成メディア)があり,代表的なものとして掲示板,SNS,ブログ,動画投稿サイトなどがある。
CGM の例としては,個人が,自ら使用した商品などの評価に関する情報を,不特定多数に向けて発信するブログや SNS などの Web サイトがある。
シェアリングエコノミー
遊休状態にある物や場所,人的リソースなどを多くの人と共有したり交換したりすることで新しい価値を生み出す社会・経済のこと。インターネットやスマートフォンの普及により,貸し手と借り手を容易に繋げることができるようになった。代表的な例としては自室の空き時間を他人に貸す民泊や自家用車に同乗させるライドシェアなどがある。
『シェア』の著者であるレイチェル・ボッツマンは,技術面だけでなく倫理的な側面を含めて,シェアリングエコノミーは 5 つの定義を備えたものであるべきだと主張している。
- 金銭的/非金銭的な目的にかかわらず,事業のコアとなる部分に,未使用もしくは稼働率が低い資産(使われていないキャパシティ)の価値を解放するというアイデアを含んでいること。
- 当該企業に価値観に則った明確なミッションがあり,有意義な原則のもとに事業を行っていること。具体的には透明性や人間性,信ぴょう性を示すような短期/中長期的な戦略意思決定を含む。
- 供給側にいる提供者(例:遊休資産の提供者)が評価され,敬意を表され,権利を与えられていること。そして企業はこれらの提供者の生活が経済的にも社会的にも向上するようコミットしていること。
- プラットフォームの需要側にいる顧客が,所有ではなくアクセスにお金を払うことで,より効率的に商品やサービスを得られるようになり,便益を受けられるようになること。
- 事業が分散型市場もしくは分散型ネットワーク上で構築されていること,そしてそこで発展したコミュニティでは相互の信頼や集団的な説明責任,互恵といった意識が生み出されていること。
フィルタバブル
SNS や Web 検索などに関して,イーライ・パリサーはフィルタバブルを提唱している。フィルタバブルとは,利用者の属性・行動などに応じ,好ましいと考えられる情報がより多く表示され,利用者は実社会とは隔てられたパーソナライズされた情報空間へと包まれる現象のことである。
ギグエコノミー
個人が,インターネットを介して提示された単発の仕事を受託する働き方や,それによって形成される経済形態を表す。
民生機器
- IoT システム・組込みシステムの特徴,動向,代表例を修得し,適用する。
- 民生機器の特徴,動向,代表例を修得し,適用する。
(1) IoT システム・組込みシステム
マイクロコンピュータ(マイコン)
マイコンとは,マイクロコントローラの略で,組み込みシステム向けの統合型の IC チップを意味する。
組込み OS
組込み OS(embedded OS)とは,産業機器や家電製品など,マイクロコンピュータを中心としたいわゆる組み込みシステム(embedded system)を制御するオペレーティングシステム(OS)。
リアルタイム OS
リアルタイム OS(real-time operating system : RTOS)とは,OS(オペレーティングシステム)の種類の一つで,時間的な制約がある処理を実行するための機能や特性を備えたもの。産業ロボットや輸送機械などの組み込みシステムの制御用としてよく用いられる。
ロボティクス(Robotics : ロボット工学)
ロボットを設計し制作するための工学的な研究を指す。機械工学,センサー技術や電子工学,ロボット制御プログラム作成のための情報工学など,さまざまな工学の知見が結集されている。ドローンやお掃除ロボット,RPA などはロボティクスの具体的な成果であり,IoT,AI との連携強化により自動運転システムを実現するなど,ビジネスや社会生活全般への応用,展開がますます期待されている。
ファームウェア
ファームウェア(firmware)とは,コンピュータや電子機器などに内蔵されるソフトウェアの一種で,本体内部の回路や装置などの基本的な制御を司る機能を持ったもの。
エッジコンピューティング
演算処理のリソースをセンサ端末の近傍に置くことによって,アプリケーション処理の低遅延化や通信トラフィックの最適化を行う。
(2) 民生機器
① 民生機器の特徴と動向
情報家電
情報家電(information home appliance)とは,デジタルデータの処理や送受信に対応し,通信ネットワークやデジタル入出力端子,メモリーカードなどを介して外部の機器と通信や連携が可能な家庭用電気製品。
ユビキタスコンピューティング
ユビキタス(ubiquitous)とは,遍在する,至る所にある,どこにでもある,おなじみの,などの意味を持つ英単語。IT の分野では,世の中の至る所にコンピュータが埋め込まれ,通信ネットワークを介して互いに連携し,人々がコンピュータの存在を意識せずにその利便性を享受できるような社会や情報システムのあり方を表す。1988 年に米ゼロックス(Xerox)社のパロアルト研究所(PARC:Palo Alto Research Center)の主任研究員だったマーク・ワイザー(Mark Weiser)氏が,社会にコンピュータが溶け込み,いつでもどこでもその機能や能力を活用できるコンピュータの新しいあり方を提唱し,“ubiquitous computing” (ユビキタスコンピューティング)と名付けた。
