電気通信システム 対策ノート「電気回路(直流回路)」

2019年5月18日作成,2021年9月1日更新

電流

電流 $i$ は電荷 $q$ の時間変化として定義される。

\[ i = \frac{\text{d}q}{\text{d}t} \]

電荷 $q$ の単位としてクーロンが用いられ,記号 C で表される。また,電流 $i$ の単位としてクーロン/秒すなわちアンペアが用いられ,記号 A で表される。時間的に変化しない電流 $I$ を直流電流といい,周期的に大きさと向きが変化する電流 $i$ を交流電流という。

電圧

電位差のある 2 点を導体で結べば,電位の高い方から電位の低い方へと電荷が移動して電流が生ずる。電位差を発生させる装置の一つとして電池があり,起電力を持っているという。起電力 $E$ と電圧 $V$ は単位としてボルトが用いられ,記号 V で表される。時間的に不変である電圧 $V$ を直流電圧,周期的に大きさと向きが変化する電圧 $v$ を交流電圧という。

電力

抵抗器が消費する電力 $P$ は,抵抗器の両端の電圧 $v$ と抵抗器に流れる電流 $i$ の積で表される。

\[ P = vi \]

ここに,$R$ にかかる電圧 $v$ は $Ri$ であり,$i$ は $Gv$ であるから,電力 $P$ は次式で表される。

\[ P = vi = Ri^2 = Gv^2 = \frac{i^2}{G} = \frac{v^2}{R} \]

合成抵抗

オームの法則

加えられた電気エネルギーを蓄積することなく消費する素子を抵抗素子といい,下図で示す図記号で表す。

抵抗の図記号
図 抵抗の図記号

普通の抵抗素子では,オームの法則が成り立つ。

\[ V = RI \]

すなわち,電流 $I$ は加えられた電圧 $V$ に比例する。ここに,比例定数 $R$ を電気抵抗または単に抵抗といい,単位としてオームが用いられ,記号 Ω で表される。抵抗 $R$ の逆数 $G = 1/R$ をコンダクタンスといい,単位としてジーメンスが用いられ,記号 S で表される。

キルヒホッフの法則

キルヒホッフの第一法則(電流連続の法則:Kirchhoff's current law)

任意の導線の接続点に流入する電流の代数和は 0 に等しい。一般には,次式で表される。

\[ \sum_{k=1}^n I_k = 0 \]

ただし,流入する電流はそのまま,流出する電流は符号を反転してから総和を取ることとする。

キルヒホッフの第二法則(電圧平衡の法則:Kirchhoff's voltage law)

回路網中の任意の閉路において,その閉路を構成する枝の電位差の代数和は 0 に等しい。一般には,次式で表される。

\[ \sum_{k=1}^n V_k - \sum_{k=1}^n E_k = 0 \]
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