平成25年度 秋期 午前 Ⅱ 問題の解答と解説
試験時間は 10:50 ~ 11:30(40 分)である。
問1 情報戦略の投資効果評価
情報戦略の投資効果を評価するとき,利益額を分子に,投資額を分母にして算出するものはどれか。
解答と解説
【答え】エ
問2 TCO の策定
TCO の策定に当たって適切なものはどれか。
解答と解説
【答え】エ
システムを利用することによって,利用部門が時間を浪費することが予想されれば,その時間費用は埋没原価となるので,それも TCO の一部として考慮しなければならない。
問3 エンタープライズアーキテクチャ
エンタープライズアーキテクチャを説明したものはどれか。
解答と解説
【答え】イ
問4 BABOK
BABOK では,要求をビジネス要求,ステークホルダ要求,ソリューション要求及び移行要求の 4 種類に分類している。ソリューション要求の説明はどれか。
解答と解説
【答え】ウ
BABOK (Business Analysis Body of Knowledge) は,ビジネスアナリシスのベストプラクティスを体系化したガイドである。BABOK では,システムに対するユーザ要求を明確に理解するために,要求をビジネス要求,ステークホルダ要求,ソリューション要求,移行要求の四つに分類している。
- ビジネス要求
- 企業全体の目的や目標をまとめたもの
- ステークホルダ要求
- 利用部門など特定のステークホルダからの要求をまとめたもの
- ソリューション要求
- ビジネス要求やステークホルダ要求を実現するための解法・手法をまとめたもの。要件定義に該当する。
- 移行要求
- ソリューション要求を実装(移行)するために必要な環境・機能をまとめたもの
アは「ビジネス要求」,イは「移行要求」,エは「ステークホルダ要求」の説明である。
問5 非機能要件の使用性
非機能要件の使用性に該当するものはどれか。
解答と解説
【答え】ア
機能要件とは,システムを使って実現したいことを説明したものであり,非機能要件とは,そのシステムの機能を問題なく利用し続けるには,どのような品質が必要かを説明したものである。システムに関する非機能要件は,可用性,性能・拡張性,運用・保守性,移行性,セキュリティ,システム環境・エコロジの大きく六つに分類できる。非機能要件の使用性は,運用・保守性に含まれる。
イは「性能・拡張性」,ウは「移行性」,エは「可用性」に該当する。
問6 グリーン購入法
グリーン購入法において,"環境物品等" として規定されているものはどれか。
解答と解説
【答え】ウ
問7 資源配分方針を求めるための手法
市場成長性と相対的市場シェアから,市場と企業の関係を分析し,自社製品や事業についての最適な資源配分方針を求めるための手法はどれか。
解答と解説
【答え】ウ
問8 アンゾフの成長マトリクス
アンゾフの成長マトリクスを説明したものはどれか。
解答と解説
【答え】ウ
ビジネスフレームワークの一つであるアンゾフの成長マトリクスは,経営学者の H・イゴール・アンゾフ(H. Igor Ansoff)が提唱したもので,縦軸に「市場」,横軸に「製品」をとり,それぞれに「既存」「新規」の 2 区分を設け,4 象限(市場浸透,製品開発,市場開拓,多角化)のマトリクスとしたものである。事業が成長・発展できる経営戦略を検討するために適したフレームワークである。
既存製品 | 新規製品 | |
---|---|---|
既存市場 | 市場浸透 | 製品開発 |
新規市場 | 市場開拓 | 多角化 |
問9 コアコンピタンス
コアコンピタンスに該当するものはどれか。
解答と解説
【答え】イ
問10 バリューチェーン
バリューチェーンは,付加価値を生み出す事業活動を五つの主活動と四つの支援活動に分類する。支援活動に該当するものはどれか。
解答と解説
【答え】ア
バリューチェーン分析は,業務を「購買物流」「製造」「出荷物流」「販売・マーケティング」「サービス」という 5 つの主活動と,「調達」「技術開発」「人事・労務管理」「全般管理」の 4 つの支援活動に分類し,製品の付加価値がどの部分(機能)で生み出されているかを分析する手法である。
イ,ウ,エは主活動に該当する。
問11 分析手法
観測データを類似性によって集団や群に分類し,その特徴となる要因を分析する手法はどれか。
解答と解説
【答え】ア
クラスタ(cluster)は,ブドウなどの房を指す言葉で,データ分析ではデータの「群や集団」を意味する。クラスタ分析は,類似性を測る基準を設定し,データ群をクラスタに分類する分析法である。
指数平滑法は,時系列データに重み付けを行って移動平均を算出する加重平均法の一つ。最新データの重みを大きくして傾向を予測する。
デルファイ法は,アンケート調査の集計結果を示したうえで,同じアンケートを繰り返し行い,意見の集約を図る手法。
モンテカルロ法は,乱数を用いたシミュレーションを繰り返して,近似解を求める計算手法である。
問12 マーケティング手法
人から人へと評判が伝わることを積極的に利用することが特徴的なマーケティング手法はどれか。
解答と解説
【答え】エ
問13 ブランド戦略
ブランド戦略における,ブランドエクイティを説明したものはどれか。
解答と解説
【答え】ウ
問14 計画的陳腐化
計画的陳腐化を説明したものはどれか。
解答と解説
【答え】ア
計画的陳腐化は,まだ十分に使える製品に対して意図的に新製品を投入することで,旧製品を陳腐化させ,新製品への買換えを促す手法である。
イはプロダクトライフサイクルにおける衰退期,ウは低価格戦略,エはノーブランド戦略の説明である。
問15 マーケットバスケット分析
マーケットバスケット分析を説明したものはどれか。
解答と解説
【答え】ア
