平成24年度 秋期 午前 Ⅱ 問題の解答と解説

2022年3月31日作成,2022年4月16日更新

試験時間は 10:50 ~ 11:30(40 分)である。

問1 エンタープライズアーキテクチャ(EA)のビジネスアーキテクチャ

エンタープライズアーキテクチャ(EA)のビジネスアーキテクチャで機能情報関連図(DFD)を作成する目的はどれか。

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【答え】

機能情報関連図(DFD : Data Flow Diagram)は,対象業務の処理と処理間の情報の流れを明確にするものである。企業の業務やシステムの全体最適化を目的としたエンタープライズアーキテクチャ(EA : Enterprise Architecture)の最上位層に位置するビジネスアーキテクチャの策定時に,機能構成図(DMM)をもとに作成される。

問2 システム管理基準

"システム管理基準" によれば,情報戦略の全体最適化計画策定において,実施すべきことはどれか。

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【答え】

問3 事業継続ガイドライン

内閣府の "事業継続ガイドライン" による事業継続計画の継続的改善のプロセスを順番に並べたとき,c に入るものはどれか。ここで,ア~エは a ~ d のいずれかに入る。

事業継続計画の継続的改善のプロセス

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【答え】

問4 システム化計画の立案

システム化計画の立案において実施する作業であり,その作業の結果を基に,後続の作業でシステム化機能を整理し,情報と処理の流れを明確にするものはどれか。

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【答え】

共通フレームの企画プロセスの「システム化計画の立案」というアクティビティの中に「システム化機能の整理とシステム方式の策定」というタスクが定義されている。そこには,「業務モデルの作成によって作成された業務モデルから対象とした業務機能を支援するシステム化機能を整理し,開発内容と優先順位を明らかにする。この機能について情報と処理の流れを記述する」と記載されている。

アは「要件定義プロセス」,イは「運用プロセス」,エは「システム開発プロセス」で実施する作業である。

問5 E-R モデル

情報システムの全体計画立案のために E-R モデルを用いて全社のデータモデルを作成する手順はどれか。

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【答え】

問6 EMS

専門の事業者が提供するサービスのうち,EMS の説明はどれか。

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【答え】

EMS(Electronics Manufacturing Service : 電子機器製造サービス)に似たサービスとして,製造を委託する OEM (Original Equipment Manufacturer) や,設計と製造を委託する ODM (Original Design Manufacturer) がある。

アは「コールセンタの受託サービス」,イは「シェアードサービス」,エは「クラウドサービス,ASP (Application Service Provider),SaaS (Software as a Service)」の説明である。

問7 LBO

LBO の説明はどれか。

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【答え】

LBO (Leveraged Buyout) とは,M&A の形態のひとつで,借入金を活用した企業・事業買収のことを指す。

一定のキャッシュフローを生み出す事業を,借入金を活用して買収するもので,買い手は少ない資金で企業・事業を買収することができる。

アは TOB(Take Over Bid : 株式公開買付),イは MBO(Management BuyOut : 経営陣買収),ウはベンチャーキャピタル(venture capital)によるハンズオン(育成)型投資の説明である。

問8 プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)マトリクス

プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)マトリクスの a,b に入れる語句の適切な組み合わせはどれか。

プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)マトリクス
a b
売上高利益率 市場占有率
市場成長率 売上高利益率
市場成長率 市場占有率
市場占有率 市場成長率

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【答え】

プロダクトポートフォリオマジメント(PPM)は,縦軸と横軸に「市場成長率」と「市場占有率」を設定したマトリクス図を 4 つの象限に区分し,市場における製品の位置づけを分析することで,経営資源の最適な配分を検討する手法である。

花形
市場成長率,市場占有率ともに高い状況にある。ここに分類された製品・事業は,将来的に多くの資金流入をもたらし,金のなる木になると期待される。ただし,この段階では継続的な資金投入が必要とされる。
金のなる木
市場成長率は落ち着きを見せ,ライフサイクルの成熟期となっているが,市場占有率が高いため,多くの資金が流入している状況にある。
問題児
市場成長率は高いものの,市場占有率は低い状況にある。市場自体が成長過程にあるので,直ちに市場から撤退するべきとはいえないものの,そのままでは将来的に期待できない状態である。市場で生き残るためには,多くの資金投入を必要とする。
負け犬
市場成長率,市場占有率ともに低い状態にある。将来的にも期待することが難しいので,市場からの撤退を考えるべきである。
プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)マトリクス
図 プロダクトポートフォリオマジメント(PPM)

