平成25年度 秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問題の解答と解説

2022年11月18日作成,2023年4月9日更新

試験時間は 10:50 ~ 11:30(40 分)である。

問1 UML を使ったクラス図

UML を使って図のクラス P を定義した。このクラスの操作のうち,公開可視性(public)をもつものはどれか。

UML を使って定義したクラス P
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問1 の解答と解説

【答え】

クラスはクラス名,属性,操作の 3 要素で構成される。個々の操作を定義する際にその公開度も決める。+ の操作はどのクラスからでもアクセス可能となり,- の操作はクラス内からのみアクセス可能,# の操作はクラス内とその回の階層のサブクラスからのみアクセス可能となる。

問2 インスペクション

レビュー方法の一つであるインスペクションにおけるレビューアの行動のうち,作成者との関係に関して考慮すべきことはどれか。

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問2 の解答と解説

【答え】

インスペクションとは,ウォークスルーよりも公式なレビューである。モデレータが主導し,公式な記録・分析を行う。

問3 イベント駆動型のアプリケーション

イベント駆動型のアプリケーションにおけるイベント処理のタイミングを設計するのに有用な図はどれか。

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問3 の解答と解説

【答え】

シーケンス図は,オブジェクト間のメッセージのやりとりを時系列に表すことで,処理がどのように実現されるかを表した,UML ダイアグラムの一つである。

オブジェクトから他のオブジェクトにメッセージを送出して,必要な処理を実行するという考え方で,イベント駆動型アプリケーションにおけるイベント処理のタイミングを設計できる。

その他の選択肢は,以下のとおり。

DFD
データの流れに着目して処理機能を設計するのに有用な図
E-R 図
エンティティ(実体)間のリレーションシップ(関連)で業務を表現するのに有用な図
ペトリネット
並列に生起する事象や同期を記述するのに優れた図式表現

問4 帳票出力ストラテジクラス

デザインパターンの中のストラテジパターンを用いて,帳票出力のクラスを図のとおりに設計した。この帳票出力ストラテジクラスの説明のうち,適切なものはどれか。

帳票出力ストラテジクラス
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問4 の解答と解説

【答え】

ストラテジパターン(Strategy パターン)はデザインパターンの一つで,アルゴリズムだけを切り出して別クラスとして作成したものである。したがって,新規フォーマット用のアルゴリズムが追加しやすい。

ア)クライアントが,それぞれのフォーマットに対応した帳票出力ストラテジクラスを意識する必要がある。

ウ,エ)フォーマットと帳票出力アルゴリズムは,PDF 帳票出力ストラテジおよび HTML 帳票出力ストラテジに記述する。

問5 オブジェクト指向におけるデザインパターン

オブジェクト指向におけるデザインパターンに関する記述として,適切なものはどれか。

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【答え】

オブジェクト指向におけるデザインパターンとは,システムの構造や機能について,典型的な設計上の問題とその解決策を示し,再利用できるようにしたものである。

問6 モジュール強度(結束性)

モジュール設計に関する記述のうち,モジュール強度(結束性)が最も強いものはどれか。

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【答え】

モジュール強度(結束性)とは,モジュールを構成する機能がどの程度強く関連しているかを表す尺度である。ただ一つの機能を実行するようなモジュールでは,モジュール強度が強くなる。モジュール強度が強いほどモジュールの独立性は高くなり,モジュール強度が低い場合は,モジュールの分割を検討する必要がある。

モジュール強度は強い順に,機能的強度,情報的強度,連絡的強度,手順的強度,時間的強度,論理的強度,暗号的強度に分類できる。

同一のデータ構造である木構造を扱う複数の機能を一つのモジュールにまとめている状態は,情報的強度に該当する。

イ)ある特定の時期に実行される複数の機能を一つのモジュールにまとめている状態なので,時間的強度に該当する。

ウ)引数によって機能を切り替えるということは,論理的に関連するいくつかの機能で構成されている状態なので,論理的強度に該当する。

エ)複数の機能を順次実行し,それぞれが共通するデータを扱っている状態なので,連絡的強度に該当する。

参考文献

問7 組込みシステムの "クロス開発"

組込みシステムの "クロス開発" の説明として,適切なものはどれか。

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【答え】

ソフトウェアを実行する機器とは異なる機器でソフトウェア開発を行うことを,クロス開発という。特に組込みシステムでは,実装される機器の多くがソフトウェア開発環境を持たないので,クロス開発が用いられる。なお,開発用システムには,ソフトウェアを実行する機器に実装されるオブジェクトコードを生成するためのコンパイラが必要になる。このようなコンパイラを,クロスコンパイラという。

