科目Ⅰ:エネルギー総合管理及び法規 平成22年度

問題1 エネルギーの使用の合理化に関する法律及び命令

以下の問題文では,

  • エネルギーの使用の合理化に関する法律を「法」
  • エネルギーの使用の合理化に関する法律施行令を「令」
  • エネルギーの使用の合理化に関する法律施行規則を「則」
  • エネルギーの使用の合理化に関する基本方針を「基本方針」
と略記する。

「基本方針」の文章の一部

1 工場等においてエネルギーを使用して事業を行う者が講ずべき措置

[1] 工場等においてエネルギーを使用して事業を行う者は,次の各項目の実施を通じ,設置している工場等(連鎖化事業者については,当該連鎖化事業者が行う連鎖化事業に加盟する者が設置している当該連鎖化事業に係る工場等を含む。以下[1]において同じ。)におけるエネルギー消費原単位の改善を図るものとする。

  1. 工場等に係るエネルギーの使用の実態,エネルギーの使用の合理化に関する取組等を把握すること。
  2. 工場等に係るエネルギーの使用の合理化の取組を示す方針を定め,当該取組の推進体制を整備すること。
  3. エネルギー管理統括者及びエネルギー管理企画推進者を中心として,工場等全体の総合的なエネルギー管理を実施すること。

「法」第19条の3(エネルギー管理者等の義務)の条文の一部

エネルギー管理者及びエネルギー管理員は,その職務を誠実に行わなければならない。

2 エネルギー管理統括者は,エネルギー管理者又はエネルギー管理員のその職務を行う工場等におけるエネルギーの使用の合理化に関する意見を尊重しなければならない。

「法」第15条(定期の報告),「則」第18条(定期の報告)の条文の一部

「法」第15条

特定事業者は,毎年度,経済産業省令で定めるところにより,その設置している工場等におけるエネルギーの使用量その他エネルギーの使用の状況(エネルギーの使用の効率及びエネルギーの使用に伴って発生する二酸化炭素の排出量に係る事項を含む。)並びにエネルギーを消費する設備及びエネルギーの使用の合理化に関する設備の設置及び改廃の状況に関し,経済産業省令で定める事項を主務大臣に報告しなければならない。

「則」第18条

法第15条第1項(法第19条の2第1項において準用する場合を含む。)の経済産業省令で定める事項は,前年度における次に掲げる事項とする。

一 エネルギーの種類別の使用量及び販売した副生エネルギーの量並びにそれらの合計量

二~四 略

五 エネルギーの使用の合理化に関する法第5条第1項に規定する判断の基準(以下「判断基準という。)の遵守状況その他のエネルギーの使用の合理化に関し実施した措置

六,七 略

八 判断基準に定めるベンチマーク指標に基づき算出される値

「法」第8条(エネルギー管理者),「令」第3条(第一種エネルギー管理指定工場等の指定に係るエネルギーの使用量),「則」第8条(エネルギー管理者の選任)関連の文章

あるガス供給業の工場において,毎年度のエネルギー使用量を集計した結果,原油換算値で105100キロリットルであった。この工場は第一種エネルギー管理指定工場等に指定された後,6箇月以内にエネルギー管理者を2人選任することが必要である。

「法」第7条(特定事業者の指定),「令」第2条(特定事業者の指定に係るエネルギーの使用量)関連の文章

工場等を設置している者のうち,工場等全体(本社,工場,支店,店舗など)の1年間のエネルギーの使用量が合計して原油換算値で1500キロリットル以上のものは,エネルギーの使用の合理化を特に推進する必要がある者として,特定事業者の指定を受ける。

「法」第7条の2(エネルギー管理統括者),「法」第7条の3(エネルギー管理企画推進者),「法」第13条(エネルギー管理員),「法」第19条の2(準用規定)関連の文章

特定事業者(又は特定連鎖化事業者)は,エネルギー管理統括者とエネルギー管理企画推進者とを選任しなければならない。エネルギー管理企画推進者はエネルギー管理士免状の保有者,又はエネルギー管理講習を修了している者から選任されなければならず,エネルギー管理統括者を実務面から補佐する役割を担う。

「法」第2条(定義),「令」第1条(定義),「則」第4条(換算の方法)関連の文章

ある工場の前年度の燃料などの使用量は以下のとおりであった。

  1. 一般電気事業者から購入した電気の量を熱量に換算した量が3万6千ギガジュール
  2. 風力発電設備で発電した電気の量を熱量に換算した量が1千ギガジュール
  3. 発熱量換算8万1千ギガジュールの都市ガスを自工場のコージェネレーション設備に供給し,発電して使用した電気の量を熱量に換算した量が2万8千ギガジュール,並びに生成して使用した蒸気及び温水の熱量を燃料の発熱量に換算した量が3万3千ギガジュール
  4. ボイラで消費した廃棄食用油の発熱量が2千ギガジュール
  5. 隣接する他企業の工場において余剰で放散されていた蒸気の供給を受け,使用した蒸気の熱量を燃料の発熱量に換算した量が1万3千ギガジュール

この工場が前年度に使用した「法」で定めるエネルギー使用量を算出するには,前述のa~eのうちのaとcとeを合算することとなり,合算量は原油換算エネルギー使用量で3354キロリットルとなる。

aとcとeを合算すると,
36000+81000+13000=130000[GJ]
これを原油換算すると,
130000[GJ]×0.0258[kl/GJ]=3354[kl]

「法」第2条(定義),「則」第3条(燃料の種類)関連の文章

「法」で定める燃料の使用量には,燃焼の用途に用いられる灯油に加えて,燃料電池による発電に用いられる灯油も含まれる。

「法」第16条(合理化計画に係る指示及び命令)関連の文章

主務大臣は,特定事業者が合理化計画を実施していないと認めるときは,当該特定事業者に対し,合理化計画を適切に実施すべき旨の指示をすることができる。この指示を受けた特定事業者がその指示に従わなかったときは,その旨を公表することができる。

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