問9 コアコンピタンス

コアコンピタンスを説明したものはどれか。

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【答え】

コアコンピタンスは,他社が真似できない企業独自のノウハウや技術のことである。コアコンピタンスを用いて市場での競争優位性を確保するという,自社の強みを生かした戦略的経営手法のことを,コアコンピタンス経営と呼ぶ。

アは広義の「コンプライアンス(企業理念,経営理念)」,イは「ビジネスゴール」または「ターゲット」,ウは企業戦略立案で用いられる SWOT 分析のうちの「Opportunities : 機会」と「Threats : 脅威」のことである。

問10 収穫戦略

事業戦略のうち,収穫戦略に該当するものはどれか。

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【答え】

収穫戦略は,PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)において,収穫事業に対して適用される戦略である。PPM では,市場成長率と市場占有率の二つの要因によって,各事業の市場における位置付けの評価を行い,各事業に対して自社の最適な経営資源の配分計画を立案する。収穫事業とは,複数の事業の中で市場成長率が低く,市場占有率の高い事業を指す。収益率が高いわりに新たなる大きな投資を必要としない安定期にある事業が該当する。収穫事業に対しては,大きな投資は控え,改善投資やコスト低減を目的とした投資に限定し,キャッシュフローの最大化を図る考え方が採用される。

問11 マーケティング

商品の購入希望者に対して,その商品に関連する別の商品又は組合せ商品などを推奨して販売することを何というか。

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【答え】

クロスセリングは,顧客が購入しようとしている商品やサービスに関連する商品やサービスを推奨し,顧客の購入点数の増加を図る手法である。

その他の手法の説明は以下のとおり。

アップセリング
顧客が購入しようとしている商品やサービスに対し,よりグレードの高い同種の商品やサービスを推奨し,顧客の購入金額の増加を図る手法
カテゴリーキラー
特定の分野のみの商品を豊富に品揃えし,低価格で大量販売する小売店の業態
カテゴリトップ
商品やサービスが属する分野においてシェア 1 位であること

問12 コンジョイント分析

コンジョイント分析の説明はどれか。

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【答え】

コンジョイント分析は,価格やデザイン,機能といった商品の属性について,どのような組合せが好まれるかを調べるための分析法である。

アは ABC 分析,ウはコーホート分析,エはポジショニング分析である。

問13 ばらばらの予測を収束させる方法

将来の科学技術の進歩の予測などについて,専門家などに対するアンケートを実施し,その結果をその都度回答者にフィードバックすることによって,ばらばらの予測を図のように収束させる方法はどれか。

ばらばらの予測を収束させる方法

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【答え】

デルファイ法は,技術開発戦略の立案に必要となる将来の技術動向の予測などに用いられる技法であり,1. 複数の専門家からの意見収集,2. 得られた意見の統計的集約,3. 集約された意見のフィードバックを繰り返して最終的な意見に収束させていくものである。

ゴードン法は,アイディア発想法の一つ。ブレーンストーミングを 2 部構成とし,前半は参加者が真のテーマ(目的)を知らされない状態で,固定観念にとらわれずに意見を出し合う。

ミニマックス法は,ゲーム理論で用いられる判断基準の一つ。各代替案における最悪の場合を想定し,そのときに損失が最小となる(最大の損失を最小化する)ような案を選択する。

モンテカルロ法は,乱数を用いたシミュレーションを繰り返して,近似解を求める計算手法である。

問14 顧客生涯価値(LTV)

表のような顧客の収益状況が見込まれるとき,3 年間の顧客生涯価値(LTV)は何百万円か。ここで,割引率は 10 % とし,計算は百万円未満を切り捨てるものとする。

年間収益の単位 百万円
1 年目 2 年目 3 年目
年間収益1) 50 10 10
割引係数2) 1.0 1.1 1・2
注 1) 年間収益は販売コストを考慮済み
注 2) 割引係数は n 年目で (1+割引率)n-1 の値

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【答え】

問15 CSF 分析

経営戦略に用いる CSF 分析の特徴はどれか。

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【答え】

CFS (critical success factors) は,経営戦略や IT ガバナンスなどを計画的に実施する際,その目標・目的を達成する上で決定的な影響を与える要因のこと。ビジネスの成否に大きな関係を持つマネジメント上の重点管理項目といえる。

アはアドバンテージマトリックスによる事業分析,イは SWOT 分析,エは PPM (Product Portfolio Management) 分析で明らかになるものである。

