令和3年度 上期 午後 第二種電気工事士 筆記試験 解答と解説
2021年5月30日(日)午後に実施された令和3年度 上期 電気工事士 筆記試験の解答と解説です。
【注】本問題の計算で $\sqrt{2}$,$\sqrt{3}$ 及び円周率 $\pi$ を使用する場合の数値は次によること。$\sqrt{2}=1.41$,$\sqrt{3}=1.73$,$\pi=3.14$
次の各問いは4通りの答え(イ,ロ,ハ,二)が書いてある。それぞれの問いに対して答えを1つ選びなさい。
なお,選択肢が数値の場合は最も近い値を選びなさい。
受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|
86,418 名 | 52,176 名 | 60.4 % |
No. 1 抵抗での消費電力
図のような回路で,8 Ω の抵抗での消費電力 [W] は。

- 200
- 800
- 1 200
- 2 000
図のような回路の合成抵抗は,次式で求められる。
\[ \frac{20\times30}{20+30}+8=12+8=20 \]回路に流れる電流は,200 [V] ÷ 20 [Ω] = 10 [A] であり,8 [Ω] の抵抗での消費電力は,次式で求められる。
No. 2 銅導線の抵抗
直径 2.6 mm,長さ 20 m の銅導線と抵抗値が最も近い同材質の銅導線は。
- 断面積 8 mm2,長さ 40 m
- 断面積 8 mm2,長さ 20 m
- 断面積 5.5 mm2,長さ 40 m
- 断面積 5.5 mm2,長さ 20 m
銅の抵抗率を $\rho$ [Ω·m] とすれば,問題文の銅導線の抵抗 $R$ [Ω] は,次式で求められる。
\[ R=\rho\frac{4l}{\pi D^2}=\rho\frac{4\times20}{3.14 \times 2.6^2}=3.77\rho \]同様に選択肢の抵抗 $R_1$ ~ $R_4$ [Ω] を求める。(選択肢イの抵抗を $R_1$,選択肢ロの抵抗を $R_2$,選択肢ハの抵抗を $R_3$,選択肢ニの抵抗を $R_4$ とした。)
\[ R_1=\rho\frac{l}{A}=\rho\frac{40}{8}=5\rho \] \[ R_2=\rho\frac{l}{A}=\rho\frac{20}{8}=2.5\rho \] \[ R_3=\rho\frac{l}{A}=\rho\frac{40}{5.5}=7.27\rho \] \[ R_4=\rho\frac{l}{A}=\rho\frac{20}{5.5}=3.63\rho \]直径 2.6 mm,長さ 20 m の銅導線と抵抗値が最も近い同材質の銅導線は,二の「断面積 5.5 mm2,長さ 20 m の銅導線」である。
No. 3 発熱量
消費電力が 400 W の電熱器を 1 時間 20 分使用した時の発熱量 [kJ] は。
- 960
- 1 920
- 2 400
- 2 700
電熱器の発熱量は,次式で求められる。
No. 4 $RL$ 並列回路
図のような回路で,電源電圧が 24 V,抵抗 $R = 4$ Ω に流れる電流が 6 A,リアクタンス $X_L = 3$ Ω に流れる電流が 8 A であるとき,回路の力率 [%] は。

- 43
- 60
- 75
- 80
回路の力率は,抵抗に流れる電流 6 [A] を,回路全体に流れる電流 10 [A] で除して求められる。
No. 5 三相 3 線式回路に流れる電流
図のような三相 3 線式回路に流れる電流 $I$ [A] は。

- 2.9
- 5.0
- 5.8
- 10.0
抵抗 20 [Ω] に印加される電圧は $200/\sqrt{3}$ [V] であるので,三相 3 線式回路に流れる電流 $I$ [A] は,次式で求められる。
\[ I = \frac{200/\sqrt{3}}{20} = 5.78 \text{ [A]} \]No. 6 電線の電気抵抗による電圧降下
図のような単相 2 線式回路で,c-c' 間の電圧が 100 V のとき,a-a' 間の電圧 [V] は。
ただし,$r_1$ 及び $r_2$ は電線の電気抵抗 [Ω] とする。

- 101
- 102
- 103
- 104
b-c 間と b'-c' 間での電圧降下は $2r_2 I_2 = 2\times0.1\times5=1$ [V],a-b 間と a'-b' 間での電圧降下は $2r_1 I_1 = 2\times0.05\times10=1$ [V] である。よって,a-a' 間の電圧は 100 + 1 + 1 = 102 [V] である。
No. 7 単相 3 線式回路
図のような単相 3 線式回路において,消費電力 100 W,200 W の 2 つの負荷はともに抵抗負荷である。図中の × 点で断線した場合,a-b 間の電圧 [V] は。
ただし,断線によって負荷の抵抗値は変化しないものとする。