IoT(Internet of Things)
IoT(Internet of Things)とは,コンピュータなどの情報・通信機器だけでなく,世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ,インターネットに接続したり相互に通信することにより,自動認識や自動制御,遠隔計測などを行うこと。
② 民生機器の例
ウェアラブルコンピュータ
ウェアラブルコンピュータ(wearable computer)とは,小型の携帯型コンピュータの一種で,体に身につけて持ち運び,そのままの状態で使用できるもの。腕時計型(スマートウォッチ)や眼鏡型(スマートグラス),指輪型などが提唱されている。
HEMS(Home Energy Management System)
家庭内の電気設備や家電製品の稼働状況や電力使用量を監視・記録し,また,設備を遠隔から制御することにより,電力使用量や電力料金の低減・最適化を図る情報システムを HEMS(Home Energy Management System)という。
演習問題
HEMS の説明として,適切なものはどれか。
- 太陽光発電システム及び家庭用燃料電池が発電した電気を,家庭などで利用できるように変換するシステム
- 廃棄物の減量及び資源の有効利用推進のために,一般家庭及び事務所から排出された家電製品の有用な部分をリサイクルするシステム
- ヒートポンプを利用して,より少ないエネルギーで大きな熱量を発生させる電気給湯システム
- 複数の家電製品をネットワークでつなぎ,電力の可視化及び電力消費の最適制御を行うシステム
正解は,4. である。
ディジタルサイネージ
ディジタルサイネージ(Digital Signage,電子看板)は,ディジタル技術を活用して平面ディスプレイやプロジェクタなどに映像や情報を表示する広告媒体のことである。広告入替えの手間が掛からず,表示内容がリアルタイムで操作可能であったり,動画を表示することができるなど従来のポスターやロールスクリーン看板にはないメリットがある。
店内で商品紹介をするための小型のものから,屋外広告を表示するための大型ビジョンまで様々な規模や用途で使用されている。
産業機器
- 産業用電子機器の特徴,動向,代表例を修得し,適用する。
(1) 産業機器
① 産業機器の特徴と動向
M2M(Machine to Machine)
M2M(Machine to Machine)とは,機械と機械が通信ネットワークを介して互いに情報をやり取りすることにより,自律的に高度な制御や動作を行うこと。
インダストリー 4.0
「第四次産業革命」を指す。人や機械,パートナー企業などがデータを交換することで,製造工程や進捗情報などを共有し,製造プロセス革新,さらにバリューチェーンの変革や新たなビジネスモデルの構築を目指すコンセプト。2011 年に,ドイツ政府が製造業の競争力強化と空洞化防止のための構想として国家プロジェクトを開始し注目された。
② 産業機器の例
スマートメータ(AMI)
通信機能及び他の機器の管理機能をもつ高機能型の電力メータであるスマートメータを導入する目的として,次のようなことが挙げられる。
- 自動検針によって,検針作業の効率を向上させる。
- 電力需要制御によって,ピーク電力を抑制する。
- 電力消費量の可視化によって,節電の意識を高める。
スマートメータの概要
スマートメータは,需要家側の発電状況や家庭用電化製品などの電力使用状況を電力会社へ送信したり,電力会社から制御情報を受信して需要家側からの電力の送電量を制御したりする機能をもっている。
(出典)平成22年度 秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅰ 問題
③ 自動車制御システムの特徴と動向
ADAS(Advanced Driving Assistant System)
先進運転支援システム(略称 ADAS)は,自動車のドライバーの運転操作を支援するシステムである。安全なマンマシンインタフェースによって設計された ADAS は,車の安全性,ひいては道路交通の安全性を高める。
コネクテッドカー
コネクテッドカーとは,ICT 端末としての機能を有する自動車のことである。車両の状態や周囲の道路状況などの様々なデータをセンサーにより取得し,ネットワークを介して集積・分析することで,新たな価値を生みだすことが期待されている。
自動運転
自動車に取り付けたセンサで車両の状態,路面状況などのデータを計測し,ネットワークを介して保存し分析することによって,効率的な運転を支援する。
ダイナミックマップ
高速道路や自動車専用道路の自動運転の実現を目的とする,高精度な 3 次元地図情報と,渋滞情報や事故による通行規制などの位置情報を組み合わせたデジタル地図のこと。