問16 IVR

コールセンタシステムにおける IVR を説明したものはどれか。

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【答え】

問17 プロダクトライン開発

製品のロードマップに従って製品を開発していく場合に,プロダクトライン開発を適用する利点はどれか。

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【答え】

問18 SPA

アパレル業界における SPA の説明はどれか。

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【答え】

SPA (Speciality store retailer of Private label Apparel) は,商品の企画から製造,販売までのすべてを自社で管理する衣料品の小売業態である。

アは「アウトレットセール」,イは「BTO(Build to Order : 受注生産)」,エは「カテゴリーキラー」の説明である。

問19 XBRL

XBRL を説明したものはどれか。

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【答え】

XBRL(eXtensible Business Reporting Language)とは,企業の財務諸表や財務報告などを記述するための標準的な形式を定めた規格の一つ。XML を応用した言語の一つで,一度入力した財務情報を関係機関で共有し,ソフトウェアによる自動処理で伝達,保存,加工などすることができる。

財務報告用の情報の作成・流通・利用ができるように標準化した言語であり,適用業務パッケージやプラットフォームに依存せずに財務情報の利用が可能となる。

アは「EAI (Enterprise Application Integration)」,イは「EOS (Electronic Ordering System)」,エは「EDI (Electronic Data Interchange)」の説明である。

問20 TOC (Theory of Constraints)

TOC (Theory of Constraints) の特徴はどれか。

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【答え】

TOC は,一覧の製造工程におけるボトルネックに着目し,これを改善することで「利益の最大化」を実現する手法である。ボトルネックの原因を制約(constraints)とすることから,制約の理論(Theory Of Constraints)と呼ばれる。

TOC では,金を儲けることは以下の 3 つであると規定している。

  1. スループットを増大する。
  2. 在庫(原材料,仕掛,製品など)や投資を低減する。
  3. 業務費用(資材費以外の総経費,直接人件費も含む)を低減する。

問21 ゲーム理論

ゲーム理論を使って検討するのに適している業務はどれか。

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【答え】

意思決定を要する状況の中には,競争相手が存在し,競争相手のとる戦略や将来の環境によって利得が変化するものも多い。そのような状況をゲーム(定められたルールに従って行われる競争のこと)としてとらえ,ゲームを行うプレーヤの意思決定の過程を分析する理論のことを,ゲーム理論という。

アは「待ち行列理論」,イは「特性要因図」,エは「デルファイ法」などが適している。

問22 抜取検査

合格となるべきロットが,抜取検査で誤って不合格となる確率のことを何というか。

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【答え】

抜取検査方式において,不合格品質のロットが合格する確率は,消費者危険(consumers' risk)といわれ,合格品質のロットが不合格となる確率は,生産者危険(producers' risk)といわれる。

合格品質水準
抜取検査で合格にできる不良品の上限の数のことで,100 単位当たりの不良品数(不良率)で表す。AQL (Acceptable Quality Level) ともいう。
消費者危険
抜取検査の結果,本来不合格となるべきロットが誤って合格となってしまう確率のこと。
有意水準
統計学における検定で,結果をそのまま信頼し,素直に結論として採用した場合に,その結論が間違っている確率(危険性の確率)のこと。

問23 IRR (Internal Rate of Return) 法

投資評価方法の説明の内,IRR (Internal Rate of Return) 法はどれか。

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【答え】

IRR(Internal Rate of Return : 内部利益率)は,投資総額と投資によって得られる現在価値の総額が等しくなるような利益率のことである。NPV がゼロとなる割引率といえる。IRR 法は,この IRR の大小によって投資効果を評価する手法である。

アは NPV 法,イは回収期間法,エは平均投資収益率法の説明である。

問24 連結損益計算書

次の資料を基に,A 社の連結損益計算書を作成した場合の連結売上高は何百万円か。

  • A 社は,B 社の株式の 80 % を取得している。
  • B 社は,C 社の株式の 60 % を取得している。
  • B 社は,D 社の株式の 20 % を取得している。ただし,役員の派遣などはない。
  • A 社の売上高は,700,000 万円であり,その 10 % は,B 社に対するものである。
  • B 社の売上高は,350,000 万円であり,その 20 % は,D 社に対するものである。
  • C 社の売上高は,250,000 万円である。
  • D 社の売上高は,200,000 万円である。
  • A 社と B 社,B 社と D 社以外の相互間取引はない。

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問25 製造物責任法(PL 法)

製造物責任法(PL 法)において,免責と規定されているものはどれか。

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【答え】

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