- 67
- 100
- 133
- 150
電圧 200 V を a-b 間の抵抗負荷(100 Ω)と b-c 間の抵抗負荷(50 Ω)で分圧することになる。(問題で c 点は定義されていないが,b 点から抵抗負荷 200 W を経由した点を c 点とした。)
\[ 200 \times \frac{100}{100+50}=133\text{ [V]} \]No. 8 金属管による低圧屋内配線工事
金属管による低圧屋内配線工事で,管内に直径 1.6 mm の 600 V ビニル絶縁電線(軟銅線)6 本を収めて施設した場合,電線 1 本当たりの許容電流 [A] は。
ただし,周囲温度は 30 °C 以下,電流減少係数は 0.56 とする。
- 15
- 19
- 20
- 27
直径 1.6 mm の 600 V ビニル絶縁電線(軟銅線)の許容電流 27 [A] に電流減少係数 0.56 を乗じる。
No. 9 低圧屋内幹線から低圧屋内電路を分岐
図のように,定格電流 100 A の配線用遮断器で保護された低圧屋内幹線から VVR ケーブルで低圧屋内電路を分岐する場合,a-b 間の長さ $L$ と電線の太さ $A$ の組合せとして,不適切なものは。
ただし,VVR ケーブルの太さと許容電流の関係は表のとおりとする。

電線の太さ $A$ | 許容電流 |
---|---|
直径 2.0 mm | 24 A |
断面積 5.5 mm2 | 34 A |
断面積 8 mm2 | 42 A |
断面積 14 mm2 | 61 A |
- $L= 1$ [m],$A= 2.0$ [mm]
- $L= 2$ [m],$A= 5.5$ [mm2]
- $L= 10$ [m],$A= 8$ [mm2]
- $L= 15$ [m],$A= 14$ [mm2]
- 低圧幹線との分岐点から電線の長さが 3 m 以下であり適切
- 低圧幹線との分岐点から電線の長さが 3 m 以下であり適切
- 電線の許容電流が 42 A(低圧幹線を保護する配線用遮断器の定格電流の 35 % 以上かつ 55 % 未満)であるため,a-b 間の長さは 8 m 以下でなければならず不適切
- 電線の許容電流が 61 A(低圧幹線を保護する配線用遮断器の定格電流の 55 % 以上)であるため,a-b 間の長さは制限がなく適切
No. 10 低圧屋内配線の分岐回路の設計
低圧屋内配線の分岐回路の設計で,配線用遮断器,分岐回路の電線の太さ及びコンセントの組合せとして,不適切なものは。
ただし,分岐点から配線用遮断器までは 3 m,配線用遮断器からコンセントまでは 8 m とし,電線の数値は分岐回路の電線(軟銅線)の太さを示す。
また,コンセントは兼用コンセントではないものとする。

ロの配線用遮断器の定格電流は 30 A であるため,分岐回路の電線の太さは直径 2.6 mm 以上でなければならない。
No. 11 ねじなしボックスコネクタ
金属管工事に使用される「ねじなしボックスコネクタ」に関する記述として,誤っているものは。
- ボンド線を接続するための接地用の端子がある。
- ねじなし電線管と金属製アウトレットボックスを接続するのに用いる。
- ねじなし電線管との接続は止めネジを回して,ネジの頭部をねじ切らないように締め付ける。
- 絶縁ブッシングを取り付けて使用する。
ハ「ねじなし電線管との接続は止めネジを回して,ネジの頭部をねじ切らないように締め付ける。」の下線部が不適切である。
No. 12 600 V ビニル絶縁電線(IV)の絶縁物の最高許容温度
低圧屋内配線として使用する 600 V ビニル絶縁電線(IV)の絶縁物の最高許容温度 [°C] は。
- 45
- 60
- 75
- 90
600 V ビニル絶縁電線(IV)の絶縁物の最高許容温度は 60 °C である。
No. 13 コンクリート壁に金属管を取り付ける
コンクリート壁に金属管を取り付けるときに用いる材料及び工具の組合せとして,適切なものは。
- カールプラグ,ステーブル,ホルソ,ハンマ
- サドル,振動ドリル,カールプラグ,木ねじ
- たがね,コンクリート釘,ハンマ,ステーブル
- ボルト,ホルソ,振動ドリル,サドル
振動ドリルでコンクリート壁に穴をあける。穴にカールプラグ(木ねじ用)を打ち込み,金属管をサドルで固定する。サドルは木ねじでとめる。
No. 14 三相誘導電動機
三相誘導電動機が周波数 60 Hz の電源で無負荷運転されている。この電動機を周波数 50 Hz の電源で無負荷運転した場合の回転の状態は。
- 回転速度は変化しない。
- 回転しない。
- 回転速度が減少する。
- 回転速度が増加する。
回転速度は周波数に比例するので,三相誘導電動機の電源周波数を 60 Hz から 50 Hz に低下させた場合,三相誘導電動機の回転速度は減少する。
No. 15 低圧進相コンデンサ
低圧三相誘導電動機に対して低圧進相コンデンサを並列に接続する目的は。
- 回路の力率を改善する。
- 電動機の振動を防ぐ。
- 電源の周波数の変動を防ぐ。
- 回転速度の変動を防ぐ。
低圧三相誘導電動機に対して低圧進相コンデンサを並列に接続する目的は,回路の力率の改善である。
No. 16 材料の識別
写真の矢印で示す材料の名称は。