アはペアプログラミング,イはプロトタイピング,エは XDDP (eXtreme Derivative Development Process) の説明である。

問8 ブラックボックステストにおけるテストケースの設計

ブラックボックステストにおけるテストケースの設計に関する記述として,適切なものはどれか。

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【答え】

ブラックボックステストでは,機能を仕様書で調べて,どのようなデータを入力するとどのような結果になるのかを確認してテストケースを設計する。

ア)テストケースは無作為に抽出するのではなく,入力と出力の関係をいくつかの同値クラス(同じような結果になるグループ)に分けた上で,各同値クラスを網羅するように設計すべきである。

イ)使用頻度が低いものを抽出対象とし,外部仕様を網羅するテストケースを設計すべきである。

エ)このようなテストケース設計を命令網羅という。命令網羅は,プログラムの内部構造に着目するホワイトボックステストに分類される技法である。

問9 全数検査

製品を出荷前に全数検査することによって,出荷後の故障数を減少させ,全体の費用を低減したい。次の条件で全数検査を行ったときに低減できる費用は何万円か。ここで,検査時に故障が発見された製品は修理して出荷するものとする。

[条件]
  1. 製造する個数:500 個
  2. 全数検査を実施しなかった場合の,出荷個数に対する故障率:3 %
  3. 全数検査で発見される製造個数に対する故障率:2 %
  4. 全数検査を実施した場合の,出荷個数に対する故障率:1 %
  5. 検査費用:1 万円/個
  6. 出荷前の故障修理費用:50 万円/個
  7. 出荷後の故障修理費用:200 万円/個
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問9 の解答と解説

【答え】

全数検査を実施しなかった場合,出荷後の故障品の修理費用のみが発生し,その費用は次式で求められる。

500 個 × 3 % × 200 万円/個 = 3,000 万円

全数検査を実施した場合,検査費用,出荷前の故障品の修理費用,出荷後の故障品の修理費用が発生し,その費用は次式で求められる。

500 個 × 1 万円/個 + 500 個 × 2 % × 50 万円/個 + 500 個 × 1 % × 200 万円/個 = 2,000 万円

よって,低減できる費用は 1,000 万円である。

問10 実験計画法を用いたテストケース決定

学生レコードを処理するプログラムをテストするために,実験計画法を用いてテストケースを決定する。学生レコード中のデータ項目(学生番号,科目コード,得点)は二つの状態をとる。テスト対象のデータ項目から任意に二つのデータ項目を選び,二つのデータ項目がとる状態の全ての組合せが必ず同一回数ずつ存在するように基準を設けた場合に,次の 8 通りのテストケースの候補から,最少で幾つを採択すればよいか。

テストケース No.・データ項目 学籍番号 科目コード 得点
1 存在する 存在する 数字である
2 存在する 存在する 数字でない
3 存在する 存在しない 数字である
4 存在する 存在しない 数字でない
5 存在しない 存在する 数字である
6 存在しない 存在する 数字でない
7 存在しない 存在しない 数字である
8 存在しない 存在しない 存在でない
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問10 の解答と解説

【答え】

実験計画法は品質管理の代表的な統計手法である。表によると,学生レコード中の三つのデータ項目「学生番号」「科目コード」「得点」は,それぞれ「存在する,存在しない」あるいは「数字である,数字出ない」の二つの状態をとるので,テストパターンは 8(23)通りになる。「テスト対象のデータ項目から任意に二つのデータ項目を選び,二つのデータ項目がとる状態の全ての組合せが必ず同一回数ずつ存在する」ということは,最少で例えば,次のような組合せを指している。

学生番号 科目コード 得点
存在する 存在する 数字でない
存在する 存在しない 数字である
存在しない 存在する 数字である
存在しない 存在しない 数字でない

よって,8 通りのテストケースの候補から四つを選択すればよいことになる。

一般に,条件が複数ある場合,すべての条件の組合せをテストするとなると,条件が多くなればなるほどテスト量は膨大になっていく。このような場合,条件間に依存関係がなければ,「テスト対象のデータ項目から任意に選んだ二つのデータ項目がとる状態の全ての組合せが必ず同一回数ずつ存在する」という直交表を使用して,必要十分な組合せを決定する方法が考えられる。