マーケットバスケット分析は,POS データや電子商取引の販売データなどを分析し,一緒に購入される商品の組合せを見つける探索的分析方法である。通常,顧客ごとに週単位,月単位で集計した販売データをもとに購入商品の組合せを分析する。
イ,ウは商圏分析,エは ABC 分析の説明である。
問16 マクロ環境分析
企業が実施するマクロ環境分析のうち,PEST 分析によって戦略を策定している事例はどれか。
解答と解説
【答え】エ
PEST 分析は,主に経営戦略や海外戦略等の策定,マーケティングを行う際に使用し,自社を取り巻くマクロ環境(外部環境)が,現在または将来にどのような影響を与えるか,把握・予測するためのもの手法でである。Politics(政治),Economy(経済),Society(社会),Technology(技術)という 4 つの視点から分析することから,それぞれの頭文字をとり PEST という。
アは購買行動の事例,イはアンゾフの成長マトリクスのうち「製品開発戦略」の事例,ウはアンゾフの成長マトリクスのうち「市場拡大戦略」の事例である。
問17 SECI モデル
SECI モデルにおける,内面化の説明はどれか。
解答と解説
【答え】ア
問18 問題解決技法
特許を分析して生まれた問題解決技法であり,問題(矛盾)を創造的・発明的に解決するための弁証法的な思考法を具体的な方法論にまとめたものはどれか。
解答と解説
【答え】イ
TRIZ は,ソビエト連邦発の問題解決理論・全体最適化理論・システム思考・クリエイティブシンキングである。ロシア語の Teoriya Resheniya Izobretatelskikh Zadatch の頭文字である。
TRIZ は,「特許の分析」によって生まれた問題解決法である。対象を分割する,問題を分離するなどの発明原理を適用することで,問題を創造的,発明的に解決する。
QFD(Quality Function Deployment : 品質機能展開)は,すべての製品開発プロセスに対する要求品質とその代用品質をマトリクス(星取表)を用いて分析し,合理的な製品設計を可能にする製品開発手法である。
シックスシグマは,各種の品質管理技法や統計分析手法を体系的に適用し,プロセスの欠陥を識別・除去する経営管理技法である。
親和図法は,収集したデータを相互の親和性によってグループ化し,解決すべき問題の所在や形態を明確にする問題解決技法。新 QC 七つ道具の一つ。
問19 生産計画
ある期間の生産計画において,図の部品表で表される製品 A の需要量が 10 個であるとき,部品 D の正味所要量は何個か。ここで,ユニット B の在庫残が 5 個,部品 D の在庫残が 25 個であり,他の在庫残,仕掛残,注文残,引当残などはないものとする。
レベル 1 | レベル 2 | レベル 3 | |||
---|---|---|---|---|---|
品名 | 数量(個) | 品名 | 数量(個) | 品名 | 数量(個) |
製品 A | 1 | ユニット B | 4 | 部品 D | 3 |
部品 E | 1 | ||||
ユニット C | 1 | 部品 D | 1 | ||
部品 F | 2 |
解答と解説
【答え】イ
問20 ファブレス
ファブレスの特徴を説明したものはどれか。
解答と解説
【答え】ウ
ファブレスは,「工場を持たない製造業」を指す用語である。ファブレス業者は,生産に伴う固定費(設備費や人件費)を削減できるため,需要変動によるリスクを抑えることができる。また,生産に関する資金を研究開発に振り分けることができるため,技術的な競争優位を確立するのに有効である。
アは「セル生産方式」,イは「かんばん方式」,エは「EMS などの請負専門メーカ」の説明である。
問21 リーダシップ
リーダシップを "タスク志向" と "人間関係志向" の強弱で四つの型に分類し,部下の成熟度によって,有効なリーダシップの型が変化するとしたものはどれか。
解答と解説
【答え】ア
問22 アクションラーニング
アクションラーニングを説明したものはどれか。
解答と解説
【答え】イ
アクションラーニングは,「現実に存在する問題」に対して解決策を提案し,実施する学習方法である。
アは「ケーススタディ」,ウは「シミュレーション学習」,エは「ロールプレイング」の説明である。
問23 在庫補充量
X 社では,1. ~ 4. に示す算定方式で在庫補充量を決定している。第 $n$ 週の週末時点での在庫量を $\text{B}[n]$,第 $n$ 週の販売量を $\text{C}[n]$ としたとき,第 $n$ 週の週末に発注する在庫補充量の算出式はどれか。ここで,$n$ は 3 以上とする。
- 週末ごとに在庫補充量を算出し,発注を行う。在庫は翌週の月曜日に補充される。
- 在庫補充量は,翌週の販売予測量から現在の在庫量を引き,安全在庫量を加えて算出する。
- 翌週の販売予測量は,先週の販売量と今週の販売量の平均値とする。
- 安全在庫量は,翌週の販売予測量の 10 % とする。
解答と解説
【答え】ア
問24 連結賃借対照表
連結賃借対照表作成に関する相殺消去について,適切なものはどれか。
解答と解説
【答え】ウ
問25 派遣労働者の受入れ
派遣労働者の受入れに関する記述のうち,派遣先責任者の役割,立場として,適切なものはどれか。
解答と解説
【答え】エ
労働者派遣法では,派遣先が省令の定めに従って派遣先責任者を任命し,次の事項を行うことを義務づけている。
- 労働者派遣法等の関連法規の規定,労働者派遣契約の内容,派遣元事業主からの通知内容を,派遣労働者を指揮命令する立場の者やその他関係者に周知させる。
- 派遣先管理台帳を作成して,記録・保存する。
- 派遣労働者から受けた苦情に適切に対応する。
- 派遣元事業主との連絡調整を行う。