- 金属ダクト
- ケーブルラック
- ライティングダクト
- 2 種金属線ぴ
材料の名称はケーブルラックで,ケーブルを支持固定するのに用いる。
No. 17 器具の識別
写真に示す器具の用途は。

- 器具等を取り付けるための基準線を投影するために用いる。
- 照度を測定するために用いる。
- 振動の度合いを確かめるために用いる。
- 作業場所の照明として用いる。
器具等を取り付けるための基準線を投影するために用いる器具で,レーザ墨だし器と呼ばれる。
No. 18 工具の識別
写真に示す工具の電気工事における用途は。

- 硬質塩化ビニル電線管の曲げ加工に用いる。
- 金属管(鋼製電線管)の曲げ加工に用いる。
- 合成樹脂製可とう電線管の曲げ加工に用いる。
- ライティングダクトの曲げ加工に用いる。
工具の名称は,ガストーチランプである。
No. 19 絶縁電線相互の接続
単相 100 V の屋内配線工事における絶縁電線相互の接続で,次のような箇所があった。a ~ d のうちから適切なものを全て選んだ組合せとして,正しいものは。
- 電線の絶縁物と同等以上の絶縁効力のあるもので十分に被覆した。
- 電線の引張強さが 10 % 減少した。
- 電線の電気抵抗が 5 % 増加した。
- 電線の電気抵抗を増加させなかった。
- a のみ
- b 及び c
- b 及び d
- a,b 及び d
絶縁電線相互の接続では,電線の電気抵抗を増加させない。
No. 20 低圧屋内配線の工事方法
使用電圧 300 V 以下の低圧屋内配線の工事方法として,不適切なものは。
- 金属可とう電線管工事で,より線(600 V ビニル絶縁電線)を用いて,管内に接続部分を設けないで収めた。
- ライティングダクト工事で,ダクトの開口部を下に向けて施設した。
- 合成樹脂管工事で,施設する低圧配管と水管が接触していた。
- 金属ダクト工事で,電線を分岐する場合,接続部分に十分な絶縁被覆を施し,かつ,接続部分を容易に点検できるようにしてダクトに収めた。
電気設備の技術基準の解釈では,「合成樹脂管工事,金属管工事,金属可とう電線管工事,金属線ぴ工事,金属ダクト工事,バスダクト工事,ケーブル工事,フロアダクト工事,セルラダクト工事,ライティングダクト工事又は平形保護層工事により施設する低圧配線が,弱電流電線又は水管等と接近し又は交差する場合は,低圧配線が弱電流電線又は水管等と接触しないように施設すること。」と定められている。
No. 21 スイッチボックス部分の回路
図に示す一般的な低圧屋内配線の工事で,スイッチボックス部分の回路は。ただし,a は電源からの非接地側電線(黒色),b は電源からの接地側電線(白色)を示し,負荷には電源からの接地側電源が直接に結線されているものとする。
なお,パイロットランプは 100 V 用を使用する。


確認表示灯(パイロットランプ)は同時点滅である。
「a は電源からの非接地側電線(黒色),b は電源からの接地側電線(白色)を示し,負荷には電源からの接地側電源が直接に結線されているもの」という記述から,複線図は以下の通り。