問11 テスト項目消化件数とバグ累積件数

図は,テスト項目消化件数 $X$ において,目標のバグ累積件数に到達したことを示す。この図の状況の説明として,適切なものはどれか。

テスト項目消化件数とバグ累積件数
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問11 の解答と解説

【答え】

テスト項目消化件数に対してバグ累積件数は増加し続けており,まだ多くのバグが内在している可能性があることを示している。

問12 全国に分散しているシステムの保守

全国に分散しているシステムの保守に関する記述のうち,適切なものはどれか。

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問12 の解答と解説

【答え】

システムの可用性を高める方法には,障害の発生を抑制して MTBF (平均故障間隔)を長くする方法と,保守性を高めて MTTR (平均修理時間)を短くする方法がある。保守センタを 1 か所集中から分散配置に変えると,保守作業のための移動時間短縮に役立つので,MTTR を短くできる。

ア)遠隔保守は保守作業のための移動時間が短縮できるので,MTTR を短くできる。

イ)故障発生時に行う是正保守は単なる修理なので,MTBF に影響を与えない。

エ)予防保守は障害の発生を防ぐためのものなので,MTBF を長くできる。

問13 ドメインエンジニアリング

銀行の勘定系システムなどのような特定の分野のシステムに対して,業務知識,再利用部品,ツールなどを体系的に整備し,再利用を促進することによって,ソフトウェア開発の効率向上を図る活動や手法はどれか。

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【答え】

特定の分野のシステムに対して,業務知識,再利用部品,ツールなどを体系的に整備し,再利用を促進することによって,ソフトウェア開発の効率向上を図る活動や手法を,ドメインエンジニアリングという。制御系,金融,流通,医療といった特定分野(ドメイン)では,システムの要件も類似するため,ドメインエンジニアリングの充実は生産性,信頼性の向上に役立つ。

コンカレントエンジニアリング
システム開発の各工程のうち,並行可能な工程を同時に行うことによって,開発期間を短期化する開発手法
フォワードエンジニアリング
リバースエンジニアリングによって既存のシステムから解析された設計書をもとに,再構築のシステムを開発すること
リバースエンジニアリング
既存のシステムを解析して,プログラム設計書や機能設計書を作成すること

問14 BABOK におけるソリューション要求

BABOK では,要求をビジネス要求,ステークホルダ要求,ソリューション要求及び移行要求の 4 種類に分類している。ソリューション要求の説明はどれか。

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【答え】

BABOK (Business Analysis Body Of Knowledge) は,IT 活用による事業と業務の改革のための知識体系である。

アはビジネス要求,イは移行要求,エはステークホルダ要求の説明である。

参考文献
  • Masassiah Web Site,「BABOK

問15 NPV

IT 投資案件 X の投資効果を NPV で評価する場合の算出式はどれか。

IT 投資案件 X(割引率:2.5 %)
0 1 2 3 4 5
キャッシュイン 100 90 80 60 50
キャッシュアウト 200
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【答え】

NPV(Net Present Value : 正味現在価値)法は,投資効果を“投資から得られるキャッシュフローの現在価値”の合計で評価する方法である。

キャッシュフローの現在価値の算出には,DCF(Discounted Cash Flow : 割引現金収入価値)法を用いることがある。DCF 法は $t$ 年後の年間キャッシュフローを $C_\text{t}$ とすると,割引率を $r$ とした複利計算で表される。

初期投資額を $I$,想定期間を $n$ 年間とすると,NPV は次の式で表される。

\[ \text{NPV} = \sum_{t=1}^{n}{\frac{C_\text{t}}{(1+r)^n}}-I \]

本問の IT 投資案件 X の投資効果を NPV で評価した結果を下図に示す。

IT 投資案件 X の投資効果を NPV で評価した結果
図 IT 投資案件 X の投資効果を NPV で評価した結果

問16 データとプロセスの対応関係

要求の分析に当たって,データとプロセス(データの作成,読取り,更新,削除)の対応関係を検証するものはどれか。

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【答え】

CRUD マトリックス(エンティティ機能関連マトリックス)は,業務プロセスと取り扱うデータ(エンティティ)との関係をマトリックスで表現したものである。それぞれの業務プロセスでデータをどのように取り扱うかを,作成には C (create),読取りには R (read),更新には U (update),削除には D (delete) をマトリックスに記入する。CRUD マトリックスを利用することで,データとプロセス(データの作成,読取り,更新,削除)の対応関係を検証できる。

問17 プログラムマネジメントの考え方

事業目標達成のためのプログラムマネジメントの考え方として,適切なものはどれか。

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【答え】

プログラムマネジメントとは,同時に進行している互いに関連する複数のプロジェクトを管理する考え方である。プログラムは,プロジェクト群で構成され,個々のプロジェクトが円滑に進捗する基盤を提供し,組織全体の戦略の実現を図る。