パイロットランプは,電灯と並列であり,同時点滅とである。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると,パイロットランプ(pilot lamp)とは,次のように説明されている。
電力を消費して動作する機器が通電状態にあることを示す電灯のことである。広義には,点灯することのみで何らかの状態を示す一種の表示装置を含む場合がある。表示灯(ひょうじとう)とも呼ばれる。
No. 22 D 種接地工事
D 種接地工事を省略できないものは。
ただし,電路には定格感度電流 30 mA,動作時間 0.1 秒の漏電遮断器が取り付けられているものとする。
- 乾燥した場所に施設する三相 200 V(対地電圧 200 V)動力配線を収めた長さ 4 m の金属管。
- 乾燥した木製の床の上で取り扱うように施設する三相 200 V(対地電圧 200 V)誘導電動機の鉄台。
- 乾燥したコンクリートの床に施設する三相 200 V(対地電圧 200 V)ルームエアコンの金属箱外箱部分。
- 乾燥した場所に施設する単相 3 線式 100/200 V(対地電圧 100 V)配線の電線を収めた長さ 8 m の金属管。
機械器具の金属製外箱等の接地を省略する場合には,外箱を充電して使用する機械器具に人が触れるおそれがないようにさくなどを設けて施設する場合又は絶縁台を設けて施設する。
No. 23 電線の許容電流を求めるための電流減少係数
低圧屋内配線工事で,600 V ビニル絶縁電線を合成樹脂管に収めて使用する場合,その電線の許容電流を求めるための電流減少係数に関して,同一管内の電線数と電線の電流減少係数との組合せで,誤っているものは。
ただし,周囲温度は 30 °C 以下とする。
- 2 本 0.80
- 4 本 0.63
- 5 本 0.56
- 7 本 0.49
電線管の中に複数の電線を収めた場合,放熱が悪くなるため許容電流を小さくする必要がある。この許容電流を制限するために,電流減少係数がある。
同一管内の電線数 | 電流減少係数 |
---|---|
3 以下 | 0.7 |
4 | 0.63 |
5 又は 6 | 0.56 |
7 以上 15以下 | 0.49 |
16 以上 40以下 | 0.43 |
41 以上 60 以下 | 0.39 |
61 以上 | 0.34 |
No. 24 低圧回路を試験する場合の測定器とその用途の組合せ
低圧回路を試験する場合の測定器とその用途の組合せとして,誤っているものは。
- 回路計(テスタ)と導通試験
- 検相器と三相回路の相順(相回転)の確認
- 電力計と消費電力量の測定
- クランプ式電流計と負荷電流の測定
消費電力量は,電力量計で測定する。
No. 25 絶縁抵抗測定
アナログ形絶縁抵抗計(電池内蔵)を用いた絶縁抵抗測定に関する記述として,誤っているものは。
- 絶縁抵抗測定の前には,絶縁抵抗計の電池容量が正常であることを確認する。
- 絶縁抵抗測定の前には,絶縁抵抗測定のレンジに切り替え,測定モードにし,接地端子(E : アース)と線路端子(L : ライン)を短絡し零点を指示することを確認する。
- 電子機器が接続された回路の絶縁測定を行う場合は,機器等を損傷させない適正な定格測定電圧を選定する。
- 被測定回路に電源電圧が加わっている状態で測定する。
絶縁抵抗測定は,被測定回路に電源電圧が加わっていない状態で測定する。
No. 26 接地抵抗値と電路の絶縁抵抗値
使用電圧 100 V の低圧電路に,地絡が生じた場合 0.1 秒で自動的に電路を遮断する装置が施してある。この電路の屋外に D 種接地工事が必要な自動販売機がある。その接地抵抗値 a [Ω] と電路の絶縁抵抗値 b [MΩ] の組合せとして,「電気設備に関する技術基準を定める省令」及び「電気設備の技術基準の解釈」に適合していないものは。
- a = 600,b = 2.0
- a = 450,b = 1.0
- a = 200,b = 0.2
- a = 50,b = 0.1
D 種接地工事の接地抵抗値は,接地抵抗値は,100 Ω(低圧電路において,地絡を生じた場合に 0.5 秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは,500 Ω)以下であること。
No. 27 アナログ計器とディジタル計器の特徴
アナログ計器とディジタル計器の特徴に関する記述として,誤っているものは。
- アナログ計器は永久磁石可動コイル形計器のように,電磁力等で指針を動かし,触れ角でスケールから値を読み取る。
- ディジタル計器は測定入力端子に加えられた交流電圧などのアナログ波形の入力変換回路で直流電圧に変換し,次に A-D 変換回路に送り,直流電圧の大きさに応じたディジタル量に変換し,測定値が表示される。
- アナログ計器は変化の度合いを読み取りやすく,測定量を直感的に判断できる利点を持つが,読み取り誤差を生じやすい。
- 電圧測定では,アナログ計器は入力抵抗が高いので被測定回路に与えにくいが,ディジタル計器は入力抵抗が低いので被測定回路に影響を与えやすい。
電圧測定では,アナログ計器は入力抵抗が高いので被測定回路に与えにくいが,ディジタル計器は入力抵抗が低いので被測定回路に影響を与えやすい。
No. 28 電気工事士でなければできない作業
「電気工事士法」において,一般用電気工作物に係る工事の作業で,a,b ともに電気工事士でなければ従事できないものは。
- a : 配電盤を造営材に取り付ける。
b : 電線管を曲げる。 - a : 地中電線用の管を設置する。
b : 定格電圧 100 V の電力量計を取り付ける。 - a : 電線を支持する柱を設置する。
b : 電線管に電線を収める。 - a : 接地極を地面に埋設する。
b : 定格電圧 125 V の差込み接続器にコードを接続する。
電気工事士法に紐づく電気工事士施行規則には,電気工事士ではないとできない作業が規定されている。ただし,電気工事士を補助する場合は電気工事士の資格は不要である。
- 電線相互を接続する作業
- がいしに電線を取り付ける作業
- 電線を直接造営材その他の物件(がいしを除く)に取り付ける作業
- 電線管,線ぴ,ダクトその他これらに類する物に電線を収める作業
- 配線器具を造営材その他の物件に固定し,又はこれに電線を接続する作業(露出型点滅器又は露出型コンセントを取り換える作業を除く)
- 電線管を曲げ,若しくはねじ切りし,又は電線管相互若しくは電線管とボックスその他の附属品とを接続する作業
- ボックスを造営材その他の物件に取り付ける作業
- 電線,電線管,線ぴ,ダクトその他これらに類する物が造営材を貫通する部分に防護装置を取り付ける作業
- 金属製の電線管,線ぴ,ダクトその他これらに類する物又はこれらの附属品を,建造物のメタルラス張り,ワイヤラス張り又は金属板張りの部分に取り付ける作業
- 配電盤を造営材に取り付ける作業
- 接地線を一般用電気工作物に取り付け,接地線相互若しくは接地線と接地極を接続し,又は接地線を地面に埋設する作業
No. 29 電気用品安全法
「電気用品安全法」について述べた記述で,正しいものは。
- 電気工事士は,適法な表示が付されているものでなければ,電気用品を電気工作物の設置等の工事に使用してはならない(経済産業大臣の承認を受けた特定の用途に使用される電気用品を除く)。
- 特定電気用品には,
または (PS)E の表示が付されている。
- 定格使用電圧 100 V の漏電遮断器は特定電気用品以外の電気用品である。
- 電気工作物の部分となり,又はこれに接続して用いられる機械,器具又は材料はすべて電気用品である。
特定電気用品には, または <PS>E の表示が付されている。
定格使用電圧 100 V の漏電遮断器は特定電気用品である。(参考)特定電気用品(116品目)一覧 - 電気用品安全法(METI/経済産業省)
電気工作物の部分となり,又はこれに接続して用いられる機械,器具又は材料はすべて電気用品である,というわけではない。政令で定めるものに限定される。
電気用品安全法 第二条 定義
この法律において「電気用品」とは、次に掲げる物をいう。
- 一般用電気工作物(電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第三十八条第一項に規定する一般用電気工作物をいう。)の部分となり、又はこれに接続して用いられる機械、器具又は材料であつて、政令で定めるもの
- 携帯発電機であつて、政令で定めるもの
- 蓄電池であつて、政令で定めるもの
2 この法律において「特定電気用品」とは、構造又は使用方法その他の使用状況からみて特に危険又は障害の発生するおそれが多い電気用品であつて、政令で定めるものをいう。
No. 30 交流の電圧区分
「電気設備に関する技術基準を定める省令」で定められている交流の電圧区分で,正しいものは。
- 低圧は 600 V 以下,高圧は 600 V を超え 10 000 V 以下
- 低圧は 600 V 以下,高圧は 600 V を超え 7 000 V 以下
- 低圧は 750 V 以下,高圧は 750 V を超え 10 000 V 以下
- 低圧は 750 V 以下,高圧は 750 V を超え 7 000 V 以下
電気設備に関する技術基準を定める省令 第二条 電圧の種別
電圧は、次の区分により低圧、高圧及び特別高圧の三種とする。
- 低圧
- 直流にあっては 750 V以下、交流にあっては 600 V 以下のもの
- 高圧
- 直流にあっては 750 V を、交流にあっては 600 V を超え、7 000 V 以下のもの
- 特別高圧
- 7 000 V を超えるもの