イはプロジェクトマネジメント,ウはプロジェクトマネジメントの開発技術マネジメント,エはプロジェクトマネジメントの PMO (Project Management Office) 設置の考え方である。

問18 有機 EL ディスプレイ

有機 EL ディスプレイの説明として,適切なものはどれか。

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【答え】

有機 EL ディスプレイは、電圧を加えると発光する有機化合物で出来た発光層を使用したディスプレイである。昨今では、テレビ画面や PC 用のディスプレイだけでなく、携帯電話のディスプレイとしても実用化されている。

有機 EL ディスプレイを液晶ディスプレイと比較すると,以下のような特徴がある。

  • 視野角が 180 度に限りなく近い
  • 発光そのものに必要な電圧が数 V 程度と低い
  • 非常に薄くつくることが可能
  • 高コントラスト比を達成できる
  • 価格が高い
  • 寿命が短い
  • 大型化が難しい

問19 マルチプロセッサの性能

1 台の CPU の性能を 1 とするとき,その CPU を $n$ 台用いたマルチプロセッサの性能 $P$ が,

\[ P=\frac{n}{1+(n-1)a} \]

で表されるとする。ここで,$a$ はオーバヘッドを表す定数である。例えば,$a=0.1$,$n=4$ とすると,$P\approx 3$ なので,4 台の CPU から成るマルチプロセッサの性能は約 3 になる。この式で表されるマルチプロセッサの性能には上限があり,$n$ を幾ら大きくしても $P$ はある値以上には大きくならない。$a=0.1$ の場合,$P$ の上限は幾らか。

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【答え】

与えられた数式の $n$ を無限大に接近させる極限値を計算する。

\[ \lim_{n\to \infty}{\frac{n}{1+(n-1)a}} \] \[ \lim_{n\to \infty}{\frac{n}{an+1-a}} \] \[ \lim_{n\to \infty}{\frac{1}{a+\frac{1-a}{n}}}=\frac{1}{a} \]

よって,$a=0.1$ の場合,$n$ をいくら大きくしても性能 $P$ は 10 以上にはならない。

$a=0.1$ の場合,CPU 台数 $n$ とマルチプロセッサの性能 $P$ との関係を下図に示す。

CPU 台数とマルチプロセッサの性能との関係

問20 主記憶の平均アクセス時間を短縮させる改善策

ページング方式の仮想記憶において,主記憶の 1 回のアクセス時間が 300 ナノ秒で,主記憶アクセス 100 万回に 1 回の割合でページフォールトが発生し,ページフォールト 1 回当たり 200 ミリ秒のオーバヘッドを伴うコンピュータがある。主記憶の平均アクセス時間を短縮させる改善策を,効果の高い順に並べたものはどれか。

[改善策]
  1. 主記憶の 1 回のアクセス時間はそのままで,ページフォールト発生時の 1 回当たりのオーバヘッド時間を $\displaystyle \frac{1}{5}$ に短縮する。
  2. 主記憶の 1 回のアクセス時間を $\displaystyle \frac{1}{4}$ に短縮する。ただし,ページフォールトの発生率は 1.2 倍となる。
  3. 主記憶の 1 回のアクセス時間を $\displaystyle \frac{1}{3}$ に短縮する。この場合,ページフォールトの発生率は変化しない。
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問20 の解答と解説

【答え】

改善策 a,b,c の主記憶アクセス 100 万(1 × 106)回にかかる所要時間を求める。

改善策 a
  • 主記憶アクセス 1 回の時間が 300 ナノ秒(3 × 10-4 ミリ秒)
  • ページフォールトの発生回数 1 回
  • ページフォールト 1 回当たりのオーバヘッド 40 ミリ秒
所要時間 = 1 × 106 × 3 × 10-4 + 1 × 40 = 300 + 40 = 340 [ミリ秒]
改善策 b
  • 主記憶アクセス 1 回の時間が 75 ナノ秒(0.75 × -4 ミリ秒)
  • ページフォールトの発生回数 1.2 回
  • ページフォールト 1 回当たりのオーバヘッド 200 ミリ秒
所要時間 = 1 × 106 × 0.75 × 10-4 + 1.2 × 200 = 75 + 240 = 315 [ミリ秒]
改善策 c
  • 主記憶アクセス 1 回の時間が 100 ナノ秒(1 × 10-4 ミリ秒)
  • ページフォールトの発生回数 1 回
  • ページフォールト 1 回当たりのオーバヘッド 200 ミリ秒
所要時間 = 1 × 106 × 1 × 10-4 + 1 × 200 = 100 + 200 = 300 [ミリ秒]

以上より,改善策を,効果の高い準に並べると,c,b,a である。

問21 SQL

"社員" 表から同姓同名が存在する社員の氏名を抽出する SQL 文はどれか。

社員
社員番号 氏名 生年月日 所属
0001 新井 健二 1970-02-04 営業部
0002 鈴木 太郎 1975-03-13 総務部
0003 佐藤 宏 1981-07-11 技術部
0004 田中 博 1978-01-24 企画部
0005 鈴木 太郎 1968-11-09 営業部
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問21 の解答と解説

【答え】

"社員" 表から同姓同名が存在する社員の氏名を抽出する SQL 文は,以下のとおり。

SELECT 氏名 FROM 社員 GROUP BY 氏名 HAVING COUNT(*) > 1
HAVING 句

「集計結果に対し何らかの条件を付けて出力したい」という場合には,HAVING 句を使用する。本問では「同姓同名が存在する社員」という条件を付け加えているが,条件の指定方法は HAVING(*) である。

問22 DBMS に実装すべき原子性(atomicity)

DBMS に実装すべき原子性(atomicity)を説明したものはどれか。

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【答え】

トランザクションは,次表の ACID 特性を保持しながら処理を実行する必要があり,この管理を DBMS が行う。なお,ACID はデータベースのトランザクション処理を行う上で必要不可欠とされる 4 つの性質の頭文字を並べた言葉である。

表 ACID 特性
特性 内容
原子性
(Atomicity)
いかなる処理が完了するか,まったく実行されていないかのどちらかで終了すること。具体的には,トランザクションが完了したときの状態は,処理済みか未処理のどちらかしかない。
一貫性
(Consistency)
常に整合性の状態が保たれていること。具体的には,トランザクション処理においてデータベースの一貫性が保てる。
独立性
(Isolation)
複数のトランザクションを同時実行した場合と逐次に実行した場合との処理結果が一致すること
永続性
(Durability)
トランザクションの性状終了後は,更新結果に障害が発生してもデータベースからデータが消えたり,内容が変化したりしないこと。

さらに,トランザクションを安全に利用するための管理機能として排他制御障害回復処理がある。

問23 ストレージ技術

磁気ディスク装置や磁気テープ装置などのストレージ(補助記憶装置)を,通常の LAN とは別の高速な専用ネットワークで構成する方式はどれか。

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【答え】

磁気ディスク装置や磁気テープ装置などのストレージ(補助記憶装置)をネットワーク上に配置する方式として,DAS,NAS,SAN などがある。これらのうち,SAN (Strorage Area Network) はファイバチャネルなどを用いて LAN とは別の高速な専用ネットワークを構築し,そのネットワーク上にストレージを接続する方式である。通常の LAN に大きな負担をかけることなくデータにアクセスすることができる。

DAFS (Direct Access File System)
高スループット,低遅延を実現するファイル共有プロトコル
DAS (Direct Attached Storage)
ストレージを接続したサーバやホストコンピュータをネットワークに接続し,ネットワーク上で共有利用できるようにする方式
NAS (Network Attached Storage)
専用のストレージをネットワークに直接接続し,ネットワーク上で共有利用できるようにする方式。SAN のように専用のネットワークを用意する必要がなく,ネットワーク上からは通常のファイルサーバのように見える

問24 有効期間中に失効になったディジタル証明書の一覧を示すデータ

何れかの理由で有効期間中に失効になったディジタル証明書の一覧を示すデータはどれか。

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問24 の解答と解説

【答え】

CRL(Certificate Revocation List : 証明書失効リスト)には,有効期限内のディジタル証明書のうち失効したディジタル証明書のシリアル番号と失効した日時の対応が提示される。

問25 RPO

メインサイトには,業務サーバとストレージを設置しており,PC から業務サーバのデータを更新している。また,DR (Disaster Recovery) サイトには,メインサイトと同様の待機サーバとストレージを設置している。このとき,RPO (Recovery Point Objective) を最も短く設定できる対策はどれか。

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問25 の解答と解説

【答え】

RPO (Recovery Point Objective : 目標復旧地点) とは,損壊・紛失したデータを復旧させる際の「復旧目標に関わる指標」の一つであり,「データの古さ(世代)」を指す。

ア~エのうち,ア「メインサイトの業務データは,DR サイトに同期レプリケーションを行う。」が,RPO を最も短く設定できる対